はなきん話。

今日はプレミアムフライデー、らしい。

新しいものにはもれなく反感を持つ私としては、やはり気にいらない。

だいたい、月に1回というのがケチ臭い

タレントまで雇って大層に宣伝するなら、毎週金曜早帰りくらいの約束してみろバカ、と、怠け者の私などは思うわけである。

さらに気に入らない最大の点は、なんといってもその名称である。

政府の肝煎り、鳴り物入りで始まる新制度が、何でスーパーの特売日みたいな英語なのか。

休み前の金曜日の、ウキウキした気分を表すなら、いいのが既にあるじゃないか。

花の金曜日、略してハナキン

バブルの残り香がチョイと気になるが、間が抜けてて明るくて、いい言葉だと思う。

少なくとも、プレミアムナントカよりは数倍マシだ。

ところが周りの若い衆に聞いてみたところ、このハナキンも半ドン同様、(→ 「はんどん話。」)もはや死語らしい。

ハナキン?スターウォーズの…?

違う!それはアナキン スカイウォーカー!

あなきんすかいうぉーかー
( "The Chosen one"  Anakin Skywalker )



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むかしむかし | コメント(8) | トラックバック(0) | 2017/02/24 11:12

あまざけ話。

あまり好き嫌いのない私だが、どろどろして薄ら甘いものがちょっと苦手だ。

おかゆはキライだし、バナナジュースやシェイクも好きではない。

スムージーなんてものが流行ったが、固形で食べられる果物や野菜を、わざわざ電気を使って粉砕する意味が分からない。人間には歯というものがあるだろう。

この手の苦手食品の一つ、甘酒が、ちかごろ流行っているらしい。

夕方のローカルニュースで、自家製甘酒の作り方を紹介している。

灘や伏見に酒どころのイメージを奪われ、パッとしないわが県だが、実は清酒発祥の地であって、県内には酒造所がたくさんあるのだ。

甘酒そのものには興味は無いが、地場産品には注目しておこうと、腰を据えて見た。

…米麹210グラムをよくほぐします…

なるほど酒粕ではなく麹を使うのだな。

…炊いたご飯210グラムはさましておき、さきほどの麹とよく混ぜます…

ん?

…次にボウルに80度のお湯580ccを注ぎます…

んんん?

なんで580cc?

どうして210グラム?

キリのいい200グラムと550ccでいいように思うが、それじゃダメなのだろうか。

甘酒苦手な私には、もとより無関係なことではあるが、どうやら甘酒作りは厳密な計量を要する、むずかしいものらしい。

あまざけ
(甘酒が飲める酒蔵カフェには行ってみたい→久保本家酒造 酒蔵カフェ


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てれびじょん | コメント(8) | トラックバック(0) | 2017/02/23 11:02

しゅうかつ話。

テレビを見ていたら、年配の男女が出てきて、ニコニコと自分たちのシュウカツについて話している。就職活動かと思ったら、終活だという。

終活とは、葬儀や墓など、自分の死んだ後の事前準備をすること。

近頃は誰かが何か思いつくと、すぐ「○○活」で、流行り物の嫌いな私は反感を持っているが、残された者に迷惑をかけまいという心がけはアッパレである。

数年前に亡くなった父が、生前そういうことを一切口に出さなかったため、どうするのが父の意にかなうのか、いろいろ迷った。(→ 「おはかの話。」

一言、俺が死んだらこうしてくれよ、と言い残してくれていたら、母もどんなに気が楽だったろう、と何度も思ったものだ。

しかし番組を見ているうちにだんだん違和感が膨れ上がってくる。

出演者はみな、墓は要らない、葬儀も要らない、と、こだわらない風を装っているが、よくよく聞けばそうでもない。

夫の実家の代代の墓には絶対入りたくない、とか、思い出のあの海に遺灰を撒いてほしい、とか、漠然と死んで漫然と墓に入るより、よほど強いこだわりである。

彼らの死後の希望を聞くうちに、つい、やらされる側の気持ちになり、ああメンドクセエ、と思ってしまった。

でっかい墓や盛大な葬式を要求するのも迷惑だけど、ナントカの曲を流せとか、ナニナニの木を植えろとか、コマゴマ指示を残すのも、同じくらいワガママじゃないのだろうか。

死ぬのは怖い。死んだ後のことを考えるのも怖い。

だから自分の思うままになると想像すれば、その時少しは安心していられるのかもしれない。

私ならどうかちょっと考えてみた。

私は自分は死んだら物体になると思っている。

物体になったら、法律に触れない限り、残った者が一番楽な方法で片付けてくれればいい。

逆に、どーしても私の偉業をたたえ、後世に残したい!と思うなら、巨大な墓石を立て、何千人も会葬者を集めて、ど派手な葬式をしてくれてもかまわない。

どんなハズカシイ葬式でも、物体だから平気だ。

テレビを見ながら、ちょうどそこにいたムスメとムスコに言ってみた。

アタシはさ~ 葬式だの墓だの 本当にどーでもいいから! 何をどうしたって化けて出たりしないから!

2人はちょっとギョッとした様子だったが、わりに素直にうなずいた。

子供には、これから時々こういうことも言っておこう。それが私のシュウカツである。

2001ねんうちゅうのたび
(全人類の墓標 「2001年宇宙の旅」より)



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てれびじょん | コメント(16) | トラックバック(0) | 2017/02/22 11:36

おはかの話。

父が亡くなって困ったのは、お墓をどうするかということであった。

父は5人兄弟の三男なので、うちにはお墓も仏壇もなかった。

自分が死んだらどうしろこうしろと、事細かに指図を残す人もあるようだが、物言わずの父の意向は、50年そばにいた母も知らなかった。

うちは女の子しかいないしねえ… 永代供養でいい気もするんだけど…

いいんじゃない だったらタカコおばちゃんと同じとこにしたら?

遠縁のタカコおばちゃんのお参りは、父亡き後、私の仕事になっている。(→ 「やさしい話。」

でも、お墓がなくって、本当にいいのかしら…

さあ… おとーさんって そういうのこだわらない人だったでしょう?

そうねえ…

いっつも「お前らのエエようにしたらエエ」しか言わなかったじゃない

そうねえ…

だから おかーさんのエエようにしたらエエと思うよ

そうねえ…

そうねえ、そうねえと言いながら、話はなかなか決まらずに、春が過ぎ、夏が過ぎた。

秋風が吹き始めたころ、母はを見た。

病院で亡くなったはずの父が、食卓のいつもの位置にいつものように座って、新聞なんか読んでいる、と思ったら、ふと顔をあげ、母に向かって

ちょっと寒いなぁ…

と言ったのだという。

朝起きてすぐ、母は見晴らしの良い丘陵の霊園に、予約の電話を入れた。

やっぱりお墓に入れてあげることにする おとーさん寒いって言ってたから…

母の決めたことに否やはない。丘の上の霊園に、父のお墓ができた。

今年ももうすぐ、父の命日だ。

おぼんのれいえん



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ごかぞく | コメント(10) | トラックバック(0) | 2017/02/21 11:07

あがらぬ話。

今日も展覧会の受付当番。

初日よりは人出が多くなった。会場内でstaffの名札など下げて、作品の説明をしていると

ぢょん子さん!お客様…

と、声がかかった。

振り返ると、受付の前に小柄な女性。リュックにニット帽で、山歩きにでも出かけるような姿だ。

どなたか心当たりがなくて、首をかしげながら近づくと、相当の年配に見える女性は

マチダです ぢょん子ちゃんお久しぶり!

と、ハリのある声でおっしゃるので驚倒する。

先生?!まさか、マチダ先生ですか?!

ハイ~ マチダですよ ぢょん子ちゃんお久しぶり!

先生に、まるで同じことを2回言わせてしまった。

私がそれほど驚いたには理由がある。

マチダ先生は、私の幼稚園の先生である。

卒園以来50年、年賀状のやりとりが続いているが、お会いする機会はなかった。

確か大学生の時分、駅で偶然お見かけして、立ち話をしたのが最後だから、30年は過ぎている勘定になる。

教わっていた時分、ゆうに30は過ぎて見えたから、今は80代か、もしかしたら90か。

近況報告のつもりで作品展の案内を差し上げたが、ご高齢でもあり、来ていただく気持ちなどさらさらなかった。

まさかこんなにシャンシャン歩いて、電車に乗ってバスに乗って、お一人で来てくださるとは。

先生は、丹念に一つ一つの展示をご覧になり、わからないことはいちいち質問をなさる。その質問の的確さ、知的好奇心の旺盛なこと、若い人に勝るとも劣らない。感嘆して

先生ちっともお変わりにならない!

と申し上げると、ホホホ…なんて笑っていらっしゃる。すっかり先生のファンになったお友だちが

ぢょん子さんは変わりましたか?

と尋ねると

昔はかわいかったですよ

と、ニコニコされた。

頭が上がらない、というのは、まったくこういうことを言うのである。

ようちえんのしゅうごうしゃしん



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むかしむかし | コメント(8) | トラックバック(0) | 2017/02/20 11:17
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