かんぱん話。

うちの町会では、数年前から防災記念日に、各家庭に防災用品を配る。

従来は行事や会食に使っていた町内会費が、地区の高齢化により使い切れなくなったためらしい。

主に非常食なので、ありがたくもらって避難用リュックに入れているが、本来の用途で使うことはなく、賞味期限を迎えたのは、まずは目出度いというべきであろう。

しかしこの、カンパンというやつ、どう食べればいいのだろうか。

どうしたもんかと思いつつ、賞味期限の過ぎたカンパンが、実は2缶もある。

何の気なしに職場でその話をしたら、期限切れのカンパンを持っている人が、いるわいるわ。

だいたいが長持ちするもんでしょ 1か月くらい期限切れてても…

そう!食べりゃ食べれると思うと 捨てにくいわよね!

捨てた瞬間地震が来る気もするしサ…

ハハハ…それはナイわ!てか新しいの買ってから捨てればいいじゃない!

あ、そっかあ!

それはともかく、カンパンをいかに食べるか。

パン粉にしようと砕いてみた人がいた。フライに使えなくはないが、揚げると混ぜてあるゴマが、パチパチはぜて焦げるという。

かたいから、と牛乳に浸けた人もいた。ひと晩浸けてもちっとも柔らかくならない。フォークで砕くと、ようやくグジュグジュになったので、バターを敷いたフライパンで焼くと、家族は

これ何…?

と気味悪そうに遠巻きにし、誰も手を出さなかったそうだ。

結局そのまま食べるのが一番ってことかあ!

パサパサするから、牛乳がいっぱいいるわよ

牛乳のパックをドンと横において…

カンパンをバリバリ食べるオバサン…

怖いわね!

コワい!

人には見られたくない姿よね

じゃあ、家族が寝静まってから…

一心不乱にカンパンをバリバリ…

キャー!コワい!もっと怖い!

確かに鬼気迫る状況だが、もっと怖いこと。

カンパンひと缶は400キロカロリー。成人の一食分として十分な高カロリーである。

そんなものを家族が寝た後、牛乳飲み飲み夜中に食べたら…

キャー!



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/09/24 11:34

めざめた話。

まだ、薄暗い中で目が覚めた。時計を見ると6時前

寝る前に1ページでも読もうと手にした本が、読み進まないままフトンの横にあった。

身体を起こすと、よく眠れたようでスッキリしている。

お手洗いと洗顔を済ませ、フトンを上げようと寝室に戻ると、いつもと同じ朝のはずが、違和感がある。

ハッと気づいた。枕元のスタンドが消えている

読書灯をつけてフトンに入っても、寝つきの良い私はだいたい、切らずに寝入ってしまうから、起きた時は点けっぱなしになっているのが常だ。

今日に限って消してから寝た?ありえない。

誰かが消したのか?と一瞬ヒヤリとしたが、玄関を確かめるとカギはかかっていた。

分かった、電球だ!電球が切れたに違いない、疑問氷解!ところが念のためスイッチを触ると、パチリと明るく点いてしまった。

ヘンだなあ、電球でもない。首をひねりつつ、コーヒーを淹れる。珍しく、グーとお腹が鳴った。

なんだか調子が狂うなあ。

マグカップを持ってリビングに行くと、ここも何となくヘンである。ソファに腰を下ろしかけて、窓の外に目をやった時、アッと声が出た。

慌ててテレビを点けると、見慣れたニュースキャスターが、夕方のニュースを伝えている。

ヒルネだったのだ。

今朝はいつもよりかなり早く、あわただしく出かけて、寝不足だった。帰宅して敷きっぱなしのフトンに、ちょっとだけ、ともぐり込んだのだ。

スタンドが点いてなかったのは、フトンに入った時、まだ部屋が明るかったせいだ。

今日という日はまだ残っていた。

始まると思っていた1日は、これから終わる1日だった。

ソンしたような、トクしたような、妙な気分で、とりあえずコーヒーを飲んだ。

めざましどけい
(「朝じゃないよ!朝じゃないよ!」)



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もろもろ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2017/09/21 11:30

すけきよ話。

洗面所の棚が散らかってきたので、整理することにした。

ほぼスッピンの私だが、鏡の中のわが顔面に愕然とし、かくてはならじと買い込んだ多少の化粧品はある。

しかしながら無精者の悲しさ、そのほとんどが使い切られないまま年月を経る。

化石となった化粧品をポイポイとゴミ袋に入れていると、新品のチューブが1つあった。

使った記憶が一切ない「お顔スッキリパック」なるもの。

そう自称するからにはお顔がスッキリするのだろう。

使わずに捨てるのは残念なので、1度顔に塗ってみることにした。

しかしこのパック、どうやって使うものか。どうやら外箱に効能や使用法が書かれていたらしいが、その箱はすでに無い。

スグミル種の私(→ すぐみる話。)は、買い物から帰るなり、あらゆる箱や袋をバリバリと開けて中身を出し、捨ててしまう。

おかげで狭い家を散らかさないで暮らしているわけだが、このように困ることもある。

チューブから出た白いクリームを顔に塗り伸ばしてみたが、さて、この先どうすべきか

パックとあるから、塗ったまま浸透させるのではないだろう、とは見当がつく。

一定時間経過後、取り除くことによって、お肌の汚れが取れて潤いが残る、それがパックである。

その取り除きかたが分からない。

どれほどの時間を置くのか、また、乾いてからはがすのか、拭き取るのか、洗い流すのか。

真っ白になった顔でしばらく待ってみたが、クリームの表面は少し乾いたようでもあり、そうでないようでもある。

頬のあたりは湿り気があるようだが、鼻の周囲がつっぱってきた気もする。

今のところ確たる効能は感じられない。

そのまま昼ごはんのお皿を洗い、コーヒーのおかわりを飲んでいると、

♪ ぴんぽーん ♪

待っていた荷物だ。インターフォンに応答し、ドアを開ける手を、すんでのところで止めた。

こんなスケキヨ状態で玄関を出るわけにはいかない。

慌てて洗面所に走り、乾いたようなそうでないようなパックを洗い流し、さらにタオルでごしごしと拭いた。

宅配のオジサンに、待たせたお詫びを言いつつ、荷物を受け取った。

ムリヤリ拭き取った顔面は、パックを塗る前よりゴワゴワして、スッキリしない

もはや何の未練もなく、「お顔スッキリパック」のチューブを、ゴミ箱に捨てた。

すけきよ
(「お待ちなさいスケキヨ!玄関を出ては…」)



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2017/09/19 11:33

しきさい話。

オシャレの鉄則は季節の先取り。街を行く女性の服装はすっかり秋だ。

落ち着いた色合いを身につける人が増えて、そうなるとハデ好きの私は断然不利である。

強い日差しに映える原色が行き交う夏なら、少々ハデな格好をしていても、目に立つことはないが、シックな秋の装いに交じると

なんだあのハデなオバサンは…

そう思われるのではないか、と、落ち着かない。

私はだいたい中間色というやつが苦手だが、それには理由がある。

先日、すれ違った女性が、茶色のブラウスを着ていた。

ぶらうんのぶらうす

黄みを含んだこっくりした濃い茶色の、ツヤのある布地。衿ぐりも袖つけも流行のデザインだが、問題はそこではない。

… う○この色だ …

心の中の小学生が、そうささやくのである。

私も50を過ぎて、いつまでもみたいな格好をしてはいられない。

しかし、年相応に落ち着いた色合いの服を手にとると

カサブタみたい…

胆汁みたい…

治りかけのハナミズみたい…


と、こんな時ばかり、驚くほど豊かな連想が働くのである。

今日は、おばーちゃんとランチのため、心の小学生を何とか黙らせて購入した、ワインカラーのシャツを着てきた。

オシャレなおばーちゃんは、会うなり私の服装にふれ

アーラ珍しい!シックなシャツ着て…

おかしい?

おかしくない 似合うよ!

と言うので気をよくしていたら

血豆みたいな色ね!

と来た。

そうだった、そして私のハデ好きは、この人からの遺伝でもあるのだった。



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もろもろ | コメント(14) | トラックバック(0) | 2017/09/18 11:30

ぞろめの話。

平日のショッピングセンターはほどほどの人出。

台風が近づいているせいか、朝から気分が冴えない。たまには甘いものでも食べて元気を出そうと、チェーン店のベーカリーカフェに入った。

ランチタイムの喧騒が去って、ノンビリした店内。ゆっくりメニューを見て、コーヒーと、アイスをのせたデニッシュパンを注文した。

でにぶらん

…ホットのラテと …デニッシュで …円になります

サイフを開けながら、レジのデジタル表示で金額を確かめると

777.

こういう時黙っていられないのがオバサンというものである。

アラ!ゾロ目

コーヒー色のエプロンをかけた店員さんは、笑ってふだんの顔になり

時々出ますね 777円… レジ打っててもオッと思います

なんとなく嬉しいわ なにしろ ふだん嬉しいことがあんまりないからね

つい口が滑った。もう1人の店員さんが、コーヒーを淹れながらフフフ…と笑っている。

コーヒーだけのったトレイを受け取り

お呼びしますから お席でお待ちください

そう言われて、ケイタイのメールをチェックしながらコーヒーをすすっていたら

お待たせしました~

フフフの人がパンのお皿を席まで持ってきてくれた。

呼ばれて取りに行くつもりだったので、驚いてお礼を言ったら、いえいえと顔の前で手をふり

これから休憩なんです

お皿を置いて、STAFF ONLYの扉のむこうに去って行った。

ふとカウンターを見やると、レジの人もこっちを見て、ニコニコしている。

トーストした熱いパンの上で、ソフトクリームとシロップがゆっくりと溶けている。いつもよりもソフトクリームがたっぷりな気がするが、たぶん気のせいだろう。

食べ終えたトレイを返却口に戻し、カウンターの中に

ごちそうさま!

声をかけて外に出た。

ポケットに手を入れたら、ゾロ目のレシートが触れた。なんとなく捨てずに、サイフに入れた。



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もろもろ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2017/09/16 12:03
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