ガイコク本。

私が「ガイコク」を実感したのは、1970年の大阪万博だったと思う。

映画やテレビじゃなく、生きて動いてそこにいる外国の人たちをはじめて見たのが万博だった。

それ以前の幼い私にとって、ガイコクとはこの本の中のことであった。

かろりーぬ

カロリーヌちゃんは小さい女の子なのに、8匹のややこしい動物たち(犬猫だけじゃなく、クマやライオンの仔までいる!)を連れて、世界のあちこちに旅をするのだ。

ヨーロッパ周遊ドライブ(犬が運転!)、先祖を訪ねてカナダ調査旅行、インドのジャングルで虎に遭い、水上飛行機で北極へ。

オランダの木靴と丸いチーズ、チロリアンハットにプレッツェル、運河をゆくゴンドラ、長い長いアルペンホルン、森の木からとるメイプルシロップ、エスキモーのカヌーや犬ぞり、全部この本で知った。

日本の田舎の木造平屋で、畳に腹ばいになって何度も何度も、覚えるほどこの本を読みかえしながら、私は何を思っていたのだろう。

行ってみたい!という気持ちは、不思議なくらいなかった。

金髪碧眼のカロリーヌちゃんの旅は、あまりにも現実離れしていて、うらやましいとさえ思わなかった。

「ガイコク」は、「昔々、あるところに」の「あるところ」と同じ、どんなに願っても、決して行けない場所。

本で見た国のいくつかに、将来行くこともあるなんて、あの時の私は夢にも思わないだろうな。

昭和43年、小学館刊。またしても絶版ですが、BL出版というアヤシイ名前の出版社から、復刻版が出ています。




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ブックガイド | コメント(12) | トラックバック(0) | 2014/05/11 14:05

おくれた話。

映画の帰りにファミレスに入った。

私は生ビール、ムスコはドリンクバーのコーラなど飲みながら、見てきた映画の話などしてのんびりする。

やがて私のカツとじ定食は来たが、ムスコの角煮チャーハンが一向に来ない。

いくらのんびりしてるとはいえ、かれこれ30分。さすがに催促すると、ウエイトレスがいったん引っ込んでから出てきて言う。

申し訳ありません、角煮を切らしておりまして、単品のチャーハンでしたらすぐにご提供できますが…

ちょっと待って、お姉さん。それはナイでしょう。だったらなんでスグそう言いに来ないの。

こういう時、私はちょっとコワイらしい。慌ててまた引っ込んだお姉さんの代わりに、タキトウケンイチみたいな、涙っぽい目のお兄ちゃんが、小走りで私たちの席にやってきた。

要するに、この店の角煮チャーハンの角煮はホントはレトルトなんだけど、その在庫がなかったわけ。

何とかご注文におこたえしようと、自分なりの角煮を作ろうとしていて、時間がかかりました。

で、結局できなかったわけね。

待てないムスコは角煮ナシのチャーハンを食べたが、タキトウ君の自分なりの角煮というのも、ちょっと見てみたかった気がする。

たとえゆっくりでも… オレの… 自分なりの… 角煮を…。

タキトウ氏

(写真は参考画像で、記事内容には関係ありません)



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ごきんじょ | コメント(14) | トラックバック(0) | 2014/05/09 22:16

まないた話。

結局どっこも行かなかった黄金週間、テレビで旅番組などを見て外出気分を味わう。

タレントが漁船に乗せてもらって、騒いでいる。

騒いだ挙句に釣れないで、漁師さんが昨日釣っておいた魚をさばいて…は、お約束。

それにしても漁船のまな板はなぜみんなあんなにキタナイのか。

お魚がピカピカの釣れたてだけに、靴の裏ほど黒ずんだまな板が気になる。

遠く離れた海の上のまな板は、私にはどうすることもできないので、せめてもと思い、自分ちのまな板を洗って削り、天日に干した。

そんな連休。



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てれびじょん | コメント(22) | トラックバック(0) | 2014/05/07 09:06

きのどく話。

黄金週間は続く。

わが町に来て鹿にたかられている皆様にはお気の毒に思う。

きゃつらは天然記念物なので、何をされても反撃できないのがつらいところだ。

ひどい

公園内にたくさん立っているこの看板だが、被害者にされているのが、よりによっていたいけなおさげの少女と、杖を突いた上品そうな老婦人なのはひどくないか。

しかも、少女はたたかれ、突かれ、老婦人は噛まれ、突進され、それぞれ2回被害に遭っている。

二人とも、最初にたたかれ、噛まれたときに、行楽などあきらめて帰ればよかったものを。

気の毒すぎる

看板にするなら、肩をくっつけあってよろよろ蛇行しているバカップルとか、観光バスの中でビールを飲んじゃって昼間っから赤黒くアブラびかりしているオッサンの群れを、鹿に襲わせりゃいいのに。

ついでに4か国語で

鹿は下品な人を襲います!

とでも書いておいてくれればな~。



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ごきんじょ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2014/05/05 15:54

こふんの話。

黄金週間、わが町にもたくさんの観光客がいらしている。

とはいえ、大型テーマパークも、若者に人気のスポットもない土地だから、静かなものだ。

観光の目玉といえば、仏像古墳、そして野放しの鹿。いくら観光客がご陽気にはじけてくれたところで、地味さはどうしようもない。

しかし、大昔、古墳が大ブレイクしたこともあったのだ。

ちょうど今、東京国立博物館ではキトラ古墳の壁画展をやっているが、私の世代で古墳と言えばなんといっても高松塚古墳

たかまつづか

私が小学生の時、壁画が国宝指定された。この4人のおばさんの絵は、あらゆる新聞雑誌に掲載され、あげくに風呂敷だの、絵皿だの、グッズが作られる騒ぎ。

担任の先生は歴史マニアで、この世紀の大発見にコーフンして言った。

今度の学習発表会は、タカマツヅカをやりましょう!

モゾー紙に「高松づか古ふん」の見取り図を描いたり、四神の壁画を解説したり、班ごとにテーマが与えられる。

そんな中、私を含む4人の女子が、先生に名前を呼ばれた。

皆さんには、タカマツヅカの乙女をやってもらいます

ハア?!ナンすか?

…と、今の私なら言ったろうが、40年前の純朴な小学生たちは、わからぬままにうなずいた。

タカマツヅカの乙女」は、今回の発表会の目玉となる出し物で、壁画に似せた扮装をして、セリフを言うのだという。要するに、あの4人のおばさんになれ、ということなのだ。

わたしたちは、タカマツヅカの乙女です

に始まる台本もできており、早速練習が始まった。

それにしても、なぜ選ばれたのか。みんなで顔を見合わせてセリフを言っているうちにだんだんわかってきた。

4人は全員、よく言えば天平美人型、わかりやすく言えばオタフク。ほっぺがプックラして一重まぶたの子ばかりが選ばれていた。

そう気づいてから、学習発表会がユウウツでユウウツでしかたなかった。プックラしたほっぺが恨めしくて、つねってみたりした。

そして、たくさん練習したはずなのに、不思議なことに、本番の記憶が一切ないのだ。

もしかしたら、仮病を使ってサボったのかもしれない。



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むかしむかし | コメント(6) | トラックバック(0) | 2014/05/04 09:09

とうせん話。

ムスメは小さい頃くじ運がよかった。

振袖ペコちゃん」も、「ミスタードーナツリカちゃん」も、ムスメが当てた。

みすどりかちゃん

といっても、幼稚園児が封筒に宛先を書けるはずもなく、すべてムスメ名義で私が応募したものだ。

同じ条件で、家族全員の名前で応募しても、ムスメ名義のハガキだけが当たる。

うちのムスメ、くじ運がいいのよ~!

と、ママ友さんに自慢したら

そういうのって、子どもの運を使っちゃうことにならないのかしら~?

と、さらっと言われた。

先に自慢してる弱みがあるので言い返せなかったが、イヤミな女だ。しかし、言われたことは何となく引っかかった。

ムスメは生まれつき、運のいい子かもしれない。それを、母親の私が、懸賞ごときで小出しに使っちゃっていいのか?確かにそう思う。

イヤミ女に従うのはシャクだが、ムスメ名義で勝手に懸賞に応募するのは止めた。

それ以来、いろんな懸賞に応募し続けているが、私の名義だと何をどこに送っても当たらない

持って生まれた運が減らなくて、ヨカッタヨカッタ、と言えるほど、私もおめでたくはない

そもそも私は運がナイのだろうか、と疑いたいほどの空振りっぷりだ。

ところが先日。

とうせん

6本買った金麦で12本当たったんだから、私にしちゃ大当たりだ。

しかしこの懸賞、飲みながらハガキを書いたせいか、記憶がなんかオボロゲなのである。

飲んでる時にムスメから電話がかかって、しばらくしゃべってからハガキを書いた気がする。

もしかして、またしてもムスメ名義で応募しちゃったのではないか?と、素直に喜べない私である。



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ごかぞく | コメント(10) | トラックバック(0) | 2014/05/02 10:21

ともだち話。

高校の友達に会ってきた。

年1回くらい、なんとなく恒例になっている4人の集まり。

高校時代も仲はよかったが、親友はそれぞれ別にいたから、卒業して30年経って、このメンツで会うようになるとは意外だ。

というのも、この4人で会うとどういうわけかめっちゃ盛り上がって面白いのである。

誰かの予定が合わず3人になるとイマイチ盛り上がらない。

なぜなんだろうと考えたら、この4人、何でも2対2に分かれるのだ。

キーヤンとチエは理系、ミンミンと私が文系。

私とチエが子持ちで、キーヤンとミンミンは子供なし。

チエとミンミンは家庭円満、キーヤンと私はバツイチ(…汗)。

などなど、話題が何でも、いつも2対2で丁々発止、話す者と聞く者がうまく入れ替わって、全員がしゃべり、全員が聞き、誰かがしゃべりっぱなし、聞きっぱなしということがない。

半日食べてしゃべって、全員が充実感を持って、次を楽しみにして別れるから、ずっと続くのだ。

ところが今回、ある話題でその美しい均衡が破れ、全員がわれ先にしゃべりだして収拾がつかなくなった。

話題は老眼
ろうがん

ド近眼のチエと私に、ようやっと老眼が出たため、去年までの

二人の老眼の苦労話を、あと二人が興味津々で聞く

という調和が崩れてしまった。

友情の危機である。




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ごきんじょ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2014/05/01 08:45
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