にっきの話。

おばーちゃんは、脳トレと称し、10年日記をつけている。

ご存じと思うが、見開きが10に区切られて、10月21日なら10月21日、同じ日が10年分並ぶようになっている日記帳だ。

例年いつごろ梅の実をもぐか、とか、役立つことも多いのだが、おじーちゃんが亡くなってからは、過去の記事を読んでは

この時はおじーちゃんが居たのにねえ…

あの頃から具合悪かったのねえ…


と、ふだん明るい人が、とかく湿っぽく後ろ向きになりがちだ。

自分が日記をつけたことがないせいか、ずっしり10年分の記録がそこにあると思うと、エライな~と思う反面、重苦しい気もしていた。

昨晩は、珍しく遅い時間におばーちゃんから電話があった。笑いを含んだ声で

今日さ、クリームシチュー作ったの

あ、いいね~ もう寒いもんね 具は何入れた?

カブと鶏肉と… それがさ、去年の今日もクリームシチュー作ってたのよ!

へ?なんで?

日記帳見てたらさ、去年の今日の欄に「夜クリームシチュー」って書いてあるんだもん

ハハハ…そりゃ間違いないわ

でしょ、フフフ…

テレビばっかり見てるおばーちゃんのことだから、きっとCMを見て食べたくなったのだろう。

CMが放映されだすのは毎年同じ時期だから、シーズン初のシチューが同じ日でも、そんなに驚くことではない。

それでも、日記の記事で一緒に笑えたことは、シチューのようにぽかぽかと、私を暖かくした。

はうすくりーむしちゅー
(ハウスのCMはますむらひろしのが好きだった)



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ごかぞく | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/10/21 10:12

ゆきずり話。

いつもの遊歩道で、同年輩の女性とすれ違った。

マジメな表情を浮かべた頬に街路樹の紅葉が照り映え、ヒールの音が響く。

目立つ美人というわけでも(失礼)、オシャレでもないのだが、古い映画の一場面を見た気がして、思わず振り返る。

後ろ姿を見て理由がわかった。

彼女は、を連れて、スーツケースを引いていたのだ。

いぬとすーつけーす
(写真はイメージです…こりゃ美化しすぎだ)

旅行に出かける人は、服装や持ち物でわかる。

犬の散歩の人だって、一目瞭然だ。

だけど、キッチリした服装でスーツケースを持ち、小型犬を連れた彼女は、いったい何をしに、どこに行くのだろう。

知らない人には知らない事情があり、知らないストーリーがある。

後ろ姿を見送りながら、一人と一匹の行先が、楽しいといいな、と思った。



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ごきんじょ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/10/20 10:50

たくしー話。

高校生になって背ばかり伸びたが、ムスコは丸顔の童顔である。

そばで見ていると、幼稚園の頃から変わらぬ顔が、どんどん上にせりあがって行くので、ちょっと面白いのだが、本人は気にしている。

身長が伸び始めた中学生の頃も、ぼんやりしていると子供料金でバスに乗れてしまったり、知らない人にボク!」と呼ばれたり。

特に、ボク呼ばわりされるのはとてもイヤがり、露骨に不機嫌になっていた。

この土日、ムスメが帰ってきてたので、皆でおばーちゃんの家に行った。

晩ゴハンを一緒にして、夜が遅くなったので、タクシーを呼ぶ。

きんてつたくしー

私は助手席、ムスコとムスメは後部座席に乗り込み、行先を言うとすぐに走り出した。

オクサン、前にも何べんか、お乗せしたことありますなァ

話好きなオッチャンらしい。

アラそうですか ウチ車がないから、けっこうお世話になってますもんね

私が受け答えしていると、ルームミラーを見ていたオッチャンの目が、ムスコの顔に止まった。

うわ!ボク!大きなったなあ!今、いくつや!

高校生です…

ムスコは面白くなさそうに答えるが、意に介さず、話を続けた。

前に乗ってくれた時は、フーセンかなんか持って… あのボクが、高校生なあ…

人のよさそうなオッチャンは、いかにも感に堪えぬ様子である。

あっという間やなあ… オッチャンも、年いくはずや…

その後も何度かボク、ボクと連発されるうち、家の前に着いた。

車から降りて、ムスコの顔を見たら、案外すっきりと機嫌のいい表情である。

あれ?怒ってないの?

なんで?

背丈だけじゃなく、いつの間にか、中身も大人になっているムスコ。

私も年をとるはずだ。



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ごきんじょ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2015/10/19 11:04

すかーと話。

私はふだんほとんどスカートをはかない。

足を出すのは喪服くらい。

子供が小さかった時、ジーパンやチノパンばかりはいていた習慣がそのままになっている。

しかしその子供も高校生・大学生となると、母親の私もいいかげん落ち着いてもいい頃だ。

この際だから、きちんとしたスカートを購入したい。

ポケットの3つある、本格的なスカートにした。

……というところで、また目が覚めた

なんだコレ?だけど、文章だったぞ?

それにしても、ポケットの3つある本格的なスカートって何だろう。

詳細は不明だが、3つのポケットは腿の辺にに並んでいた気がする。

邪魔だよ!

ポケットの数が本格的かどうかの決め手になるとは、どんだけポケット重視なんだ私。

確かにスカートは欲しくなったが、あまり本格的なのはやめたほうがいいように思う。

ほんかくてきなぽけっと
(本格的なベスト)



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/10/18 10:57

けんたの話。

天気もいいので朝から洗濯。

洗濯は家事の中で一番好きだ。なんといっても洗濯機というものがある。

全自動洗濯機が軽減してくれた労力は計り知れないと思う。

桃太郎のおばあさんのご出馬を待つまでもなく、ついこの間、私の祖母の時代には、皆がタライで洗濯していたのだから、考えてみるとすごいことだ。

今の主婦に、洗濯機を使わず手で洗え、と命じたら、全国で反乱がおこるだろう。

洗濯機は偉いなあ、と思いながら、洗った衣類をカゴに入れ、なんとなく歌った。

♪~洗濯機~♪

シャウトを利かして、一節だけである。

ベランダに干して、戻ってきたら、ムスコがニヤニヤしていた。

分かりにくい替え歌だなあ…

え?何が?

さっきの♪~センタッキ~♪ってやつ… CMのアレでしょ… ケンタッキー…

けんたっきーのCM

( →ケンタッキーフライドチキン CM

オリジナルメロディーのつもりだったが、違ったらしい。

私はちょっとテレビを見過ぎなのかもしれない。



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てれびじょん | コメント(6) | トラックバック(0) | 2015/10/17 10:47

うすぎの話。

衣替えがまだなので、私のワードローブは未だにコットン100%である。

朝方はさすがに肌寒かったので、Tシャツにネルシャツを羽織って出かけた。

集まった会議室にあまり空調が効いておらず、人数が増えるに従ってムッと暑くなってきたので、ネルシャツを脱いでTシャツ1枚になった。

向かいの席のお嬢さんがニット帽をかぶっている。

にっとぼう

こういうかぶり方にもだいぶ慣れてきたが、それでもやっぱり、できれば一人一人捕まえて、グーッと深くかぶり直させてやりたい、という気持ちは消えない。( →ざっかの話。

だいたい、まだ半袖着てる時分からニット帽って何なの?

と、小姑的な視線で見直すと、残念ながら彼女は半袖ではなかった。

長袖シャツの上に、驚いたことにダウンベストを着ている。下半身に目をやると、タータンチェックのロングスカート。

完全に冬の装いである。

かたや私は半袖にチノパン。

二人を並べてみて、同じ時に同じ場所にいた人だと誰が思うだろう。

私自身は一向に必要を感じないのだが、やっぱりいいかげん衣替えしなきゃダメだろうか。



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もろもろ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2015/10/16 10:35

しんまい話。

新米あげるから取りにいらっしゃい!

オカモトさんにそう言われたので、ノコノコ取りに行った。

兼好法師は「良き友」の第一に「物くるる友」を挙げたが、オカモトさんは季節季節の美味しいものを、タダでくれる素晴らしいお友達である。

私があまり喜ぶので、普段ロクなものを食べていないと思われている気もする。

5キロの新米は重たくって、途中腕が抜けそうになったが、欲と二人連れで頑張った。

炊きかたの心得も教わったが、フーフー言いながら家に着いたら、すっかり失念していた。

まあ水加減さえ守れば大事あるまい、と、普通に炊くこととして。

しんまい

むはっと芳しい湯気が上がり、米粒はつやつや。茶碗によそい、さあ夕飯だ。

むむ… これはマズい

いや美味しいのだ。旨みがあって、甘みがあって、大変美味しい。美味しいから、マズい。

貧しい我が家では、普段は特売のお米を食べている。食パンも売り場で一番安いやつだ。

食パンも、ゴハンも、オカズを邪魔しない味でさえあればいい。

いわばオカズの台なのである。

しかし、ゴハンが単独でこんなに美味しくては、オカズが進まない。困るのである。

案の定、5キロの新米は、我が家としては記録的な勢いで無くなった。

今日からまた、特売のお米に逆戻り。5キロをさげて帰った肩の痛みだけが、まだ残っている。



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ごきんじょ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2015/10/15 10:15

きゃりー話。

時計代わりのテレビから、芸能ニュースが流れている。

…きゃりーぱみゅぱみゅさんが 3度目となるロンドン公演を行いました

おお、きゃりーさん。若いのにたいしたもんだ。

アルバムもグッズも持ってはいないが、彼女のことは何となく尊敬している。

娘ほどの若い子になぜ敬意を感じるのか、考えてみたら、さん付けのせいじゃないかと思う。

私は基本、芸能人は呼び捨てでいいと考えているので、マツダセイコであり、マツダイラケンであり、マツモトジュンである。

しかし、きゃりーぱみゅぱみゅという名前は、ご承知の通り発音が難しい。かといって、きゃりー、と呼ぶほど親しくもない。

そこでまず、きゃりーさん、という呼び方が定着した。

やむなくさん付けで呼ぶうちに、無意識に序列が生じ、きゃりーさんに対する尊敬が芽生えたものと思われる。

尊敬しているかのように振舞ううちに、実際に敬意が生じたわけである。

してみると、目上の人と接するに際し、内心はともあれ、とりあえず外形を整える、というのは案外大事かもしれない。

…きゃりーさんは 会場を埋め尽くすファンの歓声の中 全19曲を熱唱しました

熱唱?

きゃりーさんが「熱唱」?

それはないと思うなあ。

きゃりーぱみゅぱみゅ
(「熱唱」が似合わないタイプ)

まつざきしげる
(「熱唱」が似合うタイプ)


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てれびじょん | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/10/14 10:11

うるしの話。

連休を利用して、金継教室に行ってみた。

陶磁器の割れや欠けを直して、また使えるようにするという、貧乏性の私にピッタリの技術だ。

しかし、申し込んでしまってから、うちには欠け茶碗がなかったことに、ハタと気づく。

こういう時こそ、おばーちゃんの出番。

ねーねー、欠けたお茶碗ある?

あるよ

あるよ

さすがの即答である。

十分すぎるほどの教材を抱えて教室に行くと、ぶっきらぼうなような親切なような、シブいおじさんの先生がいらした。

工程をものすごく簡単に言うと、割れ目や欠けの部分にウルシを何度か塗っては乾かし、最後の1層が乾く前に金粉を振りかけ、乾いたら滑らかに砥ぎ上げて出来上がりである。

かぶれることはよく知られているが、ウルシには他にも不思議な性質がある。

特に不可解なのは、湿っぽくないと乾かないということである。

乾かす時には、濡れ雑巾で拭いた、湿った木のムロに入れなければならない。

乾いた場所では、いっつまでもブヨブヨ乾かないままなのだという。

周囲がカラッとしてるとジメジメする、そんなひねくれた人、どっかにいたな…などと雑念を持ったせいか、うっかり乾かないウルシを触ってしまった。

慌てて拭き取り、洗い流した。赤く腫れるか、痒くなるのか、ドキドキしていたが、しばらく待っても何ともない。シブい先生は

かぶれに強い人もいるから…個人差だね

と安心させつつ、続けて

三日たって全身が痒くなったって人もいたなあ…

とおどかす。

薬局に寄り、念のためにかゆみ止めの軟膏を買って帰ったが、ひと晩明けても何ともない。いつ痒くなるのか、爆弾を抱えたような気持ちで、今日も過ごしている。



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/10/13 10:22

びりびり話。

車内で中吊り広告に目が止まった。水族館でサメの特別展をやっているらしい。

かいゆうかんのなかづり1

( 世界最大級の水族館 海遊館 )

サメの顔も怖いけれど、それよりもドキッとするのは紙が破れていることだ。

私は雑なくせに妙にマジメ律義なところがあり、封筒なども手で破かず、いちいちハサミを出して切って開ける。子供の頃から紙を破く、紙が破けるというのが苦手なのだ。

あれは、小学校5年生の時。通常の授業ではなく、新任の若い先生による研究授業だった。

クラスの全員に一枚ずつ、いろんな形や大きさの、三角形の紙が配られた。

このように、 3つの角を破いてください

先生は自分も一枚の三角を手に持ち、やにわにビリビリと破き始めた。

ちぎった3つの角をそろえて並べると一直線になり、三角形の内角の和は180度です、というアレである。
ないかくのわ

どうしても、ビリビリちぎるのに抵抗があったので、私は勝手にハサミで切ることにした。

ちぎるより切るほうが丁寧なのだから、そうして悪いはずはないと思ったのだ。

やってみると、ハサミの切り口が新しい辺をなし、どの角を集めればいいのかわからない。

先生がちぎれと命じたのは、ハサミを省略したのではなく、理由があったのだと初めて分かったが、後の祭りである。

そんな私でも50年も生きてくれば、ビリビリ破いてやりたいと思う紙が、何枚かはあった。

それもまた、昔の話である。

※ サメが食い破ったようにカットしてあるもので、本当に破けてるのではありません。



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むかしむかし | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/10/12 10:30
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