へいじつ話。

今日もバスに揺られつつ、所在なく車内の掲示を眺める。

あなたとなら大和路

いつ貼られたとも知れぬ観光スローガンは、「あなたとなら」と「奈良大和路」をかけた、和歌の掛詞の手法である。

さすが、万葉の里!

色あせたステッカーから上方に目をやれば別の掲示。

🌻ひまわりタイムのご案内🌻

このバス会社では昔から、お昼だけ割引率のいい回数券を出していた。普通の回数券なら10回分の料金で11回のところ、お昼割引では14回乗れる。

カードにチャージする方式になっても制度は引き継がれ、この割引の時間帯を「ひまわりタイム」というのである。

冬でもヒマワリというのがちょっと引っかかるが、お得なので我慢している。

平日 9:30~15:30
日祝日  終 日


ハイハイ、平日と日祝日はわかったよ。今日、土曜日は?

常識的に判断して、この掲示の「平日」は月曜から土曜のことなんだろう、とは思う。

しかし、このバス会社の時刻表は

平日/土日祝

と分かれている。つまり、時刻表の「平日」は、月曜から金曜のことなのだ。

乗り込むときに時刻表を見て、平日/土日祝のアタマになっているから、ややこしい。

会社員の週休2日が定着してもう20年以上になるだろう。土曜日は休日と言っていい気もするが、そうじゃない、という人もまだまだたくさんいそうだ。

平日とは月~金か、月~土か、当分はアヤフヤのままなのかもしれない。

しーかくんごいっか
(左からシーカくん、シーナちゃん、ナコちゃん)




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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/02/18 11:45

クラクラ本。

ダレソレさんの奥さんというひとが書いた本が、わりに好きだ。

作家、音楽家、画家、漫画家。面白い人の奥さんは、やっぱり面白い。

坂口美千代は、作家坂口安吾の妻であった女性。

無頼派と呼ばれ、型破りの作風と薬物中毒と奇行の間にあった男とともにあり、子をなした彼女が、夫の没後銀座のバー経営者となってから、書いたのがこの本である。

くらくらにっき
(「クラクラ日記」 ちくま文庫)

ヒロポンやアドルムを常用して中毒になったり、流行作家になっても、浪費で稿料を使い果たし、差し押さえを食らって、あげくに税務署にケンカを吹っ掛けたり、思いつく限りの暴れっぷり。

長男の生まれる前夜には、酒と薬で錯乱状態になり、留置場にぶち込まれている。

読んでるだけで疲れるような夫なのだが、このひとの書きぶりは終始、のんきで客観的だ。

言葉の行きがかりで、おまえに心中というものを教えてやる、と言われ、2人で死にに出かけたものの、シナソバ屋でチャプスイを食べて、人力車で戻ってくる話など、ほんの薄い皮いちまいの向こうに、真っ黒くろの死のかたまりを見ながら、不思議におかしくて、笑えてくる。

薬物中毒状態の安吾に、真夜中、3分で酒を買って来いとか、ライスカレーを百人前取り寄せろとか、難題を押し付けられて応対に苦心したことなども、克明に記録されており、文字通り死ぬ思いをしているはずなのに、なぜかどこか楽しそうだ。

安吾が死に、すべてが終わって、若くて無茶だった日々を振り返っているからかもしれない。

こういう大変なご亭主というのは、早死にしてもらうのが平和である。そうすれば大変な目をした奥さんが、面白い本を書くことができる。

本日、安吾忌




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ブックガイド | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/02/17 11:30

もうかる話。

ムスコが受けた大学の合格発表があった。

今は、大学まで出向いてモゾウ紙の張り出しを見る必要もなく、ネットで番号を確認するだけ。

発表の時刻、大学のHPを開けたムスコが、受験番号を唱えながら画面をスクロールして

…あった…

ヤレヤレ、これでとりあえず行先は確保できた、とホッとすると同時に、あまりのあっけなさに、拍子抜けの感もなくはない。

ここはムスコが選んだスベリ止めである。

センター試験を利用しての受験で、大学独自の試験は受けずに済む、というので、試験を一つでも少なくしたいムスコが、ここにすると決めた。

出願はネット

受験料はカードで引き落とし

試験は無し

合格発表もHPで確認


なんとムスコはこの大学の下見すらしてないのである。

ラクなもんだと感心したが、入学手続きを確認するうち、複雑な気持ちになってきた。

今月末までに入学金を振り込み、3月中に前期の授業料を入金すること、となっているが、本命の大学に受かって入学を辞退するときは、その旨を届け出れば授業料は返金される。

ただし最初に振り込んだ入学金ウン十万は、辞退しても戻ってこない。

これを大学の立場になって考えてみたら

受付はネットで書類処理要らず

受験料はカードで集金要らず

センター試験利用で出題や採点要らず

発表もHPに書き込むだけで張り出し要らず


これで1人あたまウン十万が振り込まれるのだから、ウハウハだ。

こんなウマい商売、あるだろうか。

親としてはムスコがスベリ止まらないと困るから、払わないとは言わないが、

ご入金ありがとうございます

の一言くらい、大学からいただきたいものである。

おじぎふくすけ
(この度はボロ儲けをありがとうございました)



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ごかぞく | コメント(18) | トラックバック(0) | 2017/02/16 11:25

あくむの話。

ブログをやっていてよかったことの一つは、わからないことを教わる機会になることだ。

一昨日、通販サイトの不気味なおすすめ商品を掲載したところ(→ 「おすすめ話。」)、コメント欄で、それはイタリアのシチリア島の象徴で、トリナクリアというものですよ、とのご教示をいただいた。

世の中には知らないことがいっぱいある反面、それを知っている人もたくさんいらっしゃる。

そんなつながりが嬉しくなって、さっそく『トリナクリア』を検索した。

すると、出るわ出るわ。

顔から三本の足を出した人が、こんなにいるのかと驚く。

とりなくりあ
(シチリアの旗)

画像をしさいに検討するに、足の出方はほぼ同様であるのに対し、中央の顔にはかなりバラエティーがあるが、平均してかなり不気味な人が多い。

最初に見た顔は、トリナクリアさんたちの中では、例外的な美人の部類に入るとわかった。

私の小さな知的冒険も終了、メデタシメデタシだ。

しかし、顔から3本足が出た人を、一度にたくさん見てしまい、ちょっとしたトリナクリア酔いの状態である。

今夜あたり、恐ろしい夢を見るかもしれない。



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2017/02/15 12:00

おそなえ話。

何やかや忙しかったので、しばらくぶりに実家に行く。

いつものようにコンニチハ~と勝手口から入ると、おばーちゃんは居間にいて

これはこれは ご無沙汰しております

と、ごテイネイなあいさつ。

これは、長らくゴキゲンうかがいに来なかったことについてのイヤミを言っているのだ。

親子だから付き合ってるけど、おばーちゃんとは友達になれないと思うのはこういうところである。

若い時はいちいち突っかかっていたが、娘歴も50年を過ぎると、それももうめんどくさい。

なかなか来られなかったのは、おばーちゃんがアチコチしていたせいでもあるのだ。親不孝扱いされるのは不本意だけれど、言ってもしかたがないので、グッと我慢する。

今日はまた どういうことで?

バレンタインよ 去年もしたでしょ?

おばーちゃんはまだイヤミっぽいが、気にせず普通に返事をする。

バレンタインデーとは無縁だった私だが、父が亡くなってから、お仏壇にチョコを供えるという習慣が、自然発生的にできた。(→ 「ちょこの話。」

おばーちゃんにはかまわず、仏間へ行く。

イモートがお正月にのっけた大吟醸のビンを脇によけ、買ってきた小さな金色の箱を供えて、手を合わせた。

お鈴の響きが消えたころ振り返れば、仏間の敷居に立って、おばーちゃんが笑っている。

良く似合うわ その箱… あつらえたみたい

仏壇用ってわけじゃないけどね そのうちどこか売り出すかもね 「お供えチョコ」…

ハハハ… 未亡人が買うから きっと売れるんじゃない

ゴキゲンが直ったおばーちゃんが、お茶を淹れてくれた。

チョコがお仏壇からお下がりしたら一緒に食べようね、と約束して、家に帰った。

ちょこれーとせんこう
(来年はこれにしよう→チョコレート線香 香りの記憶 チョコレート


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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/02/14 11:22

おすすめ話。

車のない我が家では、宅配や通販をよく利用する。

ショッピングの趣味がない私にとって、ネット通販の一覧性とスピードはありがたい。

今日も仕事の道具を買うため通販サイトを開く。

おススメ商品を見ようとクリックするなり、異様なものが目に飛び込んできた。

あくむ

コレなに?!

来歴も、使途も、ナニユエ顔から直接3本足が出ているのかも、なにもかもが不明である。

商品名から得られるわずかな情報は、イタリア製であること、ハンドメイドであること。

さらに事態を不可解にするのは、この品物が2万8千円 もするということである。

さらに、イタリアからの配送料は代金以上、3万4千円もかかるのだ。

合計すれば6万2千円

この通販サイトは、何をもってかような品物を私にススメてくるのであろう。

全てがとしか言いようがない。

中でも最大の謎は

あくむ2

アンタ誰?



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もろもろ | コメント(22) | トラックバック(0) | 2017/02/13 11:21

ゆびさす話。

ムスメが帰ったので、ふだんムスコと2人の時より、ちょっとマシなご飯を作る。

何かお皿とって!大きいの…

お皿って… どれ

何でもいいよ!んーじゃあ青の、四角いやつ!

え?どこ

白いドンブリの横の…

ドンブリ?ドンブリってどんくらいの大きさ…

ああそうだ、こういう子なのだった。

ムスメは小さい頃から、言葉での指示に弱く、ああしろこうしろの時、口で言うだけだとなかなか伝わらない。言えば言うほど混乱して、アワアワとなってしまう。

諦めて料理の手を止め、食器棚のその箇所を指さすと、

あー、アレ!

と、すぐわかって、青い四角いお皿を持ってきてくれた。

ポン酢どこ?もう無い?

ムスコが冷蔵庫を覗いているので

そこそこ!こないだ開けたばっかりのが…

扉裏のポケットを指さすが、ムスコは見当違いの場所を探すばかりだ。

ほら!ソコ!

指をビシッと伸ばして強調したが、ムスコはボンヤリ私の指の先あたりの空間を見ている。

ゆびさし

この男は18にもなって、人が何かを指さすときは、その延長線上を見る、ということが一向に身につかないのである。

左上の、ワサビのチューブの後ろ…

そう口頭で説明するとすぐ、

あ、あった!

久しぶりに3人で囲む食卓。

こうして同じ母親が、同じご飯を食べさせたのに、それぞれ違って育つものだなあ。

指をさす、なんてことだけでも、こんなに違うのだ。

子供はその子が育つように育つ

育児なんてもう終了した今になって、「育てる」なんて、どだい無理なんだとつくづく思った。



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ごかぞく | コメント(8) | トラックバック(0) | 2017/02/12 12:22

くつひも話。

後ろから、発車ギリギリに飛び込んできた女の子は、走ってきたのか息を切らしていた。

通路を歩く足元を見れば、編み上げブーツの紐の端が、ちゃらちゃら揺れている。

出がけに急いでいて結べなかったのだろう。少し離れた席に腰かけ、靴紐を結び始めたのを見て、他人事ながらホッとした。

街を歩いていて、靴紐が解けている人を見るとヒヤヒヤする。

私自身、解けた靴紐を踏んづけて、ハデにスッ転んだことがあるからだ。

お節介は百も承知で教えてあげたくなるが、言い出せなくてハラハラ見守るのが常である。

女の子のブーツの紐がしっかり結ばれたのを確認して、前の座席に目をやると、足を組んでうつらうつらしている若い男のスニーカーの紐が片方解けている。

目を閉じているから、気づかずに席を立ち、歩き出した途端に転ぶかもしれない。

ドキドキしていると、男は目を閉じたまま、もぞもぞと姿勢を変えた。

靴紐の解けたほうの足を上に組み替えたら、解けた紐の端がどこかに当たったらしい。はっと目を開けて、紐を結び直した。

これでこちらも安心だ。

ヤレヤレと外の車窓に目をやり、平和な田園風景を楽しむうち、次の停車駅。

ドッと乗り込んできた新客で、車内はにわかに混み合ってきた。

私の前には、60年配の夫婦らしい男女が立った。

顔を伏せると自然に足元に目が行くが、なんたることか、そのダンナのほうの靴紐が、またしても解けている

アウトドア用らしきしっかりした靴の、しかも両足の靴紐が、ユルユルに緩んで締められないまま垂れているではないか。

オッサンはそ知らぬ顔で、スマホなんぞ触っている。

奥さんのほうは、オッサンが指さすスマホの画面を見て、なんだかんだ相槌を打つ。

仲良く頭を寄せ、これからの予定を話し合っているらしき2人に

こらオッサン!スマホ出す前にクツのヒモなんとかせんかい!

ヨメハンもヨメハンじゃ!ダンナがクツヒモ垂らしてんのに なんとか言うたれ!


心の中で全力で叫んだが、むろん聞こえるわけはない。

電車は鉄橋にさしかかり、ゴトンゴトンと規則正しく揺れる。

靴紐の端も揺れて、ペチンペチンと規則正しく、オッサンのくるぶしに当たっている。

あみあげぶーつ
(こんなクツだと結ばなきゃ歩けないし、靴紐も大変だ)



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2017/02/11 11:58

しめきり話。

そのお誘いがあったのは夏の終わりだった。

詳細は避けるが趣味の展覧会みたいなものだ。グループで作品を集めたイベントの企画が持ち上がったのである。

なかなかない機会なので大賛成して、いち早く参加を申し込んだ。

以来半年。テーマが決まり、日程が決まり、会場が決まり、案内チラシもできてきた。

ところがここに一つ大問題が出来する。

イベントは間もなくだというのに、作品のほうが影も形もないのである。

作ったものを紛失したわけではない。

まだ作っていないのだ。

様々な言い訳が可能であろうが、要するにやってない、手をつけていない、サボっていた、ということである。

今年中にやろう、今月末にはやろう、明日は作ろう、そう思っているうちに、今日になった。

仕事ならダンドリ組んでサッサとやるのだが、趣味なのでタチが悪い。

同じことならステキな作品にしたいし、楽しく作りたい。ベストの状態、いい材料でやりたい。

そう思うと、どんどん取り組むのが遅れていくのだ。

今こうしている間も、オシリに火がついたようで、落ち着かないこと甚だしい。

そのくせ、一向に制作に取り掛かる気配はないのである。

しめきりぼん
(文豪は仕事なのに → 「〆切本」左右社 



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/02/10 11:30

ゆきふる話。

不思議に静かで明るい朝。カーテンを開けると、外は真っ白だった。

西日本一帯を覆った寒気の影響で、この冬一番の

温暖な当地では積雪が珍しいので、なんとなくソワソワする。

コーヒーを手にテレビを点けてみると、全国ネットのワイドショーが映った。

雨模様の東京の空。雪は降らないようです、とアナウンサーがホッとした口調で言う。

ああそうかい、東京で降らなきゃ、それでいいのかい。

東京の雪は全国ニュースだが、うちみたいな田舎で珍しい雪が降っても、誰も何も言わない。

今さら腹も立たないが、それが当然になってしまっているのは、やっぱりいい気分ではない。

昔は住んでいたし、今も好きなお友だちがたくさんいる東京。

それでも、東京の人が慣れない雪道でスッテンコロリと転ぶ映像を見て、ついザマアミロ、と思ってしまう。

テレビを消して窓に寄れば、雪が木を、山を、そこらじゅうを暖かそうに覆っている。

私の醜い心も隠してくれればいい。

軽く、静かに、雪は降り続く。

ならこうえんのゆき



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てれびじょん | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/02/09 10:58
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