てちょうの話。

デジタル化の進行で、手書きの文化が衰退しつつある中でも、手帳を使う人はまだまだ多い。

かく言う私も、バッグの中に手帳は欠かさない。

高価な手帳がいいとは限らない。軽くかさばらないのが気に入って、私は地元の地銀が年末に配る手帳を愛用している。

新しい手帳を手にするとまず、めぼしい予定にシールを貼る。

てちょうのしーる

旅行・買い物・誕生日…などと、予定を示すシールを、私は大量に持っているのだが、実はこれ、子供雑誌の付録

ムスメとムスコが見向きもせず、雑誌ごと捨てようとするのを待て待てと押しとどめ、シールだけを本誌からはがして、とっておいた。

部活・遠足・球技大会…と、大人には縁のない行事も含まれているが、私の世代では、裏が糊になっている、というだけで貴重に思えて、捨てられないのだ。

こうして、タダの手帳にタダのシールを貼って、気持ちも新たに1年がはじまる。

それから3か月。1年の4分の1を過ぎて、今日久しぶりに見たら、シール以外の書き込みはほとんどなく、しおりのヒモは1月の終わりの週に挟まっていた。

唯一の用途はここ。

ぎんこうのてちょう

今年が西暦何年で、平成何年なのかわからなくなると、手帳を取り出し、表紙を見て確認する。

そういうことはけっこう頻繁にあるので、手帳の出番は多いのである。

ただ、ブツが手帳である必要はぜんぜんない。いっそ年号を書いたかまぼこ板でいいのではないか、という気がしてきた。



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もろもろ | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/03/25 11:39

りゃくごの話。

イモートから姪っ子の卒業式の写真が送られてきたので、お返しにムスメの卒業旅行の面白い写真を転送した。

すぐ折り返し電話がかかってきて、30年前の自分たちの卒業旅行のことなど、少し話す。

今日はメイちゃんは?遊びに行ったの?

今日はね 同級生とソツジズ

は?

いや、 ショツディズ… うーん、 ソチュジジュ

電話口のイモートは、かなり苦しんだが、謎が深まる一方なので、ひとまず落ち着かせる。

つまり何なの、メイちゃんはそのよくわかんないところに、同級生と出かけたのね?

よくわかんないとこじゃないよー ディズニーランド

イモートは首都近郊に住んでいるため、例の巨大テーマパークが身近である。

そして、メイちゃんはお友達数人とグループで、卒業の記念にそこへ遊びに行ったというわけだ。

そんで、さっきのジュルジュルは何よ?

卒業記念にディズニーランドに行くのを「卒ディズ」って言うんだって

イモートの発音はまだショツジジュに近かったが、いかにニブい私でも、さすがに今度は分かる。

卒業記念ディズニーランド、略して卒ディズ。

略語というものは、発言の短縮のために用いられるはずだが、イモートにとってこの略語は、事態を複雑化しているとしか思えない。

わざわざ略すのやめなよ 卒業記念にディズニーランドに行った、って言えばイッパツなのに

だってメイは言えるのよ!スラスラ「卒ディズ超楽しみ~!」とか! 

イモートは相変わらずソチュデジュと発音しているが、もう指摘しない。

へえ~ えらいもんだネ 若いからかね

言えないなんて 親として悔しいじゃん!

イモートは昔から負けず嫌いだったが、それは今も変わらないようだ。

そつでぃず
(「ショチュディジュ」を楽しむ学生の皆さん)



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ごかぞく | コメント(3) | トラックバック(0) | 2017/03/24 11:50

ほてるの話。

…パリのホテルがさ~ エレベーターが古くて狭くってさ~ 

部屋じゅう広げた荷物を片付ける気配も見せず、お土産話に花を咲かせているのは、卒業旅行から戻ったムスメである。

スーツケース2個積んだら、あと1人しか乗れないんだよ~

えー、狭すぎ!

しかたないからさ~ トモダチと交代に螺旋階段使ったよ~ 4階なのにさ~

わー、チョー大変!

字に書くと苦労話だが、話すムスメも、聞く私も、なぜかニッコニコである。

ムスメと私は、ヘンなホテルが大好きなのだ。

新建材でペカペカの新しい部屋なんか、公民館と変わらない。

年月を経た味わいや癖のあるホテルに泊まるのこそ、旅の醍醐味というものである。

もちろん、スラム街みたいな本当に荒れ果てた場所は、おっかないし楽しくない。

建った当初はエレガントで最先端だったが、今では古びてガタが来ているのを、従業員一同、懸命に手入れしつつ営業してる、というタタズマイが好ましい。

たとえば、窓枠が錆びて、丁寧にペンキが塗り直してあるんだけど、ちょっと固まってカギが開けにくい、なんて風情が最高だ。

同じホテルで新館と旧館が選べるならば、ためらいなく旧館を選ぶ。

ロンドンはさ~ カステラ立てたみたいな狭ーいとこでさ~

スマホで撮った部屋の写真を見せてくれた。

なにコレ!ヘンな間取り

そーでしょ~ ここ、くぼんでるけど窓じゃないのよ~ カーテンで隠してんの~

うわー、 

ホテル談義は続く。

ムスメの旅行は、宿にも天候にも恵まれて、楽しかったらしい。私もどこかに行きたくなった。

picaossito.jpg
(ムスメのお土産 ピカソベア)



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もろもろ | コメント(7) | トラックバック(0) | 2017/03/23 11:45

ふりこめ話。

昨日も今日も郵便局の窓口へ。

それというのもムスコが春から通う大学関係の振込が、こまごまとあるからだ。

入学金をドカンと支払った後も、学生保険と共済、生協加入、教科書代金。入ったばかりなのに、早くも同窓会の加入依頼まで来るのには驚いた。

1度に払えば済みそうなものだが、請求元も振込先もバラバラ、何度にも分けて来るのである。

加えてビンボーの悲しさ、あっちのおカネをこっちに、こっちのをあっちに、と、都度金策に走り回らねばならない。

とにかく期限までに振込を済ませないとエライことなのだ。

大学名のある封筒で赤や青の枠のある小さい紙が届くと、動悸がする。

今日も届いた1通を、慌てて開けて中身を確認したところ、何かの会費で、金額は3千円。

これくらいならすぐ払える、と、サイフをつかんで玄関を飛び出そうになったが、何か引っかかるものがあり、封筒を見直した。

アレ?色が違う…

ムスコの大学は薄茶色の事務用封筒を使っているが、これは水色だ。

よくよく見れば、先般、濡れ手で粟のウン十万をふんだくられたスベリ止め(→ 「もうかる話。」)ではないか。

あやうく盗人に追い銭をくれてやるところだった。

頭にのぼった血が下がってから考えた。

この時期、お金を払い過ぎてボーッとした親に、手当たり次第に振込伝票を送りつけたら、何枚かに1枚は、どさくさ紛れに振り込まれるのではないだろうか。

どうやら新しい犯罪を思いついてしまったようだ。

おじぎふくすけ
 (毎度ボロ儲けをありがとうございます)



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2017/03/22 11:27

しゅくだい話。

しばらく外食してないので、おばーちゃんを誘ってランチでも、と思いたった。

お出かけ好きのおばーちゃんに断られることはまず無いが、一応確認の電話をかける。

…モシモシ おかーさん? 今日駅前でゴハンでもどう?

うーん… どうしようかな…

アラ?珍しく気の進まない様子。

どうしたの 調子でもワルイの?

いや… そうじゃなくて… 宿題があるから…

宿題といっても、もちろん漢字ドリルや百ます計算などではない。

うちでは生協の注文書のことを宿題と呼んでいる。(→ 「しなもの話。」

週に1度、注文した品物とともにドサッと届く大量のカタログを吟味し、買うべきものを見極めるのはけっこうな仕事であり、宿題と称するのは決して大げさではない。

しかし、それが理由でランチに出られないとは、ただ事ではない。

カタログショッピングが大好きなおばーちゃんだが、トシには勝てないということか。

憂鬱でねえ…神経すり減らしてんのよ…

小さくて弱々しい声。ますます心配になって問い詰めると

キャベツが3個あって… もうどうしたらいいか…

はァ?

聞けば先週キャベツが来て、それを忘れてスーパーでもう1個買ったところに、今週の配達でまた1個、キャベツが届いたのだという。

思いつきでちょちょいとマークするような買い方をしているのでそうなる。

やっぱり、前の週の注文をちゃんと見ないとダメね…

とりあえずランチは中止、キャベツは2個、うちで引き取ることになった。

きゃべつ
(いやキャベツは好きですよ 好きですけれども)



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ごかぞく | コメント(12) | トラックバック(0) | 2017/03/21 11:09

まつりの話。

トーフを出して冷蔵庫の扉を閉め、振り返ったところでドン!と重い音がした。

整理の悪い冷蔵庫の中でナダレが起こったか、と、開けて確かめてみたが、別状ない。

おかしいな、とまた閉めたら、続けてドン!ドン!と音が続いた。

リビングでひっくり返っていたムスメとムスコも、異常を感じて腰を浮かしている。

なにあの音?事故

念のためガスを止め、窓を開けてビックリたまげた。

はなびたいかい

満天の花火だ。

なんで?何の花火?

念のためカレンダーを確認したが、今日は祝日でもなんでもない、ただの連休の中日である。

ムスメがスマホで検索しても、特に大きなイベントがあるとも出ない。

他の部屋からも、わらわら住人が出てきて、ベランダから外を見て驚いている様子である。

ずいぶん時間も長く、盛大で豪華。大玉の凝った花火が次々と上がる。

こんなヘンな時期に、こんな盛大な花火大会が、前触れもなく行われるとは。

倉庫の火事じゃないの… 花火屋の…

アッチはたしか 河川敷と田んぼだよ そんなのあったかなあ?  

期末の予算消化じゃない?

3月末という時期ではあるが、儲けすぎて花火を上げるなんて聞いたことがない。

いったい何なのか、理由が分からないと不安になり、一向に楽しめない。

何なんだろう、何なんだろうね、と言いあううち、たっぷり10分続いた花火は終わった。

ベランダに出ていた人たちも、三々五々部屋に戻る。

どうしても気になってパソコンを立ち上げ、検索キーワードをあれこれ工夫して、ようやく隣県で市制10周年記念のイベントをやっていたことを知った。

それにしても見つけにくいサイトだ。やってることを知られたくなかったとしか思えない。

あれほど豪華な花火を打ち上げる予算があるなら、ちょっと宣伝すれば、人も集まっただろうに。

いろいろ反省材料のありそうなお祭りだが、済んでしまった今となってはどうしようもない。

これこそ後の祭りというやつである。



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ごきんじょ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/03/20 11:00

ねんれい話。

ふだん年齢を意識することはあまりない。

さいわい大した不調はないし、見た目はトシ相応にイタんできても、ものの考え方や気持ちはずっと足踏みしているから、主観的には中学2年生くらいの感じでいる。

唯一、現実を突きつけられるのは、同年輩の人がテレビで紹介される時である。

もちろん向上心のない私のことだから、美魔女に触発されたりするわけではない。

人生にくたびれ、肌のハリと毛髪を失ったオッサンの、力なくたるんだ顔の下に

ナンノナニガシ(54)

などとキャプションが出ると

アタシって このオッサンと同い年?!

思い知らされて、ショックを受け、改めて洗面所に鏡を見に行く。

ふだんの手入れの悪い顔を、この時ばかりは仔細に点検し、さっきのオッサンほどではない、と確認できると安心して、テレビの前に戻るのである。

オッサンにしてみれば、えらく失礼な話だ。

私がテレビに映る予定は今のところ無いが、もしそうなったら、世のオッサンたちはどうせ

オレって このオバハンと同い年?!

と思うのだろうから、おあいこである。

でびゅーふじん
(この人はたぶん、私の母と同い年である)



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てれびじょん | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/03/19 11:50

でびゅー話。

私と違って、私の母、おばーちゃんは早くからケータイユーザーである。

通話だけではなく、メールも絵文字入りだし、写真を撮ったり、ちゃんと使いこなしている。

ガラケーに十分満足していたおばーちゃんだが、何を思ったかいきなりスマホに乗り換えるという。

機種が減って選べなくなったのも理由の一つだが、先に乗り換えたお友達に

80になってから 新しいことを始めようたって無理! 今がラストチャンスよ!

と言われたことが決め手となったらしい。

そんなわけで、キラキラシールを貼って愛用してきたガラケーを手放したおばーちゃんのところに、真っ赤なスマホがやってきた。

真っ赤な、とわざわざ言うのは

どんなのにしたの?

と聞いたら

なんか赤いやつ…

としか言わないので、私の知る特徴が色だけだからである。

新しい赤いやつが来て数日、試しに電話してみたが、ケータイの番号になぜか応答がない。

固定電話にかけると、なんだかムクレているので、どうしたの、と聞いたら

ちっともラクラクじゃない

目に入ると腹が立つので、見えないところにしまってある、ということである。

おばーちゃんがスマホになじむには、まだしばらくかかりそうだが、新しい赤いやつが、どうやららくらくホンらしい、ということは分かった。

でびゅーふじん
(デビュー夫人じゃなくって大竹しのぶのほう)



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ごかぞく | コメント(13) | トラックバック(0) | 2017/03/18 11:41

けーたい話。

4月から1人暮らしになるムスコの、家財道具を買いに行く。

ゼイタクやオシャレとは無縁のムスコではあるが、家電など最小限は揃えねばならず、なかなかのモノイリである。

合計金額にドッと汗の出る気分になりつつ支払いを済ませ、配送の受付にまわる。

ムスコが新しい部屋の住所を書き込んだ用紙を、カウンターのおねえさんはチェックして

あ、ケータイの番号もお願いします

すみません この子まだ持ってないんです 入学までに買います

そう、ムスコは今どきの高校生にはあるまじきことに、スマホはおろか、ガラケーすら持たずに、今日まで過ごしてきたのである。

メールはパソコン、カエルコールは公衆電話。節目節目に、買ってやろうと提案はしたのだが、

…いいよ… 別に要らねえ…

と、却下されてきた。どなたもシンジラレナイだろうが本当である。

実家を出るにあたり、いよいよ買ってやらないと、とは思っていたのだ。

配達日に連絡が取れないと困りますので… じゃあお母様のケータイでも…

ごめんなさい 私も持ってない

どなたもシンジラレナイだろうが本当の本当である。

なんでそうなったのか、イキサツは省くが、要するにことごとくタイミングを逸したのである。

カウンターのおねえさんは、突如現れた恐竜を見るような目で私たち親子を見、

私… 大人でケータイをお持ちでない方 お客様でお2人目です…

と、言わずもがなを口走った。

けっこう失礼なことを言われたわけだが、そりゃそうだろうな、と、ぜんぜん腹は立たなかった。

1人目ってどんな人だったんだろう、聞けばよかったな、と、今思っている。

ひらののら
📞シモシモ~?あ、あたし、ぢょん子~📞



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もろもろ | コメント(15) | トラックバック(0) | 2017/03/17 11:30

ささえる話。

えーー、じゃあ 4月から1人暮らしなんだ 寂しくない?

うーん そだね やってみないと何とも…

飲み会の席、ムスコの部屋探しの話から、私の話になる。

私自身、18で家を出てから、そのまま就職、家庭を作り、実家には戻らなかったから、ムスメやムスコも当然そうするものだ、と何となく思っていた。

しかし、見まわすと、ずっと一緒の親子も、けっこう多いようだ。

特にこのあたりは実家志向が強く、住宅事情に余裕のあることもあって、実家から通うこと前提で進路を決めたりするらしい。

ムスコ君、独立心があって偉いじゃない ウチのなんてもう30なのに いつまでも家にいて 当たり前みたいに洗濯させて、私の作ったご飯食べて…

ご主人がいればいいんですよ うちは私ひとりでしょ?うっかり家に置くと 先々マズいと思うんですよねえ…

それは常々思っていたことでもあった。

子供が何歳になろうとも、夫婦と子供の関係が成り立っているうちはいい。子供がどこかへ去って行くことになっても、夫婦という家族の最小単位が残る。

しかし、ひとり親と支え合って漢字の「人」のような構造を作ってしまうと、親に重心をのせられた子供は、生涯そこから抜けられない。

ひとり親こそ、自分の足でしっかり立てる間に、子供を外に出さなきゃいけないのである。

そんなことを力説しつつ、手で山型を作り、「人」のかたちを説明していたら、今まであっちを向いていたタニタ君が話に入ってきた。

いやーヤバい ウチそれですよ オレとオフクロ2人…

アラフォーで独身のタニタ君が、お母様と2人とは知らなかった。気の毒したかなと思っていると

お母様も大変ねえ…

タニタ君、ちゃんと貯金してる?

ボーッと飲み食いしてないで、お使いくらい行ってあげなさいよ

オバサン連中はお母様のほうに同情的である。

アレ?そっちスか?優しいお嫁さん見つけなさいとか、そういう話は?

それは無理!

タニタ君をよく知るオバサンたちの判断は厳しい。

そして、声には出さねど、そりゃ無理だろう、と私も思った。

きんぱちせんせい
(ホントは「人」の字は、一人で立っている人の形らしい)



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ごきんじょ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2017/03/16 11:05
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