よかった話。

ポストを開けたら、DMに混じって、白地に赤の目立つ1枚。

年賀ハガキである。

松もとれてずいぶんになるのに、今ごろナニゴトかと裏を返せば、それはセンセイからのお返事だった。

センセイは、小学校の5年を担任してくださった恩師だ。

校庭から低い山なみの見える田舎の小学校を卒業し、中学、高校と進んでからも、年賀状をお出しすれば必ずお返事を下さった。

リタイアされてからは、こちらのお年賀を待たず、元旦にお葉書を下さるようになり、恐縮したものだ。

昔の先生は、みなさん字がお上手だった。

とりわけ達筆のセンセイが、美しく書いてくださる宛名は、自分の名前を書く時のお手本になった。

そんなセンセイの年賀状が、パソコンの印刷になったとき、もしや、と思わずご自宅に電話をしてしまった。

もしもし…

モシモシ!ぢょん子ちゃん?

教卓から聞こえたままの、ハリのあるセンセイの声が、送話口から聞こえて、ホッとする。

老人大学でパソコン習っているのよ!キレイにできたでしょう!

ご自慢だけでなく

あなたはパソコン出来るの?ちゃんと時代についていかないとダメよ

懐かしい声で、久しぶりに叱られてしまった。やっぱり、先生はいつまでも先生だ。

そんなセンセイだが、ここ数年はめっきりお元気をなくされている。

無理もない。私が教わったころ、ちょうど今の私くらいのお年だったはずだから、もう軽く90歳を超えてらっしゃるのだ。

ご負担を考え、こちらからのお年賀には、お返事はご無用に、と添書きをしている。

そこに今年、数年ぶりのお返事がいただけたのだ。

筆圧こそ弱々しいが、大きくハガキの面を使った、いつものセンセイの字。

なんでもバカスカ捨ててしまう私だが、この1枚は永久保存版である。

2017のねんがはがき


にほんブログ村 その他生活ブログ ちょっといい話へ
にほんブログ村


日記・雑談 ブログランキングへ



スポンサーサイト
むかしむかし | コメント(10) | トラックバック(0) | 2017/01/18 11:26
コメント
No title
こんにちは
恩師からの年賀状うれしいですね。
いつまでもお元気でいられるといいですね。
いつまでもらえるでしょうね。
No title
「ぢょん子ちゃん」の先生の声に元気いっぱいに「ハイッ!」と答える小学生のぢょんさんが脳裏に浮かびました。先生が達筆ならば、ぢょんさんは達文ですね。読んでて気持ちが良いんです。(私の)耳が痛くなるような切り口でも不快感ないんです。
No title
本当に、一生の宝物になると思います。
いい先生に恵まれて、よかったですね。
90歳!
素晴らしい。
そしてその素晴らしい方に叱られる関係もこれまた素晴らしい。
先生がこれからもお元気であられますように!
No title
ちゃんと時代について行かないとダメよ …ですか?

良いなぁ!ぢょん子さん !
未だ叱ってくれる先生がお元気で
本当に幸せな事ですよ ♪
Re: No title
Carlos様

もういただけないものと思っていたのですが、手書きでお送りくださったということで、これが本当に最後のおつもりなのかなという気がします。

年賀状の心配などなさらず、一日でも長く生きていただきたいと、今はそう思います。
Re: No title
アネモネ様

うわー、拙文をお褒めいただき、こそばゆい限りです。

それにしてもお耳を痛くしましたか、それは申し訳ありません。考え無しに記事を書いてしまうこともあるので、そんな時はどうかご指摘くださればと思います。
Re: No title
声なき声様

昔の先生にはひとかどの方がいらっしゃいましたね。

子供たちにそういう出会いがあったかというと心もとないです。
Re: 90歳!
rockin'様

本当に恩師と呼ぶにふさわしい方です。

あとお一人、幼稚園の先生で未だにお葉書をくださる方があります。
Re: No title
優様

年とともに叱ってくださる方が減り、自分を改め反省する機会も減り、傲慢になっていくのですよね。

心してお叱りを受けたいと思います。

管理者のみに表示