からのす話。

淡青色の朝の空を、小さな黒いハサミが、小気味よく切り分けていく。

ツバメだ。

軒でジュクジュク言っていた仔ツバメもとうに巣立ち、用済みの巣は空っぽの口を開けている。

日本を離れる秋までは、親も子も、どこか茂みの中に宿って夜を過ごすのだろう。

せっかく安全な巣を作ったのだから、全員は無理でも、親だけでもそこで寝ればいいのにと思うが、それは人間の考えで、ツバメにとって巣は子供を育てるためだけの場所らしい。

考えてみれば、野生動物はみなそうだ。人間は、家を建てると愛の巣とか呼んで喜んでいるが、巣は家ではないのである。

子供が巣立った後、同じ場所に同じように住み続けているのなんて、人間だけだ。

ツバメに不動産は無く、実家も無い

空を飛ぶ鳥のかろやかさは、古い巣を顧みない潔さ、かもしれない。

つばめさん



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ごかぞく | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/08/23 11:30
コメント
No title
最近は燕を見ることも無くなりました。
マンション群では燕も巣作りはできないのでしょう。
カラス?
ツバメじゃないのか?

あ、空巣、カラの巣か!
ニブイぞ、rockin'!
自分の鈍さにあきれ果てました。
ああ、ハズカシ。

そうか。
巣は不動産ではなくて一時的消費財なんですね。
使用目的を完遂すれば廃棄される。
なるほど。
ある意味私有財産制の否定かもしれません。
これはこれで理にかなっているのでしょうね。
Re: No title
Carlos様

こちらではマンションにもうまいこと巣を掛けていますよ。

学校の体育館などにもズラッと並んでいて楽しいです。
Re: カラス?
rockin'様

そういう間違いをされるかしらと何となく思っていました。

子供が家を出たあとにお母さんがなる「空の巣症候群」というのがあるのですが、初めて聞いた時「カラスの症候群」と聞き違えてギョッとしました。

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