えすじの話。

街に出かけた帰り、私鉄の急行に乗った。

帰宅ラッシュにはまだ早いが、まあまあの混み具合で、私を含め立っている人もちらほら。

次の停車駅でドアが開き、また数人が乗り込んできた。

中の一人、60年配のオヤジも、車内をキョロキョロと探していたが、あいにく空席はない。

あきらめてドア横の空間に陣取ったオヤジは、やおら背負っていたリュックをおなか側に回し、ポケットに手を突っ込んで、何か小さなものを取り出した。

S字フック

えすじ

オヤジはそれを手近の吊革に引っ掛け、そこに自分のリュックをぶら下げた。

次に、ぶら下がったリュックのファスナーを開け、中からハードカバーの小説を取り出すと、悠々とファスナーを閉めてから、壁にもたれて読み始めた。

オヤジのリュックは、吊革の先で揺れている。

このオヤジのアイデア、妙案と言っていいと思うのだが、そこはかとなくムカッとするのは、なぜだろう。



にほんブログ村 その他生活ブログ ちょっといい話へ
にほんブログ村


日記・雑談 ブログランキングへ





スポンサーサイト
ごきんじょ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/01/29 08:55
コメント
うわ~同じだ!
これ、使ってます。
ムカッとされたこと、オヤジにかわってお詫びしますぅ~(笑)

もっとも、私は長距離バスの、自分の座席で使ってるので、お目こぼしいただけるかと・・。

前の座席の背中につけて、ゴソゴソおむすびを取り出すの、便利だし、そこはかとなく楽しいの。もちろん、文庫本も必須アイテム。
No title
こんにちは
S字フックですか~でも考えましたね。

でもぶらぶら気になりますよね。
No title
うっとこのチンチン電車でも見たよ~~ 年配のお父さんでした。
ただ、つり革のS字フックにぶら下げたおかばんにつかまって立ってらっしゃいました。
満員電車で 手を下げて 荷物を持つのも重いし、
また 痴漢と間違われたくない、自衛策なのかなぁ・・・と理解していました。
ホントのところはどうだったんでしょう?
No title
「ハードカバーの小説を悠々と」カッコつける割にはS字フックじゃ所帯じみている気がする。
でんさんがムカっとするのもわかる。

せめてカラビナにしとけばどうなんだろう。
Re: うわ~同じだ!
山姥様

いやいや~、バスはOKですよ。あそこはプライベートスペースでしょう。

ドリンクホルダーや荷物入れもありますし。

ほかの人の顔の高さに荷物がぶらぶら…っちうのが、なんだか…だったんですよね。

バスの座席におさまって、おにぎりに本、楽しそうです。お嬢さんに会いに行くためのバスなら、楽しさも2倍かな?
Re: No title
Carlos様

目のあたりに下がっているというのが、なんだかね。

網棚というものがあるのになあとも思いました。
Re: No title
メカ沢様

あれ?何だろう、そのおじさんはあんまりムカッとしないぞ。

たぶんあれですね、荷物から完全に手を放してるか、つかんでるかの違いですね。

しかしおじさんたち…流行ってるのか?
Re: No title
old comber 様

なんかそのおじさんの雰囲気全体が、ムカッと来る何かを醸し出してたんですよね。

したり顔、っていうか。

別の人が同じ事やっても、今度は何とも思わないかもしれない。人の好き嫌いって難しいですね。


管理者のみに表示