すりっぱ話。

今を去ること40年前、私が子供の時分も、教育ママというのは、ちゃんと存在した。

同級生のシバタさんのお母さんは、決まった勉強時間のあいだ、スリッパを持ち、机に向かうシバタさんの背後に立っていたという。

スリッパは、ウトウトしだしたシバタさんをハタくためなのだから、おそろしい。

しかし、うちのおばーちゃんは、そういうお母さんではなかった。

定期試験の前に、私が勉強していると、背後におかしな気配。

振り向けば、スリッパ…ではなく、何かを抱えた、おばーちゃんがニッコニッコしている。

よく見ればそれは、まだ値札のついたお洋服だ。

勉強を中断され、参考書を片手にボーッとしている私に向かって、おばーちゃんは

ねーねー!これ、いくらだと思う?

新しいお洋服を胸に当てて見せる。どうやらまた、デパートのバーゲンに行ったらしい。

えー、わかんない… 2万円くらい?

あてがいぶちを黙って順番に着ていた学生の私には、洋服の値段なんて見当もつかない。

それでも、こういう時は高めに言う方が良い、という人生の知恵は身についている。

やっぱり、それくらいに見えるゥ?でもね、コレ、3980円だったの!

へえ~ すっごーい やっすーい

正直、じぇんじぇんキョーミない話題である。

平坦な合いの手を入れる私の目は、きっとサカナみたいに無表情だったろう。

しかし、そう言わないと、話は終わらないのだ。それもまた人生の知恵である。

パタパタと、スリッパの足音が遠ざかるのを背中に聞きながら、私は試験勉強を再開した。

おやしょくざます
(スネちゃまお夜食ザマスよ)



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むかしむかし | コメント(8) | トラックバック(0) | 2016/02/07 11:10
コメント
No title
こんにちは
シバタさんのお母さんこわ~いですね。
でも、ぢょん・でんばあさんのお母さんは、かわいいじゃありませんか。
人生の知恵ですか~なるほど。
うーむ
うちの母の自己中っぷりは最強!と思っていましたが、なるほど夜食なしで……(ここで止めておきます、笑)

最近はひとりでしゃべりまくってテレビ音声をかき消してくれた挙句「それでコレどうなったの?」と番組の内容を質問してくるうちの母。アンタの声で聞こえんかったから知らんわッ!

しかし伝説のスリッパ母さん、ほんとにいたんですね(@_@)
でも
スリッパ攻撃があるのにもかかわらずウトウトするとはシバタさん、よっぽど疲れていたのでしょうね。
疲れている時はスリッパ入魂方式より15分ほど寝るのが効果的です。

そう言えばサメの目って感情がない分だけコワイですね。
No title
せめてスリッパではなく、段ボールで作ったハリセンを用意してほしかったですね~(爆)
Re: No title
Carlos様

教育ママさんの娘さん、今頃どうしているのかなあと思います。

スリッパのおかげで、名門校を出て、華やかな生活をしているのかなあ。

引っ越してしまったのでわからないのですが。
Re: うーむ
へっぢほっぐ様

ははは~。

うちの母は、たった今来たばかりの私に、自分がそれまで見ていたサスペンスの筋を尋ねます。

そこにいなかった者に、なんでわかると思うんですかね。
Re: でも
rockin'様

わたしもまあまあ優等生でしたが、そこまでしてお勉強したことはないので、どういう感じかはわかんないですね。

でも、寝てはいけないときに寝るのって気持ちいいですよね。

食べちゃいけないものは美味しいし。
Re: No title
えぞばふんうに様

ハリセンを作るのは、ボール紙ですよ~。厚さ1ミリくらいが適当です。

段ボールというのは、内部の構造が波波になっているやつで、折り曲げや直接の衝撃には弱いので、ハリセンには向かないと思います。

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