ごかんの話。

私は語感にひっぱられやすいタイプである。

たとえば「タベルナ」といえば、イタリア語やギリシャ語で、美味しいものをいただけるお店。

そうアタマではわかっているものの、タベルナドコソコなどというお店を見ると、食うなと言われた気がして、ついムッとしてしまう。

そんなことで反感を抱かれて、外来語のほうもエライ災難だが、日本語としての感触というのも大事じゃないかと思うのだ。

その点、同じ外来語でも、スリッパは素晴らしい。

スリッと足を入れると、パッと履ける。

あるいは、スリッと履いて、パッと歩きだせる。

その簡便さが、いかんなく表現されているではないか。

しかし、よく考えると、スリッパの原語はslipperであり、カタカナで書けばスリッパー

せっかくスリッと履いても、パーッと脱げてしまいそうで、頼りないこと甚だしい。

音引きの「-」を取り去って、「スリッパ」としたのは、おそらく無名の一市井人であろうが、その言語感覚は見上げたものである。

アレがもし「スリッパー」という商品名であったら、今ほど広く受容されていただろうか。

スリッパ業界はこの偉人を探し出し、その功労をたたえるべきではないかと思う。

ごリッパと。

がらすのすりっぱ
(シンデレラの履くのは、ガラスのスリッパー)



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2016/02/08 10:22
コメント
No title
こんにちは
いや~スリッパの講釈なかなかです。
そんなに深く考えてもみませんでしたが、そういわれると・・・
あ、語感ね
てっきり五感だと思いました。

スリッパ。
スリッと足を入れると、パッと履ける。

なるほど。
その流れですね。

私はこうでした。
スリッパ
 ↓
slip on

だから?
いや、だから別にどーのこーのってことはないんですけどね 💦
No title
「ババロア」も、現物を見たら美味しそうに感じますが、言葉づらからはネガティブなイメージが伝わってきます(汗)。
フランス語は、一般的には語感は美しいのですが、たまにはこんな例外もあるのですね。
Re: No title
Carlos様

こういうことをいろいろと思いつくのですが、普段の生活ではなかなか、人に聞いてもらう機会もありません。

ブログをやっていてよかったと思うのはこういう時です。
Re: あ、語感ね
rockin'様

スリッポンってやつですね。

あれもいいですよね。スリッと足を入れて、ポンと履ける。

そういえば女性の下着で「スリップ」っていうの、あれを「シミーズ」っていうの好きだったなあ。
Re: No title
声なき声様

そういえば、子供の時に父に連れられてよく言った洋食屋さんで、デザートに自家製のババロアが出ることがありました。

甘くてつるんとしてとてもおいしかったのですが、おじさんのコックさんが出てきて、「ワシが作ったから、ババロアやなくて、ジジロアや」というのが、ちょっとイヤでした。

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