なんきん話。

もうすぐ収穫かしら…

おばーちゃんが庭の松の木を見上げる。

そうだねえ、ずいぶん大きくなって、重たそうだからねえ

見上げた私の視線の先には、大人の頭よりも大きな実が生っている。

むろん松の実などではない。

冬瓜なのだ。

とうがん

冬瓜(トウガン) 学名Benincasa hispida ウリ科の蔓性一年草。果実を食用する夏野菜。

なぜ、松の木に冬瓜が生っているのか、それにはワケがある。

実家の庭にはコンポストがあり、野菜くずなどは地域のゴミ収集に出さず堆肥にする。

熟成した堆肥は取り出して、広からぬ庭のあちこちに撒く。

この堆肥に混ざっている野菜の種が、時々とんでもない場所で芽を出すのである。

中でもとくに運のいいヤツが、成長して花を咲かせ、実をつける。

この冬瓜も、松の木の裏の目立たないところでいつの間にか芽を出して大きくなり、気づけば幹をつたって頭上高くまで伸びて、黄色い花を咲かせた。

おばーちゃんの手の届かない高い場所で、冬瓜の実はどんどんデカくなり、こうして収穫期を迎えたのだ。

アタシが取るんだからね、おかーさんは絶対ゼッタイ取らないでよ!

わかってるよぉ…

おばーちゃんにきつく念を押すにもワケがある。

数年前、今回同様の経緯で、家の裏の石垣の上にカボチャが生えたことがあった。

堆肥のコヤシの効いたカボチャは、ホッタラカシでもすくすくと大きくなり、やがて実をつけた。

変な場所に、一番立派な実がぶら下がっているのを見たおばーちゃんは、我慢できずに石垣を登った。

そして、落っこちたのである。

頭こそ打たなかったが、足をくじき、腰をぶつけ、数日寝込むという大事件になった。

おばーちゃんに大事に抱かれたカボチャは、割れずに無事だったが、煮て食べたんだったか、味がどうだったか、記憶がない。

カボチャのことを関西ではナンキンと呼ぶ。

わが家でナンキン事件といえば、おばーちゃんがアザだらけになった、この件のことなのである。

娘としては、おばーちゃんがまた松の木に登らないうちに、冬瓜を収穫してしまわねば、と思っている。



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ごかぞく | コメント(4) | トラックバック(0) | 2016/09/11 11:17
コメント
No title
こんにちは
そんなナンキン事件があったんですか~
じゃ~早くとってあげないとトウガン事件が起きますよ。
石垣に上ることは
リスクが高過ぎます。
もしもお母様が自力で収穫したいのであればその方法は「投石」です。
難易度はかなり高いですが。
Re: No title
Carlos様

トウガン事件というと平沢死刑囚の…ってあれは帝銀事件か。

木曜日に取りに行く予定です
Re: 石垣に上ることは
rockin'様

ノーコンの母が石を投げたら、とんでもないところに当たって、はね返って危ない気がします。

ドッジボールを勧めます。

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