はいくの話。

ずいぶん前だが、見るものがなくて、教育テレビの俳句講座をつけっぱなしにしていた。

投稿された視聴者の句に、ステキなのがあったのを覚えている。

春の雨の中、傘を差さず小走りで郵便受けに行くと、遠い人からの手紙
雨が一粒、宛名の上に落ちて、万年筆の懐かしい筆跡が、少しにじむ


…という情景を描いたものだ。

ところが肝心の句がどうであったのか、全然思い出せない。

それでは、と再構成を試みたが、これだけの内容を17文字で表すのは、到底無理なのだ。

俳句ってスゴイと思う。

それにしても、メールが普及して、昔に比べて手紙をもらうことはぐっと少なくなった。

郵便受けを覗いて、DMばかりの中、たまーに手書きの封筒があると、とっても嬉しい。

ベリルには英会話を習ったのだが、年も近かったし、先生と生徒から、お友達になった。

今は国に帰っていて、年に一度クリスマスカードが来る。

パソコンを買った時にアドレスを知らせてきたので、しばらくはメールもしたが、尻切れトンボとなり、今は郵便だけのやりとりである。

5年前、東北の震災のすぐ後、クリスマスでもないのに、まるまっちい字の封筒が届いた。

おはなのかーど

きれいなお花のカードに

恐ろしいニュースを聞きました TUNAMIを逃れ、このカードが無事に届くことを祈ります

とある。

ニュースを見て、すぐに書いてくれたのだろう。いつも以上に字が乱雑である。

しかし、私の住まいは近畿地方、しかも海なし県

3年も日本に住んでたくせに、地理音痴にもほどがあるよベリル!

だけど、遠いとおい国で、私のこと心配してくれて、ありがとう。

ベリルの手紙は、暖かな春の雨に濡れていた、ような気がする。



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ごきんじょ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2016/04/17 10:23
コメント
No title
こんにちは
俳句は難しそうですね。
いろいろ気まりがあるようで・・・・
ベリルさん元気にしているでしょうかね~
今でも忘れずにいてくれるのはうれしいですね。
チリ音痴は仕方がないのかな?
私だって外国の町がどうかなんてまったくわかりませんから
でも心配してくれたんですね。
No title
遠くにいればいるほど、思いを寄せてくれる人の気持ちがありがたいですね。

べリルさんは、ちょっと天然?
ニュースのインパクトが強すぎたのかもですね。

それにしても恐るべし、俳句。
17文字の宇宙ですね。
俳句では
ありませんが、短歌なら片山廣子の

ことわりも教も知らず恐れなく
おもひのまま生きて死なばや

が好きです。
すっげー、アナーキーだし。

まるで芥川龍之介の

「道徳は便宜の異名である。『左側通行』と似たものである」

みたい。

17文字にせよ、みそひともじにせよ厳しい文字数制限の中でおもひを表すなんて凄い技です。

ぢょん でんばあ様ならきっと素晴らしい歌を詠まれるに違いない。

ベリル先生は俳句をご存知かな?
No title
阪神淡路大震災の時も、アメリカの知人から心配するメールが届いたと、ずーっと東京在住の先生が言っていました。
アメリカからみたら、距離感わかんないですよね。日本狭いし。津波、ものすごい内陸まで届いてましたし。
ベリルさん、ステキな方ですね。
Re: No title
Carlos様

私も地理はとっても苦手です。

どこがチリでどこがアルゼンチンだか…って、これはチリ違いですね。
Re: No title
mikaidou様

外国から見れば、日本みたいに小さな島、全部が沈んでしまいそうに見えるんでしょうね。

でも、優しい心配の言葉はとっても嬉しかったです。
Re: 俳句では
rockin'様

私は古川柳が好きなんですよね。寝る時に「誹風柳多留」をめくったりしています。すぐ寝ちゃってなかなか進みませんが。

ベリルは美術の勉強をしていて、浮世絵には詳しかったですが、俳句はどうかなあ?

そのうち聞いてみたいと思います。
Re: No title
茜様

こんなに細長い小さい島ですもん、どこも一緒に思えても仕方ないですよね。

でも日本にいる時はあっちこっち旅行してとっても詳しかったんですよ。帰国して忘れちゃったのかな。

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