ぼうきれ話。

ウチの玄関に、長さ2メートルくらいの木の棒が、ずうっと立てかけてある。

高3のムスコが小学生のころ、大風の翌日に、拾ってきた木の枝だ。

ムスコは今でこそ筋金入りのインドア男だが、小さい頃はそれなりに外で遊んでいた。

背丈よりはるかに長い木の枝を肩に載せ、意気揚々と帰ってきた様子を、よく覚えている。

子供って、なぜ棒を拾うのだろう?落ちていたら、拾わずにはいられないみたいだ。

拾った枝は仔細に吟味して、気に食わないと、眉間にしわを寄せ、忌々しげにポイッと投げる。

どうやら彼らなりに良い棒と良くない棒があるらしい。

皆いっちょ前の棒評論家なのである。

子供、特に男の子が、棒を持っているのは、いかにもワンパク坊主という趣でいいものだ。

わんぱくたんていだん
(いくらなんでも銃を持つのはワンパクが過ぎる)

夕方、団地の傍の遊歩道を歩いていると、小学3年生くらいの子が、騒がしくやって来た。

4人が4人、めいめいに木の枝を手にしているのを見て、なんだか嬉しくなる。

その日いちにち、あれを拾いこれを捨て、選び抜かれた1本の棒は、こうして家に持ち帰られ、そして母親に

もう!またこんなもん持って帰って!

の小言とともに捨てられる運命にある。

ヒドイようだが、私を含め、母親とはそういうもんなのである。

ムスコが拾った棒を捨てなかったのは、2メートル超というサイズが、わが市のゴミ収集のルールにのっからなかったからに他ならない。

捨てあぐねて数年、玄関の木の枝は、すっかり目になじみ、当たり前のものとなっている。

このごろ、この棒を捨てる理由は、もはや存在しない気がしてきた。

母親とはまた、そういうもんでもあるのである。



にほんブログ村 その他生活ブログ ちょっといい話へ
にほんブログ村


日記・雑談 ブログランキングへ



スポンサーサイト
ごかぞく | コメント(16) | トラックバック(0) | 2016/06/01 10:34
コメント
No title
棒切れというのと少し違いますが、死んだ私の父親は富士山に登っていろいろとご印を押していただいた杖を大事にしていたところ、親に風呂の薪にされてしまったという経験があったそうです。今は薪を使う場面が少なくなっているので、棒きれの運命もだいぶ違ってきているのですね。
No title
孫(男)も小さい頃、出かけると必ず棒を拾って帰ってきたのを思い出しました。多分それは今は1本も残っていないと思いますが。
あははは~。
うちもうちも!!です(笑)
今はもう持って帰ってくることはなくなりましたが、目につくと棒を拾って、用が済むと捨てているようです。
何の用だかわかりませんが・・・・・・・。

2m越えの棒は、そのまま取っておいて欲しいです。
No title
こんにちは
棒きれですか~
今の子は、昔みたいにチャンバラはやららないでしょうから
どうやって遊ぶんでしょう?
僕らのころは、刃替わりでしたが・・・

でも今も玄関にね~
そうですね、用心棒になるかも。
No title
そういえば、ウチの息子が中学のとき、ウニを密猟してきて(!)何だかわけの分からない網に、しこたま持ってきました。我々夫婦は、即座に水産加工のオジさん、オバさんと化し、ウニを捌き、ウニ丼を・・・生涯であんな美味いウニ丼は食べたことないです。

で、そのときのわけの分からない網が、いまだに我が家の物干しの端っこに掛かってます。

大学から東京に出た息子からある日メールが

「東京にはウニがない」

爆笑しました。親とはそんなものです。
男は
総じて棒が好きです。
そして棒の厄介なところは、「棒」を持つと必ず振り回したくなることです。

そしてあっとゆーまに「棒」のサイズが大きなり本数が増えるんです。
そしてみんな「棒」を持ちたがり棒の大きさと本数を競い合うんです。

もうそろそろ「棒」を競うあうことをやめませんか?
No title
私の場合山でエゾシカの角をひろってきますと、妻がじつにイヤな顔しますが、すでに物置に10本以上あります。ムフフ
No title
こんにちは。
ウチにも、拾ってきた棒や「杖」があります(>_<)
ムスコは仙人みたいな杖・棒が好きなんだそうです。
捨てるに捨てられない感じですね~
Re: No title
たんめん老人様

登山杖というのでしょうか?白木の杖のようなもの、祖父の家にもありました。御朱印帳のように墨の文字と朱の印がちりばめられていた記憶があります。

あんな有り難そうなものを火にくべるなんて、ちょっと恐れ多いですが、それほど燃料事情は逼迫していたのでしょうか。
Re: No title
nobotanさん様

いきなりコメント投稿ができなくなり、お返事が遅れてごめんなさい。

うちに残っているのもこの一本だけです。

あれを全部取っておいたら今頃どうなっていたでしょうね(笑)。
Re: あははは~。
みのじ様

>何の用だかわかりませんが・・・・・・・。

ハハハ…ホントに何の用なんでしょうね?

2メートルの棒はたぶんこのままずっとここにある気がします。
Re: No title
Carlos様

チャンバラとは違いますが、息子たちも棒を持ってかっこよく(?)構えていましたよ。

男の子は今も昔もきっと同じなんですね。
Re: No title
私には私の生き方がある様

ウニ?!食べられるウニを、そんな大量に?

なんて親孝行な息子さんでしょう。

うちの息子にも棒以外のものを拾ってきてほしいものですが、もう高3ですから、諦めるべきでしょうか。
Re: 男は
rockin'様

いいじゃないですか、少年の心を持ち続ける男性。

少年だから、自然の中、広々した場所で、白球を飛ばし、棒を振り回したくなるんですよね。

これからもじゃんじゃん棒を集めてください。
Re: No title
えぞばふんうに様

し、シカの角…。さすが、北海道の大地は落ちてるものも違う!

わが市にもシカはうじゃうじゃおりますが、角が落ちる前に「愛護会」という団体につかまって、切られてしまいます。
Re: No title
メカ沢様

仙人みたいな棒、となると、瘤になったような古い木かな。いい趣味だ。

うちの棒は大風で折れた木の枝なので、スラッとまっすぐで、息子さんのご趣味には合いませんね。

管理者のみに表示