えちぜん話。

昨日の記事(→ しょうじょの話。)を書いていて、「大岡政談」のエピソードを思い出した。

大岡越前守が、不貞を働いた男女を裁いた折、ふと疑問が生じた。

そこで自分の母親に「女にはいつまで性欲があるのか」と尋ねると、母は黙って火鉢の灰をかき回した。

それを見て「なるほど、灰になるまで、ということか!」と悟った、というのである。

よくできた話だが、改めて考えてみて、ホンマかいなという気がしてきた。

まず、人が死ねば灰になる、というのは近代以降で、江戸時代は土葬じゃないのか、という疑問が湧く。

そこでちょっと調べてみると、火葬の歴史は古墳時代に遡るが、この時代は儒教思想の影響などで、少数の例外を除いて火葬は行われなかったとわかり、やっぱり、と思う。

神道と仏教の勢力争いの問題などにもかかわり、非常に興味深いが、ここにこだわると話が進まない。

もっと気になるのは大岡忠相とお母さんの関係である。

ねーねー、おかーさんおかーさん、最近セーヨクってどう?

と、いートシした息子に尋ねられて、

それはねタダスケ…

と、即座にスカッと答えられる母親なんて、いるのだろうか。

江戸時代に、しかも武士階級に、そんなフランクな親子関係、あったと思えない。

いきなりそんなことを聞かれて、お母さんはモジモジしちゃったんじゃないか、と私は思う。

恥ずかしくて目を伏せたら、たまたま横に火鉢があったので、乱れてもない灰を均したりしてごまかした。

それをタダスケが勝手に

なるほど!母上、わかりました!灰になるまで、ということですね!

と、早合点しちゃっただけのことなんじゃないだろうか。

まったく、気の回りすぎる男というのも、困ったもんである。

おおおかえちぜん
「母上!なにとぞご返答を!」



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2016/09/04 11:02
コメント
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No title
こんにちは
ほんといつまでなんでしょうね。
女性と男性では違うのかな?
男性は死ぬまでかな?
もう、傑作!
結びの
「まったく、気の回りすぎる男というのも、困ったもんである」と、
続く写真
タダスケ加藤剛の凛々しく生真面目な姿 と、
そのキャプション
「母上! なにとぞご返答を!」に

ムフッ…ウハハ、と吹き出してしまいました。


私も昔
この逸話を聞いた時、息子が母親にそんな機微に触れることを聞くか、って思いました。

そして灰の件。
人一人、灰になるまで焼こうとするとすごい燃料と時間がかかります。
江戸時代には到底無理な話です。
Re: No title
鍵コメj様

いつも面白がってくださってありがとうございます。

でも、そのご質問にお返事できるほどフランクなお付き合いは、残念ながらお断りせざるを得ません。ごめんなさい。

Re: No title
Carlos様

死ぬまで、はちょっとご勘弁願いたいですね~。

介護する側の身になりますと、ほどよくアクが抜けていてくださらないと…。
Re: もう、傑作!
Westwing様

加藤剛みたいな息子、困ると思うんですよね。

冗談通じないよねきっと。
Re: 私も昔
rockin'様

そうそう、燃料の問題がありますよね。

人間は水分が多いですからねえ。

この時代の人に、死んだら灰、の発想は、絶対ないと思うんですよ。
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Re: No title
鍵コメj様

あまり恐縮なさらないでください。

いつも読んでくださってありがとうございます。

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