かんばん話。

時々降りる駅に、盆踊りのカンバンがかかっていた。

新興住宅地でも、ちゃんと地域の祭りがあるのはいいものだ。

今年は浴衣を着る予定もないなあ、と思いつつカンバンの前を過ぎ、改札を通る。

電車に乗り込んだが、さっき見たカンバンが、妙に頭に残った。

かわいい感じの絵柄で、踊る人がペンキで丁寧に描かれていた、ような気がする。

次に通ったらもうちょっとよく見てみよう、と決意した。

そしてようやく、また見るチャンスが訪れた。

ぼんおどりのかんばん1

一見して気づくのは人物の年齢層である。

ご老人と子供しかいない。

提灯のともるヤグラの下で、浴衣姿のカレ・カノジョに胸をときめかす、青年男女はいないのか。

次に気がかりなのは、踊る子供たちの肩の関節

手のひらがどっちを向いているのかもわからないが、右手をこの角度であげるのは相当つらい。

私も試しにやってみたが、うっかりすると脱臼しそうだ。

現に中央の老夫妻は

この振付はトシヨリには無理

とばかり、列に加わりつつ踊りを放棄している。

最も気になるのは、人物の国籍構成である。

まぎれもなく浴衣を着た盆踊りでありながら、全体に漂うこの異国情緒は何だろう。

どこか遠い国の、日本人町の祭りのような気さえするのは、どことなくエキゾチックな人物の面立ちのせいであろう。

ぼんおどりのかんばん2

子供ながらグラマーな赤毛の彼女もさることながら、グレーの浴衣を着てノーブルな横顔を見せている彼の量感ある巻き毛などは、日本人のものと思えない。

さらに考察を続けたかったが、人通りの多い場所で長く立ち止まるのも気が引けて、やむなくその場を後にした。

次に通る時は、お盆も過ぎ、カンバンも片付けられているだろう。なんだか、お名残り惜しい。



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ごきんじょ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2016/08/10 10:54
コメント
右手をこの角度であげるのは相当つらい
この鋭い指摘に触れた瞬間、きっと多数の方がThe Rolling Stones のライブアルバム「Love You Live」のジャケットを思い浮かべたことでしょう。
もちろんアンディ・ウォーホルの手によるあのジャケットです。
ええ、ミックが手に噛み付いているアレです。
ミックが噛み付いている手は角度的に自分の手では有り得ません。
他人の手に噛み付いているんですね。

今回のポスターは他人の手ではないのは明白ですが「角度的に無理」という共通点が見受けられます。

Love You Live では chucke berry の around and around のカバーが最高の出来を示しています。
そう思いますよね。

久しぶりに聞こうかな。
No title
こんにちは
看板が気になったんですか~
鋭い観察力ですね。
私だったらおそらく、”あ~おまつりがあるんだ~”くらいで、通り過ぎてしまってますが・・・


Re: 右手をこの角度であげるのは相当つらい
rockin'様

存在そのものにロックさが全くない私は知りませんでした。

ので、検索しました。便利な時代です。

見たところこの手はポチャッとして指も短くて子供の手ではないですか。

子供の手をかじるミックジャガー。

ひどい!いいおじいちゃんだと思ってたのに!
Re: No title
Carlos様

私も「あー盆踊りなんだなあ」と一度は通り過ぎたんですよ。

でもなんかヘンだなってあとから思ったんです。

そういうこと、ないですか?

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