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ひゃっきん話。

ひょんなことで、出先で時間が空いた。時節柄、飲食店に入るのもなあ、と思っていたら、近くに時々行く百円均一があるのを思い出した。

とくに買うものは無いが、百円均一というものは、必要ができてから急に出かけてもダメだ。

新製品や売れ筋商品を定期的に見回っていてこそ、お得に買物できるのである。

ちょうどいい、パトロールとシャレこもう。

フロアに足を踏みこんだ瞬間、おかしい、と思った。

なんだかパアッと明るいのだ。

ひゃくきん

以前はこんな風↑に、ごちゃごちゃ詰め込まれていた商品が、目通りの高さに整理されて並ぶ。棚は白いものに替えられ、通路は楽に通れる広さ。

面積は同じだが、売場の配置が変わったらしい。

文房具を見たいのに、心覚えの場所には無い。

困るなあ…ワタシになんの断りもなく…

フラフラと心細く、店内をうろつくうち、不意にノートやペンの並ぶ一角に出る。よく見れば、当たり前だが、モノ自体はおなじみの百均商品だ。

やれやれ、やっぱり百均じゃないか…

ホッとしたのもつかの間、グルグル歩いたものだから、どこから来たのか分からなくなった。

これではパトロールではなく、探検である。

ようやく出口を見つけて、迷路から抜け出し

今日はこのくらいにしといたらあ!

ヤケクソの捨て台詞を、心の中でつぶやくころには、次の予定の時間が迫っていた。



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ごきんじょ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2020/12/04 11:30

かさこそ話。

ヒンヤリ冷えこんだ朝。

しばらく外出が続いたが、今日は家にいられるから、たまった家事を片付けよう。

不思議に穏やかな、静謐な気分は、テレビも点けず、音楽もかけずにいるからだろうか。

こちらの部屋、あちらの部屋と、カーテンを開けて回りながら

なんだか 森の中にいるようだわ…

白雪姫みたいなヒトリゴトを言ってしまった。

洗いあがった洗濯物をカゴに入れていると

…カサ コソ…

落ち葉を踏む、小さな足音がした。

誰? リスかしら それともウサギ…

家の中にリスがいたら大変だが、白雪姫だから、気にしない。

洗濯物を干し終えて部屋に戻り、朝食のお皿を洗って、フキンの抽斗に手を伸ばすと

…カサ コソ…

あ、また。

迷子の仔鹿さん 出ていらっしゃい!

♪い~つか おうじさまが~♪と歌い出したいところだが、残念ながらここで我に返る。

カサコソいっているのは、今シーズン初めて穿いた、ナイロンのズボンなのである。

魔法が解けた白雪姫は、フリースに暖パンのオバサンに戻った。

もりのしらゆきひめ



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2020/12/03 11:30

おわった話。

はぁー…終わったぁ…

ATMから吐き出された、通帳の数字を見て、思わずほっと溜息が出た。

ムスコの後期授業料の引落が、無事済んだのだ。

遠い町の大学に通うムスコは4年生。つまりこれが、最後の授業料である。

ここに至るまでには、まあいろいろあった。

1人でよくやったよな、と思う半面、子供に負担をかけた自覚もある。

さいわいムスメもムスコも健康で、運よくあまりお金のかからない学校に進んでくれたし、高価な塾や習い事もしなかった。

それでも毎度、スコスコ支払えるとは限らない。薄い財布を握りしめ、胸の底が冷たくなるような、綱渡りみたいな思いもした。

ムスメもムスコも何も言わないが、お金さえあれば選べた将来を、あきらめさせたかもしれない。

それは、この先ずっと、私が親として忘れてならない、2人への負い目である。

ムスメに続いて、来春はムスコも社会人になる。

「お母さん」の仕事も、最終盤だ。

ATMのひとたち1
(ありがとうございました またのご利用を…)



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ごかぞく | コメント(18) | トラックバック(0) | 2020/12/02 11:30

ごきげん話。

朝の家族LINE

おはようのすたんぷ

スタンプの後、今日も寒いね、こっちも寒いよ、とイモートとやりとりする。

ところが、いつもならここで入ってくるおばーちゃんが、いっこうに現れない。

今日お母さん遅いね

@お母さん おーい、起きてる?


呼びかけても、なしのつぶてだ。

朝イチのLINEは生存確認でもあるから、ちょっと心配になる。私より遠くに住み、私より心配性なイモートは、さっそく電話をしてきた。

モシモシ…お母さん大丈夫かな?

さあ… 一昨日電話した時はフツーだったけど

昨日の午後からLINEにも来てないワ… 具合でも悪いのかしら

またメマイかなあ 電話してみる?

もし寝てるんだったら 起こしちゃ悪いしねエ

相談の末、しばらく様子を見て、お昼前に電話してみようということになった。

すると、10時を過ぎたころ、

お早う

おばーちゃんからのメッセージが入ったので、とりあえず安心した。

しかし、お気に入りのスタンプも、得意のもつかない、たった3文字。

ご機嫌を損ねただろうか?ここ数日のやりとりを思い返しても、腹を立てるようなことはない。

何かあったのか、別の心配が湧いてきた。同じように感じたらしいイモートから、また電話。

モシモシ… おかーさん、怒ってるのかな?

さあ… アンタ、何か言った?

ううん おねーちゃんは?

いやー いつも怒らせるのはアタシだけど 今回は心当たりないワ

なんだろう?

なんだろうね?

話し合ったが結論は出ない。

おばーちゃんだって1人の人間、ムシャクシャすることもあるだろう。和気あいあいと家族LINE、なんて気になれないこともあるに違いない。

モヤモヤと日が過ぎて、翌朝。

おはようのスタンプ2

私より、イモートより早い、老母のスタンプ。どうやらご機嫌は直ったようだ。

やれやれ、いまごろイモートも遠い町で、ホッとしていることだろう。



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ごかぞく | コメント(10) | トラックバック(0) | 2020/12/01 11:30

ふんしつ話。

寒い季節は、お布団に入るのが嬉しい。

ふくふく、ぬくぬくと温まっていくのが楽しい。

あと少し起きていたいと思いつつウトウトする、その心地よさ。

本を持って寝床に入っても、いくらも読まないうちにやっぱり眠ってしまう。朝起きたら片手に本を持ち、指を頁にはさんだままのこともある。

ゴトン…

真夜中、外の物音で目を覚ました。耳を澄ましても、それきりシンとしている。気のせいか。

読みかけの本を眺めて眠りに戻ろうと、枕元を探ると

あら、無い?

モゾモゾと寝返りを打ち、反対側に手を伸ばしたが、指先に当たるものは無かった。

ま、いっか、と思ったけれど、どうも気になる。しかたなく、寝床に半身を起こしても

あら~ 無い?

こうなると気になって寝ていられない。

立ち上がり、掛布団と毛布をバサッと振るう。せっかくの暖気が、逃げていく。

しかし寝る前までたしかにあった本は、影も形も見えない。

冷えてしまった布団にくるまり、もしや不埒者が忍び込み、持ち去ったのか、さっきの物音は、そ奴の逃げる音か、不穏な想像に身を委ねる。

それきり眠れなかった、と言えれば格好がつくが、のび太体質の悲しさ、またしても、あっという間に寝てしまった。

短い夢を、いくつも見た気がする。

ドロボウの入る夢、自分がドロボウだった夢…。

布団を上げたら、本はなぜか枕の下にあった。

へいあんちょうのせいかつとぶんがく
(「平安朝の生活と文学」池田亀鑑著 ちくま学芸文庫)



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2020/11/30 11:30
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