しおりの話。
駅ビルの大型書店。
だいぶ前に単行本で読んだ小説が、文庫になっているのを見つけて買った。
レジで支払いをしていると
…お入れしときますね~
暑さでボーッとしていて、聞き取れなかったが、どうせ広告だろう。聞き返しもせず、踵を返す。
乗り込んだ電車で、グッタリと吊革にぶら下がっていると、目の前の席が空いた。
バッグを膝に、買ったばかりの本を開く。
真ん中あたりで自然に開くのは、シオリが入っているからだ。
アラ?きれい…
よくある出版社の名入りの紙のシオリではない。
そういえばレジ横に何かあったな。

なるほど、さっきの書店員さんは
プレゼントのシオリ、お入れしときますね~
言っていたのだと思い当たった。
ちょっとトクした気がして、カラフルなシオリを取り出して眺める。
私はページを丸めて持つので、こういう硬い素材のシオリは、読む間は邪魔だ。ダストジャケットと表紙の間に差し込み、はじめから読み始めた。
…おっと、降りなきゃ。
えっと…24まで…
読んだページのノンブルを確認して、本を閉じ、バッグにしまう。
そう、私にはシオリを使う習慣がないのである。
キレイなデザインのシオリも、出版社名だけの地味なシオリも、みんな差し込んだままになる。
古書店で、本のジャケットをはがして、そこにシオリが入っていたら、それはもしかしたら、私が売った本かもしれない。

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だいぶ前に単行本で読んだ小説が、文庫になっているのを見つけて買った。
レジで支払いをしていると
…お入れしときますね~
暑さでボーッとしていて、聞き取れなかったが、どうせ広告だろう。聞き返しもせず、踵を返す。
乗り込んだ電車で、グッタリと吊革にぶら下がっていると、目の前の席が空いた。
バッグを膝に、買ったばかりの本を開く。
真ん中あたりで自然に開くのは、シオリが入っているからだ。
アラ?きれい…
よくある出版社の名入りの紙のシオリではない。
そういえばレジ横に何かあったな。

なるほど、さっきの書店員さんは
プレゼントのシオリ、お入れしときますね~
言っていたのだと思い当たった。
ちょっとトクした気がして、カラフルなシオリを取り出して眺める。
私はページを丸めて持つので、こういう硬い素材のシオリは、読む間は邪魔だ。ダストジャケットと表紙の間に差し込み、はじめから読み始めた。
…おっと、降りなきゃ。
えっと…24まで…
読んだページのノンブルを確認して、本を閉じ、バッグにしまう。
そう、私にはシオリを使う習慣がないのである。
キレイなデザインのシオリも、出版社名だけの地味なシオリも、みんな差し込んだままになる。
古書店で、本のジャケットをはがして、そこにシオリが入っていたら、それはもしかしたら、私が売った本かもしれない。

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さいどの話。
リュックサックを新調したいと思っている。
色やデザインが様々で迷うが、ゆいいつの条件はサイドファスナーがあること。

以前、ムスメとバスに乗ったとき。
リュックを背負ったムスメが、ヒョイと脇に手をやったと思うと、財布を取り出したので
なにそれ?今どうやった?
驚いて聞いたら
ここにファスナーがあんの!ホラ…
リュックサックの横の面を指さした。
ホホォ~ 背中から下ろさず中身が出せるとは 便利なもんじゃのお
ババアを通り越して、ジジイのように感心する。
私はふだんショルダーバッグを使っていて、とくに不満はないけれど、将来に備えて、両手の空くリュックサックに慣れておきたい気もしていた。
ただ、出し入れの不自由な点が心配である。
バスや電車に乗るとき、買物の時、いちいち背中から下ろして財布やカードを出すのは面倒だ。
サイドファスナーは、まさにその不安を解消する機能ではないか。
勇躍、カバン店に向かい、店員に断って、サイドファスナーを備えた商品を試着。
鏡の前でわが姿をチェックすれば、身軽で、心なしか若々しく見える。
さっそくサイドファスナーの使い心地をと、脇に手を…アレ?アレレ?
…届かない…
そう、私は人並外れて、身体がカタいのだ(→カイキャク本。)。
両手を背中に回してみても、指先はけっして出会うことはない。
そんな私にとって、肩甲骨の高さにあるファスナーのスライダーをつかむのは、空中ブランコを飛ぶのと同じくらい、無理なのであった。
勢い込んでしょったリュックサックを下ろして、スゴスゴと店を出た。

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色やデザインが様々で迷うが、ゆいいつの条件はサイドファスナーがあること。

以前、ムスメとバスに乗ったとき。
リュックを背負ったムスメが、ヒョイと脇に手をやったと思うと、財布を取り出したので
なにそれ?今どうやった?
驚いて聞いたら
ここにファスナーがあんの!ホラ…
リュックサックの横の面を指さした。
ホホォ~ 背中から下ろさず中身が出せるとは 便利なもんじゃのお
ババアを通り越して、ジジイのように感心する。
私はふだんショルダーバッグを使っていて、とくに不満はないけれど、将来に備えて、両手の空くリュックサックに慣れておきたい気もしていた。
ただ、出し入れの不自由な点が心配である。
バスや電車に乗るとき、買物の時、いちいち背中から下ろして財布やカードを出すのは面倒だ。
サイドファスナーは、まさにその不安を解消する機能ではないか。
勇躍、カバン店に向かい、店員に断って、サイドファスナーを備えた商品を試着。
鏡の前でわが姿をチェックすれば、身軽で、心なしか若々しく見える。
さっそくサイドファスナーの使い心地をと、脇に手を…アレ?アレレ?
…届かない…
そう、私は人並外れて、身体がカタいのだ(→カイキャク本。)。
両手を背中に回してみても、指先はけっして出会うことはない。
そんな私にとって、肩甲骨の高さにあるファスナーのスライダーをつかむのは、空中ブランコを飛ぶのと同じくらい、無理なのであった。
勢い込んでしょったリュックサックを下ろして、スゴスゴと店を出た。

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どこでも話。
おばーちゃんの病院に随行した。
検査結果を聞くだけなので、比較的早く済んで、ご飯を食べて帰ろうということになった。
炎天下を歩くのもつらいので、とりあえずデパートのレストラン街へ。

写真入りの案内板の前に立ち
何食べたい?どこにする?
ご意向をうかがうと
どこでもいいよ 私は
出たよ、どこでもいい。
おばーちゃんは、娘の私と違って、控えめな人のつもりなので、だいたいそう言う。
じゃあ ちょっと歩いて決めよっか
冷房も効いているし、平日の少し遅い時間で、混み合ってもない。通路をプラプラと歩き始めた。
お寿司にする?
うち 昨日オサシミだったわ
ハンバーグだって~
えー 暑いのにお肉ぅ?
そう、この人のどこでもいい、は、全然マッタクどこでもよくないのである。
パスタおいしそうね
スパゲティなら家でも茹でられるじゃない?
じゃあ何がいいの?
なんでもいいよ アンタの好きなもので
いくら聞いてもハッキリ言わず、そのくせこちらの提案にはヤンワリ反対する。
嗜好、状況、今日の体調まで考えて、あれはどうか、これはいかがとお伺いをたてるのは、ホントに疲れるのだ。
レストラン街の通路を2周したあと、とくに好きでも、食べたくもない蕎麦屋に入った。ワリカンでかまわないのに
今日は付き合ってもらったんだから
おばーちゃんが強硬に言い張るので、支払は任せる。
夕方、それぞれの家に着いてから
今日はごちそうさまでした
いちおうお礼のLINEをすると
若い人につられて食べ過ぎたわ 苦しくて晩御飯が食べられそうにありません
まるで私のせいみたいである。
さんざ気苦労をしても、母の頭の中では、娘の好きなものをおごってやった、ということになっているのが、どうも釈然としない。

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検査結果を聞くだけなので、比較的早く済んで、ご飯を食べて帰ろうということになった。
炎天下を歩くのもつらいので、とりあえずデパートのレストラン街へ。

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何食べたい?どこにする?
ご意向をうかがうと
どこでもいいよ 私は
出たよ、どこでもいい。
おばーちゃんは、娘の私と違って、控えめな人のつもりなので、だいたいそう言う。
じゃあ ちょっと歩いて決めよっか
冷房も効いているし、平日の少し遅い時間で、混み合ってもない。通路をプラプラと歩き始めた。
お寿司にする?
うち 昨日オサシミだったわ
ハンバーグだって~
えー 暑いのにお肉ぅ?
そう、この人のどこでもいい、は、全然マッタクどこでもよくないのである。
パスタおいしそうね
スパゲティなら家でも茹でられるじゃない?
じゃあ何がいいの?
なんでもいいよ アンタの好きなもので
いくら聞いてもハッキリ言わず、そのくせこちらの提案にはヤンワリ反対する。
嗜好、状況、今日の体調まで考えて、あれはどうか、これはいかがとお伺いをたてるのは、ホントに疲れるのだ。
レストラン街の通路を2周したあと、とくに好きでも、食べたくもない蕎麦屋に入った。ワリカンでかまわないのに
今日は付き合ってもらったんだから
おばーちゃんが強硬に言い張るので、支払は任せる。
夕方、それぞれの家に着いてから
今日はごちそうさまでした
いちおうお礼のLINEをすると
若い人につられて食べ過ぎたわ 苦しくて晩御飯が食べられそうにありません
まるで私のせいみたいである。
さんざ気苦労をしても、母の頭の中では、娘の好きなものをおごってやった、ということになっているのが、どうも釈然としない。

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おさしみ話。
仕事帰り、混み合う夕方のスーパー。
おおかたの食料品は生協でとっているから、久しぶりで、せわしない買物客の往来がめずらしい。
牛乳だけのはずなのに、観光気分でついブラブラする。
あ、もうスイカが出てる!
見たことないパッケージの新製品!
眺めるだけで、なんだかウキウキしてきたから、安上がりな性分だ。
そうだ 夕飯何にしよう…
数日前から、何かが食べたいけど、何だかわからない。けっきょく冷蔵庫のありあわせを食べて、ちゃんとおいしいんだけど、釈然としない。
そんなことが続いていた。
アタシは何が食べたいんだろう…
空の買物カゴと、誰にも聞けない疑問を抱えて歩いていたら、鮮魚コーナーに差し掛かった。
お刺身ねえ… お刺身?…オサシミ!
食べたいものは生魚であった。
そういえば、在外のときも同じことがあった。
現地のスーパーで買えるもので作るゴハンに、特に不満はなかったのだけど、むしょうに食べたくなったのが生魚だった。
外国でお寿司が気軽に食べられる時代ではない。スモークサーモンにチューブのワサビをつけて、かろうじて生魚欲をしのいでいた。
現代の日本にいながら、血中生魚濃度が下がるほど食べてなかったとは。
パックに手を伸ばしかけて
うッ!
いっしゅん値段にひるんだが、おお、燦然と輝く太陽が、私を励ましているではないか。

早く帰って、これを食べよう!
ガシッとつかんだパックを、カゴの底に入れて、牛乳売場へ急ぐ。

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おおかたの食料品は生協でとっているから、久しぶりで、せわしない買物客の往来がめずらしい。
牛乳だけのはずなのに、観光気分でついブラブラする。
あ、もうスイカが出てる!
見たことないパッケージの新製品!
眺めるだけで、なんだかウキウキしてきたから、安上がりな性分だ。
そうだ 夕飯何にしよう…
数日前から、何かが食べたいけど、何だかわからない。けっきょく冷蔵庫のありあわせを食べて、ちゃんとおいしいんだけど、釈然としない。
そんなことが続いていた。
アタシは何が食べたいんだろう…
空の買物カゴと、誰にも聞けない疑問を抱えて歩いていたら、鮮魚コーナーに差し掛かった。
お刺身ねえ… お刺身?…オサシミ!
食べたいものは生魚であった。
そういえば、在外のときも同じことがあった。
現地のスーパーで買えるもので作るゴハンに、特に不満はなかったのだけど、むしょうに食べたくなったのが生魚だった。
外国でお寿司が気軽に食べられる時代ではない。スモークサーモンにチューブのワサビをつけて、かろうじて生魚欲をしのいでいた。
現代の日本にいながら、血中生魚濃度が下がるほど食べてなかったとは。
パックに手を伸ばしかけて
うッ!
いっしゅん値段にひるんだが、おお、燦然と輝く太陽が、私を励ましているではないか。

早く帰って、これを食べよう!
ガシッとつかんだパックを、カゴの底に入れて、牛乳売場へ急ぐ。

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しょっくな話。
インターネットがつながらなく(→ことわる話。)なって、いちばん驚いたのは他でもない、自分の反応である。
まさか、この私が、あれほど慌てふためくとは。
無事旧に復してみれば、あれしきでショックを受けた自分がショックだ。
私はわりあい気分が安定していて、物事がうまくいかなくても落ち込むことが少ない。
もちろん憂鬱なときも、イヤだなあと思うこともあるが、そんなこともあるよねと切り替えられるタイプだ、と思っていた。
スマホは使えるし、テレビも見られる。
外に出ている時間も長いから、ネットに依存しているという自覚は、とくに無い。
それなのに、つながらないと分かった途端、意外なほどショックを受けた。大げさに言えば、足元の地面が崩れたような感じだ。
マンガだったら、黒目が無くなり、おでこにシマ模様が出ていたと思う。

(↑これこれ)
インターネットとのかかわりを、考えるべき時に来ているのだろうか。
そう思うようになったのは、ほんのわずかネットから離れている間に、身体にもこれまた驚く変化があったせいもある。
首と肩が軽いのである。
凝っている感覚すらなかった首と肩が、ビックリするほどスイスイ動く。あらためて、そうだそうだ、昔はこんなだった、と思い出した。
パソコンの画面から離れたことが関係している、としか思えない。
今後、自分はどうあるべきか考えてみる、思わぬきっかけとなったようである。

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まさか、この私が、あれほど慌てふためくとは。
無事旧に復してみれば、あれしきでショックを受けた自分がショックだ。
私はわりあい気分が安定していて、物事がうまくいかなくても落ち込むことが少ない。
もちろん憂鬱なときも、イヤだなあと思うこともあるが、そんなこともあるよねと切り替えられるタイプだ、と思っていた。
スマホは使えるし、テレビも見られる。
外に出ている時間も長いから、ネットに依存しているという自覚は、とくに無い。
それなのに、つながらないと分かった途端、意外なほどショックを受けた。大げさに言えば、足元の地面が崩れたような感じだ。
マンガだったら、黒目が無くなり、おでこにシマ模様が出ていたと思う。

(↑これこれ)
インターネットとのかかわりを、考えるべき時に来ているのだろうか。
そう思うようになったのは、ほんのわずかネットから離れている間に、身体にもこれまた驚く変化があったせいもある。
首と肩が軽いのである。
凝っている感覚すらなかった首と肩が、ビックリするほどスイスイ動く。あらためて、そうだそうだ、昔はこんなだった、と思い出した。
パソコンの画面から離れたことが関係している、としか思えない。
今後、自分はどうあるべきか考えてみる、思わぬきっかけとなったようである。

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