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しおりの話。

駅ビルの大型書店。

だいぶ前に単行本で読んだ小説が、文庫になっているのを見つけて買った。

レジで支払いをしていると

…お入れしときますね~

暑さでボーッとしていて、聞き取れなかったが、どうせ広告だろう。聞き返しもせず、踵を返す。

乗り込んだ電車で、グッタリと吊革にぶら下がっていると、目の前の席が空いた。

バッグを膝に、買ったばかりの本を開く。

真ん中あたりで自然に開くのは、シオリが入っているからだ。

アラ?きれい…

よくある出版社の名入りの紙のシオリではない。

そういえばレジ横に何かあったな。

すてんどぐらすしおり

なるほど、さっきの書店員さんは

プレゼントのシオリ、お入れしときますね~

言っていたのだと思い当たった。

ちょっとトクした気がして、カラフルなシオリを取り出して眺める。

私はページを丸めて持つので、こういう硬い素材のシオリは、読む間は邪魔だ。ダストジャケットと表紙の間に差し込み、はじめから読み始めた。

…おっと、降りなきゃ。

えっと…24まで…

読んだページのノンブルを確認して、本を閉じ、バッグにしまう。

そう、私にはシオリを使う習慣がないのである。

キレイなデザインのシオリも、出版社名だけの地味なシオリも、みんな差し込んだままになる。

古書店で、本のジャケットをはがして、そこにシオリが入っていたら、それはもしかしたら、私が売った本かもしれない。



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もろもろ | コメント(3) | トラックバック(0) | 2022/07/01 11:30

さいどの話。

リュックサックを新調したいと思っている。

色やデザインが様々で迷うが、ゆいいつの条件はサイドファスナーがあること。

さいどふぁすなー

以前、ムスメとバスに乗ったとき。

リュックを背負ったムスメが、ヒョイと脇に手をやったと思うと、財布を取り出したので

なにそれ?今どうやった?

驚いて聞いたら

ここにファスナーがあんの!ホラ…

リュックサックの横の面を指さした。

ホホォ~ 背中から下ろさず中身が出せるとは 便利なもんじゃのお

ババアを通り越して、ジジイのように感心する。

私はふだんショルダーバッグを使っていて、とくに不満はないけれど、将来に備えて、両手の空くリュックサックに慣れておきたい気もしていた。

ただ、出し入れの不自由な点が心配である。

バスや電車に乗るとき、買物の時、いちいち背中から下ろして財布やカードを出すのは面倒だ。

サイドファスナーは、まさにその不安を解消する機能ではないか。

勇躍、カバン店に向かい、店員に断って、サイドファスナーを備えた商品を試着。

鏡の前でわが姿をチェックすれば、身軽で、心なしか若々しく見える。

さっそくサイドファスナーの使い心地をと、脇に手を…アレ?アレレ?

…届かない…

そう、私は人並外れて、身体がカタいのだ(→カイキャク本。)。

両手を背中に回してみても、指先はけっして出会うことはない。

そんな私にとって、肩甲骨の高さにあるファスナーのスライダーをつかむのは、空中ブランコを飛ぶのと同じくらい、無理なのであった。

勢い込んでしょったリュックサックを下ろして、スゴスゴと店を出た。



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もろもろ | コメント(7) | トラックバック(0) | 2022/06/30 11:30

どこでも話。

おばーちゃんの病院に随行した。

検査結果を聞くだけなので、比較的早く済んで、ご飯を食べて帰ろうということになった。

炎天下を歩くのもつらいので、とりあえずデパートのレストラン街へ。

れすとらんがい

写真入りの案内板の前に立ち

何食べたい?どこにする?

ご意向をうかがうと

どこでもいいよ 私は

出たよ、どこでもいい。

おばーちゃんは、娘の私と違って、控えめな人のつもりなので、だいたいそう言う。

じゃあ ちょっと歩いて決めよっか

冷房も効いているし、平日の少し遅い時間で、混み合ってもない。通路をプラプラと歩き始めた。

お寿司にする?

うち 昨日オサシミだったわ

ハンバーグだって~

えー 暑いのにお肉ぅ?

そう、この人のどこでもいい、は、全然マッタクどこでもよくないのである。

パスタおいしそうね

スパゲティなら家でも茹でられるじゃない?

じゃあ何がいいの?

なんでもいいよ アンタの好きなもので

いくら聞いてもハッキリ言わず、そのくせこちらの提案にはヤンワリ反対する。

嗜好、状況、今日の体調まで考えて、あれはどうか、これはいかがとお伺いをたてるのは、ホントに疲れるのだ。

レストラン街の通路を2周したあと、とくに好きでも、食べたくもない蕎麦屋に入った。ワリカンでかまわないのに

今日は付き合ってもらったんだから

おばーちゃんが強硬に言い張るので、支払は任せる。

夕方、それぞれの家に着いてから

今日はごちそうさまでした

いちおうお礼のLINEをすると

若い人につられて食べ過ぎたわ 苦しくて晩御飯が食べられそうにありません

まるで私のせいみたいである。

さんざ気苦労をしても、母の頭の中では、娘の好きなものをおごってやった、ということになっているのが、どうも釈然としない。



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ごかぞく | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/06/29 11:30

おさしみ話。

仕事帰り、混み合う夕方のスーパー。

おおかたの食料品は生協でとっているから、久しぶりで、せわしない買物客の往来がめずらしい。

牛乳だけのはずなのに、観光気分でついブラブラする。

あ、もうスイカが出てる!

見たことないパッケージの新製品!


眺めるだけで、なんだかウキウキしてきたから、安上がりな性分だ。

そうだ 夕飯何にしよう…

数日前から、何かが食べたいけど、何だかわからない。けっきょく冷蔵庫のありあわせを食べて、ちゃんとおいしいんだけど、釈然としない。

そんなことが続いていた。

アタシは何が食べたいんだろう…

空の買物カゴと、誰にも聞けない疑問を抱えて歩いていたら、鮮魚コーナーに差し掛かった。

お刺身ねえ… お刺身?…オサシミ!

食べたいものは生魚であった。

そういえば、在外のときも同じことがあった。

現地のスーパーで買えるもので作るゴハンに、特に不満はなかったのだけど、むしょうに食べたくなったのが生魚だった。

外国でお寿司が気軽に食べられる時代ではない。スモークサーモンにチューブのワサビをつけて、かろうじて生魚欲をしのいでいた。

現代の日本にいながら、血中生魚濃度が下がるほど食べてなかったとは。

パックに手を伸ばしかけて

うッ!

いっしゅん値段にひるんだが、おお、燦然と輝く太陽が、私を励ましているではないか。

さんわりびき

早く帰って、これを食べよう!

ガシッとつかんだパックを、カゴの底に入れて、牛乳売場へ急ぐ。



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2022/06/28 11:30

しょっくな話。

インターネットがつながらなく(→ことわる話。)なって、いちばん驚いたのは他でもない、自分の反応である。

まさか、この私が、あれほど慌てふためくとは。

無事旧に復してみれば、あれしきでショックを受けた自分がショックだ。

私はわりあい気分が安定していて、物事がうまくいかなくても落ち込むことが少ない。

もちろん憂鬱なときも、イヤだなあと思うこともあるが、そんなこともあるよねと切り替えられるタイプだ、と思っていた。

スマホは使えるし、テレビも見られる。

外に出ている時間も長いから、ネットに依存しているという自覚は、とくに無い。

それなのに、つながらないと分かった途端、意外なほどショックを受けた。大げさに言えば、足元の地面が崩れたような感じだ。

マンガだったら、黒目が無くなり、おでこにシマ模様が出ていたと思う。

ひめかわあゆみ
(↑これこれ)

インターネットとのかかわりを、考えるべき時に来ているのだろうか。

そう思うようになったのは、ほんのわずかネットから離れている間に、身体にもこれまた驚く変化があったせいもある。

首と肩が軽いのである。

凝っている感覚すらなかった首と肩が、ビックリするほどスイスイ動く。あらためて、そうだそうだ、昔はこんなだった、と思い出した。

パソコンの画面から離れたことが関係している、としか思えない。

今後、自分はどうあるべきか考えてみる、思わぬきっかけとなったようである。



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もろもろ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2022/06/27 11:30
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