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もーもー話。

私とイモートのために、実家の両親が飾ってくれたのは、木目込みの小ぶりなお雛さま

ころんと丸くて、童形のお内裏様と、三人官女に五人囃子、随身と仕丁の15人が、茶箪笥ほどのガラスケースにおさまっている。

昔は雛祭りに、女の子同士おうちに呼んだり、呼ばれたりしたので、お友だちのお雛さまがどんな風か、みんな知っていた。

仲良しのミッコちゃんのお雛さまは段飾り

お人形ひとりひとりが大きくて、面長のオトナ顔なのは怖かったけれど、とりわけ私が惹きつけられたのはお道具である。

うちのお雛さまにも、ひし餅やぼんぼり、お神酒徳利はついていたが、ミッコちゃんの段飾りの、下段にずらりと並ぶお道具には及びもつかない。

中でも漆塗りの鏡台やお針箱は素晴らしかった。

ひきだしが開くんだよ ほら…

おばさんの目を盗んで、箪笥をそっと開けてみせてくれたことなど、忘れられない。

いくつかの疑問点もあった。今も昔も、些細なことが気になる私は

重箱に比べて 乗り物が小さいよね…

持ち主のミッコちゃんにはもちろん言わないが、そんなことを考えていた。

十二単でふくらまったお雛さまは、頭を突っ込むのがせいぜいであろう、ちっちゃい駕籠。

さらに不可解なのは

ぎっしゃ

牛車である。

このウシちっちゃくない?お雛さまがミッコちゃんとして ミミくらいの大きさだよね…

ミミはミッコちゃんの愛犬マルチーズである。

縮尺ということをじっくり考えたのは、あれが初めてだったかもしれない。



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むかしむかし | コメント(3) | トラックバック(0) | 2021/03/03 11:30

そつぎょう話。

坂道を降りてくる、高校生たち。

すれ違った制服の胸元に、リボンの花がついている。

ああ、今日卒業式だったんだ。

時節柄、在校生の出席もなく、来賓も保護者も制限したのだろう、帰る人波は、通常の下校風景とさして変わらないようにみえた。

この学校は、少子化による県立高校の統廃合で、来春には無くなってしまう。

反対運動もあったようだが、奏功しなかった。

式典の華やかさより、終わりの寂しさを覚えるのは、それを知っているせいかもしれない。

卒業して間もなく、母校が消えてしまうのだな、なんて思いながら、彼ら彼女らを眺めていると

…しゅぽん!

キャハハハ…!

ドッと笑い声が起こった。

卒業証書を納めた、黒い紙筒のフタを、1人が開けてみた、その音がおかしかったらしい。

…しゅぽん!

しゅぽん! しゅぽん!

他の子たちも、めいめいに自分の筒を開けては、その音にゲラゲラ笑っている。

やっぱり若者は、笑っているのがいい。

母校が…コロナで…、勝手に気の毒がってる、大人のおせっかいなんか、蹴飛ばしてしまえ。

振り向かず、新しい場所に行けばいい。

ジジイババアになるまでは、こんなところに戻ってくるなよ!

卒業おめでとう。

かんなとみなみ



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ごきんじょ | コメント(7) | トラックバック(0) | 2021/03/02 11:30

じぐそー話。

昨年、自粛期間中に始めた家の片付け

途切れながらもこの1年、ボチボチ続き、最近ようやっと、見えるところから、収納に進んだ。

いつか使うつもりだったもの、きっと役に立つ、取っておこうと仕舞ったもの。

クローゼットの中には、実現しなかった選択肢が詰まっている。

中にこんなものもあった。

じぐそーぱずる

1000ピースのジグソーパズルだ。

買ってやったか、自分で求めたか、箱に入ったまま、組んだ形跡はない。

ムスコも春から社会人になるわけだし、のんびりパズルでも、なんて余裕はないだろう。

処分しようと箱のフタを取ったはずが、ふと魔がさす。

デスクに広げ、まず、まっすぐなピースから。

お昼を過ぎたことに気づいたのは、お腹がグーと鳴った時だった。

こんなに熱中するとは、自分でもビックリした。

ムスコのデスクは処分の予定だったけど、パズルが完成するまで、しばらくここに置こうかな。

ガラス越しの午後の日差しが、縁だけできあがった名画を、柔らかく照らしている。

今日から3月、もう、



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2021/03/01 11:30

げん○ん話。

昨日の記事がげんかん話。で、一昨日がげんいん話。

表題が似たのは偶然なのだが、2つ揃うと3つにしたくなるのが、困った性分である。

げんきん話。と題し、ビンボー暮らしを赤裸々に語るか。

あるいは、げんまん話。で、友だちと指切り約束した、遠い昔の懐かしい思い出を書くか。

はたまたげんろん話。で昨今の言論状況を鋭く斬るか。

どれも書けば書けそうだが、それにしてもなぜ、3つにせねば、と思うのだろうか。

先日、どこだかで、ユーミンの「雨ステイションを聴いた。

聞いて、口ずさんで、それで済ましておけばよかったのに

そういえば 「夏クラクション ってのもあったなあ…

余計なことを思いついてしまったため、「○○の◎◎◎ション」という歌が、もう1つないか、以来ずっと考えている。

当然ながらなかなか思いつかず、私よりは音楽に詳しそうなムスメに

「○○の◎◎◎ション」っていう歌知らない?

謎の問い合わせをすると

なに~?また3つめ?

ムスメも、もはや慣れっこである。


(「げんさん話。」というのもちょっと考えた)



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2021/02/28 11:30

げんかん話。

週に1度の生協の配達日。

玄関先に積まれた配送ボックスは壮観だ。

ほとんどの食品・日用品を生協で調達するため、1人暮らしとはいえ量は半端でない。

玄関の内外を、短い距離ながら何度も往復し、上がり框に注文の品が山になるころには、すっかりウンザリした。

しかも、仕事はこれで終わりではない。全てをあるべきところに仕舞わねばならぬ。これがまた、地味にめんどくさい

豆腐や牛乳は冷蔵庫に、アイスクリームや冷凍食品は冷凍室に。

溶けたり、傷んだりするものをまず仕舞ったら、乾物だの、野菜だの、急がないものが残る。

一気呵成に片付けてしまえばいいのに

ま、いっかぁ…

つい、居間に戻ってしまった。

なにも急ぐことはない、時間はあるのだ。

しかし、楽しい時間は一瞬である。コーヒーを飲んでボーッとして、ハッと気づいて壁の時計を見れば、出かける時間。

慌てて着替えてカバンをひっつかみ、家を出…

なんじゃこりゃあ!

玄関マットの上、行く手をふさぐかのように、横たわるは立派なダイコン

いやまあ、当然の報い、ではあるんである。

さすがに上をまたぎ越すのは憚られ、縦に置き直してから、靴を履いた。

だいこん




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もろもろ | コメント(5) | トラックバック(0) | 2021/02/27 11:30
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