Tしゃつ話。

昨日思い立ったとおり、衣更えをした。

グッと背が伸びた子供に小さくなった服をあてがって思案したり、今年も着るか意見を聞いたり、昔の衣更えはめんどくさいと同時に、ちょっと楽しい行事でもあった。

大きくなる心配もない、自分だけの衣更えは、もはや単純作業である。

衣装ケースの中のフリースやセーターをまず取り出してから、Tシャツの抽斗をぶちまけ、たたみ直して空いたケースに入れたら、抽斗のほうにセーターを収めてオシマイだ。

もはや無の境地で機械的にシャツをたたむ。

ときめかない服は捨てよという教えがあるらしいが、そのデンで行けば、私のシャツは全部ゴミである。

なぜ買ったのか、どこが良くて着ているのか、分からないシャツがいっぱいある。

そういえば、以前はTシャツでも、これは家で着る、これは外出用、と分けていた。

絵柄、くたびれ具合、オシャレ度(笑)などを勘案し、総合的に判断するので難しい。

その区別がなくなったのはいつからだろうか。

もちろん、わかりやすいお出かけの時はキチンとするが、問題は普段着

家で着る用のシャツでコンビニに行き、ポストに手紙を出し、自転車に乗って図書館に本を返しに出かけても、ぜんぜん平気になった。

最初のうちこそ、知り合いに会いませんように、なんて思ったが、今やそれすら考えない。

そもそもボロいシャツで会ったら恥ずかしい人って誰?と頭をひねっても、思い浮かばないのだ。

家を出る前に着るもので思案したり、人目を気にしてわざわざ着替えるのがめんどくさい。

オバサンがダサくなる理由って、もしかしてコレ?

年をとるのは平気でも、ダサいオバサンにだけはなるまい、と思っていたけれど、気づけば立派なダサいオバサンだ。

なんとかするとすれば、それをする時はかもしれない。

しまいかけたTシャツをまた出して、しげしげと眺める。今年の衣更えは、長くかかりそうだ。

ぼーだーしゃつ



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/10/03 11:30

しまった話。

ぱん!ぱん!

威勢のいいスタートピストルの音がする。近所の小学校は今日、運動会だ。

運動会に出る子はもういないから、晴れたを幸い扇風機を片付けることにした。

うちはエアコンは無いが、扇風機はなんと4台もある。

せんぷうき4だい

夏じゅうお世話になった、ほこりだらけの扇風機を、お掃除してから仕舞うのだ。

網目状のカバーを外し、羽根をとる。簡単だが4台にもなるとけっこうな手間である。

かたく絞った雑巾で羽根を拭きながら、昔の扇風機の羽根って青かったよなあ、それに5枚じゃなくて、4枚だったなあ、などと考える。

むかしむかし、イモートと1台の扇風機の前を争って

あ゛ーー…

声を出したことなど思い出しつつ雑巾を使っていたら

シマッタ!

4台の扇風機の、どれがどの羽根で、どれがどのカバーか、ごちゃごちゃになってしまった。

羽根、カバー、それぞれを止めるネジ、4つずつのパーツを見比べてみるが、どれも似たり寄ったりで、決め手になる手掛かりが全くない。

試しに1台、いちばんそれらしいのを組み立ててみたら、はまった。

続いて、あてずっぽにもう1台やってみたら、きちんと形になった。

その調子で4台、全部ちゃんと扇風機になったので、ホッとする。念のため電源を入れたら、どれも異音も引っかかりもなく、スムースに回った。

しかし、どうも違う。夏じゅう見慣れたと、印象が違うのだ。

扇風機たちは、こちらを見上げて

ボクのカバーはこれじゃないヨ

ワタシの羽根はもっと新しかったワ


口々に不平を言っているようだが、またバラして組み替えるのは、いかにもめんどくさい。

まだブツブツ言っている(気がする)かれらを、黙らせるようにエイッとカバーをかけ、押入れに仕舞った。

おやすみなさい。また来年、会おうね。



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/09/30 11:30

かんぱん話。

うちの町会では、数年前から防災記念日に、各家庭に防災用品を配る。

従来は行事や会食に使っていた町内会費が、地区の高齢化により使い切れなくなったためらしい。

主に非常食なので、ありがたくもらって避難用リュックに入れているが、本来の用途で使うことはなく、賞味期限を迎えたのは、まずは目出度いというべきであろう。

しかしこの、カンパンというやつ、どう食べればいいのだろうか。

どうしたもんかと思いつつ、賞味期限の過ぎたカンパンが、実は2缶もある。

何の気なしに職場でその話をしたら、期限切れのカンパンを持っている人が、いるわいるわ。

だいたいが長持ちするもんでしょ 1か月くらい期限切れてても…

そう!食べりゃ食べれると思うと 捨てにくいわよね!

捨てた瞬間地震が来る気もするしサ…

ハハハ…それはナイわ!てか新しいの買ってから捨てればいいじゃない!

あ、そっかあ!

それはともかく、カンパンをいかに食べるか。

パン粉にしようと砕いてみた人がいた。フライに使えなくはないが、揚げると混ぜてあるゴマが、パチパチはぜて焦げるという。

かたいから、と牛乳に浸けた人もいた。ひと晩浸けてもちっとも柔らかくならない。フォークで砕くと、ようやくグジュグジュになったので、バターを敷いたフライパンで焼くと、家族は

これ何…?

と気味悪そうに遠巻きにし、誰も手を出さなかったそうだ。

結局そのまま食べるのが一番ってことかあ!

パサパサするから、牛乳がいっぱいいるわよ

牛乳のパックをドンと横において…

カンパンをバリバリ食べるオバサン…

怖いわね!

コワい!

人には見られたくない姿よね

じゃあ、家族が寝静まってから…

一心不乱にカンパンをバリバリ…

キャー!コワい!もっと怖い!

確かに鬼気迫る状況だが、もっと怖いこと。

カンパンひと缶は400キロカロリー。成人の一食分として十分な高カロリーである。

そんなものを家族が寝た後、牛乳飲み飲み夜中に食べたら…

キャー!



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2017/09/24 11:34

めざめた話。

まだ、薄暗い中で目が覚めた。時計を見ると6時前

寝る前に1ページでも読もうと手にした本が、読み進まないままフトンの横にあった。

身体を起こすと、よく眠れたようでスッキリしている。

お手洗いと洗顔を済ませ、フトンを上げようと寝室に戻ると、いつもと同じ朝のはずが、違和感がある。

ハッと気づいた。枕元のスタンドが消えている

読書灯をつけてフトンに入っても、寝つきの良い私はだいたい、切らずに寝入ってしまうから、起きた時は点けっぱなしになっているのが常だ。

今日に限って消してから寝た?ありえない。

誰かが消したのか?と一瞬ヒヤリとしたが、玄関を確かめるとカギはかかっていた。

分かった、電球だ!電球が切れたに違いない、疑問氷解!ところが念のためスイッチを触ると、パチリと明るく点いてしまった。

ヘンだなあ、電球でもない。首をひねりつつ、コーヒーを淹れる。珍しく、グーとお腹が鳴った。

なんだか調子が狂うなあ。

マグカップを持ってリビングに行くと、ここも何となくヘンである。ソファに腰を下ろしかけて、窓の外に目をやった時、アッと声が出た。

慌ててテレビを点けると、見慣れたニュースキャスターが、夕方のニュースを伝えている。

ヒルネだったのだ。

今朝はいつもよりかなり早く、あわただしく出かけて、寝不足だった。帰宅して敷きっぱなしのフトンに、ちょっとだけ、ともぐり込んだのだ。

スタンドが点いてなかったのは、フトンに入った時、まだ部屋が明るかったせいだ。

今日という日はまだ残っていた。

始まると思っていた1日は、これから終わる1日だった。

ソンしたような、トクしたような、妙な気分で、とりあえずコーヒーを飲んだ。

めざましどけい
(「朝じゃないよ!朝じゃないよ!」)



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もろもろ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2017/09/21 11:30

すけきよ話。

洗面所の棚が散らかってきたので、整理することにした。

ほぼスッピンの私だが、鏡の中のわが顔面に愕然とし、かくてはならじと買い込んだ多少の化粧品はある。

しかしながら無精者の悲しさ、そのほとんどが使い切られないまま年月を経る。

化石となった化粧品をポイポイとゴミ袋に入れていると、新品のチューブが1つあった。

使った記憶が一切ない「お顔スッキリパック」なるもの。

そう自称するからにはお顔がスッキリするのだろう。

使わずに捨てるのは残念なので、1度顔に塗ってみることにした。

しかしこのパック、どうやって使うものか。どうやら外箱に効能や使用法が書かれていたらしいが、その箱はすでに無い。

スグミル種の私(→ すぐみる話。)は、買い物から帰るなり、あらゆる箱や袋をバリバリと開けて中身を出し、捨ててしまう。

おかげで狭い家を散らかさないで暮らしているわけだが、このように困ることもある。

チューブから出た白いクリームを顔に塗り伸ばしてみたが、さて、この先どうすべきか

パックとあるから、塗ったまま浸透させるのではないだろう、とは見当がつく。

一定時間経過後、取り除くことによって、お肌の汚れが取れて潤いが残る、それがパックである。

その取り除きかたが分からない。

どれほどの時間を置くのか、また、乾いてからはがすのか、拭き取るのか、洗い流すのか。

真っ白になった顔でしばらく待ってみたが、クリームの表面は少し乾いたようでもあり、そうでないようでもある。

頬のあたりは湿り気があるようだが、鼻の周囲がつっぱってきた気もする。

今のところ確たる効能は感じられない。

そのまま昼ごはんのお皿を洗い、コーヒーのおかわりを飲んでいると、

♪ ぴんぽーん ♪

待っていた荷物だ。インターフォンに応答し、ドアを開ける手を、すんでのところで止めた。

こんなスケキヨ状態で玄関を出るわけにはいかない。

慌てて洗面所に走り、乾いたようなそうでないようなパックを洗い流し、さらにタオルでごしごしと拭いた。

宅配のオジサンに、待たせたお詫びを言いつつ、荷物を受け取った。

ムリヤリ拭き取った顔面は、パックを塗る前よりゴワゴワして、スッキリしない

もはや何の未練もなく、「お顔スッキリパック」のチューブを、ゴミ箱に捨てた。

すけきよ
(「お待ちなさいスケキヨ!玄関を出ては…」)



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2017/09/19 11:33
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