おはかの話。
父が亡くなって困ったのは、お墓をどうするかということであった。
父は5人兄弟の三男なので、お墓も仏壇もない。
自分が死んだらどうしろこうしろと、事細かに指図を残す人もあるようだが、物言わずの父の意向は、50年そばにいた母も知らなかった。
うちは女の子しかいないしねえ… 永代供養でいい気もするんだけど…
いいんじゃない タカコおばちゃんと同じとこにしたら?
遠縁のおばのお参りは、父亡き後、私の仕事になっている。(→ 「やさしい話。」)
でも、お墓がなくて、本当にいいのかしら…
さあ… おとーさんって そういうのこだわらない人だったでしょう?
そうねえ…
「お前らのエエようにしたらエエ」しか言わなかったじゃない
そうねえ…
だから おかーさんのエエようにしたらエエと思うよ
そうねえ…
そうね、そうねと言いながら、話はなかなか決まらず、春が過ぎ、夏が過ぎた。
秋風が吹き始めたころ、母は夢を見た。
病院で亡くなったはずの父が、食卓のいつもの位置にいつものように座って、新聞なんか読んでいる、と思ったら、ふと顔をあげ、母に向かって
ちょっと寒いなぁ…
と言ったのだという。
朝起きてすぐ、母は見晴らしの良い丘陵の霊園に、予約の電話を入れた。
やっぱりお墓に入れてあげる おとーさん寒そうだったから…
母の決めたことに否やはない。丘の上の霊園に、父のお墓ができた。
今年ももうすぐ、父の命日だ。


にほんブログ村

日記・雑談ランキング
父は5人兄弟の三男なので、お墓も仏壇もない。
自分が死んだらどうしろこうしろと、事細かに指図を残す人もあるようだが、物言わずの父の意向は、50年そばにいた母も知らなかった。
うちは女の子しかいないしねえ… 永代供養でいい気もするんだけど…
いいんじゃない タカコおばちゃんと同じとこにしたら?
遠縁のおばのお参りは、父亡き後、私の仕事になっている。(→ 「やさしい話。」)
でも、お墓がなくて、本当にいいのかしら…
さあ… おとーさんって そういうのこだわらない人だったでしょう?
そうねえ…
「お前らのエエようにしたらエエ」しか言わなかったじゃない
そうねえ…
だから おかーさんのエエようにしたらエエと思うよ
そうねえ…
そうね、そうねと言いながら、話はなかなか決まらず、春が過ぎ、夏が過ぎた。
秋風が吹き始めたころ、母は夢を見た。
病院で亡くなったはずの父が、食卓のいつもの位置にいつものように座って、新聞なんか読んでいる、と思ったら、ふと顔をあげ、母に向かって
ちょっと寒いなぁ…
と言ったのだという。
朝起きてすぐ、母は見晴らしの良い丘陵の霊園に、予約の電話を入れた。
やっぱりお墓に入れてあげる おとーさん寒そうだったから…
母の決めたことに否やはない。丘の上の霊園に、父のお墓ができた。
今年ももうすぐ、父の命日だ。


にほんブログ村

日記・雑談ランキング
スポンサーサイト
お父さんお墓が出来たんですね。
これから、お墓参りの行事が出来ましたね。
お父さんも楽しみにしていることでしょう。
供養してあげてください。
契約費を払えば「管理料」が不要な事と、宗派を問わないのが理由でした。
私は無宗教のため、子供にはお経も葬式も不要と伝えてあります。
ご訪問ありがとうございます。
お墓の問題は我が家にもあり、まだ未決です。
が、恐らく同じような経緯になると思います。
お父様もお母様も、あちらとこちらで安心されていることでしょう。良かったですね。
お墓は大体50年経つとお参りに来る人がいなくなってしまうという話を聞いた事があります。
なんとなく悲しいな。
ありがとうございます。
今年も命日に母とお参りに行きたいと思います。
ご自分でしっかりと計画されてご立派ですね。
うちの父はきっと死ぬことを考えるのが怖かったのではないかな。
そういう話題がキライな人でした。
こちらこそありがとうございます。
ホントのところ父がどう思っていたか、今となっては分かりませんが、母の納得するような形になったのが良かったと思います。
拍手ありがとうございます。嬉しいです。
お墓参りに行こうかな、と思うのは、その人の顔が浮かぶ間柄だからこそかもしれませんね。