fc2ブログ

うるさい話。

ガチャン!

ビクン!

もともと大きな音が苦手だが、1人暮らしでなお嵩じた気がする。

1人の家の中は、テレビであれ音楽であれ、自分の鳴らす音しか聞こえない。

ケイタイの普及で、家の電話が鳴ることも減り、予期せぬ音といえば、せいぜいインターフォンくらいである。

不意に大きな音が鳴ると死にそうにドキドキするし、人の声にも敏感になってきた。

休日の図書館で

…ねーねーままーきのうねーようちえんでねーももちゃんがねー…

句読点のない幼児の話し声に、思わず顔をしかめて、ハッとした。

自分の子供が小さい頃には、無かったことだ。

躾とか、子連れのマナーとか、けっきょく平素静かにしている人間が、慣れないやかましさに閉口するだけのことである。

こうして私も意地悪ババアになるのか。

私の祖母も、孫が来るといつも

あーややこし…

タメイキ交じりに顔をしかめていた。

祖母は私たちのような子供がキライなんだろう、となんとなく思っていた。

このトシになって、ようやっとわかる。

子供がかわいくないのではなく、あれはただ、うるさかったのだ。

孫が15人もいた祖母には、特にかわいがられた記憶もないが、1つだけエピソードがある。

私が大学に受かった時、合格発表を

見に行きたい

と、わざわざ母についてきたというのである。

昔の合格発表は、当日の朝、大学構内の掲示板に張り出され、しばらくそのままにしてあった。

孫に愛着を示さない祖母にしては珍しい、と思ったのを覚えている。

日帰りギリギリの距離を、私鉄と国鉄を乗り継いで、模造紙に書かれた私の名前を見るためだけにやってきたのか。

そう思うと、少し胸が詰まる。

ごうかくはっぴょう



にほんブログ村 その他生活ブログ ちょっといい話へ
にほんブログ村


日記・雑談ランキング


スポンサーサイト



むかしむかし | コメント(6) | トラックバック(0) | 2019/01/26 11:30
コメント
No title
おばあちゃん、きっと自慢の孫だったんでしょう。
孫の合格発表、うれしかったんでしょうね。
子供が
苦手な理由はやっぱり予測不可能行動とキーの高い “ノイズ” でしょう。
でも苦手感は変化します。
ってゆーか苦手との思いが実は勘違いだったりする事もあるんです。
私、子供に対する思いに変化が出てきたました。

お祖母様、じょん でんばあ様が大好きだったんですね。
いいお話を聞かせて貰いました。
じかんがたたないと
わからないことって、結構あるんですよね…。
まだうちは子育てが終わっていないので、小さい子の声はまあ、しょーがないよね…と思いますが、あれもきっと慣れなんでしょう。
 
 今の合格発表は、ネットのPDFが多かったです。
Re: No title
Carlos様

あまり愛情表現のない祖母でしたが、嬉しく思っていてくれたのかな。

受かってよかったと思います。

Re: 子供が
rockin'様

私は子供ニガテなほうだと思います。

2人産んでもそれは変わらないですね。
Re: じかんがたたないと
まこ様

息子の合格発表は私立も国立もネットで見ました。娘はどうだったかな。

私たちの頃は合格電報とか…。

管理者のみに表示