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くるまの話。

マンションの駐車場が工事中で、敷地内が臨時の駐車スペースになっている(→おしいの話。)。

私は運転しないので、クルマにも関心がないが、エレベーターを降りてホールを出ると、いっぱいクルマが停まっている景色はちょっと面白い。

白いの、黒いの、ラメっぽく光ってるの。

セダンとかワゴンとか聞いても、なにしろ疎いので色の違いくらいしか分からない。

それでも毎日そばを通っていると、分からないなりに親しみをおぼえるようになった。

最近のクルマは、何が不満なのか、目が吊り上がり、歯を食いしばって、悔しそうな顔をしているやつが多くて

もっとカワイイ顔にすればいいのに…

買う予定も無いくせに、思ったりする。

お気に入りは隣の棟の角に停まっている1台。

色は白、目立つ特徴も無い中型車なのだが、なんとなく性格の良さを感じるのだ。

その理由はたぶん、友だちが乗っていたクルマに、似ているせいだと思う。

高齢のご家族のため実家に帰った彼女と、会わなくなって何年になるだろう。

今住む町まで会いに行ったなら、クルマで駅に迎えに来てくれるかしら?

もしも、よく似たあのクルマの話をしたら

やあねエ うちのはミニバンよ アナタったら ホントにクルマ音痴なんだから!

アハハと笑ってくれるだろうか。


かーず



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ごきんじょ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2023/11/16 11:30

ききみみ話。

昔の同僚のクミちゃんから、待望の電話。

正倉院展 ご一緒しません?

しばらくご無沙汰していた正倉院展に、オホホと誘ってくれた(→おほほの話。)ので、ウキウキ出かける。

日時指定の予約制にもかかわらず、博物館の周りは、けっこうな人出で

10時半の切符お持ちのかた~ こちらで~す

プラカードを掲げた人に促され、最後尾についた私たちのあとにも、すぐに長い列ができた。

平日ということもあって若者は少なく、われわれの前後はともに年配のご夫婦連れである。

入館まではまだしばらくかかりそうだが、話し相手があれば待ち時間に困ることはない。

クミちゃんとお互いの近況を交換し合う。

…でさ アタシは思ったわけよ…

彼女のお義母さんはひとり暮らしなのだが、例の新型ウィルス騒動で、蟄居閉門を続けるうち

…絶対おかしい!って… 

電話の応答が変わってきたというのだ。

彼女自身、認知症のお父さんをしばらく在宅で看て、昨年やっと施設に落ち着けたところなので、けっして根拠のない話ではない。

ダンナに言ったらさ 気のせいだろうって…

ああ みんな言うね 認めたくない

似たことを聞いたことがある。近しい人の異変を知ったときに、よくある反応らしい。

クミちゃんは、とりあえずダンナさんを様子見に派遣したが

80過ぎたらあんなもんだろって…ロクに見もせずに帰ってきちゃってさ…

やっぱり お母さんの衰えが怖いんだろね

早いほうがお義母さんのためなのに まったく ヘタレなんだから!

前のご夫婦の、ご主人の肩がピクリと動いた気がした。

同時に背後のご夫婦からも、不穏な気配を感じ、ちらりと振り向くと、奥様が憤懣やるかたない、という表情で鼻の先を上に向けている。

こちらのご主人は、うつむいて所在なげである。

クミちゃんは大柄で、声も大きい。どちらのご夫婦も、あきらかに彼女の話に反応しているものと思われた。

行列は進み、まもなく入館できそうだ。

なおヒートアップしそうなクミちゃんの背中をポンと叩いてなだめつつ、亭主持ちは大変だなア、などと、のんきな独り者は考えている。

しょうそういんてん2023



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ごきんじょ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/11/10 11:30

かかった話。

窓を開ければ、さわやかに秋の晴天。

しかし、今朝の私の気分はイマイチすぐれない。

…ケン…ケホン…

咳払いをしてもノドにひっかかるのは、ウィルスでもホコリでもなく、昨夜の魚の骨だ。

セッカチで早食いの私は、晩ごはんのアジの干物の、身に混じっていた小骨を、ロクに噛みもせず飲みこんでしまったのである。

子供のころは、ご飯を噛まずに丸呑みしなさいと言われたものだが、今の知識によれば、かえって深く刺さることもあって、よろしくないらしい。

ならば朝食のパンも飲み込めないじゃないか。

よけいなことを知るせいで、人生は複雑になる。

空きっ腹をかかえ、眉間にはシワを寄せて、お茶ばかり飲んでいたら

💡‼

かかりつけの歯科の看板に標榜された、もう1つの診療科が頭に浮かんだ。

口腔外科って、こういうのも診てくれるんじゃないか?

直に行って断られたら恥ずかしいので、予め電話をかけて確認してから、いつもの歯科医院へ。

笑われるかと思いきや、受付のお嬢さんも、診察室の先生も、大マジメに対応してくださる。

さすがプロと感心したが、治療行為そのものは、いたって原始的であった。

どでかいライトで、口の中がカラカラに乾きそうなほど照らして、ノドにかかった骨を探しても、見つからない。

舌の根が邪魔になって、しまいにベロをつかんで引っ張るなど、たいへんな騒ぎになった。

唸りながら覗き込む先生の額には汗。

舌をつかまれ、げえげえ苦しむ私の眼には涙。

うーん…手の届くところにはないね…

診る方にも診られる方にも、永遠に思えた時間も、時計を見れば15分ほど。

しばらく様子見て まだ痛かったらまた来てね

結論はこんなものだったが、会計を済ませると

あれだけしてもらって 540円は安い!

不思議なお得感があった。

今日11月8日は、いい歯の日

しるばにあのはいしゃさん



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ごきんじょ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2023/11/08 11:30

ほーすの話。

空ビンの話は続く。

うちの市では月に1度、再生資源の回収がある。

缶やペットボトルはショッピングセンターにも回収ボックスがあるが、ビンはこの時しか出せないので、うっかり逃さないように気をつけている。

さてその当日。

資源回収専用のコンテナに、透明のビン、茶色、その他と、3つに分けて入れて行く。

元気なときには食品の透明のビンが多く、イベントがあると緑や青のワインのビンが増え、体調に不安があるとドリンク剤の茶色のビンが混ざる。

ビンの色にも生活が反映されるなア…ん?

こころなしかシミジミと、コンテナを眺めると、同じビンがいくつも入っている。

びんのういすきー

蒸留酒は詳しくはないけれど、肩に馬のレリーフがある、有名な銘柄のウイスキーだ。

…1、2、3…6本…

飲みも飲んだりというところか。

ところが、何気なくもうひとつのコンテナに目をやると

アレ?…1、2…5本?

同じ銘柄の空きビンが、こっちにもある。

まさか…ハッ!

隣も、そのまた隣にも、同じ形、同じ容量のウイスキーのビンが数本ずつ入っているではないか。

総計、およそ20本

ここまでになると、複数の人物が、同時多発的に数本ずつ出したとは、逆に考えにくい。

おそらくは、この銘柄を好んで飲む人が、空きビンの処分を怠り、溜めてしまった、と考えるべきではなかろうかと思う。

まさに、飲みも飲んだり

コンテナひとついっぱいにするのが気が引けたのか、わざわざバラしてあるのも涙ぐましい。

これだけのビン、かなりの重さで、持ってくるだけでも大変だったろう。

飲んだ本人がここに出したとすれば、飲み過ぎかなアと思うだろうし、家族が代わりに持ってきたなら、アイツ飲み過ぎと思ったにちがいない。

健康面も心配だが、ビンの処分も大変そうだ。

3本の値段で4倍の容量のペットボトルがあるよと教えてあげたいが、そういうことではないのかもしれない。

ぺっとぼとるのういすきー



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ごきんじょ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2023/11/06 11:30

しつじの話。

今日は金曜、ゴミ収集のある日。

けっして住民サービスが良いとはいえないわが市であるが、祝日も休まないのはありがたい。

澄んだ秋空の下、ゴミ袋を手にプラプラ歩いていると、見慣れない背中が前を行くのが見えた。

ゴミステーションに来る人の顔ぶれは、時間帯でだいたい決まってるけれど、祝日だから、ふだんゴミ捨てに出ない人が出てきたとみえる。

ジャージやスウェットなど気楽な恰好ではなく、妙にきちんとした服装はゴルフウェア

私がゴミステーションに到着すると、ゴルフ氏はちょうどフェンスの扉を開けるところだった。

背後の私に気づくと開けた扉を押さえてくれる。

見れば自分のゴミ袋は後ろに下げ、腰をかがめてお先にどうぞという身振りだ。

執事か!

戸惑いながらゴミ袋を置いて一礼すると、ゴルフ改め執事氏は、つづいて自分のゴミ袋をうやうやしく捨てた。

扉を閉めたのも、とうぜん執事氏である。

隣の棟の角で右と左に別れながら

アナタにふさわしいレディーは ゴミの日の ゴミステーションには来ないと思うよ

おかしくてたまらなかった。

ごみすてーしょん



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ごきんじょ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/11/03 11:30
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