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なんばん話。

土曜の朝はチコちゃん

ちこちゃんにしかられる

…生魚は腐るのに 干物が腐りにくいのはなぜ?

水分の関係だろうねエ…

干物が大写しになった画面に返事をしながら

アジの開きって 食べたことがなかったな…

ふと思う。

マンガだか、小説か、それともテレビだったか、存在そのものは知っていた。

1尾のアジを2枚に開いた干物であること、メザシほどじゃないが、庶民的なおかずであること。

うちの食卓には上らなかったので、この辺では獲れないんだろう、アジは東京の魚なんだと、子供のころは思っていた。

おかしいと思ったのは、高校生になってからだ。新しく越してきたご近所さんが釣り好きで

シュジンが釣ってきたので…

豆アジというのだろうか、小ぶりのアジをたくさんくださったのである。母はそれをカリッと揚げて、ネギと一緒に甘酢に漬けた。

南蛮漬っていうのよ

美味しいもんだな、と食べながら、小さな違和感を覚えたが、その正体は分からなかった。

もうずいぶん経って、私も家庭を持ってから

うちってアジ食べなかったよね なんで?

母に尋ねてみたら

アタシキライだもん 青魚

へっ?でもサンマとか 塩サバとか…

あれはお父さんが食べたいっていうから アジのことは言わなかったし

拍子抜けするほど簡単な答えが返ってきた。

大人になってみると分かる。大人の事情なんて、こんなもんだ。

画面では、アジの干物の作り方が始まった。なんだかおかしくて、ひとりフフフと笑う。



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てれびじょん | コメント(10) | トラックバック(0) | 2023/07/01 11:30

べにしあ話。

10年ほど前「猫のしっぽカエルの手」をよく見ていた。

べにしあ

京都大原の古民家に住むベニシアさんというおばあさんが、ハーブを育てたり、お料理をしたり、四季の生活を楽しむ様子を伝える番組だった。

「ベニシア」と表記するとわからないが、彼女の名前はイタリアのヴェネチアVenetiaと同じである。

ご両親がヴェネチア滞在中に彼女を授かっただか生まれただかが、命名の由来らしい。

うちの両親の新婚旅行は宮崎。

私はそのあとすぐ生まれたので、その命名法では「宮崎」という名(姓ではなく)になってしまう。

イギリス人じゃなくってヨカッタ…

しみじみ思ったりする。

テレビにも、いろんな見方があるだろうが、私は完全に他人事という気持で見ていた。

へえ~手作りお菓子 ステキね… なるほど~ 洗剤を使わなくても ハーブでできるのね…

などと楽しく見てはいるものの、実践する気持は全くない。

番組が終わればヤーレヤレと腰を上げ、洗濯機に洗剤を入れ、冷凍食品をレンジで温めて、コンビニで買ったアイスを食べている。

隙間風の入る古家で、焦げ鍋をタワシでこするような難儀なことは、マッピラごめんである。

家事なんぞ、できれば最短距離で済ませたいし、楽しめと言われてもムリだ。

しかし、イギリスのおばあさんがそれをしているのを見て、とても心温まるし、ステキだなと思うことは矛盾じゃないと思う。

彼女の生活は私にとって、遠い美しい風景のようなものだった。

訃報を聞き、ベニシアさんがまだ72才だったと知って、ちょっと驚いている。

おばあさんと思っていたが、私が喜んでテレビを見ていたころは、60代前半だったわけだ。

今の私と、ほとんど変わらない年齢である。

ステキな古民家暮らしのなか、まだまだ生々しい人生のもろもろに悩んでいたのかも、と思うと、遠い存在だった彼女を、少し近しい人に感じる。
 


ベニシアさんことVenetia Stanley-Smithさん死去の報に接し、2014年11月23日の記事に加筆のうえ再掲いたします。



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てれびじょん | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/06/27 11:30

ちゃーとの話。

今朝のテレビは夏の帽子特集。

視聴者投稿の帽子の悩みに、専門家が答える。

いつも感心するのは、世の中のどんな分野にも、専門家を称する人がかならず存在することだ。

お詳しい専門の方を探しましたが 見つかりませんでした…

そんなこと、たまにはあってもよさそうなもんだけど、見たことがない。

それはさておき、画面には図が映っている。

にあうぼうしちぇっくしーと

似合う帽子が分からない、という視聴者の悩みに応じて示されたフローチャートだ。

こういう番組や雑誌の記事でおなじみで、骨格診断とか、似合う髪型や服の色など、3つか4つのYES、NOで、なんでも決めてくれる。

しかし私はこれで納得したことがない。

毎回、マジメにYES、NOを答え、いちおうの結果を得るものの

……ええ~ これェ?

毎回ビミョーな気持になる。

そもそも、導き出されたお勧めの服や帽子、髪型が、ぜーんぜん好みじゃない

あんな帽子なら 似合わない方がマシだ

今回も断然、従わないことに決めた。

私に言わせれば、帽子なんて気合だ。

どんな帽子だって、選んでギュッとかぶったら、あとはもう、周りを気にしないことである。

さあ、今日も出かけよう。似合う帽子じゃなく、好きな帽子をかぶって。



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てれびじょん | コメント(6) | トラックバック(0) | 2023/06/26 11:30

するどい話。

関西の漫才師がまたひとり亡くなった。

引退してかなり経つのに、こうやってニュースになるくらい、一時は人気のあった人だ。

印象に残っているのはやはり、彼が探偵局長をつとめた番組である。

さいきんはめっきり夜が弱くなり、起きていられなくなってしまったが、以前は毎週見ていた。

それから、探偵と呼ばれるレポーターの顔ぶれも大きく変わり、局長は3代目となっても

♪~ぱ~ぱ~ぱ~らっ!

聞き慣れたオープニングテーマと

複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れ さまざまな謎や疑問を徹底的に究明する…

冒頭の、局長の口上は変わらない。

ただ気になるのは鋭いメスという表現である。

遠い昔の私の記憶では

鋭くメスを入れ

だったような気がするのだ。

「鋭い」は、メスを形容するにすぎないが、「鋭く」メスを入れるといえば、入れ方が鋭い、ということになる。

メスが鋭けりゃ、誰が振るっても切れるだろう。

しかしあの番組は、なまくら刀でやみくもに切りかかったら、思いがけず急所をついてしまった、というのが面白さではないか。

誇るべきはメスの鋭さではなく、切り込む角度の鋭さであるはずで、あのうるさそうな初代局長がそこらへん、分かってないとは思えない。

きっと初代は「鋭く」と言っていたのに、2代目3代目で「鋭い」に変わったにちがいない。

…とまあ、かねがね考えていたわけだ。

このたび初代局長の追悼番組が放映されると知って、検証のためチャンネルを合わせた。

♪~ぱ~ぱ~ぱ~らっ!

オープニングテーマが流れ、険のある、けれどもどこか懐かしい、あの顔がしゃべりだす。

複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れ…

あ~れェ~?

しょだいきょくちょうときだこもん



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てれびじょん | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/06/12 11:30

すますい話。

…きょうリニューアルのため閉園し 多くのファンが別れを惜しみました…

すますいへいかん

ローカルニュースのトップは水族館の話題。

亡くなった母とよく来ていたので…

小学校の徒歩遠足は いつもここでした…


懐かしそうに話す人の姿が、画面に映った。

開館以来60年以上の老舗水族館は、海水浴場を前にし、今の季節なら美しく咲いたバラが噴水を彩る、素敵な公園の中にある。

私にもいい思い出のひとつやふたつ…いや、いい思い出、かな?

思い出自体はいい、かもしれない。別れた亭主と結婚する前、何度か一緒に行ったのだ。

つらい出来事の痛みは、年月とともに和らぐ。

しかし思い出というのは厄介なもので、日常の中に潜んで、ふいに胸をついてくる。治って見える傷の奥が、じくじく膿んで熱を持つのに似て。

罪のない季節のニュースや、お勧めデートコースの話題で、この水族館が映るたび、少し、ほんの少し、苦しくなる。

いつでも行ける場所だけど、やっぱり遠かった。

設備も名称も一新した、新たな水族館は、来年6月に開業予定とか。

また足を運んでみようか、なんて思ったりする。



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てれびじょん | コメント(8) | トラックバック(0) | 2023/06/01 11:30
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