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ぱるむの話。

晩ごはんは済ませたけど、もうちょっと何か食べたい気がする。

♪なんかオイシイもの~♪

こういう時いつも歌う、デタラメ歌を歌いながら、冷蔵庫を覗く。

自分が買って自分で入れてるのに、意外な美味が入ってるはずがない。だいたいはガッカリして、ドアを閉めることになる。

そもそも現実問題、飛び上がるほどオイシイものなんて、そうは無いのだ。

分かっているのについ、冷蔵庫を見てしまう、悲しい習性である。

ところが今日は発見があった。

ぱるむ
(→森永チョコレートアイスクリームバーPARM

夏休み、子供にと思って買ってあったアイスクリームバーが、1つ残っていたのだ。

今まで何度も買ったが、食べたことのないアイスである。

ムスメもムスコも、何種類か買っておくと、真っ先に食べるので、きっと好きなのだろう。

2人とも当分帰って来ないから、これを食べてやろう。

ベリベリと包みを開けて、コロンと丸いアイスをパクリとかじる。

…お… オイシイ!…なんだコレ!

そんなに高価でもない、どこにでもあるアイスバーだが、ビックリするほどおいしかった。

アイツら こんなオイシイものを ハハに勧めもせず…親不孝者が!

一瞬ムッとしたが、子供を責めるのは筋違いである。

もうオトナなんだから、自分のお金でじゃんじゃん買って、じゃんじゃん食べればいいのだ。

♪なんかオイシイもの~♪

次に歌う時のために、冷蔵庫に入れておこう。



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ごかぞく | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/09/23 11:30

つきみる話。

家族LINEに時々、真っ黒の写真が届く。

すまほのつき

焼海苔ではない。

真ん中の虫食いみたいのが、なのだ。

満月きれ~い!

晴れた月の夜、送ってくるのはイモートだ。

だからスマホで撮ったって見えないって、と思いつつ、私は私で窓を開けて、自分の月を見る。

月を見ていると不思議な気分になる。

ここで見ているこの月は、会えない遠くの家族が眺めているのと、同じ月なのである。

太陽だって北極星だってそうだけど、なぜか月だけ、そんな風に思う。

イモートもきっと、そんな気持で、メッセージを寄越すのだろう。

丸くて大きい月を自分の目で確認してから、

ホントだね

返信すると、パパパと既読が3つついて、やがておばーちゃんからは

らいんすたんぷ

キレイね、の意味らしきスタンプ。

おばーちゃんとイモート以外の既読は、ムスメかな、ムスコかな、それともメイちゃんだろうか。

それぞれの空で、それぞれの月を見ている。

今日は中秋の名月。今夜、イモートの焼海苔は届くだろうか。



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ごかぞく | コメント(10) | トラックバック(0) | 2019/09/13 11:30

しんぶん話。

昨日の雨で冷えた空気が、ツクツクホウシの声を運んで、8月も終わりだ。

毎年いまごろになると、ちくりと痛む棘。

長いことかけて、見えないところでほころびていた夫婦関係が、決定的にダメになったのが、この時期だった。

あの夏休みは、本当にメチャクチャだった。

悲しみと怒りの渦に巻かれ、半死半生の心。

鏡を覗くと、生気を失い、貼りついたように黒目が動かない、見知らぬ自分の顔が映る。

夏のレジャーを楽しむよその家族の、仲睦まじい様子を目にするたびに苦しかった。

ゴハンを作り、洗濯をし、最低限お母さんの仕事をしてるつもりだったけど、きっとロクにできていなかったと思う。

夏なのに薄暗く寒い部屋の、とげとげしい空気の中で、子供たちはどうしていたのだろう。

ただ浅い息をつくしかできない私は、ムスメの宿題を見てやる余裕も無かった。

それでも容赦なく学校は始まり、最初の参観日。

ほとんど惰性でフラフラ出かけると、教室の後ろになつやすみしんぶんが貼り出してある。

なつやすみしんぶん

今年の夏のトップニュース!

わが家の自慢!


など、見出しと枠だけ楽しげに印刷したプリントに、めいめいが書き込んだ簡単なものだ。

ボンヤリ曇った目で、ムスメの名前を探した。

かなしかったこと

の欄に、見覚えのある、まるまっちい字で

なし

と書かれたその1枚を見つけた瞬間、

無いわけがない 無かったわけないのに

それまで出なかった涙が、堰を切って溢れた。

周囲に静かな当惑が広がって、その日どうやって帰ったのか、覚えていない。

あれから15年、今年も、夏休みが終わる。



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ごかぞく | コメント(14) | トラックバック(0) | 2019/08/31 11:30

やきにく話。

…今日は 焼肉の日

やきにく

アナウンサーの声で画面に目をやれば、お肉が網の上でジュウジュウ焼ける、美味しそうな映像。

そういえば、この夏は焼肉を食べていない。

子供らが家にいた頃は、夏休みのイベントの1つとして、必ず焼肉を食べに行った。今年はムスコの帰省が、ムスメの予定と合わなかったのだ。

食べたければ行けばいいのだが、1人じゃ気勢が上がらない。

私が子供のころも、焼肉は家族の行事だった。お値段が張るということもあるだろうけれど、

○○したら焼肉に連れてってやるぞ

とか

今日は豪華に焼肉よ!

とか、父も母も、なんとなく意識して特別感を演出していた。

ところがいざ網を前にすると、2人ともロースの脂のないところを数枚食べるのがせいぜい。

母はタマネギだのカボチャだの、肉じゃないものを食べるし、父はユッケなんかをつまみにビールばかり飲んでいる。

子供心に、ああ、大人はお肉はそれほど食べたくないけど、子供を喜ばせるため、連れてきてくれるんだ、なんだかワルイなあ、と思っていた。

あの頃の親の年齢を越えてみてわかるのは、べつだん子供のためだけではなかったということ。

大人だって焼肉は食べたい

食べたいけど、そんなにたくさん要らないのだ。

かといって、食べたい量だけ1人で食べるのは味気ない。モリモリ食べる若い人を見ながら食べると、少量のお肉の味わいが、いや増すのである。

さらに言えば、焼肉の煙の中で飲むビールは、お肉を食べなくても大変においしい。

イモートや私が次々にお肉に手を伸ばすのを見ながら、ジョッキを傾けていた父。その満ち足りた気持が、今、少しわかる気がする。



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ごかぞく | コメント(8) | トラックバック(0) | 2019/08/29 11:30

もどった話。

お盆休みは終わり、世の中は通常モード。

ムスメが去り、ムスコが行き、静かになった家で、3人分のシーツなどを洗濯する。

高校野球中継から、ふだんに戻ったテレビを点けっぱなしに、散らかったリビングを片付けた。

帰省といっても、彼らには彼らの予定があり、好きに出入りするので、何をするでもない。ただ宿を貸すだけのことだ。

それでもなんとなく、くたびれた感じはある。

夕飯の要不要や、お風呂の順番を気にしながら、遅い帰宅を待って戸締り。

そんな、同居している時は自然にやっていたことに疲れを覚えるのは、私の1人暮らしもすっかり板についてきた、ということだろうか。

ムスコのフトンを上げたら、飛び出してきたのは靴下の片っぽ

アパートに送る段ボールの一番上にそれを乗っけて、ガムテープで封をした。

遠くの街の住所を宅配便の伝票に記し、発送すれば、私の夏休みも終わりだ。

ままぞん



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ごかぞく | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/08/19 11:30
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