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にほめの話。

あしのおまもり

友人から足の御守をもらった(→いっぽの話。)帰り、道行く人を観察しながら歩いた。

やはり、どうしても同年輩の女性が目につく。

とくに気になる点はまず、歩幅が狭い

若者と同じ速さで歩いているようでも、チョコチョコして見えるのは、歩幅が無いぶん、忙しなく足を出しているからだ。

くわえて後ろ足の蹴りが効いてない人が多い。

いくらガンバって前に前に足を出しても、後に残っているほうの足が地面をしっかり蹴らないと、身体ははかばかしく進まないのである。

エラソーに言っているが、この特徴はバッチリ、最近の自分にも当てはまっている。

慌てて回数多く足を動かせば、つまずく可能性も高くなる。

雑踏に遅れまいとするわが同朋たちを眺めつつ、以て他山の石とせねば、と気を引き締めた。

まずは歩幅、歩幅の確保だ。

帰宅するなり、着替もそこそこにスケッチブックを1枚破り取り、マジックインキで

歩幅

黒々と記して、玄関ドアに貼った。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2023/05/21 11:30

いっぽの話。

連休に京都に行ったミドリちゃんに、こんなものをもらった。

あしのおまもり

ほら、こないだ転んだって言ってたから

こないだっていつのことよォ~!

つい口をとがらせて、笑いながら受け取った。

久しぶりに会う友だちと、こうしたちいさなプレゼントのやりとりをするのは、オバサンの処世術みたいなものだ。

しかし、言われてみれば、自分に限らず、周りからも、何もないところでつまずく、なんて話を聞くことが増えたかもしれない。

手首の骨にヒビが入ったとか、短期間だが松葉杖になったとか、大ごとになった知人も、ひとりやふたりではない。

80過ぎた老母の足ばかり心配していたが、考えてみたら私だって、そうそう転んではいられない年齢になったのだ。

アタシも買ったの 足 大事だなと思って…

同い年の彼女は、色違いの御守を下げたバッグを示した。

外国人観光客で混み合う神社で、私のことを思い出してくれたのだと思うと

還暦だもんね アタシたち

1度バッグにつっこんだお守りを取り出し、あらためてしみじみと、ありがとうを言った。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2023/05/20 11:30

ぼうけん話。

朝食が済んだら、愛機青嵐号に飛び乗り、駅へ。

銀行やら市役所、平日の日中しかできない仕事を、まとめて済ませるつもりだ。

駐輪場に自転車を停めて、駅の改札を入るとき

あっ…マスク

ハッとなった。

少し前なら考えられなかった忘れ物だ。

仕方ない キオスクで買おう

なぜかコソコソと階段の端を選んでホームへ下りると、こんな時に限ってすぐに電車が来て

…ハッ!乗っちゃった!

しばらくはドアの脇でうつむきがちでいたが、そっと顔を上げて車内を見渡せば、マスク無しの人もけっこういるのに気づいて

そうだよね もういいことになってるんだもんね

気が楽になった。

ひとりの私は、ペチャクチャしゃべるでもない。とがめられたらそれはその時だ、と腹を据え

よーし 今日はこのまま行っちゃえ!

ちょっとした冒険気分で、街に繰り出した。

ショッピングモールの入口には、まだ消毒液が置かれていたので

マスクしないのに手指消毒って 矛盾かしら…

迷いながらも手に吹き付ける。

あの店、この窓口、係の人に話しかけるときは緊張したけれど、誰にも何も言われず、スルスルとあっけなく用事は済んでしまった。

あんがい平気だったな…

うちに帰って、手を洗おうと洗面所に行ったら

…ギャッ!

鏡に映ったわが姿に飛び上がる。

こんな顔面で表を歩いていたのか、と思うと、暑さのせいではない汗が、ダーッと背中を流れた。

ますく
(この写真を掲載するのも久しぶりである)



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/05/18 11:30

けちけち話。

貧乏性は、日本の特産品だと思っていた。

プレゼントの包みをバリバリ破いて開け、ジュースをこぼせば山のようなペーパータオルで拭き取り、食べ残しのピザは箱ごと捨てる。

テレビドラマで見た、欧米の生活スタイルには、貧乏性のカケラもない。

空きビンに溜めた輪ゴムが底で固まってたり、ラップがかかった微妙な量の昨日のおかずが再登場するような家庭は、ぜったい出てこない。

しかし、色々と知るようになると、アチラの方も案外に案外なんじゃない?と思うようになった。

例えばアフタヌーンティーの国イギリス。あの国にこんなものがあることをご存知だろうか。
しぼる
トング型のティーバッグ絞りである。

ティーバッグをぎゅーとはさんで、水分を絞る。

カップから引き揚げたティーバッグに、しみこんでいる紅茶のしずくが惜しい気がしたとしても、こんな形で解決するとは、乱暴にもほどがある。

お茶にうるさい向きに叱られることは必定だ。

さらに驚くべき製品がこれ

かためる

ちびたセッケンを溜めといて型に入れ、ギューッと押せば、固まってまた使える!という便利グッズだ。

実は私もひとつ持っている。商品名を検索したら、2023年現在まだ売っているので、一定以上の需要はあるのだろう。

どうやら欧米にも貧乏性はあるらしい。ただ、その色合いは日本とはちょっと違う気もする。

輪ゴムや紙袋をただ捨てずに溜めておく受身の日本型貧乏性に対し、もったいないものを何とかしたい!という積極性を感じる。

いうなれば肉食系貧乏性である。

おお、結論ぽいものが出たぞ。だからどう、ってことはないんだけど。



本日早朝より他出のため、2017年5月17日の記事に加筆のうえ再掲載いたします。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2023/05/17 11:30

かふぇの話。

昨日の記事(→よいふろ話。)でお察しのとおり、私は落着きのない人間である。

サボっちゃダメなときにグウタラするのは大好きなのに、さあ、ここでくつろいでちょうだい、と言われると、なぜかそうできない。

たとえば、このごろ流行りのブックカフェ

ぶっくかふぇ

いかにも居心地よさげに整えた、静かな店内で、オシャレなお客さんがカップを傾けつつ、写真集や外国の絵本をめくっている。

私は子供のころ、母に厳しく

本読みながら飲み食いしちゃダメ!

言われて育ったので、わざわざ行ったりしないが、うっかり紛れ込んだことならある。

周囲をキョロキョロ、見よう見真似で飲物を注文し、本棚から1冊を選んだものの、高そうな本を汚したらどうしようと思うと、手が出ない。

リラックスどころか、緊張が増すばかりだ。

けっきょく、飲物は卓上に置いて、シャレこいたページをペラペラ最後までめくったあと、冷めたコーヒーを慌ててすすり込むことになった。

滞在時間は合計15分もなかったと思う。

コーヒーも本も好きなのに、いっぺんに出されると、なぜこうも居心地が悪いのか。

オシャレなブックカフェでひとり、中腰でソワソワしている挙動不審のオバサンがいたら、どうか暖かい目で見守っていただきたい。



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2023/05/15 11:30
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