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れもんの話。

そとはあめ

朝起きたら予報通り、だった。

雨はキライじゃない。

急に降ってくるのはちょっと困るが、少しくらいなら濡れるのも平気だ。

せっかくの雨だから、今日はお出かけしよう。

私と違って雨がキライな人が多いから、どこに行っても空いているだろう。

美術館の前には、カサをさした人が、点線状に列を作っていた。さすがに人気の展覧会は、雨でも混むのだろうか。

しかし、館内はさほどの混雑でもない。どうやらカサの始末に時間をくうせいで、入り口付近だけごたつくらしい。

人に押しのけられることもなく、見たい絵に近づいて、ゆっくりと眺めた。

やっぱり雨は人出に影響するのだ。

17世紀の窓明かりに照らされた、黄色いドレスの少女の白い額を思い出しながら、美術館の外に出たら、去年流行った歌がふと頭に浮かぶ。

♪ …雨が降り止むまでは帰れない 今でもあなたは私の光… ♪

帰れないなんて、そんなことない。

雨を言い訳にしてちゃ、いけない。

カサがなくても、帰りたければ帰ればいい。

わけもなく濡れることを恐れているから、昔の恋ばかりが美しく見える。

優しい雨の帰り道はきれいだ。

二十四節気の雨水は、雪が雨に変わり、草木の芽吹き始める時季。



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2019/02/20 11:30

まーちの話。

人に逆らってばかりいるように思われがちな私だが、じつはつられやすい

たとえばテレビの中の人が深々と頭を下げると、つい画面のこっちで会釈してしまう。

無意識にそうしていて気が付くと、周りに誰もいなくても、モノスゴク恥ずかしい。

ただ歩いている時も、油断はできない。

商業施設では、頼みもしないのに軽快な音楽が流れているが、ボンヤリしているとその音楽に合わせてしまうのだ。

♪…しあわっせわ~ あ~るいってこない だ~っからあ~るいってゆっくんだね~♪

さすがに今こんな曲は流れないが、いいトシしてアニメの主題歌に弾んでいたり、流麗なワルツに乗って滑るように3拍子で歩く自分に気付くと、顔から火が出そうになる。

しかし人混みでいきなり立ち止まっては迷惑だ。

そこで長年の経験で、歩調が音楽に合っているのに気付いたら

ぴょこん!

軽く1歩スキップを入れることにしている。

しぜんにリズムが崩れ、歩調が外れるのだが、客観的にはやっぱり、ちょっとヘンかもしれない。

仏頂面のオバサンが、だしぬけにスキップしてあなたを驚かせたら、それはたぶん私である。





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もろもろ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2019/02/17 11:30

〇と-の話。

on offはわかる。

なら一目瞭然だ。

何の話かというと、スイッチである。

すいっち

冬のババアの1人暮らしは夜が冷える。

暖めてくれる人を求めるとややこしいし高くつくので、もっぱら電気アンカの世話になるわけだが、このスイッチが問題なのだ。

片っぽが

もう片方が

どっちに倒せば点くのか、わからない。

せめてに色分けしてくれればいいのに、それもない。ノーヒントである。

また、モノがアンカというのも厄介だ。

扇風機ならグルグル回るから、点いたのがすぐ分かる。照明だって、点ければ明るくなる。

ところが、アンカが点いているかどうかは、見た目ではわからないし、暖まるにもしばらく時間がかかるのだ。

点けたつもりでフトンに入り、なかなか暖まらないので、やっとスイッチが入ってないと気付く。

寒いと思いつつそのまま寝てしまい、翌朝フトンの中に、電気ではなく自分の体温で暖まっているアンカを発見することもある。

非常に微妙で複雑な気分になる。

もしやこれがワビサビというものだろうか。俳句でも詠めたら、と思うが、できない。



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もろもろ | コメント(14) | トラックバック(0) | 2019/02/15 11:30

まじない話。

朝はいつもコーヒー

その時一番安い豆を、時代物のコーヒーメーカーで淹れた、たいしたことないコーヒーだ。

何も考えずにフィルターと豆をセットし、スイッチを入れるだけ。

こーひーふぃるたー1

ペーパーフィルターの袋にはこのような指示があり、とくに疑問も持たず従ってきた。

ところが先日、帰宅したムスメにコーヒーを淹れさせたところ

めんどくさいなー ホントに必要? こんなの…

と言うのである。

迷信っていうか、マジナイみたいなものじゃないの

言われてみれば、この2折りが何の役に立つのか、考えてみたこともなかった。

毎日、毎朝、2回。いったい何回折ってきたのか。そしてこの先、何回折るのか。

途方もない数字である。

以来コーヒーを淹れるたび、折らない誘惑に駆られる。

どのメーカーのフィルターにも、わざわざつけてある注意書きだ。無視したら、どんな大変な事態になるかもしれない。

そう思うと踏み切れず、心弱くまた、紙を折る。

…とまあ、そう書けば納まりが良いのだが、実際のところ、寝ぼけ眼でフィルターを手にとれば、考える間もなく折ってしまっている。

このトシになると、習慣を改めるのも、なかなかな苦労なのである。

こーひーふぃるたー2
(ハッと気づけば、すでにこの状態)



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もろもろ | コメント(14) | トラックバック(0) | 2019/02/07 11:30

ろけっと話。

さて、カカトも直し、次は友達と待ち合わせだ。

モシモシ…

あ、今どこ?

現在地を告げると

そっか じゃあアレ、あそこだね ロケット…

あーハイハイ ロケット広場ね 了解 あと10分くらいで行けるわ

10分後ね 了解~

こうして時間や場所を調整できるのは、ケイタイの便利さだ。

おかげで、ぴゅーぴゅー寒い街角、立ちんぼで待ちぼうけを食らうこともなくなった。

むかしは駅の伝言板によく

2時間待ちましたが来ないので先に行きます ぢょん子

などと書いてあったが、思えば気の長い話である。人も今よりずっと、我慢強かったのだろう。

吹き抜けの広場、行き交う人混みのむこうで、見覚えのあるコートの中年女が、年甲斐もなく手を振っている。

こちらも小さく振り返しつつ、小走りに近づく。

だだっ広いね ロケットが無くなって…

ヤーダ!もう10年くらい経つわよ 無くなってから…

そう、ロケット広場とは言ったものの、ロケットなんぞとっくのとうに撤去されて無いのである。

そっちが先にロケットって言ったんじゃないか

「オホホ…なんばガレリアでお会いしましょ」なんてったって アータわかんないでしょ

ヘンな声色は、マダム風のつもりらしい。

オホホは余計だよ イイじゃん、わかるなら

いいけどね どこ行く?

ニジノマチにする?

アータね、あそこは今、なんばウォークって言うのよ

イイじゃん、わかれば…

マダムじゃないオバサン2人はスマホを出して、ランチのお店を探しながら歩きだした。

ロケットの撤去は2007年。ケイタイの普及で、待ち合わせ場所の役目を終えたためである。

ろけっとひろば
(在りし日のロケットの勇姿)



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2019/02/06 11:30
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