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おかがみ話。

今日は鏡開き

今はお鏡餅もパックだから、かたいお餅をトンカチで割っているお宅は少数であろう。

かくいう私は鏡開きをしたことがない。

私が子供の頃は、パック入りのお餅もなく、年末に買ったお鏡餅は、今ごろにはガビガビに乾き、カビなども生えているのがふつうだった。

しかし、わが家の鏡餅に限って、心配はない。

なぜならば、実家の床の間に飾られているのは、樹脂で作ったお餅の模型だからである。

私がモノゴコロついた40年以上前に、うちではレプリカを導入したことになる。

こういうものを買うのは、もちろんわが母。

いいでしょう!カビも生えないし、何年も使えるし!

鼻高々だが、不思議に同じものをよそで見ない。

ガラスやチリメン細工のお鏡餅の飾りなら見たことがあるが、そういうものではない。

実家のは非常にリアルで、片栗粉などはたけば、形といい、表面の感触や色といい、まるきりホンモノのお餅なのである。

私も結婚して一家を構えた時、同じようなものが欲しくてずいぶん探したが、見つからなかった。

今でこそ、食品サンプルとかスイーツデコとか、食べ物ソックリの雑貨は珍しくないが、40年も前に、よくぞあんな商品があったものだ。

買ったおばーちゃんもたいしたもんだと思う。

レプリカをていねいに洗って片栗粉を落とし、箱にしまうのが、わが家伝統の鏡開きである。

しょくひんさんぷる



本日早朝より多忙のため、2017年1月11日の記事を再掲載いたします。



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むかしむかし | コメント(4) | トラックバック(0) | 2021/01/11 11:30

おてがみ話。

子供の頃、うちに来たサンタは、希望を聞いてくれるタイプではなく、先方で決めたプレゼントを持ってくる人であった。(→ ドリトル本。

中身は何だろうとワクワクしながら、包みを開くときの気持ちは忘れられない。

それだけで嬉しかったけれど、ある時友だちに聞いたか、本で読んだか、サンタに、欲しいものを手紙で伝える、という文化を知ったのである。

あんまり物を欲しがらない子供の私が、夢に見るほど欲しいおもちゃが、1つだけあった。

ママレンジだ。

ままれんじ

♪マーマーレンジ ママレンジ
♪エプロンつけて クッキング
♪ホンワカホカホカ ホットケーキ
♪ちっちゃな ママがクッキング


子供番組のあとのCMには、文字通りクギヅケになった。

CMを見た母は子供だまし、と顔をしかめたから、お誕生日にはもらえそうにない。

サンタさん ママレンジくれないかな…

そんなムシのいい希望が、子供の頭に浮かんだことは想像に難くない。初めてのサンタへの手紙には、どんなことを書いたのだったか。

宛先が分からないから、ポストに入れられず、ずっとこっそり持っていた手紙を、クリスマスイブに枕元に置いた。

ドキドキして起きた、クリスマスの朝。

置かれていたプレゼントは、ママレンジではなかったけれど、手紙は無くなっている。

サンタさんだって準備があるし その日に言われても困るよね

お手紙見てくれたから 来年はママレンジ…


子供の発想は、どこまでもムシがいい。

残念ながら翌年、私がママレンジを手にすることはなく、憧れは今も憧れのままなのだった。



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むかしむかし | コメント(16) | トラックバック(0) | 2020/12/24 11:30

れしぴの話。

と、いうわけで、(→とうじの話。カボチャを煮た。

かぼちゃのにもの

うちのカボチャの煮物は、角切りベーコンとカボチャをブイヨンで煮て、柔らかくなったら醤油を少しと、バターを落とす。

カボチャの甘っぽいのが苦手な人も食べられる、洋風のレシピだ。

初めて食べたのは大学の頃。

ある日、理学部のパコちゃんの部屋に行ったら、とってもいいにおいがした。

ゴメン、ご飯だった?

女子寮はキッチンが共同で、作ったものを部屋に持ち帰って食べる。

カボチャ煮たんだ 食べてく?

パコちゃんはお料理にマメで、作ったものをよくお裾分けしてくれる。でも私は、芋やカボチャが苦手で、言われたときはウーンと思ったのだ。

しかし、彼女のカボチャ煮は、今まで食べたことのある煮物と違った。

おいしーい!なにこれ、バター?

うん、あと醤油とブイヨン…

ベーコンも合うね!

私はその時、初めて、カボチャをおいしい、と思ったのである。

その後、大学を卒業し、それぞれに社会人となっても、ずっと連絡は取り合っていた。

自分で料理するようになって、教わったレシピでカボチャを煮た時は、ハガキを出した。

元気ですか?私は元気です。今日、パコちゃんのカボチャ作りました。美味しくできたよ…

結婚して子供を持っても、時々会っていたのに、ひょんなことからケンカした。

ほんの些細な行き違いだったけれど、タイミングも悪かったのだ。

仲直りの機会もないまま、年賀状も来なくなって、もう10年が経つ。

小柄で気が強いけど、きちょうめんで世話好きで、家庭的なパコちゃん。この先、会うこともないだろうが、カボチャを煮ると思い出す。

遠い町で彼女も、彼女の家族のために、カボチャを煮たのだろうか。



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むかしむかし | コメント(8) | トラックバック(0) | 2020/12/22 11:30

いるみな話。

クリスマスを前に、あちこちで、ライトアップやイルミネーションが行われる。

キラキラの雰囲気に酔うカップルに水を差す気はないが、イルミネーションの魅力がわからない。

ついでに言うと、夜景も同じだ。夜景の名所といわれる場所に行っても

いっぱい電気が点いてるなあ…

それ以上でもそれ以下でもない。

イルミネーションに何かを感じる神経が、切れているのかもしれない。

盛大なイルミネーションや百万ドルの夜景より、暗闇に点点と光る灯が好きだ。

たとえば車窓に次々と流れていく照明灯や、トンネル内のオレンジ色の明かり。

しょうめいとう

通勤電車の窓から見る、家々の明かりもいい。

昔、離婚話でうちの中がゴタゴタしていたころ、夜中にベランダに出ては、隣の棟の窓を見た。

ひとつひとつの明かりの下に、男と女と子どもが住んでいて、そのどれもを家庭と呼ぶけれど、同じ家庭は一つもない。

小さな電気が照らすものは、幸せか不幸せか、外からはわからない。

悩んで苦しんで、子どもを泣かせて、壊れる寸前の私のこの家庭も、あの暖かそうな灯の1つだと思うと、少しだけ救われた気分になった。

あれから20年近く経つ。

今、私は幸せだけれど、イルミネーションを見に行くことは、これからもないだろう。

だんちのまど



本日早朝より多忙のため、2014年12月18日の記事を再掲いたします。



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むかしむかし | コメント(12) | トラックバック(0) | 2020/12/18 11:30

あらまき話。

いいかげん今年のお歳暮を贈らないと、と重い腰を上げた。

毎年だいたい同じものだが、先様の家族構成が変わったら、品物も変えないとご迷惑になる。

さてどうしようかとカタログを眺めたら、オーガニックやら有機栽培やら、今風の品物に混じり、どかんと1尾の新巻鮭が載っている。

こういう伝統的な贈物も、まだまだ人気があるんだと、なんとなく嬉しくなる。

懐かしい新巻には、恨めしい思い出もある。

30年ちかく前、亭主の仕事関係から、立派な新巻をいただいたことがあった。

おりしも臨月のお腹を抱えた、まだ初々しい若妻(私)は、途方に暮れた。

冷蔵庫にも、冷凍庫にも、入らないのである。

切り身にしようにも、こんなデカい魚を下ろした経験が無い。

そもそも前方にせり出したお腹のせいで、まな板の前に立つことすら容易でない。

それに、悪阻は山を越していたものの、なまぐさ物を触るのは、やっぱり気が進まなかった。

とりあえず、ラップを使い切る勢いでグルグル巻きにし、他のものをなんとか移動して、冷蔵庫に詰め込んだ。

アレをどうしよう…と、考えながら、床についた翌朝、未明。

イテテテテ…

陣痛がやってきたのだ。

そのまま入院、出産。数日後ほやほやのアカンボを抱いてうちに戻ると、新生児の世話に紛れ、鮭のことはすっかり忘れていた。

ひと切れたりとも食べた覚えはないが、あの鮭、いったいどこに行ったんだろう?

あらまきさけ
(吊るしたままなら尻尾から切ればいいのにと昔から思っている名画)



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むかしむかし | コメント(6) | トラックバック(0) | 2020/12/08 11:30
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