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ミミズノ本。

世の中まだまだ分からないことは多い。

ミミズの気持ちなどもその1つだ。

いつも思うのだが、ミミズは何がしたくて、土の中から、わざわざ道路に出てくるのだろうか。

雨が降って巣穴が水だらけになると、おぼれそうになって出てくる、という。

しかし、雨上がりにそのまま干からびてしまっているところを見ると、ミミズの避難は失敗に終わったというしかない。

カンカン照りの夏の暑い日にも、やはりミミズは出てくる。

全身粘膜の彼らにとって、熱したコンクリートやアスファルトは地獄のはず。なのになぜ、苦しみしかない場所に現れるのか。

まさか進んで干物になってアリのエサになりたい、という犠牲的精神ではないだろう。

少し調べてみたが、このミミズの自殺行為を、合理的に説明することはできないらしい。

謎に満ちたこの生き物に魅力を感じる科学者はたくさんいて、進化論を提唱したダーウィンも、その一人だった。

だーうぃんのみみずのけんきゅう
(「ダーウィンのミミズの研究」 福音館書店)

ダーウィンが、世界をひっくり返しかねない「進化論」を世に問う一方、地道にミミズの研究を行っていたことは、あまり知られていない。

自宅の裏庭を広範囲に掘り、30年にわたってミミズを観察したダーウィンの研究と人となりを、この本ではさらに検証する。

全編イラストと文章で、写真は出て来ないので、にょろにょろの苦手なかたにもお勧め。

ただし、道路のミミズの謎は、この本を読んでも解けないので、念のため申し添える。

今日はダーウィン生誕210年の誕生日にあたるダーウィンデー

それを記念して、この本↓の紹介をしようと思ったのだが、

みみずとつち
(「ミミズと土」 ダーウィン著 平凡社ライブラリー)

ミミズだけで320ページという、ありえないねちっこさに圧倒され、今日までに読了できなかったため、2015年8月6日の記事に加筆して掲載する。



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ブックガイド | コメント(6) | トラックバック(0) | 2019/02/12 11:30

ナミヘイ本。

今日は建国記念日

昔で言う紀元節であるが、それにつけても思い出すマンガが「サザエさん」にある。

お休みの日らしく、着物姿でくつろぎながら、

♪くもにそびゆる たかちほの~♪

紀元節の歌を歌っているナミヘイ。

ナマイキに腕組みなどして柱にもたれている長男カツオに向かって

オマエなどこんな歌は知るまいな

と、上機嫌で問うと

知ってますよ キゲンブシでしょう

その答えに顔色を変えたナミヘイが

ばかもーん

キゲンセツと読むんじゃ!

と叱り飛ばし、カツオは逃げていく、というのが4コマめだった。

神武天皇御即位の日も、炭坑節の仲間にされてはサッパリである。

主人公はサザエさんだが、サザエさんをサザエさんたらしめているのは、昭和の父ナミヘイだ。

会社に行くのに帽子をかぶり、家では着物で懐手をし、息子をバカモンと叱るようなお父さんは、もはやマンガの中にしか存在しない。

それにしてもショックなのは、設定によると、彼が私より年下だということである。

なみへいさん
(バーコードでチョビヒゲの54歳)



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ブックガイド | コメント(10) | トラックバック(0) | 2019/02/11 11:30

ノラクロ本。

もうずいぶん前、東京に住んでいたころ、同窓会に出席する父が、1人で泊まりに来た。

せっかくだから歓待したいと考えたが、父が何を喜ぶのか、全然見当がつかない。

食べ物も、音楽も、映画も、何がいいとも言わず、怒りもせず大笑いもせず、黙ーっている父。

アレがステキ、コレがカワイイ、のべつ言う母と違い、父に関する情報は決定的に不足していた。

乏しい記憶を探り、父の書棚を思い浮かべた時、ふと1冊の文庫本を思い出した。

のらくろまんがしゅう

ビジネス書や人生訓の中に交じって、とぼけた顔を見せていた小さなのらくろ

昭和ヒトケタの父は、ふだんマンガを読んだりしなかったから、見つけた時は不思議だった。

そして父がやってきた日。

明日ここに行ってみない?

貰っておいたパンフレット(→田河水泡のらくろ館)を見せると、オヤ、といった表情で

…ふむ…いいな…
 
それだけ言った。

翌日は、朝から都バスを乗り継いで出かけた。

父は黙ったまま、けれども十分に時間をかけて、こじんまりした館内を見て回った。

楽しかったんだかつまらなかったんだか、ちっともわからない。

後日、帰宅した父から礼状が届いた。まるで文例集みたいなかたくるしい文言の間に

懐かしき思い出の一時を過ごし

とあるのが、もしかしたら感想だった、かもしれない。

もうすぐ父の七回忌である。



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ブックガイド | コメント(14) | トラックバック(0) | 2019/02/10 11:30

サンビキ本。

白黒アニメのアトムを見て育った私。(→ あとむの話。

手塚マンガも読んできたが、私の1冊と言えば誰が何と言おうとこれである。

わんだーすりー

名作、話題作の多い中、埋もれてしまった感のあるW3(ワンダースリー)」

無益な戦争を繰り返す地球人の調査のため、銀河連盟から派遣されたW3。彼らの調査結果しだいで、地球は反陽子爆弾で消滅させられることとなる。動物の姿を借りて行動するうち地球人の少年と出会い、その人柄に触れて考えを改めていく。その後、悪の組織の手に渡った反陽子爆弾を取り戻そうと、彼らは少年と協力して立ち向かう。

とまあ、こういうお話なのだが、なんといっても魅力的なのは、賢く有能な女性リーダーだ。

ウサギの身体を借りた彼女は、2人の部下を従えて、強気で任務をこなすキャリアウーマンだが、少年と接するとき、ほほを赤らめ、上目遣い(何しろウサギだから背が低い)

シンイチさん…

などと、いじらしい姿を見せる、いわゆるツンデレ系のヒロインである。

3人組で女子がリーダーという設定は、当時はまだ珍しく、女子のハシクレである私はシビレた。

手塚作品のヒロインは、とかくお色気不足のうらみがあるが、このウサギがまた、なぜか人間の女よりもずっと色っぽいのである。

時代は前後するが、黒澤明の「隠し砦の三悪人」を見た時、三悪人を従えた雪姫の姿に、ウサギのリーダーを思い起こしたことなども懐かしい。

今日で作者手塚治虫の没後、30年になる。



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ブックガイド | コメント(8) | トラックバック(0) | 2019/02/09 11:30

ボクラノ本。

子供の頃からずっと本を読んできた。

子供は大人になるけれど、本は変わらない。

過去に感激した本を、時を隔てて読むと色あせて見えて、落胆することがある。

逆に、昔はちっとも分かってなかった、と自分のバカさ加減を確認することもある。

もちろん、今も昔も変わらぬ感動を呼び起こしてくれる本もある。

一時的な勢いで面白く感じた本は消え、ずっと大切にしたい本が残って、その人の顔といえる書棚が出来上がっていくのだろう。

しかし何事にも例外はある。

青春のその時、夢中で読んで惹きつけられたが、今読むと、どこの何にそんなに魅力を感じたか、さっぱり分からない。

そのくせ処分する気になれず棚に戻し、何年かに1度手に取って読んでは、やっぱり分からない。

そんなヘンテコな本がこれである。

ふしぎとぼくらはなにをすればよいかのさつじんじけん
(「ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかの殺人事件」 橋本治著)

著者のおそらく唯一の(確認したわけではないが)ミステリ。

およそミステリ的でない作家が、思いたって書いてみたら書けてしまった、そんなミステリ。

人を食ったような、優しいような、ただ底なしに寂しい空気だけがフワフワと行間から漂い出て、私を不安にする。

橋本治が昨日29日、亡くなった。



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ブックガイド | コメント(6) | トラックバック(0) | 2019/01/30 11:30
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