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ウラムケ本。

読む本が無くなったので、図書館に行こう。

そう決めて出かける寸前に、今日は月曜、休館日と気づいた。

あーあ…

ガッカリしたものの、今はインターネットという便利なものがある。図書館のサイトに入って、次に借りる本を検索しよう。

うちの市の図書館では、テキトーなキーワードで検索すると、こんな風に蔵書を見ることができ

ぼくはあふりかにすむきりんといいます

タイトルや著者名、ページ数などの書誌情報の他に、大まかな内容や表紙もわかる。

本がそこに無くても、表紙を見ると読んでみたい気持になる。

本棚のあいだをそぞろ歩いて、未知の本を探す楽しみとは違うが、家を一歩も出ないであたらしく本を見つけられる便利さは捨てがたい。

どれ借りようかな~

あれこれ眺めていると、読んだことのない著者の、あまり好みじゃないタイプの小説が出てきたので、なんの気なしに次へ送ろうとしたのだが

こんどうまれたら1

あれ?

こんどうまれたら2

表紙は表紙でも これは裏表紙だね…

ついつい内容紹介の文を読むと

夫の寝顔を見ながら「今度生まれたら、この人とは結婚しない」とつぶやいた70歳…

なかなか、物騒である。

人生の選択はこれでよかったのか…

ちょっと興味が湧いてきた。

表紙を見ずに関心を惹かれた珍しい例である。



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ブックガイド | コメント(12) | トラックバック(0) | 2024/01/15 11:33

シキブノ本。

イモートに、ちょっとした用件で電話。

この年末年始、イモート一家は帰省してこなかったので、話すのは久しぶりだ。

用件はすぐに済んで、あとはあれやこれやの近況報告になった。

…楽しみにしてたのにさア…

口をとがらした顔が浮かぶような、不満げな口調で告げるのは、大河ドラマのこと。

平安時代に材をとり、紫式部を主人公に、新しく始まったばかりだ。

優雅な王朝絵巻を期待していたイモートにとって、初回はいささか期待外れだったようだ。

演技も台詞も 全ッ然!貴族っぽくない!

しょうがないよ千年以上昔なんだし…

そんでいきなり殺人事件だよ! 

ええっ!そうなの?!

ベンキョーになるかと思ったのにさア

書道をやっているイモートは、和歌や古典文学を書くのに、参考にしたかったらしい。

もう見るの止めちゃおうかな、とタメイキをついたあと

おねーちゃん なんかいい本知らない?

ダメもとみたいに付け加えたので、思いついた書名を挙げてやった。

え?アリエナイ?なにソレ?

かみさっかむらさきしきぶのありえないひび
(神作家・紫式部のありえない日々 D・キッサン著 一迅社刊)

マンガだけどね、と言ったら、ハーッとさっきより大きなタメイキをついたと思うと

やっぱり来週も見よーっと

イモートはそう言って電話を切った。



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ブックガイド | コメント(8) | トラックバック(0) | 2024/01/10 11:30

ヨジョウノ本。

地方局が作った番組を見ていたら、アナウンサーがお店の住所を

…きたさんじゅうよじょう

と読んだので驚いた。

画面のテロップは○○区北34条とある。

ちょっと調べてみたら、4条も「よじょう」らしい。

関西に住んでいるせいか、四条といえばシジョウだと思っていた。

四って「よ」か?

疑念が兆したが

四畳半はよじょうはんだよな…

すぐに思い直した。

地名の読み方は、ところ変わればということだろうけれど、頭の中によじょうの響きがしばらく残った。

よじょう、って何かあったな…

私のことだからどうせ本だろうと思ったら、やっぱりそうだ。

よじょう
(「よじょう」山本周五郎著 新潮社刊)

宮本武蔵に切り殺された男の、ぐれた息子。父の死を機に兄には勘当を言い渡され、どうにもならなくなって、乞食を始めた。

そこに彼が父の仇を討とうとしていると勘違いした人々が、金やら食物を施しに集まる。

しまいに宮本武蔵本人までが、朝夕わざわざ、掘立小屋の前に立っていく。

かかるんならかかれというわけさ、おもしれえの何の、そうやってる格好はまるで見栄の固まりよ…きっかけを呉れてやろうという見栄だろう、へっへ

そうこうするうちに、病に臥せった武蔵が療養の甲斐なく亡くなり…

天下の剣豪を見栄っ張りのジジイ呼ばわりする男の言動が痛快な、好篇である。

さて、小説の題名でもある、よじょうとは何か。

よじょうたあ、わけのわからねえ、いかさまみていなこと云いやがって…

それは読んでのお楽しみ、ということで。



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ブックガイド | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/11/30 11:30

シカナク本。

古都と呼ばれる土地柄、地元を歩けばあちこちに新旧とりどりの石碑が立っている。

刻まれた内容もまた、著名人の顕彰であったり詩歌であったり、さまざまであるが、とりわけよく目にする名前が會津八一である。

私の見ただけでも15基はくだらないはずだ。

その在処も興福寺、東大寺、法隆寺に唐招提寺と、おもだった寺院のほぼ全てを押さえている、といってよい。

自筆らしい特徴のある筆跡をそのままに刻まれているところを見ると、歌人であると同時に書家としても評価の高い人のようだ。

これだけあちこちで見るのに、石碑ばかり眺めているのも悪い気がしたので、思い立って歌集と2、3の関連書を読んでみた。

すると秋艸道人會津八一先生は、新潟のご出身で、東洋美術史家として早稲田大学に教鞭をとった人であると知る。

うっかり者の私は知ったかぶりで郷土の偉人扱いをしかねないから、危なかったと思う。

あらためて、なにごともちゃんと調べてから発言せねばとの思いを新たにした。

本日秋艸忌、あるいは八一忌

東大寺にほど近い彼の定宿の跡に残る石碑より、冬の歌を紹介しよう。

かすがの の よ を さむみ かも
さをしか の まち の ちまた を なき わたり ゆく


(春日野の夜を寒みかもさ牡鹿の街の巷を鳴き渡りゆく)

夜、ウロウロしたシカが、朝になって商店街をぞろぞろ戻っていくのを見たことなど思い出すと、「街の巷を」のくだり、ちょっと面白い。

ろくめいしゅう
(「自註鹿鳴集」会津八一著 岩波文庫)



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ブックガイド | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/11/21 11:30

アオオニ本。

「泣いた赤鬼」というお話をご存じだろう。

山の赤鬼が、人間と仲良くなりたいと考え

こころの やさしい おにのうちです…お茶もお菓子もございます…云々

立札を出しても、当然ながら誰も寄り付かないのでガッカリしていると、親友の青鬼が

ボクがワザと村で暴れてやるから キミが来て やっつけて見せろ

そんなふうに入れ知恵をする。悪い鬼を懲らしめる、赤鬼はいい鬼だと思わせるというのだ。

陳腐な筋書きはまんまと奏功し、赤鬼は望み通り人間たちと親しくなった。

しばらく浮かれていた赤鬼が、青鬼を思い出して家を訪ねると、扉には手紙が貼られており

赤鬼君

キミは人間たちと仲良く楽しく暮らしてくれ。

悪い鬼と付き合っているとバレたら、キミも具合が悪いだろうから、ボクは旅に出る。

どこまでもキミの友だちの 青鬼


手紙を読んだ赤鬼は涙を流しました…というのだが、私はどうも昔から、この話に釈然としない。

まず、人間と親しくなりたがる赤鬼の気が知れない。

自分の姿を見て悲鳴を上げ、ワラワラ逃げていくようなやつらと、なぜ仲良くしたいのか。

誰も知り合いが無いならともかく、青鬼という立派な親友があるのである。

青鬼と人間どもを比べて、勝るのは数だけだ。

友だちは多いほうがいい、という幻想に取り憑かれているのか、あるいは鬼より人が優れている、という民話の世界の暗黙の了解のせいか。

さらに、青鬼からの茶番劇の提案に、ホイホイと乗っかる浅はかさ。

赤鬼と青鬼が、どちらも憎まれることなく、ともに人間と親しくなるという未来は、赤鬼の頭には寸毫も浮かばなかったのであろうか。

移り気な村人と引換えに、旧友を放り出した赤鬼は、楽しく暮らしたのだろうか。

青鬼は青鬼で、自分というものがありながら、人に近寄りたいなどと言い出した赤鬼にあきれて、みずから去っていったのかもしれない。

どこか深い山の奥、青鬼がひとり、機嫌よく暮らしているといいなあ、と思ったりする。

ないたあかおに

今日で作者浜田廣介の没後50年



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ブックガイド | コメント(10) | トラックバック(0) | 2023/11/17 11:30
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