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とろとろ話。

今日は家で仕事。

暖房をケチって、スリッパとひざ掛けでやり過ごそうとしたものの、やっぱり寒い。

ふと空腹を感じて時計を見れば、おやつ時だったから、台所に立った。

熱い飲みもの、それからなにか甘いもの…

まずはヤカンに水を入れ、食糧庫を探る。

クッキー…は 食べちゃったし…ん?これは?

白い紙箱は、秋口にお寺に参ったときのお下がりの落雁(→らくがん話。)だった。

甘いといえば甘いんだけど、なにしろこの落雁、ホッケーのパックくらいの直径と厚みのある大物で、うっかりかじると後悔することになる。

さりとて他に目ぼしいものもなくて、出してきた落雁をにらんでいたら

💡!

窮すれば通ずと言う通り、天啓が私を訪れた。

いちばん大きなマグカップに押し込み

じょぼじょぼぼ…

ヤカンの水を注ぐと、さしもの落雁もなすすべもなく崩れる。ぐるぐる混ぜたら、でろでろの混合物を電子レンジへ。

……ちーん!

ホカホカ湯気の上がったマグカップの中は、なんということでしょう、トロンと半透明の葛湯になったではありませんか。

思いついて、冷蔵庫からチューブのショウガを出し、お匙にとってクルクルと混ぜ込む。

薄甘くってトロトロで、ショウガの香りの葛湯を、ふうふう吹いて飲みながら

落雁の食べ方、これが決定版!

いたくご満悦の私であった。

らくがんず



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ちゃれんじ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2023/11/28 11:30

がんぼの話。

料理がキライで食物にもあまり執着がないので、十年一日のごとく同じような料理を作って、食べて、それで満足している。

テレビや雑誌の新奇なレシピにナルホドと感心しても、それはそれとして、私は私のふだん作る料理しか作らない。(→れしぴの話。

新しいレシピに挑戦する、数少ない機会、それはもらい物を食べるときである。

ある日、事務所の机で帰宅の準備をしていると、同僚のひとりから

ウチでできすぎちゃって…助けてくれる?

渡された紙袋の中は、立派なオクラ

以前は実家で、おばーちゃんが植えていたから知っているが、あれは確かにいちどきに、ドッと出来てくる作物である。

タスケテ…と言いたくなる気持もわかるので、喜んでいただいて帰った。

さて、これをどうするか。

いつもはサッと茹でて刻んでかつぶしとお醤油で食べるけれど、それで終わる量ではないことは、袋の重さで分かった。

洗ってザルにあげてみると、収穫時期を逸した育ちすぎも混じっている。

硬いかもしれない野菜を、たくさん食べる方法として、思いつくのは

煮るか…

「オクラ 煮物」で検索して、いちばん多くヒットしたのがガンボという料理だった。アメリカ南部の郷土料理らしい。

…鶏肉 トマト タマネギ…あるある…

横着者のクッキングでは、主要な材料を買わずに済むことが重要である。

…パプリカ…セロリ…ピーマンでいっか

無いものはあるもので、ためらいもなく代用し

チョリソー…ケイジャンスパイス…なんじゃそりゃ…

買ってもあとが困るものは無視したうえ、

要はちょっと辛い煮込みなわけでしょ…

レシピに無い調味料を適当に入れて、ガンボ的なものが出来上がった。

食べてみたら、ちゃんとおいしい。

ひさびさのチャレンジクッキング、今回は成功のようだ。

がんぼ
(しかしガンボの味の正解は不明である)



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ちゃれんじ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2023/08/04 11:30

とんじる話。

先日、口コミの悪評につられて購入した食品(→くちこみ話。)。

外出が多くてなかなか料理できなかったのだが、やっと使う日が来たのである。

ワクワクしながら封を切り、ザルにあける。

注意書きにあるとおり、ザッと洗って水を切り、鍋にゴマ油を入れて、豚小間と一緒に炒めた。

ちょっと具が少ない気がしたので、油揚と戻した干しシイタケを、細切りにして追加。

油が回ったらシイタケの戻し汁と水を入れ、フタをして煮る。暑くて居られなくなったので、ガスを弱、換気扇をにして、別の部屋に逃げた。

何分くらい経っただろう、マンガを読みながらアイスを食べて、すっかりゴキゲンになったところで台所に戻り、恐る恐る鍋のフタを開けた。

煮ても柔らかくならない!

野菜の味がせず、まずいのひと言!


口コミでは、さんざんに言われ放題のひとかけを菜箸でつまみ、口に入れると

…へ?別に普通…

とろけるような美味とまでは言わないが、ふだんのオカズなんてこんなもんだろう。

意を強くして高いほうの味噌を冷蔵庫から出し、鍋の出汁に溶いたら、豚汁の出来上がり。

みなさん普段、よっぽどおいしいものを召し上がっているのね…

アタシ 全然これでいいや…


うちじゃ十分なレベルの豚汁をぞぞぞと啜りつつ

味オンチで良かった…

しみじみと思う、夏の宵である。

とんじるのぐ
(悪評のおかげで値下げになった)



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ちゃれんじ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2023/07/19 11:30

くちこみ話。

生協の注文の締切日に気づいて、慌ててパソコンを開く。

昔は注文用紙に鉛筆でマークをしながら、共通一次試験(これもだんだん通じなくなる)を思い出したりしたものだが、今はネット注文だ。

食べるものには冒険心がないから、注文も毎回変わり映えしない。

牛乳、玉子、ヨーグルト…次々とクリックしていると、ふと、ふだん見ない項目に目がとまった。
くちこみ

購入者の口コミ欄だ。

私はだいたい、口コミというのを当てにしない。

食べ物の好みなんてとくに人それぞれだし、他の誰もがマズいと言ったって、自分がおいしけりゃそれでいいのだ。

それにしても、48件もある口コミで1つ星は穏やかではない。

好奇心から内容を見てみれば

煮ても柔らかくならないし美味しくない!

野菜の味もせず、まずいのひと言です。


まだ商品カタログに載っているのが不思議なほどの不評である。

ますます興味が湧き、読み進めると

残念な商品でした。 二度と買いたくない。

次は買いません!

生協には良い物もありますが、この商品はもう購入したくないです。


皆さん購入を後悔されているのみならず

買おうと思った人はやめた方がいいです。

他の人が買うのを阻止しようとする人までいる。

ここまでくると、がぜん面白くなり

どんな味なんだろう…

なけなしの冒険心が、まさかのこのタイミングで発揮された。

迷うことなく注文ボタンを押したあと、ワクワクしながら商品の到着を待っている。



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ちゃれんじ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2023/06/21 11:30

らっきょの話。

体調が戻ったことを、朝のコーヒーで実感した(→めーたー話。)ら、今度はカレーが食べたくなった。

よし、おひるはレトルトカレーにしよう。

カレーのお供はラッキョ。甘い福神漬よりも、ピリッとする小粒をパリパリ噛むのが好きだ。

久しぶりのカレーライスは、再放送のドラマに目をやるのを忘れるほどおいしい。

…ふう…

残り少なかったラッキョの、最後のひと粒をぱりんと噛んで飲み込んだら、食事は終わり。

満足してお腹を撫でながら、漬け汁だけが残った空瓶を眺める。

このラッキョは鳥取砂丘の高級品だが、タプタプのお酢が、いつももったいないんだなあ。

このお酢 なんかに使えないかしら…

思いついたらチャレンジクッキングだ。

冷蔵庫を覗いて、干からびたベーコンと、食べあぐねたキャベツを半玉見つけた。

鍋を火にかけて、オリーブオイルと、ニンニクと刻んだベーコンを入れたら、キャベツを千切り…いや、その10倍ほどの百切りに。

ベーコンの脂が出たら、大量のキャベツを放り込んでフタをする。

山盛りで、フタが閉まらないほどのキャベツが、熱でちょっとシンナリしたら

フフフ…

不気味にほほ笑む私の手には、ラッキョのビン。

な、何を…あああああああ!

じゃー!

とんでもなく酸っぱいにおいに負けず、粒コショウとローレルの葉を投げ込んだら再びフタをし、火加減は弱火に。

換気扇をにして、台所を逃げ出そう。

おそるおそる台所に戻り、クタクタに煮えていたら、ざっと混ぜて出来上がり。

つまりはキャベツの酢煮ですが、茹でたソーセージと粒マスタードで食べるとおいしいです。

さきゅうらっきょう
(ラッキョのお酢はポテトサラダの味付けにも使えます)



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ちゃれんじ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2023/01/27 11:30
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