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とちがら話。

毎年この時期に、食べるお菓子がある。

お寺の行事の間だけ作られる、期間限定のお菓子で、ぼーっとしてると食べ損ねてしまう。去年は娘の受験で右往左往してるうちに時期が終わったので、今年こそと意気込んで買いに出かけた。

毎年思うのだが、この店の商売げの無さはハンパじゃない。

日本中から観光客の来る、大きな行事にリンクした期間限定のお菓子だよ。

それなのに、なぜショーウインドに、お菓子をポツンと単独で出してあるだけで、「例のアレにちなんでます!」「今しか食べられません!」という説明が、一切ナシなのか。

なぜ、A4縦半分い紙に字で、お菓子の名前が貼ってあるだけなのか。

案の定、観光客はスイスイ店の外をスルーしていく。

まあそれでも、事情を知る地元の人は、ひっきりなしに店に入ってくる。数人の店員さんが、その応対にかかりっきりだ。

地方発送もしていて、店の奥では宅配便の伝票を、積み上げた箱に貼っている。

そんなに繁盛しているのに、なぜかお店はドンヨリ、沈滞している。店員さんの表情も冴えない。

こんなにいっぱい人が来ちゃって、困ったなあ…

さらには

迷惑だなあ、一刻も早く、この時期が終わらないかなあ…

という雰囲気である。

店員さんたちの名誉のために言っておくが、皆さん、応対はとても丁寧でにこやか、マナーも申し分ない。しかし、

年に一度の稼ぎ時だ!じゃんじゃん売って、稼ぐぞう!

という、商売人なら持つはずの、心の弾み、気の張りが全く感じられないのだ。

予期せぬ災難に遭った人を見たような、気の毒な感じ。ついついお客のこちらのほうが

いきなりこんなに大勢で押しかけて、申し訳ありません…

という気分になってしまう。

まあ、仕方ないのだ。いちばん大きな駅の、いちばん栄えている商店街が、8時前にシャッターを閉めてしまう、そんな土地柄、けっこう好きだ。

たまに京都に行くと、

スッゲエ、こんなもん、この値段で売れるのかあ!

と、古都商法には感心するが、だからって京都に住もうとは思わないな私は。

件のお菓子↓

のりこぼし

かわいいでしょ。



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ごきんじょ | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/02/26 09:42

ことわざ話。

ムスコは高校受験の真っ最中である。

優しい叔母であるイモートからは、応援グッズの詰め合わせが届いた。定番のお守りの他には

うカール

toppa.png

…お菓子メーカーもいろいろ考えるなあ。

さらに、書道師範であるイモートによる、金色のめでたい色紙も。

玉磨かざれば光なし

と書かれている。早速、ムスコの顔の前にかざして、

こら、玉磨かざれば光なし、だってよ!磨けよ、玉を!

と、プレッシャーをかけた。

続いて「タマ」に関するありがちな下ネタの応酬の後、ことわざの話になった。

船頭多くして船山に登るってあるじゃん

あれってさ、「多くの人の力を結集すれば、不可能も可能になる」みたいな意味にとれない?

たしかに、「指図する人が多くて物事がとんでもない方向にそれてしまうことのたとえ」なら、「船逆に進む」ぐらいで十分。

船を山に押し上げるって、ものすごく大変そうだ。手違いや勘違いでやれることじゃない。

山頂まで上げるのには、いったいどれほどの人手が要るだろうか。

そう想像すると、タンカーみたいなデッカイ船を、たくさんの船頭さんが、豆絞りのハチマキをしてうんしょうんしょと押している、カワイイ絵が思い浮かんだ。

ちょっと懐かしいカップヌードルのCM↓のようでもある。

               hungry.png



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もろもろ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/02/24 10:05

あみもの話。

なぜか意外に思われることが多いが、私は編み物をする。

そもそもの始まりは、30年前編み物の虎の穴に入ったことであった。

決してそんなところに入る気はなかった。ただ、安くて通学に便利な学生下宿を、探して入ったつもりだったのだ。

ところがそこは、居るだけで編み物をしてしまう、魔の訓練機関だったのである。

本やなんかを借りに隣室を訪ねると、必ずこたつで何か編んでいる。

ピンク電話の受話器を肩とアゴの間にはさんで話しながら、床に毛糸玉を転がして、すっごい複雑な編み込み模様を作っている子がいる。

台所でカレーの鍋の様子を見ながら、ハンテンのポケットから毛糸をぞろぞろ出して、立ったまま編んでいる子もいる。

ここまでみんながやっていると、編まないのは偏屈な変わり者のように思えて、つい

あたしも何か編んでみようかな…

などとつぶやいたが最後、皆が寄ってたかって余り毛糸をくれ、編み針を貸してくれ、手取り足取り教えてくれてしまう。

携帯もなく、パソコンもなく、昔の女子大生はヒマだったのかもしれない。

不思議なのは、それだけみんな編み物をしているのに、自分の編んだものを着ている子はいなかった。大量に生み出されたはずのニットたちは、いったいどこに行ったのか。

多分あれだね、オトコだね。

30年前の大学生は、手編みセーターとかマフラーとかで、けっこうカンタンにグッと来てくれたものなのだ。

メールもない、ラインもない、思えばあの頃は恋愛もシンプルだったなあ~(しみじみ)。


むかしむかし | コメント(4) | トラックバック(0) | 2014/02/22 20:51

ゆにくろ話。

ムスコは今、子どもにしては縦に長く、大人にしては横幅がない、困った体型。中学生のこの時期仕方がないが、予算の限られた中、着るものには本当に困るのだ。

そういう時助かるのが、サイズ豊富なユニクロの存在である。

最近は、子どもの衣類ついでに、ちょくちょく自分のも買う。

私は大柄なので、男ものを買うことも多い。先日は、かわいいチェックのネルシャツがセールになっていたので喜んで買った。

話は変わるが、うちはマンション住まいである。築20年のわがマンション、住民の高齢化も進むなか、自治会は頑張って活動している。

私も、年に一度の総会には、なるべく出席しているが、今回は寝坊してちょっと遅刻してしまった。既に議事に入っている集会室に、なるべく人目に立たぬよう、身を縮めてそおっと入っていく。

すると、ドアの近くに居る人から、なぜかくすくす笑いが広がった。

とにかく、みんなが私の方を見てにやにやしている。何が何だか、わけのわからないまま席に着いたら、隣の人があごで小さく議長席を指した。

自治会の副会長さん(70代男性)が、ユニクロの、かわいいチェックのネルシャツを着ている。

そう、私とまるきり同じシャツ。

副会長さんは卓上のレジュメを目で追っていて、私のシャツには気付かぬまま、大真面目に議事を進行していく。

私だけがいたたまれないまま、総会は粛々と進められ、永遠に続くかと思われる長い長い時間の果て、やがて終わった。

こういうのを「ユニかぶり」と言うらしい。

ムスコ曰く、ほぼすべての衣類をユニクロで調達している彼の場合、「ユニかぶり」など日常茶飯事だが、気にせずに着続けていれば、やがて相手が着て来なくなるらしい。

我が子ながらなかなかハートの強いやつだと思う。


ごきんじょ | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/02/20 20:08

だうんの話。

立春も過ぎたというのに、雪は降るわ、風は吹くわ、寒いじゃないか

誰かに、どうしてくれる!と訴えたいが、責任者が見つからないのが気候の難しいところである。

今日も30年物のウールのコートを着て出かけ、先ほどブルブル震えながら帰ってきた。長く着ると、いくら厚手の生地でも、少しずつ薄くなってくるのだろうか、それとも中身の私が、寒さのコタエル年代になってきたということか。

ダウンでも着れば、と家族には言われるのだが、そうはいかない。

服装にはこだわりがない私だが、なぜかダウンを着るのだけはイヤなのだ。

今私がダウンを着るとすると、あまりカジュアルなものは他の洋服に合わない。腰が冷えるから丈は長めで、何にでも合いそうな色。となると

ステキな奥様のダウン

多分こういうやつ↑を買うことになる。

うあ~、イヤだよー!

このAラインのシルエット。エリザベス1世のような、この襟。

何の根拠もないんだけど、こういうダウンを着ているとなぜか

黒木瞳のようになりたいわ!

と思っているおばさんに見えるんだ。

そして、私は、黒木瞳がキライなのである。



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もろもろ | コメント(7) | トラックバック(0) | 2014/02/18 17:40

おでんの話。

豆腐だのこんにゃくだの書いていたら食べたくなったので、昨日はおでんにした。

おでんってどこの家でも作るものだけど、よくよく聞いてみるとけっこう中身が違っていて、びっくりだ。

人参と結び昆布とか、鶏肉と焼き豆腐とか、入ってても全然おかしくないけど、うちではゼッタイ入れない具を、入れるおうちがある。

「今日はおでんだった」という人が10人集まっても、胃袋の中身は全然違うかもしれない。

「好きなおでんの具ベスト10」みたいなのを見ただけでも、うちのおでんには無い具がランクインしているものね。

子どもの頃、うちの実家のおでんには「コロ」という謎の物体が入っていた。

扇形に黒い縁取りがあり、カボチャの薄切りみたいな形状なんだけど、白くてベロベロしていて、味は特にない。

噛めば噛みきれるけど、柔らかさの中にへんてこな粘っこさがあって、無味の奥の遠~いところにケモノ臭がする。

とにかく理解不能なヘンなものだが、ヘンなもの好きの私はけっこう好んで食べたものだ。

そんなヘンなものなのに、「コロ」はけっこうお高いのである。市場の乾物屋では、豆だの干瓢だの煮干しだのが手前に並んでいるのに、「コロ」は奥のちょっと高いところに置いてある。

おばーちゃん(私の母)はいつも、「私はキライなんだけど、みんなが食べるからね…」となぜか言い訳をした。

お母さんてそんなもんかもしれない。

コロ」が、なんとマッコウクジラの皮で、揚げてから油分を絞り、乾かしたものだということを知ったのはいつだったか。

そんなに遠くから来た、やんごとなきお方だと知っていれば、箸でつまんでブルブルして遊んだりせず、もうちょっとありがたがって食べたものを。

今私の作るおでんには、スーパーでは買えない「コロ」は入っていないが、自分は食べないこんにゃくを、ゴロゴロ入れてしまう。

「私はキライだけど、みんな食べるからね…」とか、言い訳しながら。

むかしむかし | コメント(4) | トラックバック(0) | 2014/02/16 18:29

はつめい話。

豆腐を発明した人ってスゴくないか。

大豆って、炒っても、茹でても、そのままで十分オイシイ豆だ。

それを、わざわざ水に浸けてすりつぶし、汁を絞る。見るからに美味しそうなオカラのほうを取り除き、あえて汁のほうに、唐突に塩化マグネシウムなどを混ぜて、四角くかためよう!と思いつくなんて、こう言っちゃなんだが、ちょっとオカシイんじゃないか。

煮豆などでは決して満足することなく、豆の原形を全くとどめない、この徹底した加工っぷり。

ある意味異常と言ってもいい。

もっとすごいのはコンニャクだ。

素手で触るだけでも、かぶれてえらいことになるあの芋を、万難を排して食べようという、その執念というか、根気というか、発想というか、全てに脱帽である。

かぶれないように、細心の注意でおろして練って、水酸化カルシウムだか何だかを混ぜて、結局あんなブルブルの、正体不明のものが出来ちゃったのに、平然とそれを食べようとするなんて、まったく正気の沙汰とも思われない。

…と、ここまで書いて改めて気づいたが、私は豆腐が好きでコンニャクがキライである。

ちなみにプリンは好きだがゼリーはキライ。…と、これは関係ない話。



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2014/02/13 20:40

まちがう話。

私は近眼なのにふだん眼鏡をかけてないので、様々な見まちがいをする。

ショッピングセンターで、胸に刺青した半裸の女の人がいる!とギョッとして、近づいてみると単にベージュのTシャツを着た人であったり。

おじいさんがドラえもんと手をつないで歩いてる!と思ったら、青いパーカのフードをかぶった孫を連れているだけだったり。

驚いたのは野ツボにハマった人と会ったことである。

野ツボ、ご存じだろうか。

いわゆるコエダメ、汲み取った排泄物を肥料に適するよう熟成させる、土に掘った穴である。私の子ども時代には、田舎に行けばまだあった。

その人は、混雑した駅で、前方から歩いてきた。

胸までは真っ白で、ヘソの上あたりから下半身、無残にもマッキイロの一色に染まっている。

この人は、イマドキいったいどこで野ツボなど見つけて、どうやってハマったのだろう?

…などと思っているうちにどんどん近づいてくるではないか。

いかん!逃げねば!と思ったが、周囲は不気味なほど冷静で、動揺の広がる気配もない。

落ち着いて目を凝らすと、白から辛子色へのグラデーションのシャツを着、それとマッチしたパンツを穿いた、特に気の毒ではない人であった。

オシャレしましたよ風の雰囲気は、むしろ得意げであり、私はなぜか軽くムカッとした。

そういえば最近、ああいう上下グラデーションのシャツをよく見るな、とあとで思ったが、それにしてもあのコーディネートは失敗と思う。

ちなみに、半裸に見えるベージュのシャツも、私は買わないようにしている。



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ごきんじょ | コメント(3) | トラックバック(0) | 2014/02/11 13:07

めるとも話。

小3の姪っ子とメル友になった。

どうやら私に秘密を打ち明けるのに凝っているようだ。

おばーちゃんにカードを書いたけど、ビックリさせたいから秘密だよ!

お習字で、疲れて3枚しか書けませんでした。ママには秘密にしてね!

秘密だけど、友達と交換日記してるんだ!


秘密と!の大安売りである。

私と、彼女のママであるイモートは、当然のことながら実はツーツーだが、これだけ秘密秘密連発されると何か試されているようで、軽々しく漏らす気にもなれず、毎回

分かった!絶対秘密にするね!

と約束している。

とはいえ、こっちだけ秘密を守らされるのもシャクなので、私の秘密も打ち明けてみた。

晩ごはんを作らないで、ラーメン屋さんに行っちゃいました!おばーちゃんには秘密だよ!

するとこんな返信が。

ふう~ん。そうなんだ。

では昨日の話をします。


…自分が言いたいだけかい!

しかし、姪っ子は写メもしてくるのでやっぱり楽しい。

硬筆のおけいこで「ことわざ」を書きました!

…という前置きで送られてきたのは、2Bの鉛筆で黒々と書かれた

出るくいは打たれる  天にむかってつばをはく

謎のセレクトだが、将来楽しみな姪っ子である。
ごかぞく | コメント(4) | トラックバック(0) | 2014/02/09 12:04

わすれた話。

人生50年、物忘れに悩まされている私である。

若い頃は、都合の悪いことだけをうまいこと忘れられたのだが、最近は忘れちゃ損することまで忘れてしまう。

そんなだから、メモ帳は手放せない。

先日も仕事中、はっと思いついたことがあったので、すかさずメモを取った。

たまたまタイミング悪く同僚が話しかけてきたので、ちょっとゴメンと手を上げて彼女を制止し、メモを優先した。

そこまでしたのに、メモを書いたこと自体忘れてしまうのが情けないところだ。

家で全然別のことをしていた時、

そうだ、あの時何かメモ取ったんだった!

と思い出し、メモ帳を見てみたら

パンプキン詐欺

と書いてあった。

ダジャレじゃねーか!

話しかけようとしていた同僚の話も、あとで聞いてみれば別に大した内容ではなかったが、それでもパンプキン詐欺に比べたら500倍くらいは意味のある話であった。

タグチさん、その節は大変失礼いたしました。次はちゃんとお話聞きます。



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もろもろ | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/02/07 18:20
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