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うなぎの話。

土用丑のことを書いていて、ひとつ思い出した。

母方の祖父は、生きてれば百になる。現役時代はヤリテの商売人だったらしいが、私のモノゴコロついたころには、単なる困ったじーさんであった。

買い物が好きで、道楽が好き。お酒は飲めないのに、キレーなお姐さんのいる夜の街をウロウロする。

中でも好きなのが外食

若いころには、いきなり思いつきで自家用車(運転手つき)に家族を乗せて、

今からカニを食べに行くぞ!

かに

なんてこともあったらしい。今みたいに道頓堀に「かに道楽」がある時代じゃない。大阪から、日本海側の温泉地まで車でぶっとばして、その日は泊りなのだ。

そのとき期末試験前だった、うちのおばーちゃん(じーさんの娘)は、車の中で泣いたそうだ。

そんな具合だから、もうヨレヨレのじーさんになってからも、何かっちゅうと外でご飯を食べたがった。

病気して、もうダメだってことになって入院してからは、さすがにワガママは言えまいと思っていたのだが、病院に行ったら、看護師さんにこう言われた。

おじーちゃんね、今日、どっから出してきたのか、千円札を見せてね

アンタな、これでウナギ買うてきておくれ

って言ったんですよ!こんな患者さん、初めて!

恥ずかしくて顔から火が出そうだったが、同時に、ほぼ流動食の状態になってなお、ウナギが食べたい!というじーさんの気力には、身内ながらアッパレと尊敬の念もわいた。

戦中戦後を生きた人間の、生への執着ってこうなんだ。

私なら死病の床で「ウナギ!」なんて思えるかなあ。ムリだろうなあ。



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むかしむかし | コメント(10) | トラックバック(0) | 2014/07/31 09:09

どようの話。

昨日は土用の丑。ウナギを召し上がったお宅も多いことと思う。

我が家では、献立を決定する私が、ウカツにも失念していたため、全然別のごはんを食べてしまった。

私にとって土用といえば、梅雨の頃に漬けた梅を干す、土用干しであって、3日以上晴天が続いてくれるかどうかが最大の関心事。

高価なウナギを買うかどうかなどに頭を悩ませる暇はないのだ。

梅干ウナギを駆逐する。ある意味食い合わせのような構図である。

うなぎ

そういえば、少し前にニホンウナギが絶滅危惧種に指定されたというニュースもあり、街の人々

ウナギが食べられなくなると困りますね~

のような声がテレビでも流れていたが、ほんとに困るのはウナギ屋さんだけだろう。

ウナギにしろ、生レバーにしろ、無けりゃ無いで生きてける食べ物じゃないか。しかしそんな意見を言っても、テレビでは流してもらえないのだ。

それにウナギに関して、関西人の私は非常に楽観的である。

きっと近畿大学が何とかしてくれる、そう思っているからだ。

天然ものよりおいしい近大ウナギ。行列のキライな私だが、近大ウナギができたら、ちょっとくらいは並んでもいい。



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2014/07/30 09:33

しゅじん話。

土日にたまにあるセールス電話。

不動産か、証券か、何を売ろうとするのか知らないが、私がハイと出ると

こんにちは~。ご主人いらっしゃいますか~?

と言いやがる。私はドクシンだから、セールスのあんちゃんが思うような「ご主人」なんてうちにはいない。

この家を支えているのは私、このおばちゃんの一馬力なのである。

いつもはただ

うちは要りません!

とだけ言って切るのだけど、何だかその日は戦いたい気分だったのだ。

この家の主人は、ですが?

と言ってやった。

まあ、だからってどういうこともないんだけど、ちょっとだけスッとした。

しゅじん
      あたしがここんちの主人だけど、何か?



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ごかぞく | コメント(18) | トラックバック(0) | 2014/07/29 09:49

ろうかの話。

本当に暑い。

うちで一番涼しいのは、風が通る廊下である。

できれば、ここに一日中居たい、と思うが、廊下というのは通路であり、立ち止まるべき場所ではないという思いからか、実際にそうするのは何となし、はばかられる。

しかしこれほど暑い日々が続くと、抵抗感もだんだん薄れてくる。

廊下で読書。廊下でご飯。廊下で仕事。

どうやったらできるかなあと、具体的に思い描くようになってしまった。

一番簡単にできそうなのは、廊下で寝ることである。

ろうか

どうやら幅は大丈夫なようだ。

ただ、もしもこの状態でムスコと私が寝るとすれば、マクラはどのように配置するのがよいであろうか。

こうか。

ろうか4

こうか。

ろうか3

はたまた、こうか。

ろうか2

なかなかに悩ましい問題ではある。




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ごかぞく | コメント(8) | トラックバック(0) | 2014/07/28 11:49

たおるの話。

タオルの捨て時っていつだろう。

たおる


いくらしみったれの私でも、洗っても取れない汚れがついたら捨てるし、破けたら捨てる。

でも、タオルって、破れも汚れもなくっても、どことなく所帯じみてきませんか。

家族が使うならいいけど、他人様にお見せするとなるとどうよこれ?

うちで使ってるタオルの6割くらいが、このグレーゾーンにある気がする。

ムスメに聞いてもムスコに聞いても

うーん、別にイイんじゃない?

言うだけで、全然あてにならない。

できることなら路傍に立ち

このタオルをどう思いますか?忌憚なくお答えください!

誰かれなく尋ねたいところだが、危ない人と思われるのがオチである。

公的な示準タオルがあればなあ。

年に1度、回覧板が回ってきて、

これよりも汚いタオルは、自治会で集めますので、○月○日、家の前に出してください

なんてことになったら、マジメな私は唯々諾々と従うであろう。

それが無理なら、妖精でもいい。

どこからともなく、フワフワしたタオルの妖精が飛んできて、きれいな声で

♪ 緑のバスタオル~ 花柄のフェイスタオル~ ♪

ダメになったタオルを教えてくれるのだ。

あと、「賞味期限の妖精」も、いるといいなあ。



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もろもろ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2014/07/27 12:34

ばかなか話。

蚊ってバカだと思う。

なんでわざわざマブタとか指の関節とかくるぶしとか、肉の薄い掻きにくいとこばっかり刺すのか。

なんでわざわざ、刺したところをかゆくして去るのか。

なんでマラリアとかデング熱とか、おっかない病気を媒介するのか。

なんで、癇に障るう~っていう羽音を出して、寝入りばなを邪魔するのか。

聞けば血を吸う蚊は産卵を控えた雌だっていうじゃないか。血を吸うのは栄養を取るためだというから、いわば妊婦さんである。

私だってそう分からず屋じゃない。

病原菌のない、清潔な針で、痛くもかゆくもないように気をつけて、静かに目立たない場所からちょっぴり吸う血くらいは、話によっちゃあ見逃してやってもいいのに。

わざわざそういう人に嫌われることばかりするから、身重の身で殺虫剤をかけられたり、卵もろともぶっ潰されたりしてしまうのである。

向こうずねをボリボリ掻きながらそのようなことを考えた。

本当に蚊はバカだなあ。

                かをとる




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もろもろ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2014/07/25 09:56

さんぱつ話。

子どもの中学の近くの理容店が閉店になり、空き店舗がテナント募集をしている。

よく見る地元不動産屋のプレート以外に、オーナーが貼ったらしきハリガミがある。

かしみせ

わずかに不安を催す、この配置。

貸店舗」と書こうとしたところ、「」の字が書けなかったものと思われる。

かなりや理髪店」というこの店、チャラチャラした今風のサロンではなく、昔ながらの「さんぱつやさん」という感じで、私は好きだった。

小さいころのムスコを連れていくと、前髪は地球儀の赤道のごとくまっすぐ、うなじから後頭部は、滑らかな遠浅の海岸のように刈り上げた、芸術的な坊ちゃん刈りにしてくれたものだ。

母親としては大満足であったが、思春期を前にしたある時から、ムスコ本人が頑として

あの店で切るのは絶対イヤだ!

と言い張るようになった。

それ以来、たまに前を通りかかる時に

かなりや刈りなや

などという、失礼なダジャレを言う以外は、このお店とのかかわりは途絶えてしまった。

今般の閉店に関しては、多少の責任を感じないでもない。



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ごきんじょ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2014/07/24 11:09

あなゆき話。

スーパーの食品売り場の通路で、お母さんに手をひかれた3歳くらいの子が、楽しそうに歌っていた。

歌詞は不確かなうえにうろ覚えらしく何を言ってるのかわからないし、メロディーもあやふやだ。

しかし、盛り上がりのところで声が大きくなり、メロディーもはっきりして、何の歌かやっとわかった。

♪ げりぽー~  げりぽー~  も~にゃもにゃもにゃ~ ♪

今イヤっちゅうほどテレビでも流れている、「アナと雪の女王」の劇中歌「 Let it go 」だ。

私は昔からへそ曲がりなので、流行った映画は見ない。

だからE.T」も「未知との遭遇」も「2001年宇宙の旅」も「スター ウォーズ」も(このラインナップ、歳がばれる)見なかった。

最近は実写映画にあんまりブームが起こらないので、わりに気楽に映画館に行けるようになったが、代わりにジブリだのディズニーだの、アニメはあれよあれよと大流行するので、見られなくなることが多い。

そういうわけで、「アナと雪の女王」も見ないまま死ぬことは決定だ。

だから余計なおせっかいもいいところなんだけど、あれを「アナ雪」と略するのは何とかならないのか。

そもそも、略されるの前提だったら、なんで最初から4文字くらいの題名にしとかないんだろう。

原題は「 Frozen 」だっていうじゃないか。そのままでいいじゃん。

中学生の時、私はコーラス部員だった。

はい、次ツバクダ、ソプラノパーレンです  (パーレン=パート練習の略)

集まって~ アノスバ合わせまーす!

こんな言葉が飛び交っていたのを思い出す。

ツバクダは「翼をください

アノスバは「あのすばらしい愛をもう一度

どっちの曲もあんまり好きになれなかったな~。

私の好きな合唱曲は「からまつ」と「モルダウ」。

はからずも、いずれも4文字である。



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てれびじょん | コメント(24) | トラックバック(0) | 2014/07/23 10:07

てをみる話。

おおむね機嫌よく暮らしている私だが、昨日はなんだか暗い気分だった。

新しいの涼しげなサンドレスを着て、好調な滑り出しだったはずなのに。

朝からベランダのゴーヤのネットを直したり、メダカの鉢の水替えをしたり、大働きしたら、手が薄黒く汚れていたのでセッケンで洗った。

溜まってきた古紙をヒモで縛り、空き缶と一緒に分別ごみの置場に置いて、ふと見たらまた手が薄黒くなっていたので、セッケンで洗った。

押入れ収納をよっこらしょと引っ張り出して、シーツの入れ替えをし、ヤレヤレと汗を拭こうとしたら、また手が汚れて薄黒くなっていたので、またセッケンで洗った。

今日はなんだか汚れる仕事ばかり。お掃除サボっているから、家じゅうホコリだらけで、どこ触っても手が汚れるんだ。ダメだな~、私。

薄黒く汚れた手を見ていると、ダメ女と決めつけられたようで、気持ちまで薄黒く曇ってくる。

暗い気持ちで掃除機をかけてはセッケンで手を洗い、麦茶を作って冷やしてはセッケンで手を洗い、ヒルナンデスを見ながらご飯を食べた後セッケンで手を洗って、やっとおかしいなと思った。

なぜご飯に納豆をかけて食べただけで爪の中まで薄黒くなるのか?

そしてその汚れは、なぜセッケンをつけなければ落ちないのか?

家事を終えてシャワーを浴びようと服を脱いだ時、理由がわかった。

新しいの涼しげなサンドレス

今日はじめて着たその洋服が色落ちして、下着まで薄黒くなっていた。

手だけじゃなく、全身洗ってサッパリしてから、思った。

ネイルを色とりどりに塗る人の気持ちって今までわからなかったけれど、初めてわかった気がする。

自分の手ってあんがい頻繁に見ていて、それがキタナかったりすると、気分が沈んでくるんだな。

ネイルできれいにした手は、女の自尊心を作るものでもあるんだろう。

       ネイル
       (しかしここまですると家事に差し支える)



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もろもろ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2014/07/22 09:47

ぶらっく話。

最近CMで見るピザブラック

ピザーラを勝手にライバル視する品質最悪のピザ屋さん、という設定で、エンドウケンイチがその社長に扮している。

ぴざぶらっく

ピザブラックは、ピザーラの新製品をスパイしては、粗悪な類似品を作る悪徳企業である。

パンの耳を生地にするとか、具だと思ったら絵だとか、品質のひどさを説明した後、キメ台詞に

見た目は同じ、なぜみんなピザーラを頼む?

と、エンケン社長の渋い声で宣伝するわけだ。

ピザーラのハワイアンピザを真似て、ピザにかき氷のブルーハワイのシロップをかけてしまうこの会社、商品はともかく、楽しそうだ。

見るからに悪そうな人が仲良く集まって、顔を見合せてうひひひと笑ったり、声を合わせておー!なんて言っていて、かわいらしい。

悪徳社長は部下には慕われているのか、みんな機嫌よく働いている。会社名こそブラックだけど、ブラック企業ではないみたいだ。

日々お客様のことを考え品質第一で、配達の遅れを叱られながらキリキリ働くより、ピザブラックに就職したほうが、人生幸せかもしれない。



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てれびじょん | コメント(10) | トラックバック(0) | 2014/07/21 10:59
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