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ゆめみる話。

昨夜は寝苦しかった。暖かくなってきたのに、寝具が冬物のままだからだろう。

そのせいか、夢見も悪かった。

いつもの飛ぶ夢である。

空を飛ぶ夢というと、ファンタジックで爽快なイメージがある。

しかし私のはそんなのと全く違うのだ。

まず、飛ぶ高さが低い

地面から4~50センチというところで、歩いている人の膝くらいの高さ。

スピードも早くない。せいぜい頑張っても、歩くのと走るのの中間くらいである。

せめて、飛んでる場所が、美しい花の野原とか、エキゾチックな外国の街とかならまだいい。でも私の夢は、見慣れた家の近所から一歩も出ない。

そのうえ、全身に力を入れて、気張っていないと飛べないのだ。

とにかく疲れる。

それでもなんとか200メートルくらい頑張って飛んで、ふと我に返る。

これなら飛ぶ意味なんて全然ないじゃん。普通に立って歩いたほうがずっとマシだわ…

力を抜くと、身体は長く伸びたままビタンと地面に落ちる。通行人の冷たい視線を感じつつ、モタモタ起き上って、泥を払い、なんなんだまったく…なんてボヤきながら、歩き出す。

起きると、ずっと力を入れ続けたためか、寝る前よりも疲れている。

飛び疲れがあまりに本物っぽいので、飛んだこと自体が本当のように思える。

つい、パジャマの前に泥がついていないか確認してしまい、なんなんだまったく…とボヤきながら、コーヒーを淹れる、休日の朝。

そらから
     (いいなあ…)



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2015/03/21 10:04

よていの話。

春休みに家族旅行することになった。

うちと、イモート一家と、おばーちゃん。総勢7人の旅行である。

幹事はイモートなのだが、ここんとこ姪っ子からメールが来る。

速報!旅館が決定しました!

に始まり、次は

初日の予定を発表します!

え~、決まったんだ~。てか、決められちゃったのか~。

の科学館と、の体験教室、どちらがいいですか?

どっちも、別に行かなくていいけどなあ。

わずか2泊3日の旅行に、プランが次々と送られてくる。

姪っ子が学校に行ってる時間帯を見はからって、イモートに電話した。

どーなってんの、旅行?なんか、メイちゃん、がスゴイんだけど

いや~、「旅のしおり」作ってよ、って言ったら、なんか張り切っちゃって…

今までに判明した、姪っ子による旅行プランは下記の通り。

1日目 お寺で座禅体験のあと、海岸の名勝を船から観光。民芸村で手作り体験をして、宿に。

2日目 行列のできるラーメン店に並ぶ。お城観光と、美術館見学、そのあと忍者の里へ。

3日目 街並み散策ツアーに参加、昼は行列のできる回転寿司。午後早い時間に解散。


そもそもは、みんなで温泉でも入って、のんびりしたいね、って話だったのにな~。

同じようにプランを受け取ったおばーちゃんは

私…ついて行けるかしら…

と不安がっている。

メールの最後の一行を見て、私もため息が出た。

朝は6時に起きます。がんばってください

メイちゃん、ごめん!おばちゃん、無理だ!

はやおき
   (いや、無理っす…)



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ごかぞく | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/03/20 08:45

もらった話。

気候がよくなったせいか、皆があちこちにお出かけをしはじめた。

すると、もらえるようになるのがお土産である。

スイミングの仲間でも、お菓子などを配る習慣があり、いつも珍しく美味しいものをいただく。

ところがここにちょっとした問題がある。

お土産が配られるのは、レッスンが終わった後の更衣室。

つまり全身ビショビショの状態で、マンジュウだのセンベイだのをいただくことになる。

すっかり水気をふき取って、お洋服を着てから配ればよさそうなものだが、プールから上がって身支度をする時間にはバラツキがある。

ぼやぼやしていると、支度の早い人は帰ってしまうのである。

マジメなオバサンたちは、前にお土産をもらった人には必ず渡さなければ!と思いつめているので、水着のままで、焦ってお土産配りを始めてしまうのだ。

かくして、あげる方ももらう方も、濡れ手で粟ならぬ濡れ手にマンジュウとなる。

先週は、シャワーのしずくをボタボタ垂らしている時に、おいしそうなエビセンをいただいたのだが、家に帰って見てみるとすっかり湿っていた。

今日はまた、着替え始めて、水着を尻の沢までずり下げた状態で、大きな甘夏を4つも渡されてしまった。

半裸、半ケツ、ゴロゴロするミカンを胸に抱えて、進退窮まるとはこのことだと思った。

あまなつ




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ごきんじょ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/03/19 08:28

まつおか話。

昨日今日と、驚くほど暖かな日が続く。

ひと冬かけて冷え切った部屋の中はまだ冷たいが、ベランダに出ると陽射しが汗ばむほどだ。

どーなってんのこの天気?

思わずこぼすと、ダラダラ朝寝して、やっと起きたムスコが言った。

マツオカシュウゾウが帰ってきたんじゃないの?

しゅうぞう

ムスコによると、ネットでは、熱い男・マツオカシュウゾウが海外に行くと日本は寒波に襲われ、帰国すると気温が上がるという説が、まことしやかに流れているという。

マツオカ伝説の始まりは、2014年のソチオリンピックに遡る。

冬季五輪開幕を前に、満を持してマツオカ氏が乗り込んだソチは雪不足のような陽気。

いっぽうマツオカ氏が去った日本には、空前の大寒波が訪れ、記録的な大雪となった。

マツオカ氏のパワーは、晴れ男とか雨女とか、そんなレベルではないらしい。

だとしたら、我々は彼の出入国を無為無策に見守るだけではいけないのではなかろうか。

一つ間違えば、農作物被害や、住宅の安全を脅かす自然災害にもつながる大問題である。

がしかし、それを逆手に取り、タイミングよく彼を出入国させることによって、食糧増産や、電力消費の抑制など、積極的な効果も望めるかもしれない。

所管官庁はやはり、気象庁であろうか。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/03/18 09:26

びふぉー話。

びふぉーあふたー

昨日匠の話をしたが、私も番組は時々見ている。

しかし、いつも前半20分くらいを見たら、チャンネルを変えてしまう。

床をはがしてみたら基礎がシロアリに食われていた!とわかるあたりで、あ~もういいや、と思っちゃうのだ。

あの番組の見どころは、アフターじゃなくてビフォーなんじゃないだろうか。

よくこんなところに住んできたな、とビックリするような、いろんな家がある。

住人の苦労も一通りではないだろう。

それでも、そんな暮らしにくさをどうにかしようと、素人くさい工夫を重ねてきた歴史に、人のいじらしさや、家族の愛情を感じる。

ボロくて狭くて寒くて暑くて、どうしようもないビフォーの家が取り壊される時、住人の多くが涙を浮かべるのは、そこに数値化できない何かがあるからだろう。

匠の技術で明るく白くなったアフターは、言っちゃ悪いがどれも似たり寄ったり。

なんということでしょう…から後は、もう見なくったって一緒なのだ。



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てれびじょん | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/03/17 11:16

たくみの話。

ムスメは大学に入ってから、小さな居酒屋でバイトをしている。

はじめの頃は食事は出なかったが、今は美味しいまかないが出るらしい。

推測だが、食いしん坊のムスメは、お客さんに出すお料理をヨダレの出そうな顔で見ていたに違いない。この子を空腹にさせるとアブナイというマスターの判断が、待遇改善につながったのだろう。

うちの店にさ~、タクミが来るんだよ

へ?タクミなんて知り合いいたっけ?

違う違う、ビフォーアフター

びふぉーあふたー

 大改造!!劇的ビフォーアフター

匠って、「狭小空間のイリュージョニスト」とか、「古民家再生の請負人」とか…

そうそう。うちに来てるのは「価値ある暮らしのプロデューサー」だっけな

いつも思うのだが、あの名前ってご本人も多少意識してるのだろうか。

人ごみで「あ、優しい住まいの伝道師さ~ん!」と呼んだら、振り向いたりするのだろうか。

そんな興味もあって、時々ムスメに、匠どうしてる?と動向を聞くようになった。

最近、匠ダイエットしてるよ。血糖値か何かヤバいんだって

居酒屋に来てる時点でダイエット失敗じゃん、と思ったが、匠はそれでも酒量を減らし、ツマミも軽いものにしているらしい。

事務所のホームページを見たら、確かにちょっと太めのオジサンだ。

匠のビフォーアフターも、ぜひ放映してほしいと思った。



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てれびじょん | コメント(7) | トラックバック(0) | 2015/03/16 09:36

しーるの話。

午後の私鉄特急は程よく空いていた。

お隣に3歳くらいの女の子とお母さんが座っている。

女の子は小さな絵本のようなものを持たされておとなしくしている。

ちらりと見ると、シールブックというやつだった。

シールがたくさんついていて、絵本の中の好きな場所に貼って遊ぶものだ。

小さな指先でちまちまと貼ったりはがしたりしている様子はとてもかわいらしいが、同時におだやかならぬ気持ちになった。

私の子供時分、シールというのはなかなかに貴重なものだった。

文具店で乏しいお小遣いと見比べながら、今日はどれにしようか、悩みに悩んで小さなシールのシートを買う。

一つ一つを切り離し、お友達と交換するときも、不利にならないよう、厳しく目を光らせた。

たまに雑誌やお菓子のおまけにシールがついていると大喜び。

そうやって手に入れる貴重なシールは、そこらにペタペタ貼ったりはしない。お友達への手紙に封をする、というような特別の機会に限り、惜しみ惜しみ貼った。

使うあてのないシールは、台紙についたままの状態で大切に保管した。

そんな記憶があるためか、私はいまだにシールを惜しみなくペタペタ貼ることができない。

手帳やカレンダーについてくる、予定を示すシール。

カセットテープやビデオテープの、録音内容を書き込むラベルシール。

そんなものが、貼らないまま溜まっている。

昔からシールをしまってある箱をひっくり返してみたら、こんなものがあった。

しーる

タカラのリカちゃんシール

1枚も貼ることなく、40年がとこ経過しているものと思われる。

これまでもこれからも、このシールの粘着機能が発揮されることはないのかと思うと、少々申し訳ない気分になったりする。



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むかしむかし | コメント(12) | トラックバック(0) | 2015/03/15 11:32

だめなひ話。

私はわりに天候に気分を左右されるほうだ。

お天気が次第に雨に向かっていくときが特にダメで、雨が降り出すと、逆に元気になる。

気圧が関係してるのかもしれない。

今日は、そんなダメな日だった。

どこも悪くないのに、何もする気がせず、ダラダラしてしまう。

これさえなければ、もっと偉大なことを成し遂げられるかもしれないが、仕方がない、気圧が悪いのだ。

カミクズを捨てるのさえもめんどくさくて、ねじって隅のゴミ箱に向かって投げる。

そんな一日が暮れて、外が暗くなったので、カーテンを引こうと立ち上がったら、こんな風になっていた。

だめなひ
(箱じゃないのにゴミ箱)

見事に、今日投げたカミクズの全部がゴミ箱に入っていない。

どこまでダメなんだと思ったら、情けなくて、おかしくて、一人笑ってしまった。

窓の外では雨が降り出した。明日は少しはマシになっているだろう。



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/03/14 10:08

めじろの話。

今日13日、当地では公立高校の入学試験が行われる。

塾に行くなら死ぬ 

とのたまい、無為無策で受験に立ち向かうムスコにヒヤヒヤしたのも、1年前のことになった。

ムスコと違って、ムスメはコツコツまじめに勉強する子だったけれど、それでもドキドキするのが親というものだ。

5年前のあの日、普段よりちょっとだけ念入りに作った弁当を持たせてムスメを送り出した。

念のため仕事も休んだが、家にいたってできることは何もない。

テレビを点けても見ていられないし、本を持って座っても落ち着かなくて立ち上がってしまう。

壁の時計と時間割を見比べ、立ったり座ったりしているうちに試験は終わった。

家に帰ったムスメの、いつもと変わらない表情を見てホッとしつつ、出来はどうだったか聞くと

だいたい出来た…と思う

頼もしいんだか、頼りないんだか、わからない感想だ。

それがさ~、メジロがさ~…

へ?メジロ

めじろ

高校の植え込みの、梅の木にメジロがいてさ~ ジュクジュク鳴いて、すっごくカワイイのに だーれも見ないんだよ

そりゃアンタ、入試だもん そんな余裕ないよ!

そうかな~なんて言っているムスメのとぼけた顔に、あ、受かったな、と思った。

さいわい、その予感は当たっていた。

今朝は団地のサザンカにもメジロが来ていた。もうなんだな、と思う。



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ごかぞく | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/03/13 09:33

そらとぶ話。

風の強い日。

寒いけれど、雲の動きが早く、空は明るく澄んでいる。

ほらそこに、ちぎれ雲が飛んでいく…。

そらとぶ

あっちにも、ほら…。

そらとぶ2

風に乗ってバサバサと…って!

頭上のかなり高い位置を、レジ袋が飛んでいく。

フワフワと落ちそうになっては、次の風をはらんで、もっと高く舞い上がる。何度も、何度も。

まるで、見えない手が、白い紙風船をついているように。

レジ袋はどんどん高く、小さくなり、2階建てのハイツの屋根を越えて見えなくなった。

歩道の真ん中で空を見つめて動かない私を、学研教室のカバンをしょった男の子が追い越し、不思議そうに振り返った。



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ごきんじょ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/03/12 08:48
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