さそりの話。
窓を開けておける季節になって困ることは、虫が入って来ることである。
都心近くに住んでいたころは、虫好きの子がどんなに探しても、アリとダンゴムシくらいしかいなかった。
それに比べて今の住まい周辺の生物の多様性といったら驚くほどだ。
夏の朝に玄関を出たら、門扉にオオミズアオがべたりととまっていたことがある。

青ざめた猫のような産毛や櫛のかたちの触角、両翼の紋など、昔図鑑で見たままの姿にしばらく見とれてしまった。
家に入ってくる虫も色々だ。
ハエなら殺虫スプレーをブシューとかけてしまえばいいが、何かいわくありげな虫だと、むやみに殺すのもはばかられる。
やむなく虫とり網を備えて、生きたまま捕獲、外に逃がすようにしている。50過ぎて、しかも家の中で、網を振り回すことになるとは思いもよらなかった。
羽音を立てて飛び込んできて、大騒ぎする虫はまだいい。
困るのは黙って入ってきてじっとしている虫だ。
廊下のうす暗がりに、大きなカミキリムシが静かに立っていた時は、とっさに悲鳴が出た。
ああいう虫には、いったいうちに何の御用ですかと尋ねたい。
植民地に住んでいた経験のあるイギリス人が、故国に帰っても、無意識に履く前の靴を逆さにして振っていたという。
中にサソリが潜んでいると危ない、という滞在中の習慣なのだ。
さいわい当地にサソリはいないが、カメムシでも入っていたら、などと想像すると、私も靴を振ったほうがよさそうな気がする。

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都心近くに住んでいたころは、虫好きの子がどんなに探しても、アリとダンゴムシくらいしかいなかった。
それに比べて今の住まい周辺の生物の多様性といったら驚くほどだ。
夏の朝に玄関を出たら、門扉にオオミズアオがべたりととまっていたことがある。

青ざめた猫のような産毛や櫛のかたちの触角、両翼の紋など、昔図鑑で見たままの姿にしばらく見とれてしまった。
家に入ってくる虫も色々だ。
ハエなら殺虫スプレーをブシューとかけてしまえばいいが、何かいわくありげな虫だと、むやみに殺すのもはばかられる。
やむなく虫とり網を備えて、生きたまま捕獲、外に逃がすようにしている。50過ぎて、しかも家の中で、網を振り回すことになるとは思いもよらなかった。
羽音を立てて飛び込んできて、大騒ぎする虫はまだいい。
困るのは黙って入ってきてじっとしている虫だ。
廊下のうす暗がりに、大きなカミキリムシが静かに立っていた時は、とっさに悲鳴が出た。
ああいう虫には、いったいうちに何の御用ですかと尋ねたい。
植民地に住んでいた経験のあるイギリス人が、故国に帰っても、無意識に履く前の靴を逆さにして振っていたという。
中にサソリが潜んでいると危ない、という滞在中の習慣なのだ。
さいわい当地にサソリはいないが、カメムシでも入っていたら、などと想像すると、私も靴を振ったほうがよさそうな気がする。

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けんそん話。
私の家事能力は、まあ並だと思う。
得意なことも苦手なこともあり、出来ないことも、出来るけどやりたくないこともあり、日々を何とかやり過ごしている。
だけど世の中には、お料理が大好き、整理収納が得意、というステキな女性がいらして、そういう方のブログを見るのはとても楽しい。
真似してみよう!とか殊勝な心がけではなく、夢を見てるような、キレイな絵本を眺めるような気持ち。完全に他人事である。
共感するのは、片付かない、グウタラだ、ズボラだという正直な女性だ。
自分以外の誰かも、同じようにこんなもんでいーやとテキトーにやっつけていると知ると、心和む。
だが、ズボラ、グウタラを標榜したブログでも、疑問に思うことも多い。
「手抜き」の夕飯の写真が、うちよりよっぽど豪華だったり、「片付かない」と言いつつ、庭には美しい花が咲き誇っていたり。
ぜんぜんズボラじゃないじゃん!
きっと控えめなお人柄なのだと思うが、謙遜も過ぎるとイヤミである。
その点、男性のブログはダメとあると本当にダメだ。
奥様に叱られ、子供に嫌われ、仕事は失敗、飲めば二日酔い。
謙遜も誇張もない、淡々とした事実の羅列が誘う物悲しさが何とも言えない。
先日は、加齢による体調の悪化を切々と訴える、自称中年のおじさんの記事を楽しく読んだ。
そうそう、そうよね…と共感していたのだが、プロフィールをよく見ると、35歳とある。
何が中年だ!
若造じゃねえか!

(「ずぼら」ではなく「づぼらや」)

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得意なことも苦手なこともあり、出来ないことも、出来るけどやりたくないこともあり、日々を何とかやり過ごしている。
だけど世の中には、お料理が大好き、整理収納が得意、というステキな女性がいらして、そういう方のブログを見るのはとても楽しい。
真似してみよう!とか殊勝な心がけではなく、夢を見てるような、キレイな絵本を眺めるような気持ち。完全に他人事である。
共感するのは、片付かない、グウタラだ、ズボラだという正直な女性だ。
自分以外の誰かも、同じようにこんなもんでいーやとテキトーにやっつけていると知ると、心和む。
だが、ズボラ、グウタラを標榜したブログでも、疑問に思うことも多い。
「手抜き」の夕飯の写真が、うちよりよっぽど豪華だったり、「片付かない」と言いつつ、庭には美しい花が咲き誇っていたり。
ぜんぜんズボラじゃないじゃん!
きっと控えめなお人柄なのだと思うが、謙遜も過ぎるとイヤミである。
その点、男性のブログはダメとあると本当にダメだ。
奥様に叱られ、子供に嫌われ、仕事は失敗、飲めば二日酔い。
謙遜も誇張もない、淡々とした事実の羅列が誘う物悲しさが何とも言えない。
先日は、加齢による体調の悪化を切々と訴える、自称中年のおじさんの記事を楽しく読んだ。
そうそう、そうよね…と共感していたのだが、プロフィールをよく見ると、35歳とある。
何が中年だ!
若造じゃねえか!

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しょくじ話。
ヒロセさんのくしゃみを聞きながら仕事をしていた、20代後半の私。(→ くしゃみ話。)
その当時、隣の席にいたのが、ミツコさんである。
ミツコさんはちょうど干支ひとまわり分年上のお姉さんで、今でいうアラフォーだった。
ハデな目鼻立ちで、隠密同心の流れ星おりん似のボリュームのある美人だ。

(~死してシカバネ拾う者無し~)
女性は寿退職の時代。こんな美人になんでご縁がないのか、不思議だった。
ランチに行ったり、帰りにお茶したり、だんだん親しくなるうち、ミツコさんは顔立ちこそハデだが、地味で堅実な女性とわかった。
企業年金がつく勤続20年まで、辞めずに働く、というのが彼女の目標だ。
仕事ぶりもまじめで実績があり、私は何度助けてもらったか、数えきれない。
早くに親御さんを失くしたミツコさんは、私にとって一人暮らしの先輩でもあった。
ミツコさんに言われたことでよく覚えているのは
一人でも、忙しくても、ちゃんとおかずの数だけお皿を使うのよ
ということである。
誰も見てないと鍋からラーメンを食べたりしそうな私を見かねて、言ってくれたのだろう。
その後私はまた転勤し、ミツコさんとはご無沙汰のまま、結婚したり離婚したり会社を辞めたり、多忙で散らかった生活を過ごしてきた。
ミツコさんは同じ職場を勤め上げ、50代でステキな男性と初めての結婚をして、大きなお家で、優雅に悠悠自適の日々。
心がけのいい人には、いくつになってもいい出会いがあるものだ。
50代になった私だが、今朝はムスコの弁当の残りを、立ったまま食べた。ミツコさんとの差は歴然、である。

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その当時、隣の席にいたのが、ミツコさんである。
ミツコさんはちょうど干支ひとまわり分年上のお姉さんで、今でいうアラフォーだった。
ハデな目鼻立ちで、隠密同心の流れ星おりん似のボリュームのある美人だ。

(~死してシカバネ拾う者無し~)
女性は寿退職の時代。こんな美人になんでご縁がないのか、不思議だった。
ランチに行ったり、帰りにお茶したり、だんだん親しくなるうち、ミツコさんは顔立ちこそハデだが、地味で堅実な女性とわかった。
企業年金がつく勤続20年まで、辞めずに働く、というのが彼女の目標だ。
仕事ぶりもまじめで実績があり、私は何度助けてもらったか、数えきれない。
早くに親御さんを失くしたミツコさんは、私にとって一人暮らしの先輩でもあった。
ミツコさんに言われたことでよく覚えているのは
一人でも、忙しくても、ちゃんとおかずの数だけお皿を使うのよ
ということである。
誰も見てないと鍋からラーメンを食べたりしそうな私を見かねて、言ってくれたのだろう。
その後私はまた転勤し、ミツコさんとはご無沙汰のまま、結婚したり離婚したり会社を辞めたり、多忙で散らかった生活を過ごしてきた。
ミツコさんは同じ職場を勤め上げ、50代でステキな男性と初めての結婚をして、大きなお家で、優雅に悠悠自適の日々。
心がけのいい人には、いくつになってもいい出会いがあるものだ。
50代になった私だが、今朝はムスコの弁当の残りを、立ったまま食べた。ミツコさんとの差は歴然、である。

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くしゃみ話。
OL時代、配属された二度目の職場は、大きなビルの中、広いワンフロアの事務所だった。
個々にする書類精査が主で、総勢50人近くが仕事をしているのにとても静か。
前の部署は来客も多かったし、営業の人の話し声や、ひっきりなしに鳴る電話でやかましかったので、配属当初はその静かさに戸惑った。
中でも、総務のヒロセさんはとりわけ静かな女性だった。
あの… か… よ… …すか …
はあ?
あの…かみ… よ…き… ますか…
はあ???
ヒロセさんの声は細くて小さくて、何度も聞き返さなければわからない。
生まれつき声の大きい私など、ヒロセさんとしゃべっていると、ものすごくガサツになった気がしてくるのであった。
ある日おとなしく仕事をしていると、突然フロア中に、甲高い異音が響き渡った。
ぽへちょ! ぷっちょ! ぺしゅん!
私は驚いて思わず椅子を外し、中腰になってフロアを見回したが、他の人たちは驚きもせず、何事もなかったように仕事を続けている。
ただ、心なしか、皆の表情が柔らかくなっている気もする。
お手洗いで、隣の課のユウキさんに会った。
さっき驚いたでしょう、あの音…
ハイ、あれ、何だったんでしょう?
ビックリするわよね~。ヒロセさんよ
ええっ?ヒロセさん?
とんでもない異音は、あの静かなヒロセさんのくしゃみなのだという。
時々、ヒロセさんはあのくしゃみをする。私はその時が、だんだん楽しみになってきた。
ぽへちょ! ぷっちょ! ぺしゅん!
必ず3つ続くヒロセさんのくしゃみに、仕事の手を少し止めて、ふ、と笑ったりする。
それは静かなフロアに開く、小さな息抜きの穴のような時間だ。
どうやら、そう感じているのは私だけではなく、他の皆も同じようだった。

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個々にする書類精査が主で、総勢50人近くが仕事をしているのにとても静か。
前の部署は来客も多かったし、営業の人の話し声や、ひっきりなしに鳴る電話でやかましかったので、配属当初はその静かさに戸惑った。
中でも、総務のヒロセさんはとりわけ静かな女性だった。
あの… か… よ… …すか …
はあ?
あの…かみ… よ…き… ますか…
はあ???
ヒロセさんの声は細くて小さくて、何度も聞き返さなければわからない。
生まれつき声の大きい私など、ヒロセさんとしゃべっていると、ものすごくガサツになった気がしてくるのであった。
ある日おとなしく仕事をしていると、突然フロア中に、甲高い異音が響き渡った。
ぽへちょ! ぷっちょ! ぺしゅん!
私は驚いて思わず椅子を外し、中腰になってフロアを見回したが、他の人たちは驚きもせず、何事もなかったように仕事を続けている。
ただ、心なしか、皆の表情が柔らかくなっている気もする。
お手洗いで、隣の課のユウキさんに会った。
さっき驚いたでしょう、あの音…
ハイ、あれ、何だったんでしょう?
ビックリするわよね~。ヒロセさんよ
ええっ?ヒロセさん?
とんでもない異音は、あの静かなヒロセさんのくしゃみなのだという。
時々、ヒロセさんはあのくしゃみをする。私はその時が、だんだん楽しみになってきた。
ぽへちょ! ぷっちょ! ぺしゅん!
必ず3つ続くヒロセさんのくしゃみに、仕事の手を少し止めて、ふ、と笑ったりする。
それは静かなフロアに開く、小さな息抜きの穴のような時間だ。
どうやら、そう感じているのは私だけではなく、他の皆も同じようだった。

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うるとら話。
へやっ!

今朝も、隣の棟から、ウルトラマンが出動していく。
窓を開けて過ごすことが多い季節、外からの音がよく聞こえるようになった。
もちろんウルトラマンがいるわけはないので、朝のへやっ!は、中庭をはさんだ隣の棟の、どなたかのくしゃみである。
ご近所のウルトラマン氏は、朝起きて窓を開けると、必ずくしゃみが一発出るらしい。
鼻にたかったホコリよ吹っ飛べ!という勢いの、爽快なへやっ!である。
早朝、ベランダのゴーヤに水をやりつつ、聞くへやっ!は、夏らしくて悪くない。
こうして他人様のくしゃみを風物詩としてしみじみ味わっているが、翻って私のくしゃみだってウルトラ家方面に聞こえているわけだ。
ウルトラマン氏の爽快なへやっ!に比べ
うばっ…しょい…
私のは、水分が多く、シリつぼみで切れの悪い、情けないくしゃみである。
今朝の出動を聞きながら、くしゃみが出そうになったら窓から離れよう、と思った。

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今朝も、隣の棟から、ウルトラマンが出動していく。
窓を開けて過ごすことが多い季節、外からの音がよく聞こえるようになった。
もちろんウルトラマンがいるわけはないので、朝のへやっ!は、中庭をはさんだ隣の棟の、どなたかのくしゃみである。
ご近所のウルトラマン氏は、朝起きて窓を開けると、必ずくしゃみが一発出るらしい。
鼻にたかったホコリよ吹っ飛べ!という勢いの、爽快なへやっ!である。
早朝、ベランダのゴーヤに水をやりつつ、聞くへやっ!は、夏らしくて悪くない。
こうして他人様のくしゃみを風物詩としてしみじみ味わっているが、翻って私のくしゃみだってウルトラ家方面に聞こえているわけだ。
ウルトラマン氏の爽快なへやっ!に比べ
うばっ…しょい…
私のは、水分が多く、シリつぼみで切れの悪い、情けないくしゃみである。
今朝の出動を聞きながら、くしゃみが出そうになったら窓から離れよう、と思った。

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てーぷの話。
どこだかの県で、若者のUターン就職を促す施設ができた、というニュースを見た。
公の作る箱モノの是非はさておき、またアレだ。
テープカット。

小役人や町の社長が6~7人並んで、テープを等分に切る。
見れば見るほど、ヘンテコだ。
威勢のいいかけ声に合わせて切ったあと、25センチくらいになった切れっぱしを手に、ぼーっとしているオッサンたちの姿も物悲しい。
:
今日は、誰もが待ちに待った施設のオープン。
その開業に心血を注いだ男は、惜しくもこの日を迎えることなく、世を去った。
銀のハサミを手に、緊張の面持ちで歩み出たのは、彼の一人娘。
観衆は息をのみ、その一瞬を待つ。
娘は父の思いを胸に、張り渡した全長7メートルのテープの真ん中にハサミを入れる。
テープが左右に分かれると、館の玄関が大きく開かれ、人々は歓声を上げて入場。
:
…とまあ、これくらいドラマチックであってほしいよね、テープカット。

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公の作る箱モノの是非はさておき、またアレだ。
テープカット。

小役人や町の社長が6~7人並んで、テープを等分に切る。
見れば見るほど、ヘンテコだ。
威勢のいいかけ声に合わせて切ったあと、25センチくらいになった切れっぱしを手に、ぼーっとしているオッサンたちの姿も物悲しい。
:
今日は、誰もが待ちに待った施設のオープン。
その開業に心血を注いだ男は、惜しくもこの日を迎えることなく、世を去った。
銀のハサミを手に、緊張の面持ちで歩み出たのは、彼の一人娘。
観衆は息をのみ、その一瞬を待つ。
娘は父の思いを胸に、張り渡した全長7メートルのテープの真ん中にハサミを入れる。
テープが左右に分かれると、館の玄関が大きく開かれ、人々は歓声を上げて入場。
:
…とまあ、これくらいドラマチックであってほしいよね、テープカット。

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えっくす話。
今にもザーッと降り出しそうな怪しい雲行き。先を急いで、小走りで角を曲がる。
薄暗い曇天の町は、何か不吉な雰囲気を漂わせている。
曲がりっぱなで、歩道を向こうから来る人と出くわした。
ぎゃっ!お、おまえは…

…ミスターX! ※注
まさか、そんなわけはあるまいと目を凝らすが、決して見間違いではない。
ただ、よく見ると、この人物、ミスターではない。ミスまたはミセスのようだ。

(通常価格 税込 9,612円)
こんな曇りの日に、がっちり覆面付きの帽子、サングラスまでかけている。
もちろん、ミセスXが、どんなに完璧にUV対策を取ろうと、個人の自由である。
しかし、こんな非日常的な風体の人と、いきなり出くわす通行人のショックも考えてほしい。
一瞬だが完全に、悪の組織が来た!と思ってしまったではないか。
走ったせいもあるが、家についてもまだ、胸がドキドキしていた。
(※ ミスターX … 漫画「プロゴルファー猿」に登場する、陰の組織のボス)

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薄暗い曇天の町は、何か不吉な雰囲気を漂わせている。
曲がりっぱなで、歩道を向こうから来る人と出くわした。
ぎゃっ!お、おまえは…

…ミスターX! ※注
まさか、そんなわけはあるまいと目を凝らすが、決して見間違いではない。
ただ、よく見ると、この人物、ミスターではない。ミスまたはミセスのようだ。

(通常価格 税込 9,612円)
こんな曇りの日に、がっちり覆面付きの帽子、サングラスまでかけている。
もちろん、ミセスXが、どんなに完璧にUV対策を取ろうと、個人の自由である。
しかし、こんな非日常的な風体の人と、いきなり出くわす通行人のショックも考えてほしい。
一瞬だが完全に、悪の組織が来た!と思ってしまったではないか。
走ったせいもあるが、家についてもまだ、胸がドキドキしていた。
(※ ミスターX … 漫画「プロゴルファー猿」に登場する、陰の組織のボス)

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たためる話。
私が折り畳み傘を持ち歩くようになったのは、小型軽量化のせいもある。
以前のは畳んだ状態で37センチ・300グラムだったが、今のは22センチ・150グラム。重さも長さも、半分になったのだ。
たいした技術の進歩である。
ただ、最近の傘で困ることが一つ。
バスの中や商店街のアーケードなど、しばらく傘の要らないとき、昔の折り畳み傘なら

このように↑ほっそりとまとまったが、今のは

このように↑棒の先に濡れたモシャモシャがくっついた状態になる。
モシャモシャが邪魔で、身体にひきつけてスマートに持てないし、扱いにくい。
手の濡れるのを我慢してバンドで留めれば、モシャモシャしなくなるが、重心が先にあって、落ち着かない。
魔法少女のステッキみたいに、重いほうを上に持ち、振り回したくなる。

傘業界には、この点に関して一層の改善を求めたい。日本の技術力を以てすれば、必ずや解決策が見出されるものと期待する。
今後、万が一にも50のオバサンが魔法少女化しないよう、早急なる対処を切に願う。

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以前のは畳んだ状態で37センチ・300グラムだったが、今のは22センチ・150グラム。重さも長さも、半分になったのだ。
たいした技術の進歩である。
ただ、最近の傘で困ることが一つ。
バスの中や商店街のアーケードなど、しばらく傘の要らないとき、昔の折り畳み傘なら

このように↑ほっそりとまとまったが、今のは

このように↑棒の先に濡れたモシャモシャがくっついた状態になる。
モシャモシャが邪魔で、身体にひきつけてスマートに持てないし、扱いにくい。
手の濡れるのを我慢してバンドで留めれば、モシャモシャしなくなるが、重心が先にあって、落ち着かない。
魔法少女のステッキみたいに、重いほうを上に持ち、振り回したくなる。

傘業界には、この点に関して一層の改善を求めたい。日本の技術力を以てすれば、必ずや解決策が見出されるものと期待する。
今後、万が一にも50のオバサンが魔法少女化しないよう、早急なる対処を切に願う。

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ささない話。
予報は午後から雨。
バッグに折り畳み傘を入れながら、そういや昔はこんなもの持たなかったなあと思う。
若い頃は、降りもしない雨に備えるなんてみっともないと思っていた。
もちろん、朝から降っていれば長い傘をさして出るが、朝晴れていれば、予報がどうでも手ぶらで出かける。
そんなだから、外で雨に降られたら、潔くびしょ濡れになっていた。
今思えばバカだなあと思うが若気の至りというやつだ。
少女漫画では、傘を持たない男の子に、そっと用意の傘を差し掛ける相合傘のロマンスが定番だが、私に限ってそんなことはない。
その日は、男の子と二人、公園を横断して、どこかに向かっていた。付き合ってたとかじゃなく、たまたま流れでそうなったんだと思う。
周囲に樹木も何もない、広い公園のまん真ん中で、夕立がさあっとやってきた。
私も彼も、傘は持っていない。他の人たちは、クモの子を散らすようにどこかへ逃げて行く。
でも走ったところで駆け込む場所もないし、と、私は歩調を変えないで歩き続けた。少々の雨に濡れるのは慣れている。
隣にいた彼は、他の人と同じように駆け出そうとしたが、私が平気でいるので驚いたようだ。
あの子スゲエな!雨降っても平気だぞ!平気で濡れてんだ!サムライだな!
そう言っていたと、後で聞いた。
何か尊敬はされたようだが、これではモテない。
昔の私に「モテたければ、折り畳み傘を持て」と言ってやりたい。

(これはちょっとやりすぎ)

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バッグに折り畳み傘を入れながら、そういや昔はこんなもの持たなかったなあと思う。
若い頃は、降りもしない雨に備えるなんてみっともないと思っていた。
もちろん、朝から降っていれば長い傘をさして出るが、朝晴れていれば、予報がどうでも手ぶらで出かける。
そんなだから、外で雨に降られたら、潔くびしょ濡れになっていた。
今思えばバカだなあと思うが若気の至りというやつだ。
少女漫画では、傘を持たない男の子に、そっと用意の傘を差し掛ける相合傘のロマンスが定番だが、私に限ってそんなことはない。
その日は、男の子と二人、公園を横断して、どこかに向かっていた。付き合ってたとかじゃなく、たまたま流れでそうなったんだと思う。
周囲に樹木も何もない、広い公園のまん真ん中で、夕立がさあっとやってきた。
私も彼も、傘は持っていない。他の人たちは、クモの子を散らすようにどこかへ逃げて行く。
でも走ったところで駆け込む場所もないし、と、私は歩調を変えないで歩き続けた。少々の雨に濡れるのは慣れている。
隣にいた彼は、他の人と同じように駆け出そうとしたが、私が平気でいるので驚いたようだ。
あの子スゲエな!雨降っても平気だぞ!平気で濡れてんだ!サムライだな!
そう言っていたと、後で聞いた。
何か尊敬はされたようだが、これではモテない。
昔の私に「モテたければ、折り畳み傘を持て」と言ってやりたい。

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ねんきん話。
おばーちゃんのところに、ネンキンキコウから電話がかかってきた。

若い男が、丁寧な言葉つきで、あなたの情報が漏えいしている、という。
もちろんニセモノだ。
おばーちゃんはいち早くインチキと見抜き、聞くだけ聞いて返事はせず、電話をガチャ切り。着信記録をもとに、発信元の情報を警察に連絡した。
わが母ながらスバラシイ対応!と絶賛したが、おばーちゃんはクールにこう言い放った。
まあ、相手が悪かったね。私は、ネンキンキコウには詳しいからね
そう、数年前の、消えた年金問題の時、大いにお勉強し、何度も出直しさせられ、カッカと怒りつつも、年間数万円の受取額アップに成功したおばーちゃんなのだ。
ネンキンキコウが、あんなに丁寧な言葉遣いできるわけないよ。もっと横柄なの
え?そこ?
だいたい、あの人らが、頼みもしないのに電話してくるわけないでしょ。こっちが折り返しかけろって言ったって、かけてこない人たちなんだから
おばーちゃんが詳しいのは、年金について、ではなく、ネンキンキコウの職員について、なのだった。

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若い男が、丁寧な言葉つきで、あなたの情報が漏えいしている、という。
もちろんニセモノだ。
おばーちゃんはいち早くインチキと見抜き、聞くだけ聞いて返事はせず、電話をガチャ切り。着信記録をもとに、発信元の情報を警察に連絡した。
わが母ながらスバラシイ対応!と絶賛したが、おばーちゃんはクールにこう言い放った。
まあ、相手が悪かったね。私は、ネンキンキコウには詳しいからね
そう、数年前の、消えた年金問題の時、大いにお勉強し、何度も出直しさせられ、カッカと怒りつつも、年間数万円の受取額アップに成功したおばーちゃんなのだ。
ネンキンキコウが、あんなに丁寧な言葉遣いできるわけないよ。もっと横柄なの
え?そこ?
だいたい、あの人らが、頼みもしないのに電話してくるわけないでしょ。こっちが折り返しかけろって言ったって、かけてこない人たちなんだから
おばーちゃんが詳しいのは、年金について、ではなく、ネンキンキコウの職員について、なのだった。

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