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へーほー話。

学生時代の友達のミズノ君が、エラくなったらしい。

運動部の女はケツが硬い」という名言を残した男が、日経新聞に載るほどエラくなるとは、驚いたことだ。

にっけいしんぶん
   (「済」の字がゲジゲジみたいだ)

ミズノ君の会社は、外国人役員も擁する国際的な大企業である。

帰国子女の同級生もたくさんいる中、若きミズノ君に、国際派のイメージは全くなかった。

関西人の彼は、英語までも関西弁のイントネーションに支配されており、外書講読の時間にミズノ君が当たると、皆クスクスと笑ったりした。

どこそこの面積が100平方メートルである、と説明するのに「ワンハンドレッドへーほーミーター」と言ったのも、確かミズノ君だ。

そんな彼が今の地位につくまでには、もちろんその後の大変な努力があっただろう。

それにしても、出世に本当に必要なのは、ネイティブ並みの発音などではなく、おそらく何かもっと別のものなんだろうなあ、という気がする。

企業人をとっくの昔にやめてしまった私には、それが何なのか、とんとわからないが。

ミズノ君には女のケツがらみの失言で失脚することなく、上を目指してほしいものである。



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むかしむかし | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/06/30 08:53

すだれの話。

いつも前を通る、ご近所の建売住宅(推定築10年)。

白い壁に広い窓、オレンジ色のカワラの三角屋根、地中海風のかわいい家だ。

ちちゅうかいふう
(地中海風のカワラというのはこんな感じ)

ただ一つものすごく残念なことがある。

南向きの窓の全部に、スダレが下がっているのだ。

何年前からそこにあるんだ、ってくらい、きったないスダレで、しかも年がら年中下げっぱなしである。

地中海の家に和風のスダレ、という点には、この際目をつぶろう(つぶりたくないけど)。

スダレって、汚れたら取り替える消耗品だろう。

さあ夏だ、と、目にも爽やかな新しいスダレを下げるからこそ、涼しさの演出になるのだ。

あのかわいいお家を選んだ同じ人が、あんなきったないスダレを下げて平気でいるとは、全く残念でならない。

しかし、もっと残念なのはハウスメーカーである。

住人が、暑さに耐えかねてスダレを下げてしまうような家がワルイ

お日様がどっちからどう出るかなんて、建てる前からわかってるんだから、最初っから、夏の日よけのことくらい考えとけ!



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ごきんじょ | コメント(13) | トラックバック(0) | 2015/06/29 09:09

めんかい話。

金曜日の夕飯の時、ムスコが言った。

あした、アッチ行ってくるわ…

あっそ、了解。晩ゴハンもアッチ?

うん、多分…まあ電話するけど…

アッチとは、ムスコの父親、モト亭主のことである。

憎んで別れた男だが、子供にとっては普通の父親だった。

大きくなってからは私を通さず、直接連絡を取って面会の約束をしている。

めんかい
 (面会っつーとなんかこんな感じ)

子供と父親が会うといって、このように平静でいられるようになったのもここ数年だ。

離婚直後は、子供がそのまま連れ去られないか、気が気じゃなかった。

無事に帰るまで、居ても立ってもいられなくて、何をしても手につかない。

はじめて泊りがけで出かけた時は一睡もできず、食事ものどを通らず、子供が帰った時にはもうフラフラだった。

久しぶりに会う父親と、母親とは出来ない体験をしてきた子供の、楽しかった様子を見るのも、つらかった。

腹の底が煮えるような思いもしながら、それでも、なぜだろう、行くな、行っちゃダメ、とは、絶対に言いたくなかった。

意地になってたのかもしれない。

ヒヤヒヤすることもあったが、子供たちは必ず家に帰ってきた。その点でだけは、モト亭主も信用していいと知った。

おこづかい、たんまりもらって来なさいよ!

あーハイハイ…

外食したら、一番高いもん頼むのよ!うちじゃ食べられないようなもん!

あーハイハイ…

せいぜいアッチの財政に打撃を与えてきなさい!

なんじゃそりゃ…

笑いながら出ていくムスコの背中を、こっちも笑って見送りながら、時間だけが薬じゃない、と思う。



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ごかぞく | コメント(22) | トラックバック(0) | 2015/06/28 08:17

びーさん話。

駅ナカの商店街のお店を出たら、前からペタペタとハダシの女の人が来る。

いくらタイル舗装の地下街だからといって、ハダシはないだろうと目を凝らした。

ビーチサンダルだ。

びーさん

ハナオが透明ビニールなので、なにも履いてないように見えるのだ。

服装はややカジュアルではあるもののいたって普通であり、貧しさゆえにビーサンしか履くものがない、という風情ではない。

彼女はいたって平静な面持ちで、ペタペタと歩き続け、地下鉄の改札を通っていった。

今日初めて会った赤の他人の私ではあるが、彼女が、というより彼女の足の甲が心配になってしまった。

梅雨時のホームには、とがった雨傘をツエ代わりに突いているおじいさんもいるだろう。

車内には、直径2ミリのピンヒールの、キレイなお姉さん。カドのあるブリーフケースを持ったビジネスマンや、ごつい安全靴を履いた150キロ越えの巨漢作業員が、職場に向かっているかもしれない。

彼女は、その全員が、自分のムキダシの足の甲を気遣い、踏まないように配慮してくれる、と信じているのである。

おお、人類に対する無限の信頼よ。

私はとてもそんなに楽天的にはなれない。



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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2015/06/27 08:47

たまごの話。

平日は大体毎朝、ムスコの弁当に入れる玉子焼きを焼く。

うちのは甘くない出し巻きで、朝の忙しいときは出し醤油が重宝する。

だししょうゆ
   (白だしは色がつかないので便利)

玉子を1個、出し醤油を少量入れるのだけど、なにしろ寝ぼけ眼なので、たまに手元が狂って、ドバッと入れてしまう。

そのまま焼くとしょっぱくなるので、玉子をもう1個よけいに割って、大きな玉子焼きを作り、弁当に詰めた残りはお昼に自分で食べたりしていた。

ところが今朝、気づいたのだ。

先に出し醤油を適量入れてから、玉子を割ればいい!と。

万一出し醤油がドバッと出ても、ちょいと余分を捨てれば済む。こんな簡単なことだったのだ。

ムスメが幼稚園に入って以来、15年以上同じように弁当の玉子焼きを焼いてきて、今やムスコが高校生。弁当作りも、もはや終盤である。

人間いつまでも勉強、とはいえ、一抹のむなしさがなくはない。



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もろもろ | コメント(18) | トラックバック(0) | 2015/06/26 08:38

やきそば話。

私事であるが、インスタントヤキソバが好物だ。

いんすたんとやきそば

ジャンクフードは数あれど、他に代わるものがないという点で、インスタントヤキソバは最強ではないだろうか。

インスタントヤキソバが食べたい!という欲望は、他のものを食べたとしても、決して満たされることはないのである。

矢も楯もたまらず湯を沸かし、そわそわと3分を待って湯切りをし、ステンレスのシンクをベッコン!と鳴らして、ハアハア言いながらソースを混ぜ、ちまちました青のりの袋をむしるように開けて、震える手でふりかけ、もはやこれまでとむさぼり食う。

そして、食べ終わると、そこはかとない後悔の念が立ち上ってくる。

ああ、またクダラヌものを食べてしまった…

要らぬ斬り合いをした剣豪のごとく、苦み走った表情になった自分に気付く。

そんなほろ苦さを含めて、すべてがインスタントヤキソバの味わいである。

そもそもは炒めて作る焼きそばの代替物として登場したインスタントだが、あれを「焼きそばだなあ」と思って食べている人は、おそらくいないだろう。

全く独自の別の食べ物なのである。

最近は技術の向上で、インスタントに生麺の味と食感を再現することもできるようだが、インスタントヤキソバに限っては、ホンモノに近づけよう!などという気の迷いを起こさぬよう、切に願う。



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もろもろ | コメント(14) | トラックバック(0) | 2015/06/25 08:07

さげてた話。

バス停に並んでいたら、前のジイサマが、やにわにズボンを下げた

くたびれたゴルフズボンから、白ブリーフが、チラリどころか、かなりタップリ見える。

ズボンがすとんと落ちそうでヒヤヒヤしたが、足を肩幅に開いているので、腿のところで止まって落ちないのだ。

ジイサマは悠々と、びろびろのポロシャツの裾をキッチリ押し込み、再びズボンをずり上げてチャックを閉め、タイコ腹に革のベルトをギュッと締めた。

この慣れた感じ、昨日今日ズボンを下げ始めたとは思えない。

おそらくジイサマは、物心ついてから今日まで、こうして人前でシャツを直し続けてきたのだ。

新卒で入った会社の上司も、シャツ直しをするオッサンであった。

仕事中、前触れもなくデスクから立ったと思うと、いきなりズボンを下げてシャツを直す。

私はそのたび心底たまげて、目をそらした。デキる人だったが、このズボン下げのせいで、どうしても尊敬できなかった。

思えば初々しかったものだ。

それに比べて今日の私。

冒頭数行の描写の細かさからも分かるように、ジイサマのズボン下げを、必要以上にしげしげと観察してしまった。

30年の年月はかくも人を変えるのである。

遥けくも来つるものかな、との感慨にうたれずにはおられない。

こしぱん
   (腰パンつーのももはや過去ですね)


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ごきんじょ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/06/24 07:51

みすどの話。

久しぶりにミスタードーナツに行ったら、ポイントカードをもらった。

みすどかーど

1枚1ポイントで、8枚=8ポイント集めると、リラックマのタオルがもらえるらしい。

なんだか、なつかしい。

昔はこんなカードを集めて、キャラクターグッズをもらったものだ。

そういえば、子供が小さい頃はよく、知らないおばさんがカードをくれたなあ。

子供とドーナツを食べていると、近くのテーブルにいたおばさんがソソソと寄ってきて、

これ…よかったらどうぞ…

わあ、いいんですか!ありがとうございます!ほら、ありがとうは?

(子供声を合わせて) あーりーがーとー

自分たちのカードに、おばさんにもらった分を足すと、いっぺんに景品がもらえてしまうこともあった。

子供が喜ぶのを見て、おばさんもニコニコしてくれた。とても楽しい思い出だ。

さて私も立派なおばさんになったのだから、このカードを誰かにあげましょう。

ムスメのように、ドーナツが嬉しくて、ほっぺをピンクにしている子はいないかな。

ムスコみたいに、危なっかしい手つきで、ミルクのコップを持っている子はいないかしら。

そう思って見まわしたが、時間帯が悪かったのだろうか。

店内には、参考書を広げる予備校生や、就活スーツでスマホをいじっている、斜め前髪の女子大生。ランチからの流れらしい、主婦のグループ。そんな人たちばかり。

しかたなく財布にしまったポイントカードは、きっとこのまま期限切れになるだろう。



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むかしむかし | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/06/23 09:06

あおじそ話。

あーよかった!まだ誰かいた!

いつものスイミングの後、冷たい飲み物など飲みながら、プールのロビーでおしゃべりしていたら、知らない人が飛び込んできた。

同じクラスのミシマさんが聞く。

どうしたの、ナニゴト?

これこれ、これもらって

持っていた大きなゴミ袋を開けると、ぱっと青く涼しい香りが広がる。

青ジソだ。それも、枝ごと刈り取ったのが山のように。

あおしそ

こんなにたくさん、いいの?

いいのいいの!もう硬くなるし、バッタは来るし、全部刈ったのよ、みんなで分けて!

そう言い残すと、まだ行く先があるのか、彼女は慌ただしく飛び出していった。そこにいた全員が、青ジソの袋を囲む。

わー、嬉しい、オオバ大好き!でもいいのかな、知らない人に…

私がそう言うと、ミシマさんは

いいんじゃない?私も知らない人だし…

ええっ?あんなに親しげに話してたのに?

聞けばその場の誰も、彼女を知らないというのだ。

午前クラスの人かなあ、何となく、顔は見たことある気がするけど…

そういえばわたし、確か一昨年も、あの人に青ジソをもらったわ!

クキさんが思い出した。しかし、やっぱり名前は知らないという。

去年はくれなかったわね… 作柄が悪かったのかしら?

クキさん、違う!気にするとこが違う!

山のような青ジソは、6人で分けても大変な量だった。私は、大好きな大葉にんにく醤油を仕込んで、ホクホクしている。( 大葉にんにく醤油 レシピはこちら )

それにしても、あの人は、誰だったんだろう?



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ごきんじょ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/06/22 08:37

はぴねす話。

ムスコのアタマがむさくるしくなってきたので、うるさく言ってやっと散髪に行かせた。

ひとまわり小さくなったアタマで帰ってきたムスコが、おかしそうに報告する。

待合で隣にいたオッサンが、ずっとハナウタ歌ってんだよ…

何の曲か、アタマ刈ってるあいだに思い出したわ…

ハピネスチャージプリキュア!のオープニング…

はぴねすちゃーじ

なんでプリキュアだよ…オッサンが…ハハハ…


なるほど。

アタマはさっぱりしたし、オッサンの歌も聞けて、楽しくて良かったなムスコ。

しかし一つ聞いておこう。

お前、なぜそれがハピネスチャージプリキュア!の曲と分かった?

日曜の朝8時半なんてグーグー寝てるヤツだ。たまたま見たなんてありえない。

ムスコのシュミがちょっと不安になってしまった母である。



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ごかぞく | コメント(14) | トラックバック(0) | 2015/06/21 09:54
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