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ぞうしょ話。

トーシロー君は、数少ないムスコの友達である。

ゲームとラノベとアニメが好きで、オタク風味のムスコと気が合うらしい。

中学の時の成績は、ムスコよりずっと良かったのに、進学した高校を聞いてアレ?と思った。

ああ、アイツ、兄貴と同じ高校…

ムスコによると、親御さんが冗談で

兄ちゃんの高校に行けば制服代が浮く

と言ったところ、トーシロー君は

ほんなら…

と、あっさり志望校を決めてしまったのだという。

そんなわけで、周囲とは学力にかなり差のあるトーシロー君だが、たんたんと通学している。

読書が好きなトーシロー君は図書館に入り浸り、読みたい本をどんどんリクエストする。

何しろお勉強が苦手な学生ばかりなので、図書館には閑古鳥が鳴いており、ラノベだろうが、アニメの原作だろうが、彼の購入希望は全て通るらしい。

もう、アイツの本棚みたいになってるらしいよ…

トーシロー君の、趣味の本棚…。

うーん、いいのだろうか、と思うのは、私が彼の読書傾向を知っているからである。

ムスコに貸してくれるのは、ガールズラブとか、百合とか、そういう分野の本ばかり。

学校当局の知らないうちに、学校図書館が百合の殿堂になろうとしているのではないか。

百合好き集まれ!GL系充実の図書館アリ!

…なんて、学生の募集文句にはどんなもんだろう。

ゆるゆり
(トーシロー君お勧めのアニメ)



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ごきんじょ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/09/30 10:36

ふくやま話。

フクヤママサハルが結婚して、朝からテレビが大騒ぎである。

ニュースそれ自体よりも、女性ファンの反応が興味深い。

冗談交じりかと思いきや、案外真剣にガッカリしたり、ショックを受けたりしているようだ。

以前も記事にしたように( → まさとし話。)、私はこの手のファン心理というものがぜーんぜん理解できない。

これからも、この先も、自分と近づく可能性0.00000001パーセント以下の人が、熱愛しようが、結婚しようが、地球の裏側よりも無関係じゃないか。

結婚報道が、ファンに実害をもたらすことはないのだから、損得の問題ではない。

フクヤママサハルと普通の女性に、関係はほぼ無い。あるとすれば、一方的な幻想だ。

結婚報道によって、その幻想が断たれる、ということが問題なのかもしれない。

分かった!「赤毛のアン」の「想像の余地」だ!

あかげのあん

もし何もかも知っていることばかりだったら、半分もおもしろくないわ。そうでしょう?そうしたら、ちっとも想像の余地がないんですものねえ。 (村岡花子訳「赤毛のアン」)

現実のフクヤママサハルが結婚してしまうことによって、想像の余地が減殺されるのである。

そういえばずっと以前、職場のフクヤマファンが、

もし、家の前にフクヤママサハルが行き倒れていたら、何を食べさせるか?

というので盛り上がっていたことがあった。

どういう経緯でそんな話になったのかわからないが、寿司(松)をとるとか、松阪牛のスキヤキ肉を買いに走るとか、あり得ない前提に、みんな楽しそうだった。

今あの話になったら、多分タクシー呼んで家に帰す、ってみんな言うよね。

何しろ家には奥さんがゴハン炊いて待ってるわけだから。



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てれびじょん | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/09/29 10:21

せんさー話。

うちは集合住宅の低層階なので、防犯面が心配である。

泥棒に入られるのはやっぱり怖いから、連休中にベランダにセンサーライトを取り付けた。

せんさーらいと

180度感知するセンサーが、夜陰に乗じて柵を乗り越える不心得者をとらえ、ライトが点灯する仕組みだ。

暗くなってからベランダに出て、パッとライトが点灯するのを確認した。

昨夜も安心して窓を開け、秋の風を入れて過ごした。ニュースが中秋の名月を映している。

当地は終日曇りだったが、窓の外に目をやると、風が雲を払い、月が姿を見せたようである。

ススキやお団子の準備こそしなかったが、名月のお顔くらいは拝見しておこうとベランダに出たら、いきなりライトに目を射られてたじろいだ。

センサーが作動したのである。

自分でとりつけたのだから当然と言えば当然なのだが、いささかゲンナリした。

ライトが明るすぎて、夜空がよく見えない。

しかし、しばらくジッとしていると、ライトは消えた。そういう設定になっているようだ。

気を取り直して空を見上げれば、明るく澄んだ秋の月はことのほか美しい。

手すりに頬杖をついていると、網戸を開けてムスコが出てきた。

どう、出てる?

とたんにセンサーが作動、ライト点灯。

うわ、なんだよこれ!

防犯ライトだよ!早くこっちきて、動かないで

親子して神妙に、不動のお月見である。

動くとセンサーに見つかるから、ジッとしてよ…

そうは言ったものの、ムスコにはビンボーゆすりの癖がある。

月影よりも、ムスコの動向が気になりだしたので、月見を切り上げて部屋に入った。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/09/28 11:20

もくせい話。

駅までの途中、住宅街の角を曲がると、甘く粉っぽいにおいがする。

今年もキンモクセイの季節になったのだ。

きんもくせい

小学校の校庭の、少し日陰になったところに、3本のキンモクセイが植わっていた。

2年生のミッコちゃんと私は、木の下に散り敷いた甘いミカン色の小さな花を、そおっと拾っては、プリンのカップに集めた。

どれくらいたまったか、見せっこしながら、カップの匂いをかぐ。

いいにおい…

二人して、思わず目をつぶった。

ちょっぴりおねえさんになったような、秘密っぽい遊びの時間だった。

ところが、それからしばらくして。

トイレに芳香剤というものを置くようになったのはいつからだったか。中にキンモクセイの香りという製品があり、合成香料ながら、かなり本物に迫る再現度。

キンモクセイの香りは好まれたのか、ラベンダーやローズの製品より多く普及した。

今は昔ほど強い芳香剤は使わないが、中年以上の世代でキンモクセイ=トイレの香りと連想する人は多いと思う。

トイレでかぐキンモクセイの香りに、悪い印象はないのだけど、逆に、キンモクセイの香りに、トイレのニオイがまつわるようになってしまった。

帰り道、同じ場所を通ったら、キンモクセイの木の下に、小さい女の子が一人いた。

目をつぶって、じっとしている。

この子のかいでいるのは、混じりけのない、花のいいにおいだけなのだろう。

私が失くしたものを思うと、女の子がうらやましくてならなかった。



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むかしむかし | コメント(14) | トラックバック(0) | 2015/09/27 10:54

りもりも話。

青いイルカのマイクロバスが道の向こう側に止まった。小学生のころムスコも通っていた、スイミングスクールの送迎バスだ。

バス停にいた数人の子供を乗せて走り出したバスを、ちょっぴり懐かしい気持ちで見送る。

黄色いスイムキャップをかぶって水しぶきを上げていた、小さいムスコの姿を思い浮かべ、シミジミしようと思ったのに、何かが目の端に引っかかって、うまく思い出に浸れない。

り・も・り…(あとに何か続く)

今のバスの窓に、一枚ずつ紙を貼って、そう書いてあったのだ。

だけど、りもりって何?

もとより浅学の身ゆえ、絶対ない、とは言い切れないが、わが国語には「りもり」で始まる言葉は、存在しないように思う。

見間違いだろうか?

」ではなく「」だったとか?だが「いもい」としても、やはり思い当たる言葉はない。

家に帰ってからも「りもり」が気になって、家事が手につかない。

ムスコの通っていた時分から変更がないとすれば、送迎バスはまもなく、帰りの子供を乗せてくるはずだ。時刻を見はからって、確かめに行くことにした。

子供を迎えに来たお母さんですよ~という雰囲気で(ちょっとトシ食ってるけど)バス停で待っていると、見慣れたバスがやってきた。

見逃すまじと窓に目を凝らす。

元・気・も・り・も・り・!

そして、さっき私が読んだ反対側は

!・り・も・り・も・気・元

いったい誰に向けてのメッセージだろう?

スイミングで健康、元気になろう!ということなのか。わざわざ両側に書くほどの文句とも思えないが。

以来、「リモリモキゲン」という言葉が、頭にこびりついて離れなくなってしまった。

くたびれた時など、つい

ハア~… リモリモキゲンだわぁ…

と、つぶやいてしまう。そう、「リモリモキゲン」は「元気モリモリ」の逆なのである。

たーゃじす
(「ターャジス」をどう発音すればいいのか誰か教えてほしい)



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ごきんじょ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2015/09/26 10:08

くみたい話。

天高く、運動会の季節。

大阪市教育委員会が、子供の組体操に段数の上限規制を採択したらしい。

くみたいそう

今回の規制の眼目は、おそらく高層化した最上部からの落下事故の防止であろう。

しかし私は、自分の子供の落下を心配したことがない。

うちは皆、運動能力はさておき、背だけは大きくて、ピラミッドでは必ず下の段を命ぜられる。

下の段でも、前列の子は頑張ってる姿を見せられるが、ムスメは最下段の中央だった。

顔はおろか手足も見えず、声援すら届かない。

ピラミッドのてっぺんで、誇らしげに手を広げるよその子など見ちゃいない。早く終われ、早く終われ、思うのはそればかり。

永遠に思えた数十秒が過ぎ、ようやく巨大な三角が崩れると、膝をすりむき、真っ赤に火照った顔でムスメが現れる。

隣ではお母さんたちが感動の涙を拭っているが、私はムスメがかわいそうでかわいそうで、感動どころではない。

私にとって組体操は、わが子が踏み台にされるのを、なすすべもなく見守るものなのである。

平日なので見には行かないが、間もなくムスコの高校でも体育祭がある。

オレさあ… クラスで一番背が低いやつより、体重が軽いんだよね…

夕飯を食べながら、ムスコが言う。

組体操で、できるパートがなくて、補助になっちゃった…

万一ピラミッドが崩れてきたら、支える係だそうだ。

感動はないが、少なくとも落下の心配はなさそうである。



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てれびじょん | コメント(6) | トラックバック(0) | 2015/09/25 10:04

やすんだ話。

やれやれ、連休が終わった

とはいえ、私はムスメと例の美術館に行ったのみ。

ムスコに至っては、最大の行事がブックオフ行き、という、非活動的な我が家である。

ぶっくおふ
(ブックオフのキャラクターは「よむよむ君」というらしい)

それでも連休を楽しんだムスコは、いつものように

はあ~… 行きたくない…

さんざん連発した後、シオシオと学校に行った。

今でこそ、文句を言いつつも登校していくムスコであるが、ちょっとヤバい時もあった。

行き渋りというやつである。

小学校高学年から中学のややこしい時期、とくに月曜日に

学校、行きたくない…

涙目で言いだしたり、起きて来なかったりということが何度もあった。

もしかしたらこのまま登校拒否になってしまうのだろうか。

想像力豊かな私は、引きこもりのムスコとゴミ屋敷で暮らす自分の老後までも、アリアリと思い描けてしまった。

こりゃマズい。ヒジョーにマズい。

しかし、親として行ってもらわなきゃ困る、と思うのと同時に、そりゃ行きたくないだろーな、という気持ちも、私にはあった。

そもそも私自身、学校に行きたくない子だったのだ。

学校教育の恩恵を受けたのと同じくらい、学校ではイヤな思いをした。自分がそうだったのを棚に上げて、子供にだけ行け行けとは言えない。

考えた挙句、私はムスコに提案した。

月に一回、好きな日に休んでいいよ いつ休むかは自分で決めたらいい

たったそれだけのことだけど、そう言ってやった時、ムスコの顔がどれだけ明るくなったか、私は忘れない。

それ以来、いつ休んだらトクか、を考えるのが、ムスコの楽しみになった。

キライな教科のある日、マラソン大会の日、ロングホームルームの日… 行きたくない理由は、聞かなかった。

決して見上げたやり方ではなかった。私は、不真面目な母親かもしれない。

でも、あの月に一度の休みは、ムスコの心に風を入れるになったと、今でも思っている。



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ごかぞく | コメント(32) | トラックバック(0) | 2015/09/24 10:09

まれぞら話。

連続テレビ小説まれがもうすぐ終わるらしい。

まれ

かわいい主演女優さんには悪いけど、ちょっとホッとしている。

どんなドラマか、実は全然知らないのだが、何しろオープニングテーマが苦手なのだ。

朝のニュースがいつの間にか終わって、ガヤガヤと不調和な歌声が聞こえてくると、慌ててチャンネルを変える。

私は絶対音感の持ち主でもないし、ヘタな歌は許さない!なんて厳格な人間でもない。

でもあの歌は、なんだかイヤだ。

天下のNHKの、しかも朝の連ドラのテーマだから、そこらへんを歩いている人を捕まえてきて歌わせたわけはない。

ソコソコお上手な方が集まって歌っているはずだ。

それがああいう感じにまとまっているのは、明らかに作為の産物だと思う。

キレイにそろえても面白くないよね~ もっとバラバラに歌ってみようか~

そうそう、それぞれの個性だよ! 合わせなくたっていいんだよ!


…なんて言われて、わざわざ他の人の声に引っ張られないように耳をふさいで、自分だけの大声を出している、そういう感じがする。

隣の人の声に耳を傾けないなら、集まって歌う意味なんかない。

あのガヤガヤは、合唱じゃなくて、独唱の集積なのである。

だから大勢で歌っているのに、ものすごく孤独だ。

にぎやかなのに、寂しい気持ちになる。

世の中には、もっとガヤガヤしていても、ちっとも寂しくならない歌もあって、私はそっちのほうが、ずっと好きである。



(  これ何?と思われた方はコチラ→ たけよし話。 )



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てれびじょん | コメント(18) | トラックバック(0) | 2015/09/23 09:54

わりこみ話。

ムスメとルーヴル美術館展を見に行った。

るーゔるびじゅつかんてん

連休に京都に行くなんて愚の骨頂だが、日がなかったのだから仕方がない。

案の定、すでに行列ができており、最後尾には60分待ちの看板を持った人がいる。

ウンザリしつつも、予期したことでもあり、従容と列についた。

行列は、給料日のATMコーナーくらいの速度で、ジワジワと進む。

先は長そうだが、ムスメが連れなので、退屈することはない。話の途切れ目に何となく振り向いたら、私たちの後ろは上品な老夫婦だ。

15分ほど並んだところで、ムスメが飲み物を買うため、いったん列を抜けた。 

なのに、気づくと隣に人がいる

驚いて二度見すると、後ろにいたはずの老夫婦の、ご主人のほうではないか。

麻のジャケットなんか着て、シャレた風情の老紳士が、シラッとせりあがってきている。

割り込みだ。

上品だろうがお年寄りだろうが、割り込まれると自動的にムカッとする。

列が少し動いた時、肩にかけて身体に沿わせていたバッグを持ち替えて、老紳士を妨害した。

それにしても、奥さんを後ろに残して、たった一人ぶん前に行って、どうする気なんだろう。

そんなことを考えて注意がおろそかになったすきに、また列が動き、再度老紳士のせり上がりを許してしまった。

くそー、ムカつく!

もはや余計なことは考えず、老紳士のせり出し防止に専心した。

足を開き、両手を腰に当ててひじを張って、幅を作る。列が動くときが要注意だ。

老紳士も意地になっているようで、奥さんが小声で

ちょっとアナタ… 

と、たしなめているのが聞こえた。

またぞろ隣に人の気配を感じてキッと見やると、やっと戻ったムスメだ。

アラ、早かったね~、 すぐわかった?

わかるよ~ こんなヘンな色の服着てる人他にいないもん! 

ヘンな色とはなによ!

言いあっているうちに入場口についた。老夫婦はどこに行ったか、もうわからない。

あの老紳士、絵の前には首尾よく割り込めているだろうか。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/09/22 11:14

よわむし話。

テレビを点けたら、タチヒロシがでている。

「スペシャルゲストタチヒロシ&セカイノオワリ」…ってなんだその組み合わせ。

さまざまな伝説を挙げて、さも大物風に持ち上げている。

不良っぽい言動で売り出した彼も、もう65歳。特に演技派でもないが、大物俳優と言っていいのかもしれない。

しかし私はタチ氏に関して、おそらく本人として不本意極まりないであろう印象を持っている。

大学時代の友達のハヤシ君は、タチ氏と高校が同じ。

その彼が何の話のついでだったか、こう断言した。

タチヒロシなんて、弱虫だが!

(「…だが」というのは、ハヤシ君が名古屋人であるための語尾であり、逆接の意味はない)

タチ氏とは10歳以上離れているから、面識はないハズなのだが、なぜかキッパリとそう言う。

ふだんおとなしいハヤシ君にしてはビックリするほど強い断定口調だった。

その勢いに押され、理由が何だったかはとうに忘れた今もなお

タチヒロシは弱虫

という印象をぬぐい去ることができない。

そう思ってタチ氏を見ると、ニヒルにゆがめたような唇のあたりに、気弱な印象がなくもない。

ハヤシ君の主張の根拠をぜひ知りたいが、今となっては改めて問い合わせもしにくいのである。

たちひろし
(禁煙は勇敢な行為です)


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てれびじょん | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/09/21 11:59
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