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だんぼう話。

うちではまだ本格的な暖房は出しておらず、ホットカーペットだけでしのいでいる。

冷え込む朝や夕刻、ちょっと寒いな、と思うこともあるが、キッチンの煮炊きの熱気がホンワカしはじめると、忘れてしまう。

もちろん当地の気候が温暖なせいもあるが、私はどうも寒さがあまり応えないタチらしい。

それでもここ数日、さすがに

さむっ!

と思わず声が出ることが増えたので、まずタンスの中を探ったところ、いいものを見つけた。

暖パンである。( → だんぱん話。 )

去年の冬はさんざお世話になったのに、すっかり忘れていた。

さっそく穿いてみると、ぽかぽかと本当に暖かい。

オシリが暖まると全身の血行が良くなるのか、羽織っていたカーディガンも要らないほどだ。

いやー、暖パンあったかいわ~!これでまだしばらくしのげそうだよねぇ

そう感動を述べると、ムスコが妙に青ざめた、怖い顔で言った。

しのぐなよ!頼むから、暖房出してくれ!

仕方なく、しぶしぶガスファンヒーターを出した。

電源とガス管をつないでスイッチオンすると、チキチキ…ボッと音がして、温風が吹き出す。

見ろよ!これが家の中の温度かよ!

指さした先はファンヒーターの操作パネル。設定温度に並んで、現在室温が表示される。

がすふぁんひーたー
アラ、そお?室温11度、ダメだった?



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/11/30 10:08

なおした話。

夜半、いきなりネットがつながらなくなった。

試験勉強を装って自室にいたムスコも、パソコンを使っていたらしく、

なんか、ネット使えんくなった…

と、いつも以上に冴えない顔でリビングに出てきた。

試しに有線に接続してみるとつながるので、無線LANの問題であろうことは容易に推察された。

問題はその先だ。

私はパソコンに関して、保守保全や復旧の能力がほぼゼロである。

そもそもこの無線LANだって、設定ができずに、パソコンサポートのお兄ちゃんをお願いしたのだ。( →たのんだ話。 )

しかし、年末を目前に、安からぬ出張料金をまた取られるのは正直イタい。

頭を悩ませる私をよそに、ムスコは対策を講じることもせず、有線に接続したパソコンを勝手に使いだした。

何か、割り切れない

ムスコはアニメやラノベが好きなオタク系ではあるが、パソコンに関しては私と大差ないのだ。

オタクといえばパソコン。

家にオタクがいれば、普通はパソコン関係の心配はせずに済むんじゃないのか。

ふだんは生活力の無いヘナヘナのオタクが、ことパソコンに関しては頼れる存在、というのが、ニッポンの常識じゃないのだろうか。

アンタ試験でしょう!いい加減にしなさい!

ムスコの背中に、腹立ちを八つ当たり的にぶつけた。

ムスコがシブシブ自室に引っ込んでから、ルータを買ったときについてきたガイドを一応読む。

解読の結果、ダメもとでルータの再起動をしてみたら、なんと無事再開したではないか。

うれしいと同時にいまいましい

いまいましいから、ムスコには黙っていてやった。

翌朝、おそく起きてきたムスコは、黙ってパソコンを立ち上げて

オッ、直ってる!

と喜んでいる。直ってるんじゃない、直したんだよ!と思ったが、黙っていた。

わいふぁい




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ごかぞく | コメント(18) | トラックバック(0) | 2015/11/29 11:04

ぽーちの話。

女性の持ち物の一つに、化粧ポーチがある。

けしょうぽーち

細々した化粧道具などを持ち歩くのに使うのだ。

私はイイ年をして、このポーチというやつをうまく使えたためしがない。

中学生になると、周りの女子たちが、学生カバンにかわいいポーチを入れているのに気づいた。

手鏡、ヘアブラシ、リップクリームにティッシュ、ソックタッチ、中身はそんなものだ。

マネをしてみたものの、そもそも学校にいる日中に我と我が顔をかまいつけるという習慣が身についていない。使わないポーチはカバンの底で教科書に押しへしがれていた。

高校、大学と上がると本式の化粧をする子もいて、そういう子のポーチは化粧品でずっしりとふくれ、プロの道具という感じがした。

私はといえば、時おり発作的にこんなんじゃいけないと思い立って化粧品を買い込んでは、飽きてめんどくさくなってやめる、を繰り返し、そのまま社会人になった。

そんな具合だから、ポーチもイマイチ使いこなせないままである。

たとえば髪をとかす時。

カバンからポーチを出して、ポーチからヘアブラシを出して髪をとかし、鏡を見たら、ブラシをポーチにしまって、そのポーチをカバンに入れる、というのが普通だと思う。

しかし、この2段階の出し入れが、めんどくさくてしょうがない。

だからポーチをカバンに入れたまま、手を突っ込んでジッパーを開け、中のブラシを出す。

そして使ったブラシはポーチにしまわないで、直接カバンに投げ入れてしまう。

その後も手鏡を出し、口紅を出し、しているうちに、やがてカバンの中にはじかに放り込まれたものが散乱する。

哀れなポーチは、モノを収納する機能を忘れ、空っぽのペチャンコでカバンの底の底。

私のような人間に、優雅なポーチは無用の長物なのだろう。

同年輩の女性が、使い込んだブランド物のポーチを出し、悠々と化粧を直す姿を見ると、反省と羨望に胸をかまれる。

私は女としてハンパ者のアマチュアだなあ、と、つくづく思い知らされる時である。



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2015/11/28 10:03

ばれてる話。

パソコンを見たら、朝一番でイモートからメールが来ていた。題名は

新聞載った!

添付ファイルを開けたら、地方版の記事で、イモートの書道教室の模様が掲載されている。

イモートは指導の工夫や、制作の苦労について、もっともらしく語っている。

公募展にも入選して、生徒を着々と増やしているらしい。わが妹ながらエライやつだ。

さっそくお祝いの電話を入れる。

写真、よく撮れてるじゃない! 生徒、また増えるかもよ?

そう言うと、電話口のイモートは意外にも苦々しい口調である。

いくら綺麗に撮れててもさ… トシが丸バレ

そうだった。

新聞ってなぜ、あんなに年齢にこだわるのだろう。どんな小さな記事の登場人物にもかならず

ハラ セツコさん(95)

ジョン デンバーさん(53)


のように、カッコ書きで年齢が書かれてしまう。 

イモートは、ちょいと高齢出産なのを気にして、娘のメイちゃんに今まで年を隠してきた。(→  ないしょ話。 )

そんで、どしたの?メイちゃん、何て?

うーん、チラッと朝刊は見てたけど… 特に何も…

え~、気づいてないのかな?聞いてみた?

聞けないよ~! もし気がついてなかったら、ヤブヘビじゃない!

その日のメイちゃんの様子を尋ねてみたら、新聞を見た後、朝ごはんを食べて、普通に登校して行ったけれど、

気のせいか、いつもよりニコニコしてたような…

イモートよ、それは、ニコニコじゃなくて、ニヤニヤだと思うよ。

バレてる、バレてる!

はらせつこ(95)



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ごかぞく | コメント(6) | トラックバック(0) | 2015/11/27 10:24

はなつみ話。

朝食の皿を洗っていたら、ピンポーンと呼び鈴が鳴った。

宅配かしら、とインターホンの小さいテレビを見ると、おばーちゃんの姿。

10センチ角の画面でもわかるほどションボリして、今にも泣きだしそうな顔をしている。

驚いて玄関に飛び出した。

どうしたの?転んだの?

まさか… 何でもないわよ…

そう言いながら上がってきたおばーちゃんの右手を見ると、雑草の花なんか持っている。

これ活けといて… オミヤゲ…

甘くしたミルクコーヒーを出したら、やっとホッとした様子のおばーちゃんに尋ねた。

今日はどうしたの?ナニゴト?

ヒカワさんにね、コレステロールのお薬をもらいに…

ヒカワ先生は、うちのかかりつけである。(→ すうちの話。 )

おばーちゃんは、娘の私が胃カメラ検査を受けたと聞いて自分も受け、以来ヒカワ先生にかかるようになった。

うちはヒカワ医院の近所なので、通院の帰りにはいつもうちに寄る。

しかしそれだけでは、先ほどのうちしおれた姿の説明がつかない。具合でも悪いのかと心配しかけたら

そしたら、今日休診だった…

思わず吹き出した。

なあんだ… なによう、そんなことで!

それだけじゃないのよ! せめてあんたんちにパンでも買ってこうと思って…

ヒカワ医院の並びには、小さいけどおいしいパン屋がある。

そしたら、パン屋も休みだった…

芯からがっかりした様子を見て、つい大笑いしてしまった。

パン買えなかったから、お花摘んだの?

うつむいて歩いてたら、咲いてたの…

恥ずかしそうに笑っているおばーちゃんが、小さい女の子に見えて、とてもかわいい。

今までずっと守ってくれたこの人を、これからは私が守っていかなきゃな、と思った。

おはなをつんで




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ごかぞく | コメント(24) | トラックバック(0) | 2015/11/26 09:55

かほごな話。

いよいよ寒くなってきたので、ホットカーペットを出した。

ボロッちくなったホットカーペットカバーを、フカフカのものに替えたので、電源を入れなくてもいいくらい暖かい。

大満足なのだが、我が家で唯一、これに不満げな者がいる。

つけたよ
(動眼はオリジナルではなく、私がつけた)

我が家の救世主、ロボット掃除機の「ぐるめ君」。

ロボット掃除機の雄、iRobot社のルンバ号の5分の1の値段の追随商品でありながら、充電の続く限りホコリを集めてくれる、カワイイやつである。( → ろぼっと話。 )

本家のルンバは知らないが、ぐるめ君はお安いだけあって厚手のカーペットは苦手らしい。

乗り上げた角度によって、うまいこと上に上がれずに行き詰ってしまう。

こうしてブログの更新などしつつも、怪しい気配に気づいたらすぐ、カーペットに引っかかって唸っているぐるめ君を、救出しに行かねばならない。

… ウィーン ウィーン ウィーン ウィーン …

あーハイハイ、今行く、今行く

慌てて向きを変えてやっても、またしばらくすると

… ウィーン ウィーン ウィーン ウィーン …

あーハイハイ、わかったわかった

おちおち座ってもいられず、働くぐるめ君の後をついて歩くというテイタラクだ。

子供が1~2歳の頃ってこんな風だったなと懐かしみつつ、私って過保護かしら、などと思う、この頃である。



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ごかぞく | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/11/25 10:51

じっぱー話。

寒くなってきたので、水着をワンピースから、セパレーツに替えた。

もともと無い色気がさらにゼロに近づく、オバサン水着だが、健康維持のための水泳にお色気は不要である。

じっぱーつきみずぎ

新しい水着はジッパーで開け閉めするタイプ。

前がガバーと開くので、脱ぐのが楽になったが、別のストレスが生まれた。

どなたもご存知の通り、水着の生地というのはストレッチが効いている。やや小さめを引っ張って着る感じになるわけだ。

この水着のジッパーも、左右からぎゅーっと寄せないと閉まらないのである。

左右の身頃を引くと、当然のことながら、なけなしのニューボーも左右から寄ってくる。

その状態でジッパーを上げると、特に名を秘す某処を、はさみそうになるのだ。

これは怖い。

幸いまだ本当にはさんだことはないが、もしそうなったら、と思うだけで、はさんだ時の痛みがアリアリと想像され、文字通り胸を痛めている。

自分の豊かな想像力が恨めしい。

想像のついでに、特に名を秘す別の某処のジッパーのことも考えてしまった。

ことのほかデリケートな箇所にあんなに近い場所で、毎日毎日ジッパーを上げ下げしている男性諸氏は、おっかなくないのだろうか?

もし私が男性なら、万一を想像しただけで、痛くて歩けなくなるだろう。

あれで平気でいるなんて、全く想像力の欠如としか思えない。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/11/24 10:03

だいよん話。

ぽかぽか良いお天気の、何もない日曜の午後。コーヒーを飲みながらダラダラしていたら、電話が鳴った。

はいモシモシ~?

こんにちは~ ムラカミです~

あーこんにちは~

何の御用かしら?と、やや不審そうな響きがこもったやも知れぬ。ムラカミさんは笑いを含んだ声で言った。

やっぱりね!忘れてると思ったわ!

は?

今日、第4日曜…

へ… あ!第4日曜

だい4にちよう

毎月第4日曜は、趣味の集まりの日。

しかもムラカミさんと私はその幹事なのである。

私はこの、第4日曜、という日の決め方が、ことのほか苦手である。

だいたいの月は、まあ大丈夫なのだが、今月のように、日曜日が5つある月は危ない。

「最後の日曜日」と思っているから失敗するのだ。

また、第3土曜の次に第4日曜が来るというのも、間違えやすい。

今年は2月と3月もそうだったが、21日第3土曜の次が、22日第4日曜なのである。

第3土曜の翌日が第4日曜だなんて、オカシイだろう…と、思うのだが、どうやら私は少数派らしい。

このグループに所属して以来10年、何度か同様の失敗をして、メンバーに迷惑をかけたため、今ではすっかり第4日曜がわからない人認定を受けている私である。

ムラカミさんは、毎度案の定の展開に、怒ることもなく笑っている。

ゴメンナサイ!すぐ行きます!

慌ててカバンをひっつかみ、玄関を飛び出した。



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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2015/11/23 09:51

ざっかや話。

老眼鏡でちょっとしたショックを味わったが、なんとか気を取り直して、もう少し店内を見て歩くことにした。

オシャレなお店だし、何か買ってもいいなと思う。

私としては最大級にサイフのヒモを緩めたのだが、驚いたことに必要なものが何もない

ステキなものはたくさん並んでいるのに、さてウチで必要なもの、というと、見事にひとっつもないのである。

そうだ、オシャレ雑貨屋さんって、こんなものだった。

カワイイ不要品を売るのが、今の雑貨屋さんなのである。

それにしても、雑貨屋というものがこうなったのはいつからなのだろうか。

私が子供の頃の雑貨店といえば、何でもかんでも売ってるよろず屋だった。

生ものじゃない食品が少しと、チリ紙、電球、割り箸、茶封筒、子供がかぶるシャンプーハット、土瓶のツルみたいな、誰がいつ買うんだというモノもあった。

どびんのつる
(今だと百円均一にあったりする)

あ、アレがない、コレが切れた、となった時、とりあえず駆けて来る客に備えて、こまごまと雑多な生活必需品を在庫している。
 
コンビニがなかった時代、無いとちょっとだけ困るものを揃えた、それが町の雑貨屋だった。

今のオシャレ雑貨店が、無くても全然困らないものしか置かないのとはえらい違いである。

そういえば、学生時代に中国に旅行した時、ホテルの近くのよろず屋で、絵ハガキを買った。

ごちゃごちゃぶら下がった商品を眺めれば、チリ紙、乾電池、ビン入りの飲み物、邦貨百円くらいの品物ばかり。一番高価で高い場所に置かれているのは写真のフィルム。

この店の名前が、東方百貨店

さすが白髪三千丈の国、露天に毛が生えた程度の店に、よくぞ命名したものだ。

あれももう30年前のことになる。中国の経済発展に従って、東方百貨店も、本当のデパートになっているかもしれない。



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/11/22 11:45

ろうがん話。

近眼なので、普段からメガネをかけている。

メガネさえかければ、細かい作業にも読書にも困らない。

周囲の友達は老眼鏡を使いだしたが、私はさいわい今まで特に不自由なく過ごしてきた。

近視の人は老眼が進みにくいというから、それでかもしれない。

昨日は食料品の買い出し。

ショッピングモールはクリスマスの飾りつけ。早すぎる!と思いつつも、いつもは素通りするかわいい雑貨屋さんに、ふと入ってみた。

そうそう、海外在住の友達に、カードを買わなきゃ。

あれこれ選んだついでに店内を巡回して、今時の流行りをチェックする。

アクセサリーのコーナーに、だてメガネが並んでいた。

そういえば、今のメガネも古くなってきたので、そろそろ違う感じのにしたい。

どういう形が似合うかの参考に、とっかえひっかえかけてみていると、店員さんがするすると寄ってきて、言った。

こちら度数のほうはよろしいですか?

ハ?度数

驚いて値札を見ると

リーディンググラス ¥2,980

…「 reading glasses 」… だてメガネじゃなくて、老眼鏡だったのか!

まあいい。老眼鏡を選んだって、全然おかしくない年齢なんだから。

そう思いつつも地味にショックだったのは、リーディンググラスとやらをかけて見た自分の手に、ビックリするほど鮮明に、指紋が刻まれていたということである。

指紋って、こんなにクッキリあるものだったんだ。

そして、老眼鏡をかければ、それが見えるということは…。

近々眼科に行くべきか、迷っている。

ろうがんきょう




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もろもろ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2015/11/21 10:52
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