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おもさの話。

痩せて見えるならいいじゃん!真実はどうあれさ…

サザエさんと言われ、むくれた私(→ きやせの話。)を慰めるつもりか、アッコが言う。

まあね、50キロに見えるなら、100キロあったっていいよね…

そーだよ!もし見た目でわかんないなら、1トンでも別に…

すぐ極端なことを言うアッコさんである。

だってさ、あたしら、もうお姫様抱っこされることもないしさ…

いやいや、ダメでしょ!1トンあったらエレベーター止まるよ!

あそっか… 椅子とかベッドとかも、壊れるかも…

布団はすぐヘタるし、自転車乗れないよね

あ、やっぱ1トンじゃダメだ!

重要なことに気付いたアッコが深刻な表情になった。

ウマ!馬が死ぬ!

子供が独立して暇になったアッコが、最近始めた新たな趣味は乗馬である。

私はニタニタ笑って、言ってやった。

そーだね~ あんまり重いと、ウマも大変だよね

形勢逆転。今度は、アッコがむくれる番だ。

ぱなそにっくじょーば
(パナソニック ジョーバの耐荷重は120キロ)



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もろもろ | コメント(5) | トラックバック(0) | 2015/12/21 10:30

きやせの話。

アレ?痩せた?

久しぶりに会ったアッコに言われたので、ちょっとムッとして、答えた。

い~や、1グラムも痩せてない…

そう言われるのも、ここ最近で3人目くらい。

理由は何となくわかっているのだが、私は着やせするのである。

夏場の薄着の時期は、ごまかしようがないが、今頃の寒い時期、厚手のセーターやコートを着ていると、身体のラインが隠れて、痩せて見える。

手首から先とか、ひざから下とか、服から出てるとこだけ細いんだよね、私…

そう言うと、アッコはハタと膝を打った。

わかった、あれだね、サザエさん

はあ?

さざえさん

うーん、ホントだ…。

20代の若妻になぞらえてもらって、喜ぶべきなのかもしれない。

年齢的にはホントはこっちだからなぁ…。

ふねさん
磯野フネさん(推定年齢50代前半)



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てれびじょん | コメント(6) | トラックバック(0) | 2015/12/20 10:54

いらっと話。

私はあんまりイライラしないタチである。

スーパーのレジの行列が進まなくても、電車が少々遅れても、ぼーっとして待つ。

他人の言動に不愉快なことがあっても、へえーと珍しく思うだけで、そんなに腹は立たない。

しかし一つだけ、ものすごーくイラッとするものがある。

電子レンジである。

例えばミルクを温めるとする。

カップに注いだ牛乳をレンジに入れ、立って待つのもナンなので、洗濯物でも畳もうとその場を離れると、しばらくして

ぴぴっ ぴぴっ

と、完了を知らせる電子音が聞こえる。その時は

あーハイハイ…

と返事などするが、まだ平静である。

ただ、畳みかけの洗濯物が膝の上に載っていて、立てないでいると、すぐまた

ぴぴっ ぴぴっ

思わずイラッとするのはこの瞬間だ。

この二度目の音は、明らかに最初の音とは違って

できたって言ってんだろ!早く来いよコノヤロ!

という、不満そうな響きを帯びている。

キカイのくせして!なんだその態度はコノヤロ!

平素は温和な私が、あの音を聞いた瞬間に、ほぼケンカ腰。

思うに、音の間隔がワルい。もうちょっと後なら、

忘れてたわ!教えてくれてアリガトウ!

と、むしろ感謝するかもしれない。

ミルクをあっためてるのは重々承知で、でも今はちょっと行けないのよ、というタイミングで鳴るので、イラッとする。

計測してみると、2つの音の間隔は、ちょうど1分

イライラしない女を、巧みにイラッとさせるよう、考え抜かれた間隔、それが1分なのだ。

1分半なら、いや2分なら、イラッとしないのかなという好奇心もわくが、実験するほどヒマではない。

何しろ、年の瀬なのである。


( 桂枝雀 「ロボットしずかちゃん」でお楽しみください )



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/12/19 10:26

べっせい話。

夫婦別姓を認めない民法の規定について、最高裁が合憲という判断を出した。

結果を受けて、原告団には、落胆して涙を見せる人もいた。

彼女らの熱意や努力には頭が下がるが、個人的にはあんまりピンと来ない。

自分の姓ったって、結局お父さんの姓じゃん、と思ってしまうのだ。

うちは親戚が多いのだが、折々に往来する親しい身内は、断然母方のほうだ。

田舎といえば母方の祖父母の家だし、自分はそこの人間である気がする。

しかし、名乗っているのは、あまりなじみのない父親の家のほうの姓。

そのせいか、自分は本来母方の家の人間なのだが、制度的に父方の姓になっている、という感覚がどこかにある。

もちろん生まれてからずっと名乗っているのだから、親しみはあるし、好きなのだが、旧姓が、何としても守りたいアイデンティティーかといえば、そうじゃない。

だから、結婚するときも、特に抵抗なく相手の姓になった。

手続きはめんどくさかったが、嬉しくも悲しくもなかった。

父親か、亭主か、どのみち誰かの姓を乗っけなきゃいけないなら、どっちでもいいじゃんか

そんな風に思っていた気がする。

しかし、亭主の姓で10年余りを過ごして不縁となり、旧姓に戻った時には、さすがに重いフタが取れた気分で、爽快だった。

改姓手続きの面倒も、あの時は気にならなかった。

あらためて旧姓を見ると、とってもいい名前。思わぬプレゼントをもらった気分だった。

おとーさん、ステキな名前をくれて、ありがとう。今はそう思っている。

ひょうさつ



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ごかぞく | コメント(12) | トラックバック(0) | 2015/12/18 10:52

ぼうねん話。

ぼうねんかい

そろそろ忘年会のシーズンである。

昔、フルタイムのOLだったころは、所属する部の忘年会があった。

会社の行事じゃ楽しめない、という方も多いようだが、私はわりに好きだったな、部の忘年会。

ふだんマジメなおじさんが、お酒でたわいなく赤くなっているのはおもしろい。

いたって色気のない私は、セクハラされたこともないし、会社のお金で食べて飲んで、愉快だった記憶ばかりだ。

しかし、たった一度、ちょっぴり物悲しい思い出がある。

その年の会場は取引先がらみで、宴会場に入ると、オーナーが部長に挨拶にやってきた。

みすぼらしいちょびヒゲのオッサンだが、実は飲食チェーンを経営する、なかなかのやり手。

やあやあとか今日はよろしくとかお定まりのやりとりがあってから、ヒゲのオッサンは、控えていた部下に声をかけた。

おい!キタガワ!

呼ばれてヒョコヒョコ入ってきた若い男を見て、ドキッとした。

小学校の同級生だ。

かけっこが早く、算数ができるキタガワ君は、背も高くて、女子に人気があった。

相変わらずスラッとしているが、颯爽としたところがなくなり、貧相に見える。

私はとっさに顔を背けてしまった。

キタガワ君はどうやらその店のチーフらしく、オーナーにはペコペコしながら、ウェイトレスには横柄に指示を出している。

会はなごやかに乾杯ではじまったが、その日のお酒はなんだか味がせず、私は珍しく飲み過ぎて、タクシーで帰った。

卒業文集に、「科学者になりたい」という希望を書いていたキタガワ君。

絵を描くのが好きで、「ファッションデザイナーになりたい」と書いた私は、ありふれたOLになっていた。

今なら偶然の再会を喜べたかもしれないが、私も若かったのだ。

あれから20年以上になる。キタガワ君は堂々たるオッサンになっているだろうか。



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むかしむかし | コメント(4) | トラックバック(0) | 2015/12/17 10:13

まちぶら話。

時々お邪魔する事務所に、年末のご挨拶に伺った。

お茶をいただきながらよもやま話をしていたら、女性所長さんが笑いながら言った。

そうそう、こないだ、テレビの取材の申し込みがあったのよ!

へえ~、何の番組ですか?

ほら、タレントが街をブラブラして、「あ、ここに入ってみましょう!」みたいな…

あ、朝やってるあれですか?

関西ローカルの番組の、人気コーナーである。

でもあれって、歩いてて偶然見つけたところに入っていくんじゃないんですか?

違う違う!電話で打診があって、いいよってなったら打ち合わせして、それから来るみたい

え~、なんか、ちょっとガッカリ…

聞いてたらいろいろめんどくさいんで断っちゃったわ、と所長さんは言う。

確かに、本当にぶっつけ本番でズカズカ入っていったら、ふつうの人は困惑するだろう。

断られてばかりでは、タレントが無駄にブラブラしないといけない。ギャラも発生する。

そういう下ごしらえも必要なのだ。

しかし、そうと知って番組を見ると、一般人も意外に演技派だ。

タレントが、ぶらりと入ってきたという風情で店にやってきたときの、店主の驚きぐあい

皆けっこううまいこと、これは思いがけないことだ!という雰囲気を出している。

とても、ひと月前に打診され、取材日を知って準備していたとは思えない。

彼らの好演はなかなか味わい深く、番組を見る楽しみが少し増した気がする。

にんげんこくほう
(演技力も人間国宝)



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てれびじょん | コメント(12) | トラックバック(0) | 2015/12/16 10:49

へいてん話。

年賀ハガキに限らず、私の愛用している商品は、発売中止になる。

いい匂いのハンドクリームは廃番で買えなくなった。

職場の自販機でも、私の好きなジュースは、なぜか入らなくなってしまう。

自分が世の中の多数派でないことは百も承知でも、こういうことが続くと地味にへこむ。

先日は、いつも立ち寄っていたインテリアショップが、いつのまにか閉店していた。

まさか!と思ったが、何度目をこすっても無いものは無い。

店のあった場所は白いパネルで囲われ、ぜんぜん違う、お菓子屋か何かの開店予告ポスターが、でかでかと貼られている。

いつも来ていたのに。

お店の人もとても感じが良かったのに。

とてもステキなお店だったのに。


しばし呆然と立ちすくみ、ハッとした。

私、あのお店で、買い物したことない

どの品物もステキすぎ、うちなんかに置いちゃ申し訳ない気がして、買って帰れなかったのだ。

いくら好きでも、お金を使ってないんじゃ、お店にメリットはない。

確かに、発売中止になる他のものもそうだ。

好きなハンドクリームはもったいなくて惜しみ惜しみ使い、1年以上もたせた。

お気に入りの缶ジュース、といっても、毎日飲むわけじゃない。たまに飲んで、オイシイなあ…とシミジミしているだけなのである。

好きな気持ちは、お金に変えなければ、お店やメーカーには伝わらないのだ。

あのお店は、入り口に賽銭箱を置けばよかったのではないか、と思ったりする。

さいせんばこ
(税込 97,420円 しかしステキなインテリアに合わない)



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/12/15 10:38

いろどり話。

年賀状のデザインがあらかたできたので、ハガキを買いに行った。

昔は、年賀ハガキは売り切れを心配して早めに買ったものだが、最近はむしろ余り気味なようで、気楽である。

その代わり、何種類かあるハガキから選ぶ、という面倒がある。

私はここ数年「いろどり年賀」というのを愛用している。

ハガキ自体が着色されており、インクをケチっても、それなりに目出度い色あいになるのだ。

年末が近づき、いつもの小さい郵便局はわりに混んでいた。しばらく並んで、私の番になる。

えーっと、いろどり年賀の「うぐいす」を、100枚ください

は?えー、申し訳ありません、もう無いんです…

まさか!われとわが耳を疑う。

えっ?売り切れですか?

いえ、今年のいろどり年賀は「もも」だけで、「うぐいす」は販売してないんです…

思わず窓口に向かってなんだとう!と怒鳴りそうになり、危ういところでこらえた。

だいたい私はこういうのが多い。

お菓子でも、飲み物でも、気に入ってリピートしていると、ある日突然発売中止になってしまうのだ。

いっそメーカーは、新製品を発売する前に、私に聞きに来てくれればいいと思う。

そうすれば、発売中止になる商品がどれか、発売前に分かるぞ。

そんなことを考えていたら、郵便局よお前もか、と、また悔しさがこみあげてきた。

いろどりねんが
(幻のいろどり年賀「うぐいす」)



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/12/14 09:39

よびなの話。

友だちのカナイさんと、クリスマスショッピングの約束をした。

デパートの北欧フェアを見てランチ、街をぶらついて、日が暮れたらイルミネーションを見て帰ろう、という意欲的なプランである。

おおさかひかりのきょうえん
( 大阪光の饗宴2015 )

電話で打ち合わせ中、おいしいお店を思い出して提案した。

じゃあさ、「ニジノマチ」のあそこでご飯食べよっか!

に…ニジノマチ!久しぶりに聞いたわあ!

にじのまち

ニジノマチ、というのは大阪ミナミの地下街。

オープンから50年を経て、折々に顔ぶれを変えつつも、安い店、おいしい店で今も賑わう場所である。

もうせんから「ナンバウォーク」でしょ!

そうなのだ。

長年親しんだ「ニジノマチ」が、勝手に名称を変えて、もう20年くらいになる。

昨日や今日の変更じゃないのだが、子供の頃からの呼び名は、いきなり変えられない。

若い人には通じないのでしかたなく「ナンバウォーク」と言うが、同世代とは「ニジノマチ」でいいやと思っている。

私にとってイオンはジャスコだし、パスコはシキシマパンなのである。

そういえば、今でいうJRを、おばーちゃんは若い時省線と言っていた。

鉄道省所管の路線=省線」なのだ。

その後いきなり「じぇいあーる」を導入したので、おばーちゃんの語彙に「コクテツ」は無い。



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むかしむかし | コメント(20) | トラックバック(0) | 2015/12/13 11:27

やさんの話。

待ち合わせの場所に、少し遅れてやってきたキシイさんは、少し上気した顔で言った。

ごめんなさい!出がけにバタバタして、カバン屋さんみたいな…

カバン屋さん?何が?

何を言ってるのかわからなくて、聞き返す。

アラ?言わない?いっぱいカバンを持ってると、「カバン屋さん」って…

見ると確かに、小ぶりのショルダーバッグに、大きめの合皮のバッグ、さらに布のエコバッグを持って、カバンの花盛りな、今日のキシイさんである。

キシイさんの家では、そういう状態を「カバン屋さん」というのだそうだ。

面白いね!じゃあさ、玄関に、しまわない靴がいっぱい出てたら…

そう!クツ屋さん

くつとかばんや

ちょっとユーモラスで、優しいキシイさんらしい、かわいい言い回しだ。

子供が小さい時に知っていたら、ガミガミ叱ることなく、靴をしまうように言えたのにな、と思った。

亡くなった私の祖母は、冗談がキライな人で、いつもまじめくさった表情をしていたが、

お砂糖屋さんの角を走ったような…

という言い回しを、たまーにすることがあった。

お料理の甘みが足りないことを言う。

甘さが全然足りなくて、お砂糖を売るお店の前を、走り過ぎたほどのかすかな気配しかない、という意味なのだ。

子供の頃、祖母がそう言うのを聞いて、珍しく冗談言ってるな、と思ったのを覚えている。

しかし、祖母と並んで台所に立つ、長男の嫁であるところの伯母にとってみれば、冗談どころではない。とんでもないイヤミに聞こえただろう。

この年になると、そんなことも想像する。

高い天井に、すすけて黒い梁が光る田舎の台所は、土間で、広くて、寒かった。






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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/12/12 10:07
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