しごとの話。
持ち帰りの仕事が発生して、土日に済ませなければならなくなった。
ファイルを前にして座ったが、イヤでたまらない。
そもそも持ち帰りが発生する体制がおかしい。人繰り、工程など早急に見直しすべきだし、現状のままでは来年の今の時期が乗り切れない。今こそ抜本的な改革が必要な時ではないか。
職場で披露すればその場で社長に抜擢されそうな大演説が、スラスラと頭に浮かんだが、かんじんの仕事には一向に手がつかない。
暑い時でもあり、まず手を洗うことにした。
指の間、ひじ付近まで丁寧に洗って、ついに手の皮がふやけてきたのでやむなく席に戻る。
さあやるかとペンを持ったら、爪が伸びている。
うまい具合に水でふやけていることでもあるし、切っておくことにする。
全部の爪を楕円形のきれいな形に切りそろえ、丹念にヤスリをかけてから、手を窓の光にかざして見て、思わずその出来栄えにほれぼれとする。
爪もキレイになってしまったので、しかたなくファイルの前に戻ったら、今度は足元の机の下の床のざらつきが気になった。
今日は忙しいので、お掃除シートで済ませようと思ったが、すみっこに見えなくてもいいホコリを見てしまい、掃除機をひっぱりだす。
掃除機をかけ、さらに気になるところの拭き掃除までやったら、全身が汗みずくである。
これじゃあデスクワークは無理だ、と判断し、さっさとシャワーに行く。
汗を流してサッパリしたので、冷蔵庫を開けたら、麦茶の隣になぜか缶ビールが入っていた。
そういえば、昨日貰った枝豆を、早く茹でなければいけない。
よく太った枝豆のサヤを枝からむしり取り、粗塩でギューギューもんでから、大鍋で茹でる。
湯気の上がったザルの中の枝豆を一つ取って、プチンと口に入れれば、上々の茹で加減。
そして、茹でたての枝豆ほどビールに合うものが、他にあるだろうか?
色々とはかどったような気もするが、持ち帰りの仕事は、まだ机の上でじっとしている。

(私はサヤの端は切らないで茹でる派)

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ファイルを前にして座ったが、イヤでたまらない。
そもそも持ち帰りが発生する体制がおかしい。人繰り、工程など早急に見直しすべきだし、現状のままでは来年の今の時期が乗り切れない。今こそ抜本的な改革が必要な時ではないか。
職場で披露すればその場で社長に抜擢されそうな大演説が、スラスラと頭に浮かんだが、かんじんの仕事には一向に手がつかない。
暑い時でもあり、まず手を洗うことにした。
指の間、ひじ付近まで丁寧に洗って、ついに手の皮がふやけてきたのでやむなく席に戻る。
さあやるかとペンを持ったら、爪が伸びている。
うまい具合に水でふやけていることでもあるし、切っておくことにする。
全部の爪を楕円形のきれいな形に切りそろえ、丹念にヤスリをかけてから、手を窓の光にかざして見て、思わずその出来栄えにほれぼれとする。
爪もキレイになってしまったので、しかたなくファイルの前に戻ったら、今度は足元の机の下の床のざらつきが気になった。
今日は忙しいので、お掃除シートで済ませようと思ったが、すみっこに見えなくてもいいホコリを見てしまい、掃除機をひっぱりだす。
掃除機をかけ、さらに気になるところの拭き掃除までやったら、全身が汗みずくである。
これじゃあデスクワークは無理だ、と判断し、さっさとシャワーに行く。
汗を流してサッパリしたので、冷蔵庫を開けたら、麦茶の隣になぜか缶ビールが入っていた。
そういえば、昨日貰った枝豆を、早く茹でなければいけない。
よく太った枝豆のサヤを枝からむしり取り、粗塩でギューギューもんでから、大鍋で茹でる。
湯気の上がったザルの中の枝豆を一つ取って、プチンと口に入れれば、上々の茹で加減。
そして、茹でたての枝豆ほどビールに合うものが、他にあるだろうか?
色々とはかどったような気もするが、持ち帰りの仕事は、まだ机の上でじっとしている。

(私はサヤの端は切らないで茹でる派)

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うるとら話。
今日はウルトラマンの日、だそうだ。

( 関連イベント→ ウルトラマンの日 in 杉並公会堂 )
初代ウルトラマンを見た世代でもあり、放送開始50周年と聞けばなにがしかの感慨はある。
そういえば昔、母がウルトラマンの夢を見たことがあった。(→ ささいな話。)
高校生だった私は、休み時間にクラスメイトにさっそくその旨を報告した。
うちのおかーさんさ、昨日ウルトラマンの夢見てさ~
えー、アンタじゃなくて、おかーさん?
ウラ山またいで来たんだってー 「やっぱり本当にいたんだねえ」って
「やっぱり」ってナニソレ~!おかーさん、オモシローい!
みんなガハハと笑う。
そんな女子の騒ぎを、隣の隣の席で、静かに聞いていたのがモリタ君である。
寄り目になるほど難しい数学や物理のテストで、学年一位をとる優等生だ。
その彼が、たまりかねたようにボソッと
それは無理…
と、つぶやいた。
何が?
と聞き返すと、
ウルトラマンの身長は40メートル、ウラ山は標高600メートル以上あるから、またぐのは無理だと思うよ
まあ知識が豊富ね、と胸がキュンとなった私が、モリタ君と恋におちた、なんてことになったら面白いのだが、現実はそうカンタンではない。
ひとが楽しくしてる時に、細けえことをグダグダ言うやつだ、と思っただけである。
モリタ君はその翌年、東大にイッパツで受かり、今やとんでもないエリート様だ。
あの時、キュンとならなかった自分の胸を恨んでも、もはや手遅れなのだった。

(恋のカラータイマー点灯中なんちて)

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( 関連イベント→ ウルトラマンの日 in 杉並公会堂 )
初代ウルトラマンを見た世代でもあり、放送開始50周年と聞けばなにがしかの感慨はある。
そういえば昔、母がウルトラマンの夢を見たことがあった。(→ ささいな話。)
高校生だった私は、休み時間にクラスメイトにさっそくその旨を報告した。
うちのおかーさんさ、昨日ウルトラマンの夢見てさ~
えー、アンタじゃなくて、おかーさん?
ウラ山またいで来たんだってー 「やっぱり本当にいたんだねえ」って
「やっぱり」ってナニソレ~!おかーさん、オモシローい!
みんなガハハと笑う。
そんな女子の騒ぎを、隣の隣の席で、静かに聞いていたのがモリタ君である。
寄り目になるほど難しい数学や物理のテストで、学年一位をとる優等生だ。
その彼が、たまりかねたようにボソッと
それは無理…
と、つぶやいた。
何が?
と聞き返すと、
ウルトラマンの身長は40メートル、ウラ山は標高600メートル以上あるから、またぐのは無理だと思うよ
まあ知識が豊富ね、と胸がキュンとなった私が、モリタ君と恋におちた、なんてことになったら面白いのだが、現実はそうカンタンではない。
ひとが楽しくしてる時に、細けえことをグダグダ言うやつだ、と思っただけである。
モリタ君はその翌年、東大にイッパツで受かり、今やとんでもないエリート様だ。
あの時、キュンとならなかった自分の胸を恨んでも、もはや手遅れなのだった。

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ながさの話。
ここのところの暑さが少しマシなので、美容院に行く。
シャンプーを終えて鏡の前に座ると、テルテルボーズみたいに布で巻かれ
長さどうします?
と聞かれた。いつもなら
伸びた分だけお願いします
と、原状復帰しておしまいなのだが、今回、喫緊の課題がある。

最近TVでよく見かけるお笑い芸人に、髪型が似てるのが悩みなのだ。(→ ながのの話。)
できれば、コヤツとなるったけ遠く離れた髪型にしたい。
かといってアフロとかパンチパーマとか、常識的な外観を放棄した髪型では困る。
経済性や、日々の手入れの面からの制約もある。
うーんと考えていて、妙なことに気付いた。美容院で
長さどうします?
と言われた時って、短くするしかできないのである。
うーん、全体に、あと5センチくらい長く…
とか、言えたらいいけど、50年の人生で一度も言ったことがない。
不思議だなあ。
しかたがないので、できるだけ短い、ショートボブにしてもらった。
首筋が涼しく快適なのだが、今度はくるよ師匠に似てしまった気がして、また悩んでいる。


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シャンプーを終えて鏡の前に座ると、テルテルボーズみたいに布で巻かれ
長さどうします?
と聞かれた。いつもなら
伸びた分だけお願いします
と、原状復帰しておしまいなのだが、今回、喫緊の課題がある。

最近TVでよく見かけるお笑い芸人に、髪型が似てるのが悩みなのだ。(→ ながのの話。)
できれば、コヤツとなるったけ遠く離れた髪型にしたい。
かといってアフロとかパンチパーマとか、常識的な外観を放棄した髪型では困る。
経済性や、日々の手入れの面からの制約もある。
うーんと考えていて、妙なことに気付いた。美容院で
長さどうします?
と言われた時って、短くするしかできないのである。
うーん、全体に、あと5センチくらい長く…
とか、言えたらいいけど、50年の人生で一度も言ったことがない。
不思議だなあ。
しかたがないので、できるだけ短い、ショートボブにしてもらった。
首筋が涼しく快適なのだが、今度はくるよ師匠に似てしまった気がして、また悩んでいる。


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たこやき話。
豆腐の味噌汁に冷奴を出したイナガキさんほどではないが、うちの食卓だって、そこそこイイカゲンである。
食べることに熱心で、味のわかるムスメが家にいる時は、もっとマシなご飯を作っていたが、何でも黙って食べるムスコと二人になってからは、なんかもう何もかもがめんどくさい。
批判的な大人がいない食卓は無法地帯になりがちだ。
私なんかに比べると、母は昔のお母さんだから、ずっとちゃんとしていた。
暑い盛りでも、自分ひとり汗をかきながら、煮炊きして、いくつもおかずを作る。
しかし、父がご飯時に帰らない日は、母もラクをしたいのか、ときどき羽目を外した。
おつゆとおかず3つ、のようないつものご飯ではなく、お好み焼きやうどんが夕飯になる。
一番うれしかったのは夕飯がタコヤキの日である。

(昔はマヨネーズはオプションだった)
ホットプレートじゃなく、ガス管のついた昔のタコヤキ器は、鉄板が大きくないから、一度にたくさんは焼けない。
お店気分でソースや鰹節を並べたテーブルの前に、お皿を持って並ぶ。
イモートと突っつき合いながら、キリの先で魔法のようにくるくる丸くまとまっていく生地を、ワクワクと眺めた。
野菜を食べなさい、とか、お醤油をかけ過ぎ、とか、いつものこまごました注意もなく、ソースをいっぱいかけたタコヤキだけを、どんどん食べる。
思えばあれも食卓の無法地帯だけど、決して荒んだ感じではなかった。
主婦にとって、今よりもずっと息抜きの機会が少なかった時代、母はどうも、意識的に無法地帯を演出していたフシがある。
でなければあんなに楽しかったはずはない。
今は気楽に外食やテイクアウトが利用できるが、あの頃よりも食卓が楽しくなったかというと、ぜんぜん自信がない。

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食べることに熱心で、味のわかるムスメが家にいる時は、もっとマシなご飯を作っていたが、何でも黙って食べるムスコと二人になってからは、なんかもう何もかもがめんどくさい。
批判的な大人がいない食卓は無法地帯になりがちだ。
私なんかに比べると、母は昔のお母さんだから、ずっとちゃんとしていた。
暑い盛りでも、自分ひとり汗をかきながら、煮炊きして、いくつもおかずを作る。
しかし、父がご飯時に帰らない日は、母もラクをしたいのか、ときどき羽目を外した。
おつゆとおかず3つ、のようないつものご飯ではなく、お好み焼きやうどんが夕飯になる。
一番うれしかったのは夕飯がタコヤキの日である。

(昔はマヨネーズはオプションだった)
ホットプレートじゃなく、ガス管のついた昔のタコヤキ器は、鉄板が大きくないから、一度にたくさんは焼けない。
お店気分でソースや鰹節を並べたテーブルの前に、お皿を持って並ぶ。
イモートと突っつき合いながら、キリの先で魔法のようにくるくる丸くまとまっていく生地を、ワクワクと眺めた。
野菜を食べなさい、とか、お醤油をかけ過ぎ、とか、いつものこまごました注意もなく、ソースをいっぱいかけたタコヤキだけを、どんどん食べる。
思えばあれも食卓の無法地帯だけど、決して荒んだ感じではなかった。
主婦にとって、今よりもずっと息抜きの機会が少なかった時代、母はどうも、意識的に無法地帯を演出していたフシがある。
でなければあんなに楽しかったはずはない。
今は気楽に外食やテイクアウトが利用できるが、あの頃よりも食卓が楽しくなったかというと、ぜんぜん自信がない。

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ゆうはん話。
イナガキさんではこの春、下の息子さんが独立した。
お兄ちゃんのほうも先に会社の寮に移っているので、夫婦二人となったわけだ。
はじめの頃は、おかずが余るくらいが悩みだったイナガキさんだが、最近
憑き物が落ちたみたいだワ…
と、物騒なことを言いだした。
よく考えたら、もうお肉だのフライだの、作んなくていいわけよ
あ、そうか、若い人いないですもんね
そーなの もう背が伸びるわけじゃなし、死なない程度に食べてりゃいいわけでしょ
それはないと思うが、とにかくそれまで家族のために熱心に夕飯を作ってきたイナガキさんは、にわかに投げやりになった。
料理は焼くだけ、切るだけ、お皿に出すだけ。残り物はなくなるまで連続で出す。
和洋中はごちゃごちゃで、食材も、安くて軽くて日持ちするものばかり。
もともと無口なご主人は、どんな滅茶苦茶な献立も黙って食べるので、イナガキさんは、この人は家の夕飯なんかもうどーでもいいんだわ、と思った。
しかし、ことのほか暑かった日のこと。
いつもに増して投げやりになったイナガキさんは豆腐の味噌汁に冷奴に冷凍枝豆、という、大豆づくしの夕飯を出した。
それでも黙って食べ終わったご主人は、ごちそうさまの後、
おまえ、この頃どないした どっか具合悪いんか…
と、心配そうな顔で妻を見た。
イナガキさんは、今まで感じたことのない、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
ご飯がおかしいと思いつつ、何か理由があるのかと、ずっと黙っていたご主人だったのだ。
今日は七夕。
イナガキさんは織姫のようにいそいそと、久しぶりの美味しいお夕飯を作るのだろうか。

(織姫と彦星って恋人じゃなくて夫婦らしいですね)

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お兄ちゃんのほうも先に会社の寮に移っているので、夫婦二人となったわけだ。
はじめの頃は、おかずが余るくらいが悩みだったイナガキさんだが、最近
憑き物が落ちたみたいだワ…
と、物騒なことを言いだした。
よく考えたら、もうお肉だのフライだの、作んなくていいわけよ
あ、そうか、若い人いないですもんね
そーなの もう背が伸びるわけじゃなし、死なない程度に食べてりゃいいわけでしょ
それはないと思うが、とにかくそれまで家族のために熱心に夕飯を作ってきたイナガキさんは、にわかに投げやりになった。
料理は焼くだけ、切るだけ、お皿に出すだけ。残り物はなくなるまで連続で出す。
和洋中はごちゃごちゃで、食材も、安くて軽くて日持ちするものばかり。
もともと無口なご主人は、どんな滅茶苦茶な献立も黙って食べるので、イナガキさんは、この人は家の夕飯なんかもうどーでもいいんだわ、と思った。
しかし、ことのほか暑かった日のこと。
いつもに増して投げやりになったイナガキさんは豆腐の味噌汁に冷奴に冷凍枝豆、という、大豆づくしの夕飯を出した。
それでも黙って食べ終わったご主人は、ごちそうさまの後、
おまえ、この頃どないした どっか具合悪いんか…
と、心配そうな顔で妻を見た。
イナガキさんは、今まで感じたことのない、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
ご飯がおかしいと思いつつ、何か理由があるのかと、ずっと黙っていたご主人だったのだ。
今日は七夕。
イナガキさんは織姫のようにいそいそと、久しぶりの美味しいお夕飯を作るのだろうか。

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さらだの話。
この味がいいね、と、どこかの馬の骨が言ったので、7月6日はサラダ記念日だそうだ。
そう勝手に決めた女性の、これでもかとキョトンとした目と、重たいおカッパ頭を、ケッ!という気持ちとともに思い出す。
だいたい、女の料理を褒めるのに
この味がいいね
なんて言うかあ?フツーの男なら、うまいね、美味しいね、と言うだろう。それを
この味がいいね
だなんて、五七五にするための字数合わせに決まってるじゃん。
好きな男の言葉って、たとえありふれていても一つ一つが大事なものだ。
思い出の一言を、自分の都合で平気で変形してシレッとしている、カマトト特有の無神経さが、今も昔も大キライである。
だからというわけではないが、私はほとんど生野菜サラダを食べない。
ポテトサラダは作って食べる。
とんかつの横のキャベツの千切りは美味しいし、冷やしトマトを切って食べるのも好きだ。
ただ、小皿にちぎった生の野菜に、でれっとドレッシングをかけたようなのは、ランチについてくれば値段のうちなので食べるが、買ってまで食べる気は起こらない。
農家の方には申し訳ないが、今この瞬間にレタスが絶滅しても、全然困らないと思う。
そんな私に今朝早く電話がかかってきた。
ちょっと助けて…
いきなりおばーちゃんがそう言うのでギョッとしたが
イノウエさんが、また…
と続いたので、
ああ、野菜ね…
とホッとする。イノウエさんはおばーちゃんの友達で、畑をなさっており、時々野菜をくださる、ありがたい人だ。
ところが、くださる量がちょっと多い。
キュウリ20本、ナス15コ、インゲンが2キロあったこともあった。
夏野菜の季節、イノウエさんの訪れは、おばーちゃんにとって一種の恐怖なのである。
それにしても今回慌ててるなと思ったら
レタスなのよ、すぐ傷むでしょ…
よりによってレタスが、それも5玉もあるという。
5玉もあるんじゃ、でれでれドレッシングをかけてられない。断固、ジャージャー炒めてやるつもりだ。
老母を心労から救うため、好きでもないレタスをもらいに行く、そんな私の7月6日は、断じてサラダ記念日ではないのであった。


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そう勝手に決めた女性の、これでもかとキョトンとした目と、重たいおカッパ頭を、ケッ!という気持ちとともに思い出す。
だいたい、女の料理を褒めるのに
この味がいいね
なんて言うかあ?フツーの男なら、うまいね、美味しいね、と言うだろう。それを
この味がいいね
だなんて、五七五にするための字数合わせに決まってるじゃん。
好きな男の言葉って、たとえありふれていても一つ一つが大事なものだ。
思い出の一言を、自分の都合で平気で変形してシレッとしている、カマトト特有の無神経さが、今も昔も大キライである。
だからというわけではないが、私はほとんど生野菜サラダを食べない。
ポテトサラダは作って食べる。
とんかつの横のキャベツの千切りは美味しいし、冷やしトマトを切って食べるのも好きだ。
ただ、小皿にちぎった生の野菜に、でれっとドレッシングをかけたようなのは、ランチについてくれば値段のうちなので食べるが、買ってまで食べる気は起こらない。
農家の方には申し訳ないが、今この瞬間にレタスが絶滅しても、全然困らないと思う。
そんな私に今朝早く電話がかかってきた。
ちょっと助けて…
いきなりおばーちゃんがそう言うのでギョッとしたが
イノウエさんが、また…
と続いたので、
ああ、野菜ね…
とホッとする。イノウエさんはおばーちゃんの友達で、畑をなさっており、時々野菜をくださる、ありがたい人だ。
ところが、くださる量がちょっと多い。
キュウリ20本、ナス15コ、インゲンが2キロあったこともあった。
夏野菜の季節、イノウエさんの訪れは、おばーちゃんにとって一種の恐怖なのである。
それにしても今回慌ててるなと思ったら
レタスなのよ、すぐ傷むでしょ…
よりによってレタスが、それも5玉もあるという。
5玉もあるんじゃ、でれでれドレッシングをかけてられない。断固、ジャージャー炒めてやるつもりだ。
老母を心労から救うため、好きでもないレタスをもらいに行く、そんな私の7月6日は、断じてサラダ記念日ではないのであった。


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ればーの話。
ここのところ仕事が立て込んだうえ、ばかに暑いのでくたびれ気味である。
昨日たまたまかかってきた電話で、おばーちゃんにウッカリこぼしたら、即座に
あらそう?キモ煮ようか?
と、この人を知らなければ意味が分かるまい、という、謎の返事が戻ってきた。
キモとは、鶏のレバーのことである。
おばーちゃんには昔から、疲れにはレバー、という信条があり、それは長い年月を経て今や信仰の域に近づいている。
子供の頃、私やイモートがへばっていると、彼女はすかさず鶏レバーの煮物を食卓にのせた。

(レシピはこちら→ おかず百選 鶏レバー煮)
キライじゃないんだけど、本当に疲れた時、濃い味に煮つけたレバーには食欲がわかない。
おばーちゃんは肉類が苦手で、レバーだって自分は食べないのだ。それなのに食べろ食べろと言われるとムッとして、昔はしなくていい親子ゲンカもした。
そもそも鉄分豊富なレバーが効果を発揮するのは、栄養不良や貧血による不調だろう。今の私は貧血のカケラもないし、健康を考えればむしろ痩せるべきなのである。
とはいえ、おばーちゃんに道理を説いたってムダなのは、長い付き合いで分かっている。
案の定その日の夕方、バスに乗って、タッパーを持ったおばーちゃんがやってきた。
中身はもちろんレバーの煮物である。
うちの近所の医院に来るついでとはいえ、このフットワークは見上げたものだ。
厚くお礼を言って、まだほの温かいタッパーを受け取った。
私のためにレバーを煮れば、おばーちゃんだって味見に一つや二つは食べるだろう。ほっとくと野菜ばかり食べる後期高齢者にとって、それはきっと必要な栄養にちがいない。
夕食に出す前に、一切れつまみ食いする。
これが美味しければすごくイイお話なのだが、おばーちゃんのレバーはいつもちょっと煮すぎで、フツーの味なのだった。

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昨日たまたまかかってきた電話で、おばーちゃんにウッカリこぼしたら、即座に
あらそう?キモ煮ようか?
と、この人を知らなければ意味が分かるまい、という、謎の返事が戻ってきた。
キモとは、鶏のレバーのことである。
おばーちゃんには昔から、疲れにはレバー、という信条があり、それは長い年月を経て今や信仰の域に近づいている。
子供の頃、私やイモートがへばっていると、彼女はすかさず鶏レバーの煮物を食卓にのせた。

(レシピはこちら→ おかず百選 鶏レバー煮)
キライじゃないんだけど、本当に疲れた時、濃い味に煮つけたレバーには食欲がわかない。
おばーちゃんは肉類が苦手で、レバーだって自分は食べないのだ。それなのに食べろ食べろと言われるとムッとして、昔はしなくていい親子ゲンカもした。
そもそも鉄分豊富なレバーが効果を発揮するのは、栄養不良や貧血による不調だろう。今の私は貧血のカケラもないし、健康を考えればむしろ痩せるべきなのである。
とはいえ、おばーちゃんに道理を説いたってムダなのは、長い付き合いで分かっている。
案の定その日の夕方、バスに乗って、タッパーを持ったおばーちゃんがやってきた。
中身はもちろんレバーの煮物である。
うちの近所の医院に来るついでとはいえ、このフットワークは見上げたものだ。
厚くお礼を言って、まだほの温かいタッパーを受け取った。
私のためにレバーを煮れば、おばーちゃんだって味見に一つや二つは食べるだろう。ほっとくと野菜ばかり食べる後期高齢者にとって、それはきっと必要な栄養にちがいない。
夕食に出す前に、一切れつまみ食いする。
これが美味しければすごくイイお話なのだが、おばーちゃんのレバーはいつもちょっと煮すぎで、フツーの味なのだった。

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ながのの話。
ここ数年来、私の髪型は変わっていない。
往年のミナミダヨウコのような、というと、一定以上の年代の人にはわかっていただける。(→ まえがみ話。)

髪が黒くて太くてパーマがかかりにくく、なおかつ極度のメンドクサガリの私にとって、決定版のような髪型で、当分変更する予定はなかったのだが、それが危うくなってきた。
こやつのせいである。

最近TVでよく見かけるお笑い芸人。
見ていて面白いというよりは、困惑させるタイプの芸風で、どっちかというとキライである。
それなのに、この人の髪型、私に似てるんじゃないか、と、つい思ってしまった。
家事に仕事に、髪を振り乱している時など、ハッと気づくと似たような感じになっている。
イヤだなあ、と思いつつ、若い同僚のキクチさんにこぼしてしまった。
なんか髪型がさー ナガノみたいだなーって…
えー?ナガノ~? あっ…… そんなことナイですよ~!全然違いますから~!
優しいキクチさんは一所懸命打ち消してくれたが、ほんの一瞬の間と
あっ……
を、私の耳は聞き逃さなかった。
もうすぐ美容院に行く時期である。このさい思い切ったイメチェンをすべきか、悩んでいる。

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往年のミナミダヨウコのような、というと、一定以上の年代の人にはわかっていただける。(→ まえがみ話。)

髪が黒くて太くてパーマがかかりにくく、なおかつ極度のメンドクサガリの私にとって、決定版のような髪型で、当分変更する予定はなかったのだが、それが危うくなってきた。
こやつのせいである。

最近TVでよく見かけるお笑い芸人。
見ていて面白いというよりは、困惑させるタイプの芸風で、どっちかというとキライである。
それなのに、この人の髪型、私に似てるんじゃないか、と、つい思ってしまった。
家事に仕事に、髪を振り乱している時など、ハッと気づくと似たような感じになっている。
イヤだなあ、と思いつつ、若い同僚のキクチさんにこぼしてしまった。
なんか髪型がさー ナガノみたいだなーって…
えー?ナガノ~? あっ…… そんなことナイですよ~!全然違いますから~!
優しいキクチさんは一所懸命打ち消してくれたが、ほんの一瞬の間と
あっ……
を、私の耳は聞き逃さなかった。
もうすぐ美容院に行く時期である。このさい思い切ったイメチェンをすべきか、悩んでいる。

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あぶない話。
スイカといえば思い出す。
30年近く前、OLの私は、お休みを取って香港にいた。
今とは逆に、日本人が香港でブランド物など爆買いしていた時代であるが、今も昔もビンボーな私は、セレブなショップや、高級グルメとは無縁。
コンビニはまだ無かったので、横町の食品店で、果物やお菓子などをよく買った。
そこはウナギの寝床みたいな間口の狭い、細長い店で、入り口では、スイカなどの果物を切って食べさせてくれる。
奥に入ると見慣れないラーメンや缶詰が天井までギッチリ陳列され、なかなか壮観である。
その日も店の奥で、お菓子のパッケージを凝視し、バニラか、チョコか思案していると、店先が騒がしい。
果物コーナーにいる店のオヤジに、地回りのヤクザらしき男が絡んでいる。
言葉が分からないから、ホントにそうかどうかは分からないが、香港映画に出てくる、絵に描いたようなチンピラである。
ニヤニヤしながら何か言いかけたが、小声で言い返したオヤジの返事が気に食わなかったのか、にわかに大声でわめきだした。
これはえらいことになった。うっかり巻き添えでも食ったら、と、恐ろしくて身がすくむ。隠れたくても小さな店だ。
絶体絶命、と思った時。
オヤジが、まな板の上の包丁を取り、無言で振り上げた。
スイカを切る、刃渡り40センチくらいのデカい包丁だ。
驚いたチンピラは何かわめきながら飛び上がる。
そのまま店の外に逃げたチンピラを、包丁を持ったオヤジは大変な勢いで追いかけていった。
無人になった店のまな板の上で、切りかけのスイカが、シーソーのように揺れていた。

(実際スイカ切り包丁の刃渡りは35センチ内外)

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30年近く前、OLの私は、お休みを取って香港にいた。
今とは逆に、日本人が香港でブランド物など爆買いしていた時代であるが、今も昔もビンボーな私は、セレブなショップや、高級グルメとは無縁。
コンビニはまだ無かったので、横町の食品店で、果物やお菓子などをよく買った。
そこはウナギの寝床みたいな間口の狭い、細長い店で、入り口では、スイカなどの果物を切って食べさせてくれる。
奥に入ると見慣れないラーメンや缶詰が天井までギッチリ陳列され、なかなか壮観である。
その日も店の奥で、お菓子のパッケージを凝視し、バニラか、チョコか思案していると、店先が騒がしい。
果物コーナーにいる店のオヤジに、地回りのヤクザらしき男が絡んでいる。
言葉が分からないから、ホントにそうかどうかは分からないが、香港映画に出てくる、絵に描いたようなチンピラである。
ニヤニヤしながら何か言いかけたが、小声で言い返したオヤジの返事が気に食わなかったのか、にわかに大声でわめきだした。
これはえらいことになった。うっかり巻き添えでも食ったら、と、恐ろしくて身がすくむ。隠れたくても小さな店だ。
絶体絶命、と思った時。
オヤジが、まな板の上の包丁を取り、無言で振り上げた。
スイカを切る、刃渡り40センチくらいのデカい包丁だ。
驚いたチンピラは何かわめきながら飛び上がる。
そのまま店の外に逃げたチンピラを、包丁を持ったオヤジは大変な勢いで追いかけていった。
無人になった店のまな板の上で、切りかけのスイカが、シーソーのように揺れていた。

(実際スイカ切り包丁の刃渡りは35センチ内外)

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すいかの話。
じりじりと炎天。
梅雨の晴れ間なのか、それとも梅雨なんかもう明けちゃったのだろうか。
晴れでも梅雨でも、行かなければならない時は行かねばならない。やむを得ず歩く。
向こうから買い物帰りらしい女の人がやってきた。両手に大きなレジ袋を提げ、おでこに汗をいっぱいかいている。
重そうな袋の片方は、どうやらスイカらしい。

スイカって、すごく良いデザインだ。
まず農作物にあるまじき、緑と黒のハデなシマシマ模様の外観。
ところが中身は反対色の真っ赤っかで、おまけに種がポチポチと水玉模様を作っている。
日頃当たり前に見ているが、こんな面白い取り合わせ、他にない。
だからというわけじゃないけど、スイカを提げていると、みんないい人に見える。
メロンみたいに高級感がなく、メロンほど有難がられないのに、メロンよりずっと重いスイカ。
そんなスイカを、暑い中わざわざ提げてくる人なんて、いい人に決まってる。
女の人は顔をスイカほど赤くして、どんどん歩いて行く。きっと、スイカを喜んでくれる人が、彼女を待っているのだろう。
彼女の後姿を振り返りながら、今年も夏が来た、と思った。

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梅雨の晴れ間なのか、それとも梅雨なんかもう明けちゃったのだろうか。
晴れでも梅雨でも、行かなければならない時は行かねばならない。やむを得ず歩く。
向こうから買い物帰りらしい女の人がやってきた。両手に大きなレジ袋を提げ、おでこに汗をいっぱいかいている。
重そうな袋の片方は、どうやらスイカらしい。

スイカって、すごく良いデザインだ。
まず農作物にあるまじき、緑と黒のハデなシマシマ模様の外観。
ところが中身は反対色の真っ赤っかで、おまけに種がポチポチと水玉模様を作っている。
日頃当たり前に見ているが、こんな面白い取り合わせ、他にない。
だからというわけじゃないけど、スイカを提げていると、みんないい人に見える。
メロンみたいに高級感がなく、メロンほど有難がられないのに、メロンよりずっと重いスイカ。
そんなスイカを、暑い中わざわざ提げてくる人なんて、いい人に決まってる。
女の人は顔をスイカほど赤くして、どんどん歩いて行く。きっと、スイカを喜んでくれる人が、彼女を待っているのだろう。
彼女の後姿を振り返りながら、今年も夏が来た、と思った。

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