おかがみ話。
今日は鏡開き。
今はお鏡餅もパックだから、かたいお餅をトンカチで割っているお宅は少数であろう。
かくいう私は鏡開きをしたことがないが、50代という年齢を考えると、これは少数派ではないかと思う。
私が子供の頃は、パック入りのお餅もなく、年末に買ったお鏡餅は、今ごろにはガビガビに乾き、カビなども生えているのがふつうだった。
しかし、わが家の鏡餅に限っては、カビや乾燥の心配はない。
なぜならば、実家の床の間に飾られているのは、樹脂で作ったお餅の模型だからである。
私がモノゴコロついたころからだから、40年以上前に、うちではお鏡のレプリカを導入したことになる。
こういうものを買うのはもちろん、わが母おばーちゃん。
いいでしょう!カビも生えないし、何年も使えるし!
おばーちゃんは鼻高々だが、不思議に同じものをよそで見たことがない。
ガラスやチリメン細工のお鏡餅の飾りなら、何度か見たことがあるが、そういうものではない。
実家のは非常にリアルで、片栗粉などはたけば、形といい、表面の感触や色といい、まるきりホンモノのお餅なのである。
私も結婚して一家を構えた時、同じようなものが欲しくてずいぶん探したが、見つからなかった。
今でこそ、食品サンプルとかスイーツデコとか、食べ物ソックリの雑貨は珍しくないが、40年も前に、よくぞあんな商品があったものだ。
また、それを買ったおばーちゃんもたいしたもんだと思う。
レプリカをていねいに洗って片栗粉を落とし、箱にしまうのが、わが家伝統の鏡開きである。


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今はお鏡餅もパックだから、かたいお餅をトンカチで割っているお宅は少数であろう。
かくいう私は鏡開きをしたことがないが、50代という年齢を考えると、これは少数派ではないかと思う。
私が子供の頃は、パック入りのお餅もなく、年末に買ったお鏡餅は、今ごろにはガビガビに乾き、カビなども生えているのがふつうだった。
しかし、わが家の鏡餅に限っては、カビや乾燥の心配はない。
なぜならば、実家の床の間に飾られているのは、樹脂で作ったお餅の模型だからである。
私がモノゴコロついたころからだから、40年以上前に、うちではお鏡のレプリカを導入したことになる。
こういうものを買うのはもちろん、わが母おばーちゃん。
いいでしょう!カビも生えないし、何年も使えるし!
おばーちゃんは鼻高々だが、不思議に同じものをよそで見たことがない。
ガラスやチリメン細工のお鏡餅の飾りなら、何度か見たことがあるが、そういうものではない。
実家のは非常にリアルで、片栗粉などはたけば、形といい、表面の感触や色といい、まるきりホンモノのお餅なのである。
私も結婚して一家を構えた時、同じようなものが欲しくてずいぶん探したが、見つからなかった。
今でこそ、食品サンプルとかスイーツデコとか、食べ物ソックリの雑貨は珍しくないが、40年も前に、よくぞあんな商品があったものだ。
また、それを買ったおばーちゃんもたいしたもんだと思う。
レプリカをていねいに洗って片栗粉を落とし、箱にしまうのが、わが家伝統の鏡開きである。


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かにたべ話。
ダンナの転勤で遠くに住んでるイモートは、遊びに行ったり、珍しいことがあると写メをくれる。
理系の彼女のメールは、コメントは最小限で、タイトルに
✉ドコソコ行ったよ~!
✉ナニナニ見たよ~!
などとだけ書いてあるので、私の返事もテキトーで
Re: ヨカッタね~
Re: キレイだね~
タイトルだけ入れて本文はブランク、そんなもんで済ましている。
昨日は家族で外食に出かけたらしく
✉カニ食べに来たよ~!
という写メが来た。
お店の暖簾の前で、イモートと娘のメイちゃんが両手でVサインのカニカニポーズをしている。
それはともかく、その写真にシンジラレナイものを見た私は、通例を破り、長文の返信をした。
Re:カニ食べに来たよ~
その店のノレン、も一回写メして!
イモートから折り返してきた写メを見て、私の見たものは目の錯覚ではない、とわかった。
✉大丈夫?
厨房でストライキはじまってない?
と、返信したが、イモートからは
Re:???
という返事しか来なかった。
暖簾に書かれた、店の名前は「蟹工船」。
乗組員、いや従業員の勤務状況が心配になる店名である。
イモートは、カニは好きだがプロレタリア文学には疎いようだ。


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理系の彼女のメールは、コメントは最小限で、タイトルに
✉ドコソコ行ったよ~!
✉ナニナニ見たよ~!
などとだけ書いてあるので、私の返事もテキトーで
Re: ヨカッタね~
Re: キレイだね~
タイトルだけ入れて本文はブランク、そんなもんで済ましている。
昨日は家族で外食に出かけたらしく
✉カニ食べに来たよ~!
という写メが来た。
お店の暖簾の前で、イモートと娘のメイちゃんが両手でVサインのカニカニポーズをしている。
それはともかく、その写真にシンジラレナイものを見た私は、通例を破り、長文の返信をした。
Re:カニ食べに来たよ~
その店のノレン、も一回写メして!
イモートから折り返してきた写メを見て、私の見たものは目の錯覚ではない、とわかった。
✉大丈夫?
厨房でストライキはじまってない?
と、返信したが、イモートからは
Re:???
という返事しか来なかった。
暖簾に書かれた、店の名前は「蟹工船」。
乗組員、いや従業員の勤務状況が心配になる店名である。
イモートは、カニは好きだがプロレタリア文学には疎いようだ。


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しきてん話。
今日は成人の日。
各地で行われている成人式のニュース映像を見ていて、ふと気になり、イモートに電話してみた。
ねーねー、アンタ成人式って出た?
なに突然?出てないヨ
エー、なんで?
だって試験期間中だったしサ… って、おねーちゃん自分も出てないじゃん
そうなのだ。
考えてみると、うちの身内には、成人式に出たことのある人間がいない。
自分の成人式の日は、家で寝ていた。(→ せいじん話。)
ムスメも式には出ず、後日、振袖を着せて写真だけ撮った。
イモートも前述のとおりだし、ついでに言えば大学の同級生であるイモートのダンナも
確か 一緒に試験勉強してたと思う…
ということである。
成人式が行われる市の施設の傍を通ったことはあっても、中で何をやっているのか、わが一族は誰一人知らないのだ。
一族で次に成人を迎えるのは、高3のムスコだが、なんとなく打診してみたところ
行かねえ… どーせ ツレも行かねえし…
と、望み薄。
全国的規模で行われる国民行事にまったくご縁がないとは、なんだか取り残された気もする。
もしも我々一族の知らぬ間に、重要な何かがなされていたら、と、にわかに心細くなった。

(じゃあ来てくださいよ 我々もお待ちしてますよ)

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各地で行われている成人式のニュース映像を見ていて、ふと気になり、イモートに電話してみた。
ねーねー、アンタ成人式って出た?
なに突然?出てないヨ
エー、なんで?
だって試験期間中だったしサ… って、おねーちゃん自分も出てないじゃん
そうなのだ。
考えてみると、うちの身内には、成人式に出たことのある人間がいない。
自分の成人式の日は、家で寝ていた。(→ せいじん話。)
ムスメも式には出ず、後日、振袖を着せて写真だけ撮った。
イモートも前述のとおりだし、ついでに言えば大学の同級生であるイモートのダンナも
確か 一緒に試験勉強してたと思う…
ということである。
成人式が行われる市の施設の傍を通ったことはあっても、中で何をやっているのか、わが一族は誰一人知らないのだ。
一族で次に成人を迎えるのは、高3のムスコだが、なんとなく打診してみたところ
行かねえ… どーせ ツレも行かねえし…
と、望み薄。
全国的規模で行われる国民行事にまったくご縁がないとは、なんだか取り残された気もする。
もしも我々一族の知らぬ間に、重要な何かがなされていたら、と、にわかに心細くなった。

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へいせい話。
その日は第1土曜日だった。
当時、私の職場は完全週休2日ではなく、金融機関にならって、第2・第3土曜日だけが休み。
バタバタと慌てて起きて、いつものように出勤したら、いつもは昼休みしか点かないテレビが点いていた。
私は見なかったが、早朝にそのニュースがあったのだという。
平常通りの仕事をし、来客に応対しつつ、皆が時々点けっぱなしのテレビに目をやっている。
土曜日だからふだんなら半ドンなのだが、今日は帰宅する者はいない。
やがて、待っていたニュースが画面に流れた。

新元号「平成」が発表されるなり、社内は上を下への大騒動になった。
午前中から打ち合わせの通り、社内いっせいに作業開始だ。
各種伝票・用紙の日付欄にある「昭和」を「平成」に訂正する作業である。
本社からは、取り急ぎゴム印を、追って新しい書式を支給するとの通達があったが、週明けから使う書類には間に合わない。その分を手書きで訂正するのである。
「昭和」とある所のすべてに「平成」を書き加え、「昭和」のほうは2重線で消す。

あらゆる手続きが、ことごとく書面で行われる時代だったから、その枚数は尋常ではない。
役職者もヒラも関係なく、全員がボールペンを持ち、紙の束に立ち向かった。
平成、平成、平成…
いったい何回書いただろうか。
平成という字が視界の中でばらけ始め、別のものに見えかけた時、隣席の同僚がけたたましく笑いだした。
どうしたの、と彼女の手元を見たら、平成・昭和と併記した、平成のほうが2重線で消されている。
次長がもうそろそろいいでしょう、と声をかけて、その日の残業は終わった。
明けて1月8日は日曜日。
28年前の今日、平成という新しい時代がはじまったのだ。

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当時、私の職場は完全週休2日ではなく、金融機関にならって、第2・第3土曜日だけが休み。
バタバタと慌てて起きて、いつものように出勤したら、いつもは昼休みしか点かないテレビが点いていた。
私は見なかったが、早朝にそのニュースがあったのだという。
平常通りの仕事をし、来客に応対しつつ、皆が時々点けっぱなしのテレビに目をやっている。
土曜日だからふだんなら半ドンなのだが、今日は帰宅する者はいない。
やがて、待っていたニュースが画面に流れた。

新元号「平成」が発表されるなり、社内は上を下への大騒動になった。
午前中から打ち合わせの通り、社内いっせいに作業開始だ。
各種伝票・用紙の日付欄にある「昭和」を「平成」に訂正する作業である。
本社からは、取り急ぎゴム印を、追って新しい書式を支給するとの通達があったが、週明けから使う書類には間に合わない。その分を手書きで訂正するのである。
「昭和」とある所のすべてに「平成」を書き加え、「昭和」のほうは2重線で消す。

あらゆる手続きが、ことごとく書面で行われる時代だったから、その枚数は尋常ではない。
役職者もヒラも関係なく、全員がボールペンを持ち、紙の束に立ち向かった。
平成、平成、平成…
いったい何回書いただろうか。
平成という字が視界の中でばらけ始め、別のものに見えかけた時、隣席の同僚がけたたましく笑いだした。
どうしたの、と彼女の手元を見たら、平成・昭和と併記した、平成のほうが2重線で消されている。
次長がもうそろそろいいでしょう、と声をかけて、その日の残業は終わった。
明けて1月8日は日曜日。
28年前の今日、平成という新しい時代がはじまったのだ。

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あかあお話。
♪ぴんぽーん♪
ちょうど夕飯が済んだころ、自治会費の集金がきた。
今年のうちの棟の役員さんは若いお母さんで、小さい女の子を2人、連れている。
5歳くらいのおねえちゃんは、フワフワした水色のフリースを、よく似た年子の妹ちゃんは色違いのピンクを着て、とってもかわいい。
おねえちゃんが青で、妹ちゃんがピンクかあ。そう思った時、心のどこかが小さくちくんと痛んだ。
私とイモートは2つ違いの姉妹である。
体格もそう違わないし、お下がりできるほど年も離れていないので、なんでもお揃いで、姉妹でいっぺんに調達されてしまうことが多かった。
私たちが子供の頃は、着るものも持ち物も、今のように多様な選択肢がなかったが、きょうだいでお揃いの場合、色は変えないと見分けがつかず、いろいろと不便である。
そして、2種類ある場合、年少のイモートのほうに、よりカワイイほうが当たる。
赤と青なら赤。赤とピンクならピンクが、イモートのものになるのである。
逆に、おねえちゃんである私に支給されるのは、常にかわいくないほう。
いつでも青い服、青いバッグが、私のだった。
時たま赤いのがもらえて喜んでいると、イモートはもっとカワイイ、ピンクを持っている。
今思えばずいぶんと不公平な話だが、
おねえちゃんだからね
と言われて、諦めていた気がする。
お財布と一緒に、チョコレートをひとつかみポッケに入れ、玄関に出た。
3か月分の自治会費を支払った後、ちいさい2人に手のひらを出させて、妹ちゃんに2つ、おねえちゃんには3つ、チョコレートをのせてやる。
おねえちゃんだからね
数の違いにすぐ気づいた妹ちゃんに、念を押した。
そう、たまには、おねえちゃんだから優遇されることだってないと、ね、おねえちゃん。

(この中で姉妹に適当な色をそれぞれ選びましょう)

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ちょうど夕飯が済んだころ、自治会費の集金がきた。
今年のうちの棟の役員さんは若いお母さんで、小さい女の子を2人、連れている。
5歳くらいのおねえちゃんは、フワフワした水色のフリースを、よく似た年子の妹ちゃんは色違いのピンクを着て、とってもかわいい。
おねえちゃんが青で、妹ちゃんがピンクかあ。そう思った時、心のどこかが小さくちくんと痛んだ。
私とイモートは2つ違いの姉妹である。
体格もそう違わないし、お下がりできるほど年も離れていないので、なんでもお揃いで、姉妹でいっぺんに調達されてしまうことが多かった。
私たちが子供の頃は、着るものも持ち物も、今のように多様な選択肢がなかったが、きょうだいでお揃いの場合、色は変えないと見分けがつかず、いろいろと不便である。
そして、2種類ある場合、年少のイモートのほうに、よりカワイイほうが当たる。
赤と青なら赤。赤とピンクならピンクが、イモートのものになるのである。
逆に、おねえちゃんである私に支給されるのは、常にかわいくないほう。
いつでも青い服、青いバッグが、私のだった。
時たま赤いのがもらえて喜んでいると、イモートはもっとカワイイ、ピンクを持っている。
今思えばずいぶんと不公平な話だが、
おねえちゃんだからね
と言われて、諦めていた気がする。
お財布と一緒に、チョコレートをひとつかみポッケに入れ、玄関に出た。
3か月分の自治会費を支払った後、ちいさい2人に手のひらを出させて、妹ちゃんに2つ、おねえちゃんには3つ、チョコレートをのせてやる。
おねえちゃんだからね
数の違いにすぐ気づいた妹ちゃんに、念を押した。
そう、たまには、おねえちゃんだから優遇されることだってないと、ね、おねえちゃん。

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いまいち話。
地元の商業ビルがリニューアルしたというので、見物に行く。
何を買うでもなくブラブラしていたら、広告でも見た新しいパンケーキの店の前に出た。
オシャレな店内は満席で、5、6人が外の椅子に掛けて待っている状態。
さいわい腹ペコでもなく、満腹でもなく、待つのにはちょうどいい加減なので、並んでみることにした。
20分ほど待って、私の番になる。
食事を済ませて出て行く先客とすれ違ったが、なぜか心なし首をかしげているように見えた。
てっきり女子がキャーキャー騒いでいるかと思いきや、店内は案外静かだ。
落ち着いているといえばそうなんだが、なんだかヘンな感じ。
メニューのなかの1つを注文し、紅茶を飲みながら待つうちに、ヘンな感じはさらに膨らんでいった。
隣の2人連れの前に、とりどりにトッピングしたお皿が並び、待ちかねたように食べはじめる。
きゃー、オイシイ!
わー、フワフワ!
そんな歓声を期待したが
…… ……
2人は、なんとなく小さくうなずきあいながら、黙々と食べ進む。
なんなんだろう、この静けさ。どんよりした雰囲気。
新店にありがちな、客も店員もはじめてで、キャッキャとはしゃいでる感じ、それがない。
やがて私の前にもパンケーキのお皿が差し出された。フォークとナイフを取ってひとくち。
……
うーん、なんだろう、マズくはない。別にマズくないんだ。
ぜんぜんマズくないんだけど、なんだろう、普通?
なんでこんなもん食べてんだろ私?食べててなにか釈然としない。
食べ終わってもなお釈然とせぬまま、安からぬ支払いを済ませ、首をかしげて店から出た。
レジの後ろに段ボールが積まれて、ほかほかパンケーキを焼いてるはずなのに、フシギに寒い店だった。
外にはまだ、10人近い人が並んでいる。
こんなのよりたい焼きかなんか食べに行けば、と忠告してあげたかったが、我慢した。

(見た目はとてもおいしそう)

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何を買うでもなくブラブラしていたら、広告でも見た新しいパンケーキの店の前に出た。
オシャレな店内は満席で、5、6人が外の椅子に掛けて待っている状態。
さいわい腹ペコでもなく、満腹でもなく、待つのにはちょうどいい加減なので、並んでみることにした。
20分ほど待って、私の番になる。
食事を済ませて出て行く先客とすれ違ったが、なぜか心なし首をかしげているように見えた。
てっきり女子がキャーキャー騒いでいるかと思いきや、店内は案外静かだ。
落ち着いているといえばそうなんだが、なんだかヘンな感じ。
メニューのなかの1つを注文し、紅茶を飲みながら待つうちに、ヘンな感じはさらに膨らんでいった。
隣の2人連れの前に、とりどりにトッピングしたお皿が並び、待ちかねたように食べはじめる。
きゃー、オイシイ!
わー、フワフワ!
そんな歓声を期待したが
…… ……
2人は、なんとなく小さくうなずきあいながら、黙々と食べ進む。
なんなんだろう、この静けさ。どんよりした雰囲気。
新店にありがちな、客も店員もはじめてで、キャッキャとはしゃいでる感じ、それがない。
やがて私の前にもパンケーキのお皿が差し出された。フォークとナイフを取ってひとくち。
……
うーん、なんだろう、マズくはない。別にマズくないんだ。
ぜんぜんマズくないんだけど、なんだろう、普通?
なんでこんなもん食べてんだろ私?食べててなにか釈然としない。
食べ終わってもなお釈然とせぬまま、安からぬ支払いを済ませ、首をかしげて店から出た。
レジの後ろに段ボールが積まれて、ほかほかパンケーキを焼いてるはずなのに、フシギに寒い店だった。
外にはまだ、10人近い人が並んでいる。
こんなのよりたい焼きかなんか食べに行けば、と忠告してあげたかったが、我慢した。

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はではで話。
春財布の縁起を担いで、年初にはサイフを取り換える。
私とイモートは毎年、母に買ってもらう(→ さいふの話。)のだが、彼女の選ぶサイフは赤だのラメだの、なかなかにハデである。
もらい物にケチをつけるのは品がないので、黙って使っていたが、
おかーさんのサイフの趣味はハデだねえ!
と、遠慮がちに言ってみた。ところが、かえってきた返事は意外なものだった。
黒や茶色じゃ見つかんないでしょ カバンの中で…
聞けばおばーちゃんは敢えてハデなのを探している、というではないか。
私は、でっかいカバンを区分けしないで、なんでもかんでもぶっこんでいるのだが、そういえば、自分で買ったシックな黒の名刺入れは、出すたびに上を下への大騒ぎになる。
しかし、カバンをのぞけば目に飛び込んでくる、ハデなサイフは、出すのに手間取ることがない。
決してただのハデ好きではなかったのである。
ナルホドそんな意味が!と、いつもエバっている(と、おばーちゃんは思っている)私が、めずらしく感心したものだから、おばーちゃんは得意げである。
いくつになっても、年長者に学ぶことは大切だ。
ぼろっちくなった定期入れを買い替える予定だが、おばーちゃんの知恵に学び、なるたけハデなのにしよう、と心に決めた私である。

(母の知恵に学んだ結果、選んだパスケース)

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私とイモートは毎年、母に買ってもらう(→ さいふの話。)のだが、彼女の選ぶサイフは赤だのラメだの、なかなかにハデである。
もらい物にケチをつけるのは品がないので、黙って使っていたが、
おかーさんのサイフの趣味はハデだねえ!
と、遠慮がちに言ってみた。ところが、かえってきた返事は意外なものだった。
黒や茶色じゃ見つかんないでしょ カバンの中で…
聞けばおばーちゃんは敢えてハデなのを探している、というではないか。
私は、でっかいカバンを区分けしないで、なんでもかんでもぶっこんでいるのだが、そういえば、自分で買ったシックな黒の名刺入れは、出すたびに上を下への大騒ぎになる。
しかし、カバンをのぞけば目に飛び込んでくる、ハデなサイフは、出すのに手間取ることがない。
決してただのハデ好きではなかったのである。
ナルホドそんな意味が!と、いつもエバっている(と、おばーちゃんは思っている)私が、めずらしく感心したものだから、おばーちゃんは得意げである。
いくつになっても、年長者に学ぶことは大切だ。
ぼろっちくなった定期入れを買い替える予定だが、おばーちゃんの知恵に学び、なるたけハデなのにしよう、と心に決めた私である。

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さいふの話。
春財布、ってご存知だろうか。
春におサイフを取り換えるのは、張るサイフ、つまりお金が入ってぽんぽんに膨らむ、という意味で、縁起が良いらしい。
買い物好きなおばーちゃんは毎年、新春セールでサイフを3つ買ってきては、1つは自分の、私とイモートに1つずつくれる。
母から大人になった娘たちへの、お年玉代わりの春財布である。
年末に、イモート一家が帰省してきたとき、一緒に買い物に行った。
私がレジでサイフを出すと、姪っ子のメイちゃんがなぜか、ギョッと驚く顔になった。
お金を出して支払をし、お釣りをしまっている間じゅう、手元をマジマジと見るので、どうしたの?と聞くと
ナンデモナイ…
と、返事はしたものの、何やらずっと浮かない表情をしている。
次の店ではイモートが買い物をして、サイフを出した。するとメイちゃん、今度はイモートのサイフをじーっと見ている。
ははーん、わかったぞ。
メイちゃん、オバチャンがママのサイフで買い物したと思ったでしょう!ほらコレ!
私のサイフを出し、イモートのと並べて見せる。どっちも去年おばーちゃんにもらった、同じものなのだ。
自分のお母さんのサイフから、伯母さんがお金を出していたら、そりゃあ心配にもなるだろう。
メイが大人になったら、ママが春財布買ってあげるね
ホッとした様子のメイちゃんに向かって、イモートが言っている。
そういえば、うちのムスメも、春からは社会人。
サイフ買ってやろうかな、と、ふと思った。

(おかーさん、今年はイモートとは色違いにしてね)

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春におサイフを取り換えるのは、張るサイフ、つまりお金が入ってぽんぽんに膨らむ、という意味で、縁起が良いらしい。
買い物好きなおばーちゃんは毎年、新春セールでサイフを3つ買ってきては、1つは自分の、私とイモートに1つずつくれる。
母から大人になった娘たちへの、お年玉代わりの春財布である。
年末に、イモート一家が帰省してきたとき、一緒に買い物に行った。
私がレジでサイフを出すと、姪っ子のメイちゃんがなぜか、ギョッと驚く顔になった。
お金を出して支払をし、お釣りをしまっている間じゅう、手元をマジマジと見るので、どうしたの?と聞くと
ナンデモナイ…
と、返事はしたものの、何やらずっと浮かない表情をしている。
次の店ではイモートが買い物をして、サイフを出した。するとメイちゃん、今度はイモートのサイフをじーっと見ている。
ははーん、わかったぞ。
メイちゃん、オバチャンがママのサイフで買い物したと思ったでしょう!ほらコレ!
私のサイフを出し、イモートのと並べて見せる。どっちも去年おばーちゃんにもらった、同じものなのだ。
自分のお母さんのサイフから、伯母さんがお金を出していたら、そりゃあ心配にもなるだろう。
メイが大人になったら、ママが春財布買ってあげるね
ホッとした様子のメイちゃんに向かって、イモートが言っている。
そういえば、うちのムスメも、春からは社会人。
サイフ買ってやろうかな、と、ふと思った。

(おかーさん、今年はイモートとは色違いにしてね)

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すぺしゃる話。
テレビを点けたら、正月特番でつぶされて、いつも見ている番組がやってないので、ムッとする。
特番といったって出てる人間が多いだけで、とくに面白くはないのだ。
だいたい、2時間、3時間と長いばかりのスペシャル番組を、喜んで見ている人なんているんだろうか。
テレビ番組の価値は、密度で測るべきだ、と常々私は考えている。
いつも1時間の番組を単純に2時間に引き延ばせば、密度は半分に減る。
かりに出演者の数が倍だとしても、放映時間が3倍ならば、計算上、密度は3分の2に薄まる。
いつもより密度濃くなればこそ、特別番組といえるのであって、薄めておいてスペシャルとは片腹痛い。
そもそも、目先を変えれば誰でも喜ぶ、と思うのが大きな間違いである。
テレビ番組というのは、同じことを同じ時間にやってるのが値打ちなのだ。
いつもの時間に、いつものチャンネルを点けたら、いつもの番組をやっている。
それがテレビのいいところなのに。
テレビの人が年末年始サボりたいなら、スペシャルなどとありがたそうに、薄めた番組で時間を埋めるのはやめて、過去の番組を再放送してくれればそれでいい。
そう思う人は、案外多いんじゃないかと思う。

(スタバベアリスタ酉年スペシャルは鳥に見えない)

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特番といったって出てる人間が多いだけで、とくに面白くはないのだ。
だいたい、2時間、3時間と長いばかりのスペシャル番組を、喜んで見ている人なんているんだろうか。
テレビ番組の価値は、密度で測るべきだ、と常々私は考えている。
いつも1時間の番組を単純に2時間に引き延ばせば、密度は半分に減る。
かりに出演者の数が倍だとしても、放映時間が3倍ならば、計算上、密度は3分の2に薄まる。
いつもより密度濃くなればこそ、特別番組といえるのであって、薄めておいてスペシャルとは片腹痛い。
そもそも、目先を変えれば誰でも喜ぶ、と思うのが大きな間違いである。
テレビ番組というのは、同じことを同じ時間にやってるのが値打ちなのだ。
いつもの時間に、いつものチャンネルを点けたら、いつもの番組をやっている。
それがテレビのいいところなのに。
テレビの人が年末年始サボりたいなら、スペシャルなどとありがたそうに、薄めた番組で時間を埋めるのはやめて、過去の番組を再放送してくれればそれでいい。
そう思う人は、案外多いんじゃないかと思う。

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ごっこの話。
子供の頃の年賀状は出す枚数も知れていたし、字も絵も手書きだった。
少し大きくなると、イモ版、ゴム版で、干支やカガミモチ、コマや羽子板なんかを彫った。仲良しの友だちとは、ミカンの汁のあぶり出しで秘密のメッセージを交換した
なんといっても最大の技術革新はプリントゴッコだろう。
版画ではなく、印刷する、という感覚が新鮮で、いろいろと凝った作品を作ったものだ。
1版で多色刷りが可能なのが画期的な点であるが、あえて版を分けるのが美しく仕上げるコツである。
子供が小学生のころは、干支を描かせて原版にした。中学に上がってからは、家族みんなでデザインを考え、コンペをやって、多数決で案を決めた。
たぶん私は、もっとも遅くまでプリントゴッコを使っていた人間の1人だと思う。
皆さんパソコンとプリンタで年賀状をお作りになるようになってからも、ずっとチマチマ版を作り、ピカッ!と感光ランプを焚いて、ねたねたするインクと格闘していた。
しかし時代の流れには勝てず、ついにプリントゴッコ本体の生産が終了し、続いてインクなど消耗品も買えなくなった。
買い置きのある間は頑張っていたが、ついにピカッ!と光るランプがなくなった。
次に、薄い水色の、透けるスクリーンがなくなった。
オークションなどで探せば買えることは分かったが、とんでもない高値で手が出ない。
泣く泣くあきらめ、本体も、残ったインクのチューブも処分して、今日に至る。
♪ぷっぷっぷぷぷぷぷ ぷりんと ご~っこ♪
トコロジョージの陽気な歌声を思い出すたび、すこし物悲しい気分になる。


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少し大きくなると、イモ版、ゴム版で、干支やカガミモチ、コマや羽子板なんかを彫った。仲良しの友だちとは、ミカンの汁のあぶり出しで秘密のメッセージを交換した
なんといっても最大の技術革新はプリントゴッコだろう。
版画ではなく、印刷する、という感覚が新鮮で、いろいろと凝った作品を作ったものだ。
1版で多色刷りが可能なのが画期的な点であるが、あえて版を分けるのが美しく仕上げるコツである。
子供が小学生のころは、干支を描かせて原版にした。中学に上がってからは、家族みんなでデザインを考え、コンペをやって、多数決で案を決めた。
たぶん私は、もっとも遅くまでプリントゴッコを使っていた人間の1人だと思う。
皆さんパソコンとプリンタで年賀状をお作りになるようになってからも、ずっとチマチマ版を作り、ピカッ!と感光ランプを焚いて、ねたねたするインクと格闘していた。
しかし時代の流れには勝てず、ついにプリントゴッコ本体の生産が終了し、続いてインクなど消耗品も買えなくなった。
買い置きのある間は頑張っていたが、ついにピカッ!と光るランプがなくなった。
次に、薄い水色の、透けるスクリーンがなくなった。
オークションなどで探せば買えることは分かったが、とんでもない高値で手が出ない。
泣く泣くあきらめ、本体も、残ったインクのチューブも処分して、今日に至る。
♪ぷっぷっぷぷぷぷぷ ぷりんと ご~っこ♪
トコロジョージの陽気な歌声を思い出すたび、すこし物悲しい気分になる。


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