ぱらぱら話。
自転車のカギを持って玄関を出たら、頬にポツリ、と雨粒。
あらら、どうしようかな。見上げれば、空にはほんのひとかたまり雲があるだけで、あとは明るい薄青がひろがっている。
これなら大丈夫だろう、と自転車置き場に向かう。
ところが、わが愛機白鹿号に近寄るやいなや、パラパラパラ…と強い雨音が耳をついた。
ありゃ、けっこう降ってきたじゃん。
自転車はあきらめ、カサをさしてバスで行くことにした。
家に引き返してカギを置き、カサを持って玄関を出ると、さっきより空が明るくなっている。
なんだこれなら大丈夫じゃん、と、慌ててまた引き返し、カサとカギを持ち替えて小走りで自転車置き場に入ると、またパラパラパラ…と雨音が強まる。
ぬぬぬ…やはり雨か。
やむなくまた家に戻り、またしてもカギとカサを持ち替えた。
玄関を出るのも3度目だ。
カサをさして10歩歩いたところで、はやくも日が射してきたが、なんぼ気の長い私でも、1度に3回も引き返すのはイヤである。
あんのじょう、バスに乗っているうちにカンカン照りになった。
そのあと、一滴の雨も降らないのに、持ち歩くカサの邪魔なことといったら。
こういうことは、誰に文句を言えばいいのだろう。

(♪ぱらぱら落ちる 雨よ 雨よ ぱらぱらぱらと…♬)

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あらら、どうしようかな。見上げれば、空にはほんのひとかたまり雲があるだけで、あとは明るい薄青がひろがっている。
これなら大丈夫だろう、と自転車置き場に向かう。
ところが、わが愛機白鹿号に近寄るやいなや、パラパラパラ…と強い雨音が耳をついた。
ありゃ、けっこう降ってきたじゃん。
自転車はあきらめ、カサをさしてバスで行くことにした。
家に引き返してカギを置き、カサを持って玄関を出ると、さっきより空が明るくなっている。
なんだこれなら大丈夫じゃん、と、慌ててまた引き返し、カサとカギを持ち替えて小走りで自転車置き場に入ると、またパラパラパラ…と雨音が強まる。
ぬぬぬ…やはり雨か。
やむなくまた家に戻り、またしてもカギとカサを持ち替えた。
玄関を出るのも3度目だ。
カサをさして10歩歩いたところで、はやくも日が射してきたが、なんぼ気の長い私でも、1度に3回も引き返すのはイヤである。
あんのじょう、バスに乗っているうちにカンカン照りになった。
そのあと、一滴の雨も降らないのに、持ち歩くカサの邪魔なことといったら。
こういうことは、誰に文句を言えばいいのだろう。

(♪ぱらぱら落ちる 雨よ 雨よ ぱらぱらぱらと…♬)

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はなびの話。
夕飯どきも過ぎたのに、妙に外が騒がしい。
ふだんならこの時間には聞こえないはずの、子供の声がする。しばらくして
どん! どんどん!
重い遠い音が聞こえた。
花火大会だ。

毎年隣県で行われるこの花火大会が、通路や階段からよく見えるのを、知ってる人は知っていて、団扇を手にしてけっこうな数、集まっていた。
こうしてたまたま見る以外、わざわざ花火を見に出かけたことはない。
そう思っていたのだが、ふと記憶をたどって、もう何十年も前の、あの日の花火を思い出した。
大学生のころ、付き合っていた彼氏は北陸出身。
夏休みに遊びに来ないかと誘われ、のこのことついていった実家には、当然ながらご両親がいた。
無口なお父さんとおとなしいお母さんには、歓迎されているのかいないのかサッパリわからないが、来てしまったものはしかたがない。東京に行った弟の部屋に泊めてもらうことになった。
彼氏の案内で近所を散策して、帰ると夕飯の時間だ。
つけ醤油の表面にさっと脂が広がるようなお刺身を、私はその時はじめて食べたのである。
美味しくてビックリしている私を、お父さんもお母さんも、ニコニコして見ていた。
お風呂をいただいてワンピースに着替え、扇風機に当たっていたら、お父さんが彼氏に言った。
今日 花火があるやろう 連れてやったらどうやぁ
そうやったのぅ 行くか?
すっかり地元のイントネーションに戻った彼氏が、のんびりと尋ねた。
お母さんのツッカケを借りて、2人でブラブラ海辺まで歩き、堤防に腰かけて待った。見物客らしい姿も見えるが、混雑とは程遠い。
いきなり、天を掛け替えたように一面の花火が広がる。
何も言えなくて、ただ変わっていく光の色を見ていた。
やがてかすかな火薬のにおいが、海風に運ばれて、暗い水面をすべってきた。
これが私の、唯一の花火大会の思い出である。

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ふだんならこの時間には聞こえないはずの、子供の声がする。しばらくして
どん! どんどん!
重い遠い音が聞こえた。
花火大会だ。

毎年隣県で行われるこの花火大会が、通路や階段からよく見えるのを、知ってる人は知っていて、団扇を手にしてけっこうな数、集まっていた。
こうしてたまたま見る以外、わざわざ花火を見に出かけたことはない。
そう思っていたのだが、ふと記憶をたどって、もう何十年も前の、あの日の花火を思い出した。
大学生のころ、付き合っていた彼氏は北陸出身。
夏休みに遊びに来ないかと誘われ、のこのことついていった実家には、当然ながらご両親がいた。
無口なお父さんとおとなしいお母さんには、歓迎されているのかいないのかサッパリわからないが、来てしまったものはしかたがない。東京に行った弟の部屋に泊めてもらうことになった。
彼氏の案内で近所を散策して、帰ると夕飯の時間だ。
つけ醤油の表面にさっと脂が広がるようなお刺身を、私はその時はじめて食べたのである。
美味しくてビックリしている私を、お父さんもお母さんも、ニコニコして見ていた。
お風呂をいただいてワンピースに着替え、扇風機に当たっていたら、お父さんが彼氏に言った。
今日 花火があるやろう 連れてやったらどうやぁ
そうやったのぅ 行くか?
すっかり地元のイントネーションに戻った彼氏が、のんびりと尋ねた。
お母さんのツッカケを借りて、2人でブラブラ海辺まで歩き、堤防に腰かけて待った。見物客らしい姿も見えるが、混雑とは程遠い。
いきなり、天を掛け替えたように一面の花火が広がる。
何も言えなくて、ただ変わっていく光の色を見ていた。
やがてかすかな火薬のにおいが、海風に運ばれて、暗い水面をすべってきた。
これが私の、唯一の花火大会の思い出である。

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じりじり話。
私の寝室の窓の外には、団地の駐車場がある。
夜は外灯が点くので、窓明かりで常夜灯が要らないのはいいのだが、この時期の悩みはセミ。
明るいので昼と勘違いしたセミどもが、夜中になってもジャージャーやかましく鳴くのだ。
しかし私は寝つきがいいので、しばらくするとうるせー!と思いつつも寝てしまう。
昨夜もそんな風に眠りに就いて、1時間、2時間、どれくらい眠ったろう。
ジリリリリリ………
警報の響きで飛び起きた。
なんだ?なにごとだ?
とるものもとりあえず火の元を確かめるが、さいわい異状なし。
どうやら音はうちではなく、外で鳴っているようだ。
おそるおそるベランダに出て、ぬるい空気をかいでみたが、焦げ臭くはない。駐車場に人影は無く、隣の棟の窓に明かりがつく様子もない。見た目は平穏そのものの夏の夜である。
ただただ警報だけが異常なやかましさで鳴り続ける。おかしいなと思いつつ身じろぎしたとき
バラバラバラ…
団扇を叩くような乾いた音がして、何かが足元から飛び立った。
ひあっ!
とっさに妙な悲鳴が出る。
警報音と思ったのは、ベランダの柵にとまったセミの鳴き声だった。
金属製の柵にセミの声が反響して、とんでもない音量になったのらしい。

昼間のセミもやかましいが、木材で音を吸収されて、なおかつあの音量である。
それが、内部が空洞の金属パイプの上で鳴いたらどんなことになるか、ご想像願いたい。
静かになった部屋に戻って考えてみれば、お隣では警報音の他に
ひあっ!
なんて正体不明の声まで聞かされたのかと思うと、申し訳なくてドッと汗が出た。

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夜は外灯が点くので、窓明かりで常夜灯が要らないのはいいのだが、この時期の悩みはセミ。
明るいので昼と勘違いしたセミどもが、夜中になってもジャージャーやかましく鳴くのだ。
しかし私は寝つきがいいので、しばらくするとうるせー!と思いつつも寝てしまう。
昨夜もそんな風に眠りに就いて、1時間、2時間、どれくらい眠ったろう。
ジリリリリリ………
警報の響きで飛び起きた。
なんだ?なにごとだ?
とるものもとりあえず火の元を確かめるが、さいわい異状なし。
どうやら音はうちではなく、外で鳴っているようだ。
おそるおそるベランダに出て、ぬるい空気をかいでみたが、焦げ臭くはない。駐車場に人影は無く、隣の棟の窓に明かりがつく様子もない。見た目は平穏そのものの夏の夜である。
ただただ警報だけが異常なやかましさで鳴り続ける。おかしいなと思いつつ身じろぎしたとき
バラバラバラ…
団扇を叩くような乾いた音がして、何かが足元から飛び立った。
ひあっ!
とっさに妙な悲鳴が出る。
警報音と思ったのは、ベランダの柵にとまったセミの鳴き声だった。
金属製の柵にセミの声が反響して、とんでもない音量になったのらしい。

昼間のセミもやかましいが、木材で音を吸収されて、なおかつあの音量である。
それが、内部が空洞の金属パイプの上で鳴いたらどんなことになるか、ご想像願いたい。
静かになった部屋に戻って考えてみれば、お隣では警報音の他に
ひあっ!
なんて正体不明の声まで聞かされたのかと思うと、申し訳なくてドッと汗が出た。

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はいたつ話。
今日は自宅に仕事の書類が届く。
先方の都合で、昼の2時から4時までの時間指定になっている。1日のこんな真ん中に自宅待機させられたのでは、終日何もできないではないか。
しかたがないので外出はあきらめ、家事を片付けることにした。
予報ではにわか雨の可能性だが、野生のカンで降らないと判断し、洗濯機を2杯回した。
続いて先月漬けた梅をビンから出し、ザルに並べる。梅の土用干しである。
梅は塩漬けさえすれば食べられるのだから、干す手間がムダな気もするが、干さずに梅干しと称するのもおかしいので、毎年マジメに干している。
晩のオカズをまとめて作ったり、そこらを掃き拭きしたり、そのうち2時が過ぎ、3時が過ぎた。
だいたいこの時間帯指定というやつ、ギリギリに来ることが多い。午前中と指定すれば、だいたい11時58分過ぎになる。
だったら最初っから11時50分から12時の時間帯指定にしとけばいいものを、午前中などと大きなことを言うから、半日ムダになる。
どうせ4時ギリギリになるだろう、とは思っていたが、それにしても遅いので、玄関を出てみると、ポストに赤い紙がはさんである。
不在配達のお知らせ

(↑このペロンと出てるところがムカつく)
なんだとお!
今の今まで、いっときたりとも不在にした覚えはないぞ!
配達時間は3時55分。例によってギリギリだ。
梅干しを取り込んでいたのか、水をジャージャー出していたのか。
それにしても、広くもない家で、宅配が来た気配すら気づかないなんてことがあるものだろうか。
気づかれないよう、気配を消してきたとしか思えない。
暑い中わざわざバイクに乗って来ておいて、そこらじゅう窓が開いた在宅丸わかりの家のドアベルを、1度鳴らして出ないからといって、尻に帆かけて逃げ帰るとはどういう料簡か。
今日という日は一体何だったのか、ヘタヘタと床にくずおれそうになった。

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先方の都合で、昼の2時から4時までの時間指定になっている。1日のこんな真ん中に自宅待機させられたのでは、終日何もできないではないか。
しかたがないので外出はあきらめ、家事を片付けることにした。
予報ではにわか雨の可能性だが、野生のカンで降らないと判断し、洗濯機を2杯回した。
続いて先月漬けた梅をビンから出し、ザルに並べる。梅の土用干しである。
梅は塩漬けさえすれば食べられるのだから、干す手間がムダな気もするが、干さずに梅干しと称するのもおかしいので、毎年マジメに干している。
晩のオカズをまとめて作ったり、そこらを掃き拭きしたり、そのうち2時が過ぎ、3時が過ぎた。
だいたいこの時間帯指定というやつ、ギリギリに来ることが多い。午前中と指定すれば、だいたい11時58分過ぎになる。
だったら最初っから11時50分から12時の時間帯指定にしとけばいいものを、午前中などと大きなことを言うから、半日ムダになる。
どうせ4時ギリギリになるだろう、とは思っていたが、それにしても遅いので、玄関を出てみると、ポストに赤い紙がはさんである。
不在配達のお知らせ

(↑このペロンと出てるところがムカつく)
なんだとお!
今の今まで、いっときたりとも不在にした覚えはないぞ!
配達時間は3時55分。例によってギリギリだ。
梅干しを取り込んでいたのか、水をジャージャー出していたのか。
それにしても、広くもない家で、宅配が来た気配すら気づかないなんてことがあるものだろうか。
気づかれないよう、気配を消してきたとしか思えない。
暑い中わざわざバイクに乗って来ておいて、そこらじゅう窓が開いた在宅丸わかりの家のドアベルを、1度鳴らして出ないからといって、尻に帆かけて逃げ帰るとはどういう料簡か。
今日という日は一体何だったのか、ヘタヘタと床にくずおれそうになった。

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まじめな話。
私は、世界で一番マジメなのは主婦ではないか、と思っている。
週一で通う水泳のクラスでも、そのマジメさは発揮される。
コーチの注意をマジメに聞き、その指示通りに泳ごうと(結果はともかく)マジメに努力する。
ウォームアップの合間に、難しい顔で手を掻いては首をかしげている人に
バタフライのフォームですか?
と聞いてみたら
うーん… 昨日見たんだけど… ナカナカね…
昨日?
そう… テレビ… 世界水泳…
テレビで見た選手のフォームを参考に、自らのフォーム改善に挑んでいるらしい。
録画して何度も見たんだけど… 難しいもんね…
念のため申し添えるが、彼女は60代後半の奥様で、週に1度、この女性健康スイミングのクラスで泳ぐだけの人だ。
それが、テレビで見たセトダイヤ選手のように泳ごうと、ガンバッている。
彼女の表情は終始真剣で、照れ笑いもふざけた様子もない。
そんなマジメさが家庭を支え、地域社会を支え、ひいては日本を支えてきたのだと思うと、厳粛な気持ちになった。


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週一で通う水泳のクラスでも、そのマジメさは発揮される。
コーチの注意をマジメに聞き、その指示通りに泳ごうと(結果はともかく)マジメに努力する。
ウォームアップの合間に、難しい顔で手を掻いては首をかしげている人に
バタフライのフォームですか?
と聞いてみたら
うーん… 昨日見たんだけど… ナカナカね…
昨日?
そう… テレビ… 世界水泳…
テレビで見た選手のフォームを参考に、自らのフォーム改善に挑んでいるらしい。
録画して何度も見たんだけど… 難しいもんね…
念のため申し添えるが、彼女は60代後半の奥様で、週に1度、この女性健康スイミングのクラスで泳ぐだけの人だ。
それが、テレビで見たセトダイヤ選手のように泳ごうと、ガンバッている。
彼女の表情は終始真剣で、照れ笑いもふざけた様子もない。
そんなマジメさが家庭を支え、地域社会を支え、ひいては日本を支えてきたのだと思うと、厳粛な気持ちになった。


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もでるの話。
買い物ギライの私にとって、生協は生命線である。
週に1度ドサッと届くカタログをくまなく吟味する作業を「宿題」と呼んで重要視している。
生鮮食品のイメージが強い生協であるが、日用雑貨や衣料の品揃えも充実している。(→ しなもの話。)
お洋服だけは、ダサくてババくさいものが多いが、購買層を考えたら、致し方ないだろう。
とはいえ私もそろそろいいトシなので、時々はチェックしたほうがいいかもしれない。

こういう服を着れば、病院の待合室や公民館のコーラスグループにいるような、年相応に平和なおばさんになれるのだろうが、それにしてもダサい。
当分はいいや、とカタログを閉じかけたとき、紙面からこっちを見ているモデルと目が合った。
ゆうたママだ!
「○○ママ」という呼びかたは好きではないが、子供の名前しか覚えてないのでしかたがない。
幼稚園の時のママ友、ゆうたママは、黙って立っていてもパッと目につく八頭身美人。
それもそのはず、彼女はプロのモデルだったのだ。
若い頃はショーにも出ていたらしいが、その頃はもっぱらデパートのチラシやメーカーの商品写真がお仕事だった。
身につけているものもオシャレで、周りのほかのママとははっきり違って見え、プロの美人とはこういうものかと感心したものだ。
そんなゆうたママもアラフィフとなり、ついに生協のダサい服を着るようになったのか。
タダでもらっても着ない、5分袖デザインチュニック1980円でニッコリほほえむ彼女を眺めつつ、感無量である。

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週に1度ドサッと届くカタログをくまなく吟味する作業を「宿題」と呼んで重要視している。
生鮮食品のイメージが強い生協であるが、日用雑貨や衣料の品揃えも充実している。(→ しなもの話。)
お洋服だけは、ダサくてババくさいものが多いが、購買層を考えたら、致し方ないだろう。
とはいえ私もそろそろいいトシなので、時々はチェックしたほうがいいかもしれない。

こういう服を着れば、病院の待合室や公民館のコーラスグループにいるような、年相応に平和なおばさんになれるのだろうが、それにしてもダサい。
当分はいいや、とカタログを閉じかけたとき、紙面からこっちを見ているモデルと目が合った。
ゆうたママだ!
「○○ママ」という呼びかたは好きではないが、子供の名前しか覚えてないのでしかたがない。
幼稚園の時のママ友、ゆうたママは、黙って立っていてもパッと目につく八頭身美人。
それもそのはず、彼女はプロのモデルだったのだ。
若い頃はショーにも出ていたらしいが、その頃はもっぱらデパートのチラシやメーカーの商品写真がお仕事だった。
身につけているものもオシャレで、周りのほかのママとははっきり違って見え、プロの美人とはこういうものかと感心したものだ。
そんなゆうたママもアラフィフとなり、ついに生協のダサい服を着るようになったのか。
タダでもらっても着ない、5分袖デザインチュニック1980円でニッコリほほえむ彼女を眺めつつ、感無量である。

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どれすの話。
流行のファッションを見て、ステキだな、の前に、ナンダコリャ、と反応するのはババアの証拠だ。
最近のナンダコリャ、は、シャツの襟を着物の衣紋みたいに抜いて、首の後ろのグリグリを見せるヘンな着かたである。
そんな風に着ている子はだいたい、シャツの裾のほうもヘンな具合で、前だけウエストにはさんで、後ろの裾はゾロリと長くはみ出している。
サイズの合わないシャツが前方から大風に吹かれたような、あの着こなしは一体全体どこがどうステキなのか、誰か説明してほしい。
今日はまた、違うナンダコリャを発見した。
やけにばっさばっさスカートを翻していると思ったら、裾がおかしい。

イレギュラーヘムというのか、後ろだけ長くなっているのだ。
しずしずと移動すればローブデコルテの裳裾に見えるかもしれないが、合わないハイヒールでガツガツ歩くものだから、全体の印象としては、しっぽをひきずったゴジラに似ている。
以前にも、こういう怪獣のような女を見たことがある。
それはムスメが通っていた高校でのこと。
入学したばかりのムスメの、参観だか懇談だかに出かけたところ、昇降口に尾を引きずった怪獣に似たフォルムの上級生が数頭、いや数人、屯していた。
ムスメの真新しい制服と比べて、同じ制服が3年経つとこうもダラシナクなるものか。
とりわけおかしいのはスカートで、後ろ裾がドロリと長く垂れている。
たまたま揚げが下りているのかしらと思ったが、それにしては群の全員が同じようになっているのが不審であった。
家に戻って、今日見たものを話題にすると
あー、アレ… ドレスっていうんだって
スカート自体を加工しているわけではなく、前をまくって後ろが長くなるように穿くのだという。
生徒指導でも言われるよ 「ドレス禁止」って…
プププ…なんだそりゃ。
念のため、みっともないからマネをしないように、とムスメにクギを刺すと
若い子はやんないよう、あんなの!アレは3年の流行り…
流行の命は短い。わずか2年の差で、ドレスはもうダサいファッションになっているのだった。

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最近のナンダコリャ、は、シャツの襟を着物の衣紋みたいに抜いて、首の後ろのグリグリを見せるヘンな着かたである。
そんな風に着ている子はだいたい、シャツの裾のほうもヘンな具合で、前だけウエストにはさんで、後ろの裾はゾロリと長くはみ出している。
サイズの合わないシャツが前方から大風に吹かれたような、あの着こなしは一体全体どこがどうステキなのか、誰か説明してほしい。
今日はまた、違うナンダコリャを発見した。
やけにばっさばっさスカートを翻していると思ったら、裾がおかしい。

イレギュラーヘムというのか、後ろだけ長くなっているのだ。
しずしずと移動すればローブデコルテの裳裾に見えるかもしれないが、合わないハイヒールでガツガツ歩くものだから、全体の印象としては、しっぽをひきずったゴジラに似ている。
以前にも、こういう怪獣のような女を見たことがある。
それはムスメが通っていた高校でのこと。
入学したばかりのムスメの、参観だか懇談だかに出かけたところ、昇降口に尾を引きずった怪獣に似たフォルムの上級生が数頭、いや数人、屯していた。
ムスメの真新しい制服と比べて、同じ制服が3年経つとこうもダラシナクなるものか。
とりわけおかしいのはスカートで、後ろ裾がドロリと長く垂れている。
たまたま揚げが下りているのかしらと思ったが、それにしては群の全員が同じようになっているのが不審であった。
家に戻って、今日見たものを話題にすると
あー、アレ… ドレスっていうんだって
スカート自体を加工しているわけではなく、前をまくって後ろが長くなるように穿くのだという。
生徒指導でも言われるよ 「ドレス禁止」って…
プププ…なんだそりゃ。
念のため、みっともないからマネをしないように、とムスメにクギを刺すと
若い子はやんないよう、あんなの!アレは3年の流行り…
流行の命は短い。わずか2年の差で、ドレスはもうダサいファッションになっているのだった。

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ヒメギミ本。
暑さのせいか珍しく寝つけなくて、書架から福永武彦訳の「今昔物語」を手にした。
千話をこえる原典の本朝の部より、作家が撰んだ百話あまりの現代語訳である。
適当に開いたところから読み始めて、ふと、あの話が載ってないな、と思う。
六の宮の姫君。
そういえば、五位の入道、あの話も無いな、と思った。
2つはいずれも芥川龍之介によって翻案されている。福永はそれを意識して省いたのかと思ったが、これらよりよほど有名な「鼻」「芋粥」の2つは、ちゃんと撰ばれているから、たんに好みではなかったということだろう。
六の宮と五位を同時に思い起こしたのには理由がある。

(「六の宮の姫君」北村薫 創元推理文庫)
この本のせいだ。
日常の謎を解き明かす、女子大生の「私」と落語家「円紫師匠」の人気シリーズの中の1冊。
彼らがここで解く謎は、芥川の「六の宮の姫君」はいかに書かれたか、そのことである。初めて読んだ時、こんなこともミステリ(それも、面白いミステリ)になるのか、と驚いた。
無粋な種明かしは避けるが、一読退屈しそうな文学史の問題を楽しく読ませるのは、登場人物の魅力的な造形だ。
中でもヒロインがいい。
知的でありながら、他者への優しさと共感に富み、落語のユーモアや随筆のウイットを愛し、少年のようにきゃしゃで清楚で、恋には奥手な女子大生。
首都圏の私立大学の文学部(おそらく早稲田の一文)所属という設定だが、こんな女子大生、およそ実在すると思えない。
「六の宮の姫君」は今昔物語のエピソードであり、また芥川の小説であり、同時にこの作品でもあるわけだが、読者はそのイメージをヒロイン「私」に重ねずにいられないだろう。
なよなよとたよりない中世の姫君と、自立を目指す現代の女子大生は、もちろん異なる。
しかし言葉のイメージというものは面白いもので、主人公のイラストレーションに題字が添えてあると、まるでこの女の子こそが姫君であるかのようなのだ。
それは決してミスリードではなく、ヒロインはこの作者にとって、いつまでも御簾のかなたにいてほしい姫君なのだ、と思う。
今日7月24日は、河童忌である。

(あくたがわ りゅうのすけ 1892.3.1 - 1927.7.24)

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千話をこえる原典の本朝の部より、作家が撰んだ百話あまりの現代語訳である。
適当に開いたところから読み始めて、ふと、あの話が載ってないな、と思う。
六の宮の姫君。
そういえば、五位の入道、あの話も無いな、と思った。
2つはいずれも芥川龍之介によって翻案されている。福永はそれを意識して省いたのかと思ったが、これらよりよほど有名な「鼻」「芋粥」の2つは、ちゃんと撰ばれているから、たんに好みではなかったということだろう。
六の宮と五位を同時に思い起こしたのには理由がある。

(「六の宮の姫君」北村薫 創元推理文庫)
この本のせいだ。
日常の謎を解き明かす、女子大生の「私」と落語家「円紫師匠」の人気シリーズの中の1冊。
彼らがここで解く謎は、芥川の「六の宮の姫君」はいかに書かれたか、そのことである。初めて読んだ時、こんなこともミステリ(それも、面白いミステリ)になるのか、と驚いた。
無粋な種明かしは避けるが、一読退屈しそうな文学史の問題を楽しく読ませるのは、登場人物の魅力的な造形だ。
中でもヒロインがいい。
知的でありながら、他者への優しさと共感に富み、落語のユーモアや随筆のウイットを愛し、少年のようにきゃしゃで清楚で、恋には奥手な女子大生。
首都圏の私立大学の文学部(おそらく早稲田の一文)所属という設定だが、こんな女子大生、およそ実在すると思えない。
「六の宮の姫君」は今昔物語のエピソードであり、また芥川の小説であり、同時にこの作品でもあるわけだが、読者はそのイメージをヒロイン「私」に重ねずにいられないだろう。
なよなよとたよりない中世の姫君と、自立を目指す現代の女子大生は、もちろん異なる。
しかし言葉のイメージというものは面白いもので、主人公のイラストレーションに題字が添えてあると、まるでこの女の子こそが姫君であるかのようなのだ。
それは決してミスリードではなく、ヒロインはこの作者にとって、いつまでも御簾のかなたにいてほしい姫君なのだ、と思う。
今日7月24日は、河童忌である。

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びばりー話。
今日はスイミング。
暑い中自転車こいでプールまで。水に入るのが待ち遠しいのは私だけではない。
ウー!気持ちいい~!
爽やかさのまるでない、温泉に浸かるようなうなり声が、プールのあちこちで上がる。
さっきまでうだっていたオバサンたちが、別人のように生き生きと泳ぎだすさまは、まさに水を得た魚の例えにふさわしい。
元気が出るにつれオシャベリが増えるのもまた、オバサンの常である。
アラ?今日は彼女は?
カノジョ?誰?
ほら先月から来てる若い人…
あーあー、若いったって60は過ぎてるでしょ!
そんな人いたっけ?
いるわよ ほら、ビバリーの…
あー、ビバリーの…
そう、ビバリーの!
ビバリビバリと、まさかこの人↓ではあるまいな。

(確かに60過ぎてるわりにはお若いが)
ビバリーって何ですか、と尋ねたら、ケラケラと笑われた。
ビバリーヒルズよ!あの、駅の近くの…
ビバリーヒルズといってもこんなの↓ではない。

2年ほど前、当市の某所に開発された住宅地である。(→ ひるずの話。)
海なし県にあるまじきネーミングに、ひそかに売れ行きを危ぶんでいたが、世の中そんなことは気にしない人のほうが多いらしい。着々と入居者が増え、街として賑わいを増している。
住人はヒルズ族となるのかと思っていたら、意外にも「ビバリー」のほうが定着したようだ。
住み心地はどんな具合なのかな。来週60過ぎの若い人が来たら、聞いてみよう。

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暑い中自転車こいでプールまで。水に入るのが待ち遠しいのは私だけではない。
ウー!気持ちいい~!
爽やかさのまるでない、温泉に浸かるようなうなり声が、プールのあちこちで上がる。
さっきまでうだっていたオバサンたちが、別人のように生き生きと泳ぎだすさまは、まさに水を得た魚の例えにふさわしい。
元気が出るにつれオシャベリが増えるのもまた、オバサンの常である。
アラ?今日は彼女は?
カノジョ?誰?
ほら先月から来てる若い人…
あーあー、若いったって60は過ぎてるでしょ!
そんな人いたっけ?
いるわよ ほら、ビバリーの…
あー、ビバリーの…
そう、ビバリーの!
ビバリビバリと、まさかこの人↓ではあるまいな。

(確かに60過ぎてるわりにはお若いが)
ビバリーって何ですか、と尋ねたら、ケラケラと笑われた。
ビバリーヒルズよ!あの、駅の近くの…
ビバリーヒルズといってもこんなの↓ではない。

2年ほど前、当市の某所に開発された住宅地である。(→ ひるずの話。)
海なし県にあるまじきネーミングに、ひそかに売れ行きを危ぶんでいたが、世の中そんなことは気にしない人のほうが多いらしい。着々と入居者が増え、街として賑わいを増している。
住人はヒルズ族となるのかと思っていたら、意外にも「ビバリー」のほうが定着したようだ。
住み心地はどんな具合なのかな。来週60過ぎの若い人が来たら、聞いてみよう。

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ふせいだ話。
展覧会に行きましょ 切符をもらったから
おばーちゃんにそう誘われ、ギクリとする。
会場はデパートの最上階。そして、デパートというのは、お買い物をするところである。
最上階までエレベーターで上がり、そのナントカ展を鑑賞したあと、エスカレーターで1階ずつ下りながら、ウインドウショッピングしようというのが、おばーちゃんのプランだろう。
この人と50年以上親子でいて、いまだに理解できないのが、楽しみとして買い物をする、という趣味である。
買い物ギライの私にとって、用もないのにデパートをぶらつくのは苦痛でしかない。断れば、フットワークの軽い彼女は、アラそう、と1人で出かけるだろうとは思う。
しかし、実家の魔窟状態を思い浮かべると、これ以上不要不急の買い物をさせてはならない。
今日は私は、身を挺しておばーちゃんの買い物を防ぐ所存である。
ナントカ展の会場では、さっそく分厚い図録を買おうとするので、重いでしょうと押しとどめ、気に入った作品のハガキを買って済ませた。
1階下りて、家庭用品売場。
ドイツ製の高級タオルをうっとり眺めたと思ったら、イタリア製の食器の前で店員と話している。こんな高級品を売りつけられたらエライことだ。背後霊のように控えて、目を光らせた。
つぎに寝具売場で言いだしたことには
ほら、こないだ首を寝違えたって言ってたじゃない?マクラが合ってないんじゃないの
彼女の恐ろしいところは、自分だけでなく、人が買うのも楽しみだという点である。
いやいや、安い頭に、こんな高いマクラは要りませんと固辞すると、不満そうな顔である。
マズい!ここらで何か買ってガス抜きしないと、買い物欲が爆発する!
あ!水着!おかーさん、水着を買い替えたいから、付き合って!
今のがビロビロになってきたので、水着は買おうと思っていたのだ。スポーツ店のバーゲンで買うつもりだったので、デパートではお高くなるが、この際やむを得ない。
何かを買いたい、と言うほど、母を喜ばせることはない。おばーちゃんは嬉々として下りエスカレーターに乗り、ついてきた。
スポーツ用品売場のいい点は、おばーちゃんの買うものが無いところだ。安心して試着室に入る。
3着をかわるがわる試着して1つ選び、試着室の扉を開けると、なんたることか、おばーちゃんが店員と、話し込んでいるではないか。
ねえ見て見て!姿勢がよくなる椅子だって!腰痛にもいいんだって!
すっかりその気だが、見るからにジャマそうな形状のシロモノである。
すぐにもお買上げの勢いなので、
置けるかな?はみ出すと困るから 寸法測ってまた来ようね!
なんとかパンフレットだけを受け取って、レジで水着の支払いを済ませる。
ご予算よりだいぶ高くついてタメイキが出るが、おばーちゃんの買い物はなんとか防いだ。これもまた、家族の必要経費である。

(母が買いかけた健康座椅子 14,900円 赤いのが気に入ったらしい)

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おばーちゃんにそう誘われ、ギクリとする。
会場はデパートの最上階。そして、デパートというのは、お買い物をするところである。
最上階までエレベーターで上がり、そのナントカ展を鑑賞したあと、エスカレーターで1階ずつ下りながら、ウインドウショッピングしようというのが、おばーちゃんのプランだろう。
この人と50年以上親子でいて、いまだに理解できないのが、楽しみとして買い物をする、という趣味である。
買い物ギライの私にとって、用もないのにデパートをぶらつくのは苦痛でしかない。断れば、フットワークの軽い彼女は、アラそう、と1人で出かけるだろうとは思う。
しかし、実家の魔窟状態を思い浮かべると、これ以上不要不急の買い物をさせてはならない。
今日は私は、身を挺しておばーちゃんの買い物を防ぐ所存である。
ナントカ展の会場では、さっそく分厚い図録を買おうとするので、重いでしょうと押しとどめ、気に入った作品のハガキを買って済ませた。
1階下りて、家庭用品売場。
ドイツ製の高級タオルをうっとり眺めたと思ったら、イタリア製の食器の前で店員と話している。こんな高級品を売りつけられたらエライことだ。背後霊のように控えて、目を光らせた。
つぎに寝具売場で言いだしたことには
ほら、こないだ首を寝違えたって言ってたじゃない?マクラが合ってないんじゃないの
彼女の恐ろしいところは、自分だけでなく、人が買うのも楽しみだという点である。
いやいや、安い頭に、こんな高いマクラは要りませんと固辞すると、不満そうな顔である。
マズい!ここらで何か買ってガス抜きしないと、買い物欲が爆発する!
あ!水着!おかーさん、水着を買い替えたいから、付き合って!
今のがビロビロになってきたので、水着は買おうと思っていたのだ。スポーツ店のバーゲンで買うつもりだったので、デパートではお高くなるが、この際やむを得ない。
何かを買いたい、と言うほど、母を喜ばせることはない。おばーちゃんは嬉々として下りエスカレーターに乗り、ついてきた。
スポーツ用品売場のいい点は、おばーちゃんの買うものが無いところだ。安心して試着室に入る。
3着をかわるがわる試着して1つ選び、試着室の扉を開けると、なんたることか、おばーちゃんが店員と、話し込んでいるではないか。
ねえ見て見て!姿勢がよくなる椅子だって!腰痛にもいいんだって!
すっかりその気だが、見るからにジャマそうな形状のシロモノである。
すぐにもお買上げの勢いなので、
置けるかな?はみ出すと困るから 寸法測ってまた来ようね!
なんとかパンフレットだけを受け取って、レジで水着の支払いを済ませる。
ご予算よりだいぶ高くついてタメイキが出るが、おばーちゃんの買い物はなんとか防いだ。これもまた、家族の必要経費である。

(母が買いかけた健康座椅子 14,900円 赤いのが気に入ったらしい)

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