きていた話。
週に1度のプール。

個人メドレーをゴールして肩を回していると、同じコースの先輩に声をかけられた。
どうした?痛いの?
うーん… 痛いというか… 背泳のときだけ力が入らないんですよね うまく掻けなくて…
あーそれ… もしかしてキテるんじゃない?
うわー キテますかねえ?
何が来てるかというと、五十肩である。
この女性水泳教室は、子供に手のかからなくなった年齢層が主体。
それなりにオトシゴロ(→ としごろ話。)の話題もよく出る。
たちまち私の周りに先輩たちの輪ができ、
台所の 棚の上のものは取れる?
ちょっとバンザイしてごらん どの辺が痛い?
親切な質問攻めに遭った結果、やはり五十肩であるという診断が下った。
先輩の経験談を総合すると、治らない時は何をしても治らないし、治る時はほっといても治る、ということらしい。
おそるおそる鬼コーチにその旨を報告したら
あら、まだまだ四十肩でしょ?フフフ…
と、驚くほど優しく背泳の練習を免除されることになった。
オバサン水泳教室は、コーチもまた、オバサンの先輩なのだ。

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個人メドレーをゴールして肩を回していると、同じコースの先輩に声をかけられた。
どうした?痛いの?
うーん… 痛いというか… 背泳のときだけ力が入らないんですよね うまく掻けなくて…
あーそれ… もしかしてキテるんじゃない?
うわー キテますかねえ?
何が来てるかというと、五十肩である。
この女性水泳教室は、子供に手のかからなくなった年齢層が主体。
それなりにオトシゴロ(→ としごろ話。)の話題もよく出る。
たちまち私の周りに先輩たちの輪ができ、
台所の 棚の上のものは取れる?
ちょっとバンザイしてごらん どの辺が痛い?
親切な質問攻めに遭った結果、やはり五十肩であるという診断が下った。
先輩の経験談を総合すると、治らない時は何をしても治らないし、治る時はほっといても治る、ということらしい。
おそるおそる鬼コーチにその旨を報告したら
あら、まだまだ四十肩でしょ?フフフ…
と、驚くほど優しく背泳の練習を免除されることになった。
オバサン水泳教室は、コーチもまた、オバサンの先輩なのだ。

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ヘチマノ本。
病人の看護が苦手である。
子供が小さい時は、例外的に面倒も見たが、大人相手は自信がない。
とくに男の病人なんて、想像するだけでウンザリだ。つくづく離婚しておいてよかった。
そんな私が、なぜかこの本は読んでしまう。

(「仰臥漫録」正岡子規著 岩波文庫)
文学史に偉大な足跡を残した子規であるが、病人としてはじつに難儀な男である。
「仰臥漫録」の書名の通り、仰向けで寝がえりもうてない重病人でありながら、その感受性には曇りなく、筆を執ることを忘れない。
驚くべきはその食欲。例えば明治34年の今日、9月19日には
朝飯 粥三碗
午飯 冷飯三碗 鰹さしみ 味噌汁さつまいも 佃煮 奈良漬 梨一つ 葡萄一房
間食 牛乳五勺ココア入り 菓子パン 塩煎餅 飴一つ 渋茶
晩飯 粥三碗 泥鰌鍋 キャベツ ポテトー 奈良漬 梅干し 梨一つ
付き添う妹と母は、これだけの食事を用意し、看病に心を配っても、病人からは絶えず不満を言われ、激しく当たり散らされている。
私だったらやってられねえと思ってしまう。
考えてみれば、40にならない若造である。
夏目漱石や秋山真之ら、友人が各々の分野で活躍する中、自分ひとり病床から離れられない現状への苛立ち、意に任せぬ身体に対する怒り。
その鬱憤を、彼は母に妹に、いっさい遠慮なくぶつけている。
それは甘えであり、血縁への安心であるだろう。
怒号に身を縮めるわが母、わが妹の眼の中に、死にゆく己への憐みの色を見て、病んだ胸をさらに苦しめる日もあったろう。
痰一斗糸瓜の水も間にあはず
今日は子規の忌日、糸瓜忌である。

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子供が小さい時は、例外的に面倒も見たが、大人相手は自信がない。
とくに男の病人なんて、想像するだけでウンザリだ。つくづく離婚しておいてよかった。
そんな私が、なぜかこの本は読んでしまう。

(「仰臥漫録」正岡子規著 岩波文庫)
文学史に偉大な足跡を残した子規であるが、病人としてはじつに難儀な男である。
「仰臥漫録」の書名の通り、仰向けで寝がえりもうてない重病人でありながら、その感受性には曇りなく、筆を執ることを忘れない。
驚くべきはその食欲。例えば明治34年の今日、9月19日には
朝飯 粥三碗
午飯 冷飯三碗 鰹さしみ 味噌汁さつまいも 佃煮 奈良漬 梨一つ 葡萄一房
間食 牛乳五勺ココア入り 菓子パン 塩煎餅 飴一つ 渋茶
晩飯 粥三碗 泥鰌鍋 キャベツ ポテトー 奈良漬 梅干し 梨一つ
付き添う妹と母は、これだけの食事を用意し、看病に心を配っても、病人からは絶えず不満を言われ、激しく当たり散らされている。
私だったらやってられねえと思ってしまう。
考えてみれば、40にならない若造である。
夏目漱石や秋山真之ら、友人が各々の分野で活躍する中、自分ひとり病床から離れられない現状への苛立ち、意に任せぬ身体に対する怒り。
その鬱憤を、彼は母に妹に、いっさい遠慮なくぶつけている。
それは甘えであり、血縁への安心であるだろう。
怒号に身を縮めるわが母、わが妹の眼の中に、死にゆく己への憐みの色を見て、病んだ胸をさらに苦しめる日もあったろう。
痰一斗糸瓜の水も間にあはず
今日は子規の忌日、糸瓜忌である。

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せんだん話。
先般の台風21号で、狭いベランダにいろんなものが吹き寄せられて来た。
大物は拾ったが、細かいものは掃除しなきゃなあと思いつつ、つい後回しである。
そんな片隅に積もった土埃の中に、緑色のものが見えるので、しゃがんで目を凝らすと、何やら芽が出ている。
風で飛ばされてきた中には、見慣れない花びらや、知らない葉っぱもあった。
きっと団地の住人が丹精した、ベランダガーデンの草花であろう。
そんな中に、この双葉の種も混じっていたのかもしれない。
生まれた場所から暴風に飛ばされてきた、たったひと粒の小さな種。
そう思うと、双葉ながら由緒ありげな、ただものではない雰囲気が漂っている。
栴檀は双葉より芳しともいうではないか。
こうしてわが窓辺に飛んできたのも何かの縁だ。掬いあげて栽培しよう。
ベランダの隅から鉢に移し、水をやると、双葉はホッとしたように、緑の両翼を伸ばした。
以来数日が経過。
数枚の本葉も出て、めきめき成長している。
生命のたくましさに感心すると同時に、かすかな疑念が私の脳裏にきざした。
この図々しさ、もしかして、コイツ雑草じゃないのか?
いやいや、この茎の繊細な色合い、見たことのない葉の形は、園芸種に間違いない。
打ち消し、思い返し、今日もジョーロを手に内心葛藤している。

(「栴檀は双葉より芳し」は、じつはいろいろと間違いらしい)

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大物は拾ったが、細かいものは掃除しなきゃなあと思いつつ、つい後回しである。
そんな片隅に積もった土埃の中に、緑色のものが見えるので、しゃがんで目を凝らすと、何やら芽が出ている。
風で飛ばされてきた中には、見慣れない花びらや、知らない葉っぱもあった。
きっと団地の住人が丹精した、ベランダガーデンの草花であろう。
そんな中に、この双葉の種も混じっていたのかもしれない。
生まれた場所から暴風に飛ばされてきた、たったひと粒の小さな種。
そう思うと、双葉ながら由緒ありげな、ただものではない雰囲気が漂っている。
栴檀は双葉より芳しともいうではないか。
こうしてわが窓辺に飛んできたのも何かの縁だ。掬いあげて栽培しよう。
ベランダの隅から鉢に移し、水をやると、双葉はホッとしたように、緑の両翼を伸ばした。
以来数日が経過。
数枚の本葉も出て、めきめき成長している。
生命のたくましさに感心すると同時に、かすかな疑念が私の脳裏にきざした。
この図々しさ、もしかして、コイツ雑草じゃないのか?
いやいや、この茎の繊細な色合い、見たことのない葉の形は、園芸種に間違いない。
打ち消し、思い返し、今日もジョーロを手に内心葛藤している。

(「栴檀は双葉より芳し」は、じつはいろいろと間違いらしい)

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けいろう話。
ふと、自分のトシに25を足し、母が80歳になろうとしていることに気づいて驚く。
気が若くて、敬老行事の類をずーっと嫌ってきたおばーちゃんだが、80歳なら立派な老人だ。
敬老の日はランチに誘って、母の過去の業績を讃えよう。
あのおとーさんと よくやってたよねえ
年の差もあったからね ムチャ言われても そんなもんかと思って従ってたわねえ…
洋裁もお料理もちゃんとして…
今みたいに便利な既製品が無いしね 昔はみんなしてたことよ
オシャレで若いから 参観日も自慢だったよ
自分で縫った安い服だけどね
謙遜しつつまんざらでもないおばーちゃん。
お茶をひと口飲んで湯呑を置き、表情を改めると
まあアレもコレも、若かったからできたことよ その点アンタはえらいワ!
アラ?
ムスメちゃんができた時 もう30過ぎてたでしょ
ハイ、そうですけど。
40になっても 子供がまだ小学生で 離婚もしたし 大変だったと思うワ…
まあ確かに。
私が50の時には アンタたち2人とも もう社会人だったもん
そういやそうだね。
でもアンタはまだ ムスコ君の学資も要るし…
はア~(タメイキ)。
いやホント、エライと思うワ!
敬うはずが、ミョーに敬われてしまう。
そのうえ、ご不浄に中座したら、おばーちゃんはお勘定まで済ませてしまっていた。
敬老行事はどうやら失敗だが、母の頼もしさを確認する機会となったので、良しとしよう。


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気が若くて、敬老行事の類をずーっと嫌ってきたおばーちゃんだが、80歳なら立派な老人だ。
敬老の日はランチに誘って、母の過去の業績を讃えよう。
あのおとーさんと よくやってたよねえ
年の差もあったからね ムチャ言われても そんなもんかと思って従ってたわねえ…
洋裁もお料理もちゃんとして…
今みたいに便利な既製品が無いしね 昔はみんなしてたことよ
オシャレで若いから 参観日も自慢だったよ
自分で縫った安い服だけどね
謙遜しつつまんざらでもないおばーちゃん。
お茶をひと口飲んで湯呑を置き、表情を改めると
まあアレもコレも、若かったからできたことよ その点アンタはえらいワ!
アラ?
ムスメちゃんができた時 もう30過ぎてたでしょ
ハイ、そうですけど。
40になっても 子供がまだ小学生で 離婚もしたし 大変だったと思うワ…
まあ確かに。
私が50の時には アンタたち2人とも もう社会人だったもん
そういやそうだね。
でもアンタはまだ ムスコ君の学資も要るし…
はア~(タメイキ)。
いやホント、エライと思うワ!
敬うはずが、ミョーに敬われてしまう。
そのうえ、ご不浄に中座したら、おばーちゃんはお勘定まで済ませてしまっていた。
敬老行事はどうやら失敗だが、母の頼もしさを確認する機会となったので、良しとしよう。


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あむろの話。
人気女性歌手が引退するというので、テレビが騒いでいる。
最後になるライブの会場には、チケットが取れなかったファンまでが押しかけて、大変な混雑だ。
私はこういうファン心理がぜんぜん分からない。
歌声なんかこれっぽっちも聞こえない場所に、わざわざ飛行機に乗って行って、メソメソ泣いてる人を見ると、不思議である。
それは置いても、これだけ人気のある人に対して、こんなに距離を感じるのはなぜか。
思い当たるのはコドモである。
この人がデビューして人気を得たころ、私はちょうど2人の子供を順々に妊娠・出産していた。
私が腹帯を巻き、ぺったんこの靴でズロズロ歩いている時、彼女は20センチはあろうかという厚底ブーツを履き、ヘソ出しで踊っていた。
私がテレビを見る暇もなく、幼児の世話に追われていた頃、彼女は紅白でトリを歌っていた。
舞台を蹴る尖ったヒールには、踏みにじられるような、鼻にかかったニェー…という歌声には、バカにされているような気がした。
家事だの育児だの、そんなもん何の価値もないじゃない。そう言われた、気がしていた。
あの頃私はまだ若く、身体は元気だったけれど、気持ちはあんまり健康じゃなかったんだな。
そして今、40過ぎてなお仔鹿のような肢体に感心しても、彼女の歌にはやっぱり心が動かない。
でも、引退して幸せになればいいよね、とは思っている。

(「ぼ…ボクは引退なんかしないぞ!」)

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最後になるライブの会場には、チケットが取れなかったファンまでが押しかけて、大変な混雑だ。
私はこういうファン心理がぜんぜん分からない。
歌声なんかこれっぽっちも聞こえない場所に、わざわざ飛行機に乗って行って、メソメソ泣いてる人を見ると、不思議である。
それは置いても、これだけ人気のある人に対して、こんなに距離を感じるのはなぜか。
思い当たるのはコドモである。
この人がデビューして人気を得たころ、私はちょうど2人の子供を順々に妊娠・出産していた。
私が腹帯を巻き、ぺったんこの靴でズロズロ歩いている時、彼女は20センチはあろうかという厚底ブーツを履き、ヘソ出しで踊っていた。
私がテレビを見る暇もなく、幼児の世話に追われていた頃、彼女は紅白でトリを歌っていた。
舞台を蹴る尖ったヒールには、踏みにじられるような、鼻にかかったニェー…という歌声には、バカにされているような気がした。
家事だの育児だの、そんなもん何の価値もないじゃない。そう言われた、気がしていた。
あの頃私はまだ若く、身体は元気だったけれど、気持ちはあんまり健康じゃなかったんだな。
そして今、40過ぎてなお仔鹿のような肢体に感心しても、彼女の歌にはやっぱり心が動かない。
でも、引退して幸せになればいいよね、とは思っている。

(「ぼ…ボクは引退なんかしないぞ!」)

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としょかん話。
台風21号が近畿を襲ってから10日。
一部地域で長引いた停電も、ようやく解消されたらしい。
窓が割れた、車庫の屋根が飛んだ、様々な被害情報を耳にするなかにも、さいわい身近に深刻な被害はなく、怖い思いをした記憶も薄れていく。
人間って、ホントに現金で、都合のいいものだ。
今日は、たまにしか行かない、大きい図書館に、久しぶりに出かけることにした。
ひとつ前のバス停で降り、川沿いの道をブラブラ歩けば、昨日の雨で濡れた草の香が爽やかだ。
歩道の植え込みのところで、なんかヘンだなと思った。
でも、何がおかしいのか、わからない。
しばらく辺りを見回して、ギョッとした。
ふさふさの植え込みに見えたのは倒れた大木のてっぺんだったのだ。
図書館の入り口に立っていた、一抱えはある木が、根こそぎ、完全に横倒しになっている。
とたんに身体の力が抜け、微かにヒザが震えた。
図書館なんて、多少の雨風は大丈夫だろう、という考えが、どこかにある。
それがそうじゃなかった。ここも危なかった。
忘れかけていた恐怖がギュッと胸を噛む。
ハイカラなガラス張りの図書館が、張り子のように脆いものに見えて、気持ちは半歩後ずさるけれど、普通の顔をして、自動ドアを通った。


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一部地域で長引いた停電も、ようやく解消されたらしい。
窓が割れた、車庫の屋根が飛んだ、様々な被害情報を耳にするなかにも、さいわい身近に深刻な被害はなく、怖い思いをした記憶も薄れていく。
人間って、ホントに現金で、都合のいいものだ。
今日は、たまにしか行かない、大きい図書館に、久しぶりに出かけることにした。
ひとつ前のバス停で降り、川沿いの道をブラブラ歩けば、昨日の雨で濡れた草の香が爽やかだ。
歩道の植え込みのところで、なんかヘンだなと思った。
でも、何がおかしいのか、わからない。
しばらく辺りを見回して、ギョッとした。
ふさふさの植え込みに見えたのは倒れた大木のてっぺんだったのだ。
図書館の入り口に立っていた、一抱えはある木が、根こそぎ、完全に横倒しになっている。
とたんに身体の力が抜け、微かにヒザが震えた。
図書館なんて、多少の雨風は大丈夫だろう、という考えが、どこかにある。
それがそうじゃなかった。ここも危なかった。
忘れかけていた恐怖がギュッと胸を噛む。
ハイカラなガラス張りの図書館が、張り子のように脆いものに見えて、気持ちは半歩後ずさるけれど、普通の顔をして、自動ドアを通った。


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こおりの話。
聖地という言葉がある。
メッカやエルサレムなど、聖人にゆかりがあり、歴史の中で宗教的に敬意を払われてきた土地。
ところが、近頃は、何の変哲もない場所が、にわかに聖地になるというケッタイな事態が起こる。
マンガやアニメのファンが、好きな作品に出てくる場所を「聖地」と呼び、そこを実際に訪れることを「巡礼」と呼ぶ。
地元の人も迷惑がるでもなく、むしろ町おこしとして歓迎する。
そんな風潮を今まで、冷ややかに見ていたのであるが、ここにきて他人事ではなくなってきた。
氷の聖地・奈良!
そうなの?
去年も一昨年も、ここらの冬は暖かくて、氷なんか見ませんでしたけど?
冷凍庫が安いとかいうこともないけどな、と思ったが、そういうことではないらしい。
東大寺、春日大社に近く、氷室神社という神社がある。春には枝垂れ桜が見事だが、他の季節はつい通り過ぎてしまうほど、小さな神社だ。
ここは全国でも珍しく、氷の神様を祭っている。
近年、それにのっかった飲食店が、我も我もとかき氷をメニューに載せるようになった。
それも、ミゾレとかイチゴとかではない、インスタバエするかき氷らしい。
聖地にいながら、パフェだのフラッペだのを食べない私には、全然ピンと来ない。
当地では、かき氷のお祭りが、今日明日と催されるという。(→ ひむろしらゆき祭 in 興福寺)
古の奈良を感じながら、かき氷をご堪能ください
イニシエ…ねえ…。たしか5回目くらいだよね、このお祭り。

(何をか言わんや チョコレートかき氷)

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メッカやエルサレムなど、聖人にゆかりがあり、歴史の中で宗教的に敬意を払われてきた土地。
ところが、近頃は、何の変哲もない場所が、にわかに聖地になるというケッタイな事態が起こる。
マンガやアニメのファンが、好きな作品に出てくる場所を「聖地」と呼び、そこを実際に訪れることを「巡礼」と呼ぶ。
地元の人も迷惑がるでもなく、むしろ町おこしとして歓迎する。
そんな風潮を今まで、冷ややかに見ていたのであるが、ここにきて他人事ではなくなってきた。
氷の聖地・奈良!
そうなの?
去年も一昨年も、ここらの冬は暖かくて、氷なんか見ませんでしたけど?
冷凍庫が安いとかいうこともないけどな、と思ったが、そういうことではないらしい。
東大寺、春日大社に近く、氷室神社という神社がある。春には枝垂れ桜が見事だが、他の季節はつい通り過ぎてしまうほど、小さな神社だ。
ここは全国でも珍しく、氷の神様を祭っている。
近年、それにのっかった飲食店が、我も我もとかき氷をメニューに載せるようになった。
それも、ミゾレとかイチゴとかではない、インスタバエするかき氷らしい。
聖地にいながら、パフェだのフラッペだのを食べない私には、全然ピンと来ない。
当地では、かき氷のお祭りが、今日明日と催されるという。(→ ひむろしらゆき祭 in 興福寺)
古の奈良を感じながら、かき氷をご堪能ください
イニシエ…ねえ…。たしか5回目くらいだよね、このお祭り。

(何をか言わんや チョコレートかき氷)

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れしぴの話。
お取り寄せの好きなおばーちゃんは、料理にも意欲的である。
新聞のレシピ欄は切り抜くし、スーパーに行けば、入り口のレシピカードを必ず取ってくる。

カードのスタンドを見るたび、こんなの持ってく人いるのか?と思っていたが、自分の母親だったわけだ。
実家の冷蔵庫には、作るつもりのレシピがいくつも、マグネットで貼ってある。
かたや、その娘である私、レシピに対する好奇心ほぼゼロ。
やったことない料理なんてめんどくさいし、どんな珍しい料理だって食べたら終わりなんだから、必要以上の労力を注ぐのはイヤだ。
今作れる、今まで作ったことある料理だけで、このさき一生やっていくつもりである。
同じ1人暮らしながら、次々と新しいレシピにチャレンジするおばーちゃんを、尊敬すると同時に、気が知れない、とも思う。
新聞の切り抜きが散乱する食卓を見ていて、ふと
おかーさんって昔からこうだっけ?
と聞いてみた。
どうかなー あ!
思い当たったことに、おばーちゃんは自分でも驚いたように目を瞠り
もしかして おとーさんがいないからかも…
亡くなった父は外食でも決まったものしか食べない人で、目新しい、見慣れないものを嫌った。
せっかく新しいレシピに挑戦しても、父が喜ばなかったのだろう。
誰にも気兼ねがない1人暮らしで、母は今、してみたかったことをノビノビとやっているのだ。
くちゃくちゃした切り抜きが、急に大切なものに見えてきて、丁寧にそろえてクリップで止めた。

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新聞のレシピ欄は切り抜くし、スーパーに行けば、入り口のレシピカードを必ず取ってくる。

カードのスタンドを見るたび、こんなの持ってく人いるのか?と思っていたが、自分の母親だったわけだ。
実家の冷蔵庫には、作るつもりのレシピがいくつも、マグネットで貼ってある。
かたや、その娘である私、レシピに対する好奇心ほぼゼロ。
やったことない料理なんてめんどくさいし、どんな珍しい料理だって食べたら終わりなんだから、必要以上の労力を注ぐのはイヤだ。
今作れる、今まで作ったことある料理だけで、このさき一生やっていくつもりである。
同じ1人暮らしながら、次々と新しいレシピにチャレンジするおばーちゃんを、尊敬すると同時に、気が知れない、とも思う。
新聞の切り抜きが散乱する食卓を見ていて、ふと
おかーさんって昔からこうだっけ?
と聞いてみた。
どうかなー あ!
思い当たったことに、おばーちゃんは自分でも驚いたように目を瞠り
もしかして おとーさんがいないからかも…
亡くなった父は外食でも決まったものしか食べない人で、目新しい、見慣れないものを嫌った。
せっかく新しいレシピに挑戦しても、父が喜ばなかったのだろう。
誰にも気兼ねがない1人暮らしで、母は今、してみたかったことをノビノビとやっているのだ。
くちゃくちゃした切り抜きが、急に大切なものに見えてきて、丁寧にそろえてクリップで止めた。

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とりよせ話。
アラこれおいしいわネ どこで売ってるの?
知らな~い お土産にもらったやつだから
そう返事をすると、おばーちゃんは捨てかけたお菓子の袋を凝視した。
悪い予感がする。
お取り寄せという言葉が一般的になる前から、母はお取り寄せの人であった。
いただきものが気に入ると、すぐさま包み紙に書かれた番号に電話する。自宅の住所を述べ、
うちの近くで買えるところ ありませんかしら?
問い合わせるのである。
教わった場所が少々遠くても、電車に乗って行ってしまうし、近場で買えない時は取り寄せる。
そんな情熱が、小柄な彼女のどこから湧いてくるのか、謎である。
近頃はネットでお取り寄せも普通になったが、カニだのウニだの限定のお菓子だの、ちょっと特別な食品が多いのではないか。
おばーちゃんのお取り寄せの特徴は、単価が安いことだ。
いつぞや実家に帰ってみると、届いたばかりの段ボールが茶の間の卓上にドーンと乗っていた。
中にはフリカケがギッシリ。
おいしかったのよ アンタも持って帰んなさい
1袋200円もしないもので、通販などやっていない。少量では製造元も困るのだろう、1箱なら、と言われたらしい。
あの時はフリカケご飯をどれだけ食べただろう。
私の不安をよそに、おばーちゃんはお菓子の包み紙を、大事そうにバッグにしまった。

(次なる標的は熊本のお菓子「風雅巻き」)

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知らな~い お土産にもらったやつだから
そう返事をすると、おばーちゃんは捨てかけたお菓子の袋を凝視した。
悪い予感がする。
お取り寄せという言葉が一般的になる前から、母はお取り寄せの人であった。
いただきものが気に入ると、すぐさま包み紙に書かれた番号に電話する。自宅の住所を述べ、
うちの近くで買えるところ ありませんかしら?
問い合わせるのである。
教わった場所が少々遠くても、電車に乗って行ってしまうし、近場で買えない時は取り寄せる。
そんな情熱が、小柄な彼女のどこから湧いてくるのか、謎である。
近頃はネットでお取り寄せも普通になったが、カニだのウニだの限定のお菓子だの、ちょっと特別な食品が多いのではないか。
おばーちゃんのお取り寄せの特徴は、単価が安いことだ。
いつぞや実家に帰ってみると、届いたばかりの段ボールが茶の間の卓上にドーンと乗っていた。
中にはフリカケがギッシリ。
おいしかったのよ アンタも持って帰んなさい
1袋200円もしないもので、通販などやっていない。少量では製造元も困るのだろう、1箱なら、と言われたらしい。
あの時はフリカケご飯をどれだけ食べただろう。
私の不安をよそに、おばーちゃんはお菓子の包み紙を、大事そうにバッグにしまった。

(次なる標的は熊本のお菓子「風雅巻き」)

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かささす話。
今朝は叩きつけるように降っていた雨もすっかり上がって、薄い雲の間に青空。
アスファルトはまだ濡れてひんやりとしているが、人出が戻り始めた街を歩き出す。
何となくウキウキして、ウインドウを覗いていると、頬にかすかな感触。
お天気雨だ。
明るい空から落ちてくる雨は、5歩歩く間に3粒当たるくらいの、わずかなもの。
気にせず歩いていると、ふと視線を感じた。
前から来る30代後半の女性。顔をしかめ、手にした雑誌を頭上に掲げて雨を避けている。
彼女の視線の先は私の左手。
大雨の中を出勤してきた私は、長いカサを持っている。
彼女の目は間違いなく、こう言っていた。
持ってるのにささないなんて、ヘンな人ね!アタシなんか、カサがなくて困ってるっていうのに…
持てる者、持たざる者、持ってるのにムダにしてる者。
居心地が悪くて、彼女とすれ違ったあと、コソコソとカサを広げた。
あんのじょう、カサを打つ雨の音はかすかだ。
やっぱりさすほどじゃなかったなあ、と思いつつ、すぐ畳むのもはばかられて、仕方なくそのまま歩く。
見渡せば、カサ無しの人も多いけれど、私のようにカサをさしている人も、いなくはない。
しばらく歩いていると、同じようにカサをさしていた人が、ひょいと顔を横に出し、天を見た。
感触が無いのを確認して、カサをつぼめる。
私もちょっとホッとして、カサを畳んだ。


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アスファルトはまだ濡れてひんやりとしているが、人出が戻り始めた街を歩き出す。
何となくウキウキして、ウインドウを覗いていると、頬にかすかな感触。
お天気雨だ。
明るい空から落ちてくる雨は、5歩歩く間に3粒当たるくらいの、わずかなもの。
気にせず歩いていると、ふと視線を感じた。
前から来る30代後半の女性。顔をしかめ、手にした雑誌を頭上に掲げて雨を避けている。
彼女の視線の先は私の左手。
大雨の中を出勤してきた私は、長いカサを持っている。
彼女の目は間違いなく、こう言っていた。
持ってるのにささないなんて、ヘンな人ね!アタシなんか、カサがなくて困ってるっていうのに…
持てる者、持たざる者、持ってるのにムダにしてる者。
居心地が悪くて、彼女とすれ違ったあと、コソコソとカサを広げた。
あんのじょう、カサを打つ雨の音はかすかだ。
やっぱりさすほどじゃなかったなあ、と思いつつ、すぐ畳むのもはばかられて、仕方なくそのまま歩く。
見渡せば、カサ無しの人も多いけれど、私のようにカサをさしている人も、いなくはない。
しばらく歩いていると、同じようにカサをさしていた人が、ひょいと顔を横に出し、天を見た。
感触が無いのを確認して、カサをつぼめる。
私もちょっとホッとして、カサを畳んだ。


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