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すとまの話。

ついやりだした片付けで、台所に始まり、リビング和室と、家じゅうドミノ倒しのように、モノの置き場が変わった。(→はこいり話。

年末に帰省してくるムスメやムスコも戸惑いそうな、大ごとに発展してしまった。

ドラスチックな変化…か…

遠い昔に耳にした、ビジネス用語でひとりごつと、同時にタカクラ主任の顔が頭に浮かんだ。

同じ課の机を囲んだタカクラ主任は、よく言えば素直、悪く言えば軽薄なオジサン。

流行り物が大好きで、いち早く取り入れては、周囲が苦笑いするまで振り回すのが常である。

ある時、課を代表して社外研修に出た主任が、そこでゲットしてきたのがドラスチックという言葉であった。

ドラスチック …(英)drastic 思い切った 徹底的な 抜本的な

この業界も、今後3年でドラスチックな変革が予想されます!

タカクラ主任が鼻たかだか、研修報告をしたとき、課の全員が、ああ、次はこれかあ、と思い、そしてその予想は見事に当たっていた。

課長!うちの課の業務もドラスチックに変えていきましょうよ!

などと、仕事上の提案で使っているうちはまだよかった。

お!この会社、なかなかドラスチックだよな  (どこが?)

オレも ドラスチックに夏休みとっちゃおうかな (なんだって?)

あれー 会議の弁当、ドラスチックになっちゃったの? (はあ?)

だんだんワケが分からなくなっていったあげく、

ドラマチックな改革が必要だと…

いつのまにか、スがマに変わって、違う言葉になっていた。

職場を離れてしばらくして、DV、ドメスチックバイオレンスという概念が話題になった。

当事者にとってとても深刻な、この言葉を見た瞬間、タカクラ主任を思い出してしまったことを、反省とともに告白する。


(ドラマチック、じゃなくてドラマティック、だった)


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むかしむかし | コメント(6) | トラックバック(0) | 2018/12/21 11:30

はこいり話。

大掃除なんかやめちゃえ宣言にもかかわらず、心ならずもはじまった台所の片付け。(→ かたづけ話。

とりあえず、コンロに近づける程度には片付いたが、新たな問題が発生した。

シンク下収納にあった、不要な鍋釜や調理器具を処分したまではいい。

問題はその後である。

中身を出したら、そこは空っぽになる。そのままにするのは、私の貧乏性が許さない。

何か収納せねば、と見回して、いいものを見つけた。

食品庫に入っている、自家製の梅酒と梅干

重い瓶の出し入れは大変なので、シンク下はちょうどいい。

上手いこと空いたところにおさまった瓶を、いい気分でしばらく眺めたが、大変なことに気付く。

梅酒の入ってた場所が空いてしまったのだ。

ハタと思いついて、お掃除洗剤のスプレーや漂白剤のボトルを並べてみたら、いい感じ。

しかしまた同じ問題が発生する。

こうして、ここのものをあそこに移し、あちらのものをこちらに入れて、かれこれ小半日。

いつの間にか台所を遠く離れ、和室で思案投げ首をする私がいる。

ガランと空いた押入れの下の段に、何を入れよう。そして何かを入れれば、またその後を考えねばならない。

この状態はアレに似ている。

はこいりむすめ

コマを空隙に進めて、箱入り娘を外に出す、昔ながらのあのパズル。

しまいに私の身体が、玄関から出されてしまうのではないか、そんな妄想も浮かぶ。

私はちっとも箱入りではないが、寒い時季、外は勘弁してもらいたいものだ。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2018/12/20 11:30

かたづけ話。

大掃除なんかやめちゃえ!と言った、その口の下からナンだが、台所の大片付け中である。

ひとこと弁解させていただきたい。

昼ご飯のあと、食器を洗いながら思ったのだ。

さいきん このお皿ばっか使ってんな…

子供がいた頃より、ひと回り小さいお皿である。

1人暮らしになって、食べるものは同じでも、作る量、食卓に出す量が減った。

思いついてシンクの下から、カレーやおでんに使っていた、でっかい鍋をひっぱり出し

これってこの先使う?使わないかな…

迷っている眼に、鍋のあったその奥、プラスチックの何かが飛び込んできた。

ポテトチップスをレンジで作れる器具だ。

ちんしてちっぷす

子供のおやつが安上がりにできる、と飛びついたけど、何度も使わなかった。

他にもホットサンドメーカーやら、かき氷機やら、もう出番があると思えないものが山とある。

イラッとして、その隣の扉を開け、抽斗を開け、

これは要らない… こんなの使わない… ハッ!

気づけば床いちめんに、調理器具の墓場ができていた。

あああ…!

ひっぱりだした後はホコリも目立ち、ゾーキン掛けもせねばならない。

心ならずも始まった、台所の大掃除だが、温かいゴハンを食べるためには、主義に反しても、やらねばならぬ。

なにしろ、床の上を何とかしなければ、コンロに近づけないのである。

昨日の記事(→ そうじの話。)に共感してくださった方には、心からお詫び申し上げます。



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2018/12/19 11:30

そうじの話。

今年も残すところ14日(キリが悪い)

♪~今年の汚れ 今年のうちに~♪

と、主婦の尻を叩く洗剤のCMは、さいきん流れてないが、それでも年末に大掃除する人は多いだろう。

新年をサッパリと磨き上げたおうちで迎え、あらたまった気持ちになるのは素晴らしい。

とか何とか言いつつ、私自身は大掃除はしない。

なにしろ年末は寒い

ゾーキン一枚絞るにも、必要以上の苦痛を伴う寒中に、ふだんはしないような大がかりな掃除をするのは、人の自然に反すると私は思っている。

しゅぎょう
(ヒエ~!うしろ、雪景色!)

修行中の禅僧のごとき特殊状況は例外であって、凡俗が敢えて難行苦行に挑むことはないんじゃないだろうか。

実際的なことを言えば、気温の低い冬は、そもそも掃除には向かない。

洗濯でも皿洗いでも、お湯を使えば汚れが落ちるように、冬はゴシゴシこすらないと取れない汚れが、夏ならさっと拭くだけで取れる。

家財の片づけについても年末は不向き。

世の中の節目は年末じゃなく3月末。決算も子どもの進級進学も、人の生活が変わるのは3月。

1年でもっともたくさん不要品が出るのは、実は3月末なのである。

年末に、全部捨てたと思ってても、3か月もしないうち、また不要品が出るのだ。

バカバカしいじゃないか。

大掃除しなきゃ、とシブシブ動き出そうとしていた皆さん、私と一緒にサボりませんか?



本日早朝より多忙のため2014年12月20日の記事を再掲載します。
当ブログでは、大掃除なんかやめちゃえキャンペーンを展開中です。




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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2018/12/18 11:30

だいくの話。

1年の終わりには第九

それは日本だけの風習だという。

ルートヴィヒ ヴァン ベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調作品125は、副題を合唱付き、と称し、多くの合唱団が歳末に公演を行う。

市の第九、県の第九、隣県の第九と、1シーズンにいくつも掛け持ちする猛者もいるという。

私も今年、初の第九の舞台にのぼることとなった。

ちょっと歌でも歌ってみっか程度の気持ちで合唱をはじめたものの、もともと音楽にはものすごく疎い人間だ。

おまけにのび太並みに寝つきが良く、クラシックコンサートでは気持ちよくスヤスヤ眠ってしまうのが常である。

大きな声では言えないが、第九も聞いたことがなかった。

合唱がくっついているのは、最後の第4楽章で、第1から第3まではオーケストラの演奏だけ、なんですよ皆さん!

常識かもしれないが、私は知らなかった。そんな人間の初第九、先が思いやられるではないか。

オーケストラやソリストを含め、200人以上がステージにのぼるイベントである。本番が近づく中、「団員の心得」なる刷り物が配られた。

登場から退出までの段取りを細かに示すプリントを、緊張しつつ眺めれば、中に太字で記された、奇妙な1文。

居眠りをしないこと!

は?

見間違いではない。

合唱団員は、出番となる第4楽章まで、第1楽章から第3楽章までの30分以上を、ステージ上で着席して待つ。その間に、ウトウトしてしまう人がいる、というのだ。

マズい!

ちゃんと歌えるかどうか、それのみが心配事であったが、新たなる懸念がそこに加わった。

注意書きは

隣が寝ているのに気づいたら、驚かさないようにそっと揺り起こしましょう。

と、続いている。

舞台上でビクン!となったら、なるほど恐ろしく目立つだろう。驚かないように起きなければと、あらためて気を引き締めた次第だ。

今年は第九の日本初演百周年だそうである。

べーとーべん
(Ludwig van Beethoven 1770.12.16 - 1827.3.26)



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ごきんじょ | コメント(18) | トラックバック(0) | 2018/12/17 11:30

おーらい話。

ホントに忙しくて、疲れ切った週の終わり。

はーヤレヤレ、やっと寝られる…

そのままフトンに倒れ込んでしまいそうな身体を、どうにか洗面所に運ぶ。

溶けそうなマブタを持ち上げながら、歯を磨こうとして、何かがおかしいと思った。

アレ?

口に入れかけた歯ブラシを二度見すると

なんだこりゃ?!

歯磨きペーストが、歯ブラシの上に

はみがきこ1

こうなるべきところ、間違って

はみがきこ2

こんなふうに、背のほうにのっている。

はぁー…

タメイキが出たが

なんかもー どーでもいーや…

裏に歯磨きがのった歯ブラシを、そのまま口に突っ込み

しゃこしゃこしゃこ…

投げやりに動かした。

泡がたたなくたって、磨かないよりはナンボかマシだろう。とにかく、1秒でも早く寝たいのだ。

しゃこしゃこしゃこ…

ところが、口の中で歯ブラシがアッチコッチするうちに、ちゃんと泡立つではないか。

結果オーライである。

50年からこのかた、毎日まいにち律儀にブラシの毛の上に歯磨きをのっけてきたが、こんなことは初めてだ。

なんだかおかしくて、口をゆすぎながら吹き出しそうになるのを、なんとかこらえた。



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2018/12/16 11:30

おかねの話。

職場の同僚に貸していた本を返してもらった。

ここにも何度か登場している人だが、今回は、特に名を秘す某さんとしたい。

アリガト 面白かったわ!

手渡されてカバンに入れた本を、帰宅して本棚にもどし、本の入っていた紙袋を捨てようとして

…あ…コレ…

ぎんこうのあれ1

銀行の名前が入った、小さめの紙袋。

経理関係の仕事をしていたからわかるのだが、これは現金封筒だ。

ATMコーナーに置かれた一般的な現金封筒は薄いが、このような厚みのあるものは、数百万円という多額を入れる時に使われる。

特に名を秘す某さん!この歳末に、何かあったですか!

ドキドキして、つい封筒を覗くと、底のほうにまぎれもない、アレが入っていた。

ぎんこうのあれ2

ちぎった跡も生々しい、現ナマを束ねるアレ。

しかも日付はついこの前だ。

特に名を秘す某さん!ボーナス使いましたか、買っちゃったですか?!

他人事でここまでドキドキしてしまう、ビンボーで小心者の私。

大きな買い物をしたらしい、特に名を秘す某さんに、歳末気分のお裾分けをいただいた。



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ごきんじょ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2018/12/15 11:30

ぺいぺい話。

さいきん、スマホを使ったQRコード決済サービスのCMをよく見る。

騒がしいと思ったら、100億円あげます、というキャンペーンがあったらしい。

調べてみて、利用金額の2割が還元されるだけのことなので、たちまち興味を喪失した。

たとえば2千円もらうには1万円使わないといけない。

1万円の品物が8千円になるわけでもなく、2千円は次の買い物になる。

けっきょく1万2千円の買い物をさせられてるだけのことで、ぜんぜんお得ではない。

それなのに、無くても不自由なかった品物を、あわてて買いに走った人がいっぱいいるらしい。

キャンペーンに踊らされたのは、スマホを抵抗なく使う世代が多いと思うが、若い人がみんな

1万円で1万2千円分買えてお得でしょ!

なんて原始人の物々交換みたいな経済観念で、この国は大丈夫なのか、心配になる。

百鬼園内田榮造先生曰く、お金は物質ではなく、現象である。

技術の進歩は、必ずしも人の感覚を洗練するわけではないようだ。

ひゃっけん
(内田百閒 うちだ ひゃっけん 1889.5.29 - 1971.4.20)
 


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てれびじょん | コメント(16) | トラックバック(0) | 2018/12/14 11:30

てんとう話。

友だちのカナイさんが、今年も神戸ルミナリエの点灯式に行ってきた、という。

るみなりえ2018
(→ 神戸ルミナリエ公式HP

ホンットーにキレイで、カンドーしたワ!

感想を述べる彼女にフンフンと相槌を打ちながら、ウワノソラの私は、この手の光り物全般に、ぜんぜんキョーミが無い。

私だって鬼でも蛇でもない、きれいな光を目にすれば

わーキレイ!

思いますよ、思うけど、その後どうしたらいいんでしょう。

光の感動って、本や絵画とは違って、長続きしないから、パッと見たらすぐ帰りたい。

かといって、キラキラピカピカ光らせているものを、そのまま残して帰るのも申し訳ない。

点けっぱなしはもったいないという貧乏性もある。

いっぱいついたライトを、パチッと消して帰れたら、どんなにせいせいするだろう。

点灯式なんかより消灯式のほうがいいよね、と思ったり、している。

だけど、ルミナリエが好きなカナイさんに、そんなことは言えないのだ。

そしてそんな私を、カナイさんは絶対にルミナリエに誘わない。

長い付き合いの友情というのは、イルミネーションより美しく、ありがたいものである。



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もろもろ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2018/12/13 11:30

かんじの話。

仕事で子供の書いた字をたくさん見る。

このごろ漢字が書けない子が多いなー、と、最初に思ったのが15年くらい前。

通っている学校も成績もけっして悪くないのに、え?と思うくらい簡単な漢字が書けない。

身体がよじれそうなヘンな誤字を書く子もいる。(→ ごじごじ話。

ちゃんと教わらなかったのか?誰にも正してもらえなかったのか?

面白がってるうちはまだよかった。

揚げ足取りの私は誤字に気付くことが多いが、書籍や雑誌でも明らかに漢字の誤りは増えている。

15年前の子供が、漢字の書けないまま大人になっているわけだ。

特にひどいのはテレビ画面の字幕。

その同じテレビが、クイズ番組で難読漢字を紹介するのだから、ちゃんちゃらおかしい。

普通の漢字も書けないヤツらが、一番画数の多い漢字とか、知らなきゃ読めない当て字を見せられて、喜んでいる。

そういえば、子供が漢字を書けなくなった、と感じた同じ頃、漢字検定が開始した。

検定試験なんていうものは、それを知ることによって他の人と違う資格を得られるような、特別な知識について行われるものだと思っていた。

漢字検定を知った時、ペットボトルで水を買うのと同じ、気持ち悪さを感じた。

漢字というのはもはや、書けて当たり前のものではないのだろうか。

一部の人が、お金を払って認めてもらうような、特別な知識なのだろうか。

年末に、世相を一字で表す漢字が発表されるのも恒例になったが、漢字がちゃんと書ける人が多い時代には、ぜったい生まれない発想だと思う。

今年の漢字は、今日午後に発表される。

ことしのかんじ2018
(墨が下に垂れるのが気になってしかたがない)



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2018/12/12 11:30
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