つゆいり話。
遅い梅雨入り宣言のあとも、けっきょく降らずに終わった昨日。
今朝は起きて窓を開けると、なまぐさいオゾンの臭いが流れ込んできた。
こんなんじゃあ、かえって部屋が湿ってしまう。ぴしゃりと窓を閉めて、カーテンだけを開けた。
ガラス越しの植栽の木々が、風に揺れ葉裏を見せてうねる。
無音の部屋にも伝わる、不穏な気配。
そして天をぶちまけるように、雨が降りはじめ、乾いた地面はみるみる色を変える。
気づけばガラスに額をつけて、つぶやいていた。
ざまあみろ いい気味だ
こぼれてきた感情に自分で驚く。
私はいったい何に腹を立てているのだろう?
わけのわからない怒りは、正体も告げぬまま去っていった。
しだいに雨は小粒になり、静かに穏やかに屋根を濡らしつづける。
今日は1日中、雨になりそうだ。


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今朝は起きて窓を開けると、なまぐさいオゾンの臭いが流れ込んできた。
こんなんじゃあ、かえって部屋が湿ってしまう。ぴしゃりと窓を閉めて、カーテンだけを開けた。
ガラス越しの植栽の木々が、風に揺れ葉裏を見せてうねる。
無音の部屋にも伝わる、不穏な気配。
そして天をぶちまけるように、雨が降りはじめ、乾いた地面はみるみる色を変える。
気づけばガラスに額をつけて、つぶやいていた。
ざまあみろ いい気味だ
こぼれてきた感情に自分で驚く。
私はいったい何に腹を立てているのだろう?
わけのわからない怒りは、正体も告げぬまま去っていった。
しだいに雨は小粒になり、静かに穏やかに屋根を濡らしつづける。
今日は1日中、雨になりそうだ。


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そうかい話。
おばーちゃんはここんとこ、毎日お出かけ。
今日はね、◎◎食品 明日は○○ホテルで…
そう、株主総会である。

亡くなったおじーちゃんは、わずかだが株式投資をしていた。
東京ほどではないが、関西にも本社を置く会社があり、株主総会が行われる。
存命のころはおじーちゃんが総会に出ていたが、健康を損ねてからは、議決権行使のハガキを出すだけで、出席はしていなかった。
あれは何年前のことだったか。
おじーちゃんが遺した株の、総会招集通知を手に
いっぺん行ってみようかな こういうの…
おばーちゃんが、珍しくそんなことを言うので、
イイじゃん、行きな行きな!
けしかけたのは私である。
金婚式を迎えずにおじーちゃんを亡くし、消極的になっていたおばーちゃん、新しいことを始めるのはきっといいことだ、と思ったのだ。
はじめての株主総会は、老舗の製薬会社。
商家に育ったおばーちゃんは、創業者にもなじみがあったらしく、新製品のお土産などもらって、ゴキゲンで帰ってきた。
以来、今日はどこ、明日はそこと、株主総会に出るのがこの時期の年中行事となった。
上場会社の経営方針や最先端の新技術をうかがい知れる総会は、おばーちゃんの社会見学なのだ。
◎◎食品の3代目はすっごいイケメンよ!
世知辛い昨今、お土産が出ないことも増えてきたが、ゴシップ的な興味も満たされ、交通費は十分にモトを取れているようだ。

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今日はね、◎◎食品 明日は○○ホテルで…
そう、株主総会である。

亡くなったおじーちゃんは、わずかだが株式投資をしていた。
東京ほどではないが、関西にも本社を置く会社があり、株主総会が行われる。
存命のころはおじーちゃんが総会に出ていたが、健康を損ねてからは、議決権行使のハガキを出すだけで、出席はしていなかった。
あれは何年前のことだったか。
おじーちゃんが遺した株の、総会招集通知を手に
いっぺん行ってみようかな こういうの…
おばーちゃんが、珍しくそんなことを言うので、
イイじゃん、行きな行きな!
けしかけたのは私である。
金婚式を迎えずにおじーちゃんを亡くし、消極的になっていたおばーちゃん、新しいことを始めるのはきっといいことだ、と思ったのだ。
はじめての株主総会は、老舗の製薬会社。
商家に育ったおばーちゃんは、創業者にもなじみがあったらしく、新製品のお土産などもらって、ゴキゲンで帰ってきた。
以来、今日はどこ、明日はそこと、株主総会に出るのがこの時期の年中行事となった。
上場会社の経営方針や最先端の新技術をうかがい知れる総会は、おばーちゃんの社会見学なのだ。
◎◎食品の3代目はすっごいイケメンよ!
世知辛い昨今、お土産が出ないことも増えてきたが、ゴシップ的な興味も満たされ、交通費は十分にモトを取れているようだ。

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ねっけつ話。
通勤時間帯の電車。
やけに混むと思ったら、市内で大きな国際会議が開催されるため、通行規制がかかり、ふだん自動車で通勤している人が、電車に乗ってるらしい。
なるほど、モタモタしたのが紛れ込むわけだ。
混雑で蒸し暑い車内、額に汗がツーと流れても、カバンの中のハンカチに手も伸ばせない。
前の席には、いかにも血圧が高そうな、赤ら顔の中年男性。いるだけで室温が上がりそうな、暑苦しいオヤジだ。
くう~ ただでさえ暑いっちゅうのに…
時に人は、見知らぬ相手にも瞬時にニクシミを抱く。
ところが高血圧オヤジ、不意に立ち上がると、バタバタと次の駅で降りていったではないか。
ヤレヤレ、座れる。ハンカチが出せる。先ほどまでのニクシミを忘れ、ホッとして腰を下ろすと、ヒャッと声が出た。
あっつーい!
オヤジなき後の座席は、ジカ火で炙ったかと思うほど熱かった。
どんなケツしてんだオヤジ!
どうにも気味が悪くて、浅く座り直し、ヒザの上のカバンからハンカチを出して額を押さえていると、私が降りる駅の名が聞こえた。
立ち上がって通路に進み、さっきの席を振り返ると、若いサラリーマンが座ろうとしている。
と、彼は座った姿勢のまま、優に10センチは飛び上がり、薄気味わるそうに周囲を見回した。
違う、違うのよ!その熱は私のじゃない!
訴えたかったけれど、降りる人の流れに、なすすべもなく車外に押し出されてしまった。

(551蓬莱はG20大阪サミットを応援しています)

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やけに混むと思ったら、市内で大きな国際会議が開催されるため、通行規制がかかり、ふだん自動車で通勤している人が、電車に乗ってるらしい。
なるほど、モタモタしたのが紛れ込むわけだ。
混雑で蒸し暑い車内、額に汗がツーと流れても、カバンの中のハンカチに手も伸ばせない。
前の席には、いかにも血圧が高そうな、赤ら顔の中年男性。いるだけで室温が上がりそうな、暑苦しいオヤジだ。
くう~ ただでさえ暑いっちゅうのに…
時に人は、見知らぬ相手にも瞬時にニクシミを抱く。
ところが高血圧オヤジ、不意に立ち上がると、バタバタと次の駅で降りていったではないか。
ヤレヤレ、座れる。ハンカチが出せる。先ほどまでのニクシミを忘れ、ホッとして腰を下ろすと、ヒャッと声が出た。
あっつーい!
オヤジなき後の座席は、ジカ火で炙ったかと思うほど熱かった。
どんなケツしてんだオヤジ!
どうにも気味が悪くて、浅く座り直し、ヒザの上のカバンからハンカチを出して額を押さえていると、私が降りる駅の名が聞こえた。
立ち上がって通路に進み、さっきの席を振り返ると、若いサラリーマンが座ろうとしている。
と、彼は座った姿勢のまま、優に10センチは飛び上がり、薄気味わるそうに周囲を見回した。
違う、違うのよ!その熱は私のじゃない!
訴えたかったけれど、降りる人の流れに、なすすべもなく車外に押し出されてしまった。

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びっくり話。
友だちのミドリちゃんに、1年ぶりに会う。
自身が経営者で、両親も成人した子供2人も同居、6人家族で猫まで飼っている多忙な彼女なので、会える機会はなかなかない。
去年も一昨年も、ちょうど今ごろ、同じ店で待ち合わせた。
先に席に着いていると、やがてちっとも急がない足取りで、ミドリちゃんが入ってきたので、コッチコッチ、と手を上げる。
誰よりも忙しいはずなのに、いつもゆったりした雰囲気に包まれた彼女に会うと、嬉しいと同時にセカセカした自分を省みて、恥ずかしくなる。
1年ぶりとも思えないほど話が弾み、ちょっと、と断ってご不浄に行った。
手を洗いながら鏡を見て、あれ、と思う。
デジャヴ?
同じ店、同じ季節、同じワタシ、既視感を覚えて当然とはいえ、あまりにもハッキリしたこの記憶は何だろう。
首をかしげつつ席に戻り、その旨報告すると、わが友はおっとりと
ああ、洋服…お洋服じゃない?
ギョッとして記憶をたどれば、去年ミドリちゃんに会った時と、同じ服を着ていた。
ご丁寧に、アクセサリーまで同じものだ。
お店に入ってきたとき タイムスリップしたかと思って ビックリしたわぁ
ウフフ…なんて笑っている。
やだなあ ビックリしたなら教えてよう!
アナタにビックリさせられるのは 今日に限ったことじゃない 昔からだからね…
アハハと笑って、さて、話題は、懐かしい昔話に戻る。


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自身が経営者で、両親も成人した子供2人も同居、6人家族で猫まで飼っている多忙な彼女なので、会える機会はなかなかない。
去年も一昨年も、ちょうど今ごろ、同じ店で待ち合わせた。
先に席に着いていると、やがてちっとも急がない足取りで、ミドリちゃんが入ってきたので、コッチコッチ、と手を上げる。
誰よりも忙しいはずなのに、いつもゆったりした雰囲気に包まれた彼女に会うと、嬉しいと同時にセカセカした自分を省みて、恥ずかしくなる。
1年ぶりとも思えないほど話が弾み、ちょっと、と断ってご不浄に行った。
手を洗いながら鏡を見て、あれ、と思う。
デジャヴ?
同じ店、同じ季節、同じワタシ、既視感を覚えて当然とはいえ、あまりにもハッキリしたこの記憶は何だろう。
首をかしげつつ席に戻り、その旨報告すると、わが友はおっとりと
ああ、洋服…お洋服じゃない?
ギョッとして記憶をたどれば、去年ミドリちゃんに会った時と、同じ服を着ていた。
ご丁寧に、アクセサリーまで同じものだ。
お店に入ってきたとき タイムスリップしたかと思って ビックリしたわぁ
ウフフ…なんて笑っている。
やだなあ ビックリしたなら教えてよう!
アナタにビックリさせられるのは 今日に限ったことじゃない 昔からだからね…
アハハと笑って、さて、話題は、懐かしい昔話に戻る。


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しごとの話。
数年前からときどき、梅仕事なる言葉を聞く。
さては紀州にUターンして就農する、というような話かと思ったら、なんのこたあない。
梅干しや梅酒を漬けることを、そう言うらしい。
丁寧な暮らし系の雑誌を見れば、オーガニックコットンのユルユルの服を着た痩せた女が、古民家の縁側、もっともらしく何かやっている。
思わずヘッと鼻で笑った。
1キロや2キロ、それも買ってきた梅の実で、大層なことである。
実家の梅の木に、毎年スズナリに実が生る。
もともとは、ハシゴに上がってその実をもぐのが私の仕事であったが、
私はもうシンドイから
ギブアップした母に押し付けられ、不本意ながら加工までやることになった。
毎年何キロになるものやら、お天気次第でまちまちなうえ、傷も汚れもあり、大きさも熟れ具合もバラバラな自家製の梅。
バケツに何杯もあるそれを、梅酒、梅干し、梅シロップのどれにするか。仕分けと計量にはじまる梅の始末は、毎年この時期の頭痛のタネである。
遅れに遅れた当地の梅雨入りは、明日になる見込み。
丁寧でなくテキトーに漬けた私の梅干しも、梅酢が上がってきた。


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さては紀州にUターンして就農する、というような話かと思ったら、なんのこたあない。
梅干しや梅酒を漬けることを、そう言うらしい。
丁寧な暮らし系の雑誌を見れば、オーガニックコットンのユルユルの服を着た痩せた女が、古民家の縁側、もっともらしく何かやっている。
思わずヘッと鼻で笑った。
1キロや2キロ、それも買ってきた梅の実で、大層なことである。
実家の梅の木に、毎年スズナリに実が生る。
もともとは、ハシゴに上がってその実をもぐのが私の仕事であったが、
私はもうシンドイから
ギブアップした母に押し付けられ、不本意ながら加工までやることになった。
毎年何キロになるものやら、お天気次第でまちまちなうえ、傷も汚れもあり、大きさも熟れ具合もバラバラな自家製の梅。
バケツに何杯もあるそれを、梅酒、梅干し、梅シロップのどれにするか。仕分けと計量にはじまる梅の始末は、毎年この時期の頭痛のタネである。
遅れに遅れた当地の梅雨入りは、明日になる見込み。
丁寧でなくテキトーに漬けた私の梅干しも、梅酢が上がってきた。


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はいった話。
夏だから、新しい帽子が欲しい。
だったら買えとお思いだろうが、それがなかなか容易でないんである。
私は頭がデカいのだ。(→ ぼうしの話。)
デパートでも、専門店でも、普通に売っている帽子はどれも、まず頭にはまらない。
それでも帽子を見れば、かならず1度はのせてみる。万が一を期待する、涙ぐましい習慣である。
昨日はバス待ちのため駅ビルをぶらついていた。
目にとまったのは輸入雑貨を扱うお店。
貝殻のアクセサリー、サンダルにタオル、夏らしい雑貨に混じって、おリボンの帽子が並ぶ。

こんなカワイイ店の帽子がわが巨頭に合うわけがないと思いつつ、念のため頭にのせてみた。
ふぁさっ すっ…
ええっ?!
押しも引きもしないのに、自然にフィットしたではないか。
これはもう買うしかない!
値札つきの帽子をかぶったままレジに赴き、支払いを済ませ、店を出てしばらく歩いてから、ピタリと足を止め、にわかに踵を返す。
あんなにピッタリの帽子、この先また出会うとは思えない。予備を買っておこう。
われながらナイスアイデアだ。
売り場に並ぶ同じ帽子をもう1つ手に取ったが、習慣とは恐ろしいもので、買うと決めているのにまた、頭にのせてしまった。
あれ?入らない?
色違いの別のをかぶる。
入らない…
まるきり同じに見える帽子の中で、私の頭にすっぽりとはまったのは、最初に手に取ったひとつ、ただそれだけだった。
夢を見たような気分。
買った帽子まで消えてしまいそうで、紙袋を抱え、慌てて店を飛び出したが、乗るつもりのバスはとっくに行ってしまっていた。

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だったら買えとお思いだろうが、それがなかなか容易でないんである。
私は頭がデカいのだ。(→ ぼうしの話。)
デパートでも、専門店でも、普通に売っている帽子はどれも、まず頭にはまらない。
それでも帽子を見れば、かならず1度はのせてみる。万が一を期待する、涙ぐましい習慣である。
昨日はバス待ちのため駅ビルをぶらついていた。
目にとまったのは輸入雑貨を扱うお店。
貝殻のアクセサリー、サンダルにタオル、夏らしい雑貨に混じって、おリボンの帽子が並ぶ。

こんなカワイイ店の帽子がわが巨頭に合うわけがないと思いつつ、念のため頭にのせてみた。
ふぁさっ すっ…
ええっ?!
押しも引きもしないのに、自然にフィットしたではないか。
これはもう買うしかない!
値札つきの帽子をかぶったままレジに赴き、支払いを済ませ、店を出てしばらく歩いてから、ピタリと足を止め、にわかに踵を返す。
あんなにピッタリの帽子、この先また出会うとは思えない。予備を買っておこう。
われながらナイスアイデアだ。
売り場に並ぶ同じ帽子をもう1つ手に取ったが、習慣とは恐ろしいもので、買うと決めているのにまた、頭にのせてしまった。
あれ?入らない?
色違いの別のをかぶる。
入らない…
まるきり同じに見える帽子の中で、私の頭にすっぽりとはまったのは、最初に手に取ったひとつ、ただそれだけだった。
夢を見たような気分。
買った帽子まで消えてしまいそうで、紙袋を抱え、慌てて店を飛び出したが、乗るつもりのバスはとっくに行ってしまっていた。

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いもうと話。
この夏休みに、母の傘寿のお祝いをしようという話が出た。
とはいえ、ムスメムスコはそれぞれに忙しく、姪っ子は高校受験。
母とイモートと私、3人で上等の食事をする程度になりそうだが、イモートは遠方に住んでいるので、打合せは必要だ。
先日来、グルメサイトを見ては、どの店にするか、イモートとやりとりをしている。
やりとりといっても、もっぱらイモートが
ねーねーこの店どう?
と送ってきた詳細を見て、私が感想を言う、という感じで、なかなか決まらない。
それというのも、イモートが選んでくる店は
予約必須!シェフの隠れ家イタリアン
だの
モダンインテリアの中で和食をいただく
だの
フレンチとの融合を楽しむフュージョン中華
だの、どれもこれもシックリ来ないのだ。いいかげん、ダメ出しばかりも嫌になってきた。
この店なんかどう?
というイモートの問いに、
こういうの、おかーさん好きかなあ?
と、質問返しをしてみたら、しばらく間があって
それ、忘れてた!
と言うではないか。
女3人で高級なランチ♡にウキウキしたイモートは、母の傘寿を祝う、という本来の目的を忘れ、自分が行ってみたい店ばかり探していたのだ。
だからといって、けっして母を粗末に思うのではない。
ただ、機会をとらえてちゃっかり自分の希望につなげる、昔からの妹気質なのだ。
50過ぎても性格は変わらないな、と、なんだかおかしくて、かわいく思えた。
そんなイモートは、娘のメイちゃんには、ウッカリママと呼ばれている。

(融合すると、とかく全体量が減りがち)

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とはいえ、ムスメムスコはそれぞれに忙しく、姪っ子は高校受験。
母とイモートと私、3人で上等の食事をする程度になりそうだが、イモートは遠方に住んでいるので、打合せは必要だ。
先日来、グルメサイトを見ては、どの店にするか、イモートとやりとりをしている。
やりとりといっても、もっぱらイモートが
ねーねーこの店どう?
と送ってきた詳細を見て、私が感想を言う、という感じで、なかなか決まらない。
それというのも、イモートが選んでくる店は
予約必須!シェフの隠れ家イタリアン
だの
モダンインテリアの中で和食をいただく
だの
フレンチとの融合を楽しむフュージョン中華
だの、どれもこれもシックリ来ないのだ。いいかげん、ダメ出しばかりも嫌になってきた。
この店なんかどう?
というイモートの問いに、
こういうの、おかーさん好きかなあ?
と、質問返しをしてみたら、しばらく間があって
それ、忘れてた!
と言うではないか。
女3人で高級なランチ♡にウキウキしたイモートは、母の傘寿を祝う、という本来の目的を忘れ、自分が行ってみたい店ばかり探していたのだ。
だからといって、けっして母を粗末に思うのではない。
ただ、機会をとらえてちゃっかり自分の希望につなげる、昔からの妹気質なのだ。
50過ぎても性格は変わらないな、と、なんだかおかしくて、かわいく思えた。
そんなイモートは、娘のメイちゃんには、ウッカリママと呼ばれている。

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ペーター本。
佐藤憲吉、という名前にはピンとこない人でも、ペーター佐藤と言えば聞き覚えがあるんじゃないだろうか。
それもご存知ない人も、このサイン↓なら見たことがあるかもしれない。

ミスタードーナツの持ち帰り用のボックス。あの愛らしい少年少女のポートレートを描いたのが、ペーター佐藤なのだ。
近年はパステルや色鉛筆によるイラストが多かったが、80年代にエアブラシを用いた、未来的でクールなイラストで注目されていた彼の、画集を除く唯一の著書がこれである。

(「ロマンチック・ライフをつくる―いつも美しいものに敏感でいるために」 佐藤 憲吉著 21世紀ブックス)
はじめてこの本を手にした時、私は中学生。
周囲にいる男といえばオッサンかガキか、ハナをたらして野球をしているか、ビールを飲みながら野球を見ているかのどっちか。
ところがこの世の中には同じ男でも
僕のロマンチシズムの条件は、透明感があること
とのたまい、
サテンで作ったティアード・スカートの華やかさ
やら
ロマンチックに装いたい時は、ヴェールのついたカクテル・ハット
などというオニイサンも存在するのだ!と、私は大げさではなく、文字通りシビレた。
ロマンチック・ライフと銘打たれたとおり、洋服だけではなく、インテリア、アクセサリー、メイクまで、美意識を持って生活する、美しいものを自分で作る、いろんなアイデアや方法が書かれている。
そのあまりのステキさに、木造平屋に住み、ホコリ臭いセーラー服を着た田舎の中学生は打ちのめされたのであった。
ちなみにこの本で
ニューヨークはワシントンスクエアの近くのユニーク・クロージングというブティック
の存在を知っていたため、ユニクロというものが出てきた時、なんだ、パクリじゃん、とすぐに分かった。
昭和52年11月初版、もちろん絶版。
今日はペーター佐藤憲吉没後25年に当たり、2014年4月19日の記事を再掲いたします。

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それもご存知ない人も、このサイン↓なら見たことがあるかもしれない。

ミスタードーナツの持ち帰り用のボックス。あの愛らしい少年少女のポートレートを描いたのが、ペーター佐藤なのだ。
近年はパステルや色鉛筆によるイラストが多かったが、80年代にエアブラシを用いた、未来的でクールなイラストで注目されていた彼の、画集を除く唯一の著書がこれである。

(「ロマンチック・ライフをつくる―いつも美しいものに敏感でいるために」 佐藤 憲吉著 21世紀ブックス)
はじめてこの本を手にした時、私は中学生。
周囲にいる男といえばオッサンかガキか、ハナをたらして野球をしているか、ビールを飲みながら野球を見ているかのどっちか。
ところがこの世の中には同じ男でも
僕のロマンチシズムの条件は、透明感があること
とのたまい、
サテンで作ったティアード・スカートの華やかさ
やら
ロマンチックに装いたい時は、ヴェールのついたカクテル・ハット
などというオニイサンも存在するのだ!と、私は大げさではなく、文字通りシビレた。
ロマンチック・ライフと銘打たれたとおり、洋服だけではなく、インテリア、アクセサリー、メイクまで、美意識を持って生活する、美しいものを自分で作る、いろんなアイデアや方法が書かれている。
そのあまりのステキさに、木造平屋に住み、ホコリ臭いセーラー服を着た田舎の中学生は打ちのめされたのであった。
ちなみにこの本で
ニューヨークはワシントンスクエアの近くのユニーク・クロージングというブティック
の存在を知っていたため、ユニクロというものが出てきた時、なんだ、パクリじゃん、とすぐに分かった。
昭和52年11月初版、もちろん絶版。
今日はペーター佐藤憲吉没後25年に当たり、2014年4月19日の記事を再掲いたします。

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よげんの話。
にわか雨に降られて、ショッピングモールに駆け込んだ。次のバスまでここで時間をつぶそう。
とはいえ買い物も無し、チェーン店のカフェへ。

空いた店内、頭上のメニューを見ながら考える。今日はあっさり薄めの、だけど冷たいコーヒーが飲みたい。
えーとアメリカンの… アイスはないのか~
ハイー スミマセン
大きなヒトリゴトに、カウンターの向こうから、お姉さんが返事をしてくれた。
じゃあ カフェオレのアイスをください
はーい ミルク多めにしますね うちのアイス、濃いーんですよね
一瞬何のことか分からなかった。
ああ、そういうことか!お姉さんは私が、濃いコーヒーの苦手な人、と思ったのだ。
ホントは違うけど、心遣いが嬉しくて、支払しながら
ありがとう きっとイイことがあるわよ~
こういうときオバサンはつい、余計なことを言う。
140円のお返しでーす ウフフ…そんなぁ…
カワイイ笑顔に
いやホント ぜったいイイことがありますって!
何の根拠もなく、声を張って予言してしまった。
ロングライフ牛乳が多めのカフェラテは、あんまり好みの味じゃなかったけれど、楽しい気持ちで最後まで飲んだ。
そろそろ、雨も止むころだろう。

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とはいえ買い物も無し、チェーン店のカフェへ。

空いた店内、頭上のメニューを見ながら考える。今日はあっさり薄めの、だけど冷たいコーヒーが飲みたい。
えーとアメリカンの… アイスはないのか~
ハイー スミマセン
大きなヒトリゴトに、カウンターの向こうから、お姉さんが返事をしてくれた。
じゃあ カフェオレのアイスをください
はーい ミルク多めにしますね うちのアイス、濃いーんですよね
一瞬何のことか分からなかった。
ああ、そういうことか!お姉さんは私が、濃いコーヒーの苦手な人、と思ったのだ。
ホントは違うけど、心遣いが嬉しくて、支払しながら
ありがとう きっとイイことがあるわよ~
こういうときオバサンはつい、余計なことを言う。
140円のお返しでーす ウフフ…そんなぁ…
カワイイ笑顔に
いやホント ぜったいイイことがありますって!
何の根拠もなく、声を張って予言してしまった。
ロングライフ牛乳が多めのカフェラテは、あんまり好みの味じゃなかったけれど、楽しい気持ちで最後まで飲んだ。
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ひがさの話。
今日はいちばん昼が長い日、夏至。
ちかごろ男の日傘が話題らしい。
暑くなる一方の日本の夏、いよいよ男性も日傘です!
などと、テレビでも騒いでいた。街頭インタビューではサラリーマンが
日傘ですか~ 涼しいだろうけど なかなかね~
抵抗を示しつつ無防備な頭頂部を日にさらしている。
どうやら男性が日傘をさすのは珍しい、気恥ずかしいことらしいが、私はどうもピンと来ない。
明治生まれの祖父が、日傘をさしていたからだ。
祖父の盛夏の衣装には、白麻の上下があった。
シャツは半袖、開襟で肩章とベルト通しつき、ズボンは膝丈。
木綿の長靴下に革靴を穿いた姿は、さながらリヴィングストン博士のアフリカ探検である。
太鼓腹のリヴィングストンが杖代わりに持つは、木彫の犬の頭が持ち手の、厚い布張りのカサ。
バフッ!
こもった音を立ててきつく巻かれたカサが開くと、炎天下しらしら光る夏の道に、とつぜん現れる大きく真っ黒な影。
熱気は遮られ、不思議に涼しい空間がうまれる。
華奢なレースの祖母の日傘より、祖父の日傘はずっと頼もしかった。
だから日傘はけっして女だけのものではなく、男には男の日傘があって当たり前に思える。
今の男性も、堂々と日傘をさして涼しさを享受されればよい。
ただし、冒頭筆が滑った頭頂部云々については、保証の限りではない。
生涯日傘を愛用した祖父は、見事なつるっぱげであった。

(しかしこの日傘はいただけない)

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ちかごろ男の日傘が話題らしい。
暑くなる一方の日本の夏、いよいよ男性も日傘です!
などと、テレビでも騒いでいた。街頭インタビューではサラリーマンが
日傘ですか~ 涼しいだろうけど なかなかね~
抵抗を示しつつ無防備な頭頂部を日にさらしている。
どうやら男性が日傘をさすのは珍しい、気恥ずかしいことらしいが、私はどうもピンと来ない。
明治生まれの祖父が、日傘をさしていたからだ。
祖父の盛夏の衣装には、白麻の上下があった。
シャツは半袖、開襟で肩章とベルト通しつき、ズボンは膝丈。
木綿の長靴下に革靴を穿いた姿は、さながらリヴィングストン博士のアフリカ探検である。
太鼓腹のリヴィングストンが杖代わりに持つは、木彫の犬の頭が持ち手の、厚い布張りのカサ。
バフッ!
こもった音を立ててきつく巻かれたカサが開くと、炎天下しらしら光る夏の道に、とつぜん現れる大きく真っ黒な影。
熱気は遮られ、不思議に涼しい空間がうまれる。
華奢なレースの祖母の日傘より、祖父の日傘はずっと頼もしかった。
だから日傘はけっして女だけのものではなく、男には男の日傘があって当たり前に思える。
今の男性も、堂々と日傘をさして涼しさを享受されればよい。
ただし、冒頭筆が滑った頭頂部云々については、保証の限りではない。
生涯日傘を愛用した祖父は、見事なつるっぱげであった。

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