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ふぁいなる話。

暑さの中にも、朝夕にかすかな秋の気配。

その目安のひとつが、路上で仰向けにくたばるセミの姿である。

もはや死んだものと思い近づくと、案外な大声で騒ぎ、あまつさえバタバタ飛んだりして、無駄にビックリさせられるアイツを

セミファイナルというんだよ

何年か前に教えてくれたのは、ムスメだったか。

むろん本来の意味ではない。辞書的には

semifinal(名) … 準決勝戦、準決勝試合。

これが正解だ。

ネット上で生まれた用語らしいが、死ぬ=ファイナル一歩手前の状態を、セミ=蝉とひっかけた、うまいネーミングだ。

当地では、ここ2、3日でツクツクホウシが鳴きだした。

そういえば、ツクツクホウシのセミファイナル状態は、見たことがない気がする。アブラゼミとは生態が違うのだろうか?

セミと並ぶ夏の風物詩、高校野球も準決勝戦が終わって、長い夏もファイナルである。


(アステアの「恋愛準決勝戦」の原題は、semifinalではなく「Royal Wedding」)



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2019/08/21 11:30

モチモノ本。

見たい番組がなくてチャンネルをガチャガチャ…ウソ、今のテレビはそんな音、しない。

とにかく、あっちこっち見ていたら、番組の宣伝が目にとまった。

散らかした家の中のモノを、とにかく全部出して3日で片付ける、という乱暴な番組(→「家のもの全部出して!?3日でお家ダイエット」テレビ東京系)だ。

これは見なければなりません。万が一にも見逃してはならじと、録画予約をした。

私は掃除はキライだが片付けは好きなので、うちは散らかってはいない。

しかし、汚部屋とかゴミ屋敷とか、その手の番組には興味津々だ。

お困りの当事者には申し訳ないが、怖いもの見たさというか、なんでそんなになってしまうのか、知りたい気持ちで、夢中で見てしまう。

登場するお宅の持ち物は、広い体育館のような場所にびっしりと並べてなお足らず、何段にも積み上げられている。

予告を見ていて、本棚の写真集を思い出し、リビングに持ってきた。

ちきゅうかぞく
(「地球家族 世界30か国のふつうの暮らし」 TOTO出版)

マテリアルワールドプロジェクトと称し、30か国の家財を調査した結果のこの本。

申し訳ありませんが、家の中のものを全部、家の前に出して写真を撮らせてください。

そういう写真を集めたものである。

臼と杵、山羊と鶏を並べたエチオピアの草葺の家から、自動車4台に24人掛けの長いソファー、油絵のコレクションを掲げたクウェートの豪邸まで、あらゆる経済状況の様々な家庭の持ち物を眺めることができる。

もちろん、日本の家庭も紹介されている。

それを見ると、日本の家族はじつにこまごまと多数のものを持ち、小さな家に詰め込んでいる、ということが分かる。

外国の風物はとかく素敵に感じる、という点を割り引いても、チマチマして雑多な暮らしぶりだ。

この本の初版は25年前

ベトナムのニュエンさんのお宅にも今はパソコンが置かれ、ハイチのデルフォートさんの小さな息子は、スマホで株取引をしているかもしれない。

しかし、日本の家がぎっしりとモノで詰まっている状況は相変わらずだ。

それを豊かさととらえるか、民族性と見るかは、なかなか難しい。



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ブックガイド | コメント(8) | トラックバック(0) | 2019/08/20 11:30

もどった話。

お盆休みは終わり、世の中は通常モード。

ムスメが去り、ムスコが行き、静かになった家で、3人分のシーツなどを洗濯する。

高校野球中継から、ふだんに戻ったテレビを点けっぱなしに、散らかったリビングを片付けた。

帰省といっても、彼らには彼らの予定があり、好きに出入りするので、何をするでもない。ただ宿を貸すだけのことだ。

それでもなんとなく、くたびれた感じはある。

夕飯の要不要や、お風呂の順番を気にしながら、遅い帰宅を待って戸締り。

そんな、同居している時は自然にやっていたことに疲れを覚えるのは、私の1人暮らしもすっかり板についてきた、ということだろうか。

ムスコのフトンを上げたら、飛び出してきたのは靴下の片っぽ

アパートに送る段ボールの一番上にそれを乗っけて、ガムテープで封をした。

遠くの街の住所を宅配便の伝票に記し、発送すれば、私の夏休みも終わりだ。

ままぞん



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ごかぞく | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/08/19 11:30

ちょうしょく話。

今夜のホテルに到着、フロントでチェックインをし、簡単な案内を受けてからカギをもらう。

所在無げに待っていたムスメとムスコを従え、部屋に向かった。

エレベーターの中で、ムスメが秘密を打ち明けるような調子で

朝食、バイキングだねえ

まー、こういうとこはだいたいそうじゃない?

苦手なんだよね~ カッコよく取るの…

カッコよく???

ちょうど降りる階に着いて、話は途中で終わった。

そして翌朝。

朝食会場に行くと、よくある和洋のバイキングメニューが並んでいる。

ちょうしょくばいきんぐ

私は目玉焼とベーコンなど、取るものが決まっているので早い。コーヒーを飲んでいたら、続いてムスコが戻ってきた。

この子は和食が好きなので、ご飯にだし巻き玉子や焼きシャケ、キンピラなどを並べている。

そしてムスメ、これがなかなか戻ってこない。

いったいぜんたい何やってんだろうと思い始めたころ、グラグラ不安定なトレイを手に、ムスメがそろそろと歩いてきた。

ようようテーブルに載せたのを見れば、見事にデタラメだ。

味噌汁があり、納豆があるのに白飯はなく、「シェフのスペシャリテ」のコーナーから、パエリヤなんか取っている。

ソーセージとトーストの横に、ひじきの煮物。

昔から食べることに関心の強い子だった。食べたいものを取ると、こうなるのだろう。

冷たいオレンジジュースをグビッと飲んで、タメイキをつき

なんでだろ~ 気がつくとこうなってんの…

泣き笑いの顔に、小さかった頃の面影が浮かんで、かわいかった。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2019/08/18 11:30

なつたび話。

社会人のムスメは、盆休みとはいえ予定がある。

年頃の娘が、休みにべったり実家にいるよりはずっといいが、せっかく弟が帰っているのだから、1泊くらい出かけよう、ということになった。

行先は、昔みんなで行った海辺の街

海があって、遊覧船があって、水族館があって、どこに行っても思い出がある、懐かしい場所だ。

子供と旅行といっても、みんな大人である。迷子の不安も、食事やトイレの心配もいらない。

親の仕事は切符のお金を出すだけで、特急電車はスコスコと目的地に着いた。

親子客でいっぱいの駅では、暑さに焦れた子供が、もう何事かゴテている。

◎×☆! ●☆×◎! ぎゃー!!  

大荷物を提げたお母さんは、周囲を気にしつつ説得するが、聞くものではない。

うっるせえなあ…

2人も産んでおいてまだ子供ギライな私は、露骨にしかめ面をしてムスメにたしなめられる。

うちだって、ついこの間まで、ああだったのだ。

おくれ毛が汗で首筋に貼りつく、若いお母さんの必死の形相を横目に、その場を通り過ぎた。

あとちょっとがんばれ 振り返れば ほんの短い時間だから

声に出せばただの気休めになるから、心で思う。

いつの間に先に行ってしまった、私より背の高い後ろ姿ふたつ。

小走りであとを追いながら、3人の旅行はこれが最後かもな、と、ふと思った。

とばすいのがちゃ



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ごかぞく | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/08/17 11:30

おくりび話。

京都の五山送り火が、台風のため中止という誤情報が、ネット上で広まっているらしい。

13日に発表された「奈良大文字送り火」の中止と混同されたようだ。

あらお気の毒、と思いつつ、奈良のせいで京都が迷惑したと聞けば、フフフ、とつい含み笑いになるのは、ヒガミ根性というものである。

そんなニュースを並んで見ていたら、おばーちゃんが話し出す。

何年前かなァ おじーちゃんと大文字を見に…

おとーさんが足、悪くする前だね

なんにも当てなしに電車に乗ってって 送り火が目当てらしい人らが降りる駅で降りたの

うんうん

どっちに行くかもわからないけど 皆が行く方に行こうって…

ふーん…

賑やかなグループについて行ってね そしたら…

うん

その人たち フッて曲がったと思ったら、看板も出てないビルに入ってっちゃった!

あらー!どうしたの、その後?

おじーちゃんと2人、思わず笑ってねえ…

ハハハ… そりゃそうだ

どこをどう歩いたんだか、なんだか橋の上に出て、そこからちいーさい大の文字を見たわ

まだ元気だった頃の、夫婦の送り火の思い出話。

ハツミミみたいに相槌を打っているが、聞くのは実は初めてじゃない

夏になるたびに、送り火のニュースを見るたびに、何度も聞いたことがあるエピソードなのだ。

きっと来年も、母はまた、この話をするだろう。

そして私も、初めて聞いたように、相槌を打ち、ハハハと笑うだろう。

父が亡くなって、8度目の夏。

京都五山の送り火は、本日午後8時点火される。

ござんおくりび
(→ 京都五山送り火 公式サイト



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ごかぞく | コメント(12) | トラックバック(0) | 2019/08/16 11:30

たらたら話2。

今日は実家でお盆の法要

若くて元気なあまり、お約束より早めに来てしまわれるお坊様のため、昼の法要に朝から集まるのも例年通り。やがて

こんにちはー 暑いですなあ

ハリのある声が聞こえたと思うと、案内するヒマもなく仏間の襖が開かれた。

慌てて数少ない一族が仏壇の前に居並ぶ。

今年は高校受験の夏期講習中のメイちゃんが欠席なので、さらに少ない。

何しろ書き入れ時である。有り難いお経も猛スピードで読まれ、足のしびれる間もない。

終了に近づくと見て、おばーちゃんがお茶とお菓子を差し出す。その同じお盆に、お布施もそっと載せてあるのだ。

どうやら無事終わりそうだ、とホッとしかけた時

うっ… こ、これは…

お盆の上を見たお坊様が、なにやら驚いて固まっているではないか。

何事かと見れば、お布施の熨斗袋の下には

たらたらしてんじゃねーよ

おかーさん!

横目でわが母を見れば

話題のお菓子ですわ お1つどうぞ…

オホホなんて笑っている。

お坊様は事態を把握すると満面の笑顔となり、

テレビで見ましたが… ははァ、コレがアレですか!

お布施と一緒に、駄菓子の袋をセカンドバッグに仕舞ったお坊様が玄関を出たあと

うちにくれたのが最後、って言ってたじゃん!(→ たらたら話。

と言うと、おばーちゃんは

そうよ、あれは最後から2つめ

涼しい顔で答えた。



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ごきんじょ | コメント(14) | トラックバック(0) | 2019/08/15 11:30

つらつら話。

ミヨシさんは都市伝説ファン。

口裂け女の類ではなく、最新技術で近々…とか、NASAでは既に…、みたいなお話が好きらしい。

今日の話題はAI(人工知能)である。

…でね、データを集めて、その人の頭脳や声を再現するんですよ…

へえー

職場の皆はもう慣れっこで、テキトーに聞き流しているが、彼女は気のない返事にもめげず

そしたら、亡くなった人とお話しできるんですよ!スゴイと思いません?

亡くなった人ぉ?

そうです!子供の頃死んだおじいちゃんとか、また会いたいじゃないですか

まーねー

すると、それまで黙っていた某さん(特に名を秘す)がポツリ。

私はがいいなあ

えーっ?!

一同驚愕。

某さんのお義母さんは、人も知るクソババアで、某さんは聞くも涙、語るも涙の苦労をした。亡くなった時は、みんなして

大きな声では言えないけど…ヨカッタねえ!

と、大きな声で言ったものだ。

あのお義母さんでしょ、なんでー?!

あんなこと言われた、こんなこともされた、って思いだすじゃない?言い返せなかったけど、悔しいんだよねえ あん時、ただ黙ってたのが…

そっかー

今なら恨み言の1つも言いたいなあと思って

なるほどねえ

もし姑のAIができたら 思いっきり言い返すわ アタシだって もう若いお嫁さんじゃないし

ハハハ… そういうことかあ!

もうね、AIが泣くまでやってやる!

お盆で戻ってきたお義母さんの魂は、さぞかしゾーッとしていることだろう。

AI.jpg
(こちらは某さんの姑ではなく歌手のAIさん)



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ごきんじょ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/08/14 11:30

ざりざり話。

お盆休みとはいえ特に予定はない。

昨夜遅く帰ったムスコは、昼前に起きてきた。

せっかくのお盆だから、家族で渋滞でも見物しようと、テレビを点けた。

いきなり画面いっぱいに、大皿に山盛りの真っ赤なものが映る。

ザリガニだ。

よっぽどトピックが無いのだろう。中国ではザリガニ料理が流行しているというニュースである。

しばらく待ってもいっこうに高速道路が映らないので、テレビを消した。

昼食の皿を洗っていたら、ふと素敵なメロディーが頭に浮かぶ。

♪いざりがにざりぃ~♪

なんだコレ?

♪いざりがにざりぃ~♪

ザリガニ、は分かる。さっきのテレビだろう。しかし、前に付いている「い」が分からない。

♪いざりがにざりぃ~♪

歌詞が意味不明なのに対して、メロディーはハッキリ、カッコよくキマッている。

♪いざりがにざりぃ~♪

何だよそれ…

おっと、いつの間にか声に出ていたようだ。ムスコが気味悪そうにこっちを見ている。

わかんないけど 頭に浮かんだの

わかんないもの歌うなよ こえーよ…

私はこういうの、すごく多いんだ。

だいたいはダジャレだけど、口走った時は出典が分からない。

ギュウギュウに詰まった抽斗から、シャツを1枚ひっぱり出したら、関係ないものまでボロボロと出てくる、そんな感じ。

きっと私の頭の中は、要らないものでギュウギュウなんだろう。

♪いざりがにざりぃ~♪

その後、ムスコに聞かれないようにこっそり何度か歌ったら、やっと何か分かった。

♪いさみあしさみぃ~♪

これだ。


(BARBEE BOYS 「勇み足サミー」)



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てれびじょん | コメント(9) | トラックバック(0) | 2019/08/13 11:30

ちくちく話。

机に向かって気がつけば、首の後ろをモゾモゾ触っている。

なんだかチクチクするのだ。

かすかに指先に触るものを探り当てたが、なにしろ体の背面である。つまもうとしても、なかなかうまく取れない。

ずいぶん長くモゾモゾしたが、いつの間に落ちたのか、わからなくなってしまう。

地味にイライラする。

チクチクの正体は分かっている。髪の毛だ。

私の髪型はストレートのボブだが、暑い時期はショートに近く短くする。

みなみだようこ
(モデルは女優の南田洋子さんです)

加えて夏は襟開きの広い洋服を着ることが多い。

だから首筋や肩先はむきだしで、そこに抜け毛が落ちると、汗をした肌にくっつくのだ。

もちろん冬場だって髪は抜けるし落ちているだろうが、身体が衣服に覆われているので、直接の不快感はない。

チクチク、モゾモゾ、イライラ

チクチク、モゾモゾ、イライラ

チクチク、モゾモゾ、イライラ


1日に何度も、こんなことを繰り返している。

強烈な日差しや激しい暑さももちろんつらいが、

暑いねえ!

ホント暑いわあ!


周囲の人と言い交し、発散することもできる。

しかし、こういう些細な不快感は誰にも言えないし、共感されにくい。

チクチク、モゾモゾ、イライラ

チクチク、モゾモゾ、イライラ

チクチク、モゾモゾ、イライラ


もしかしたら、私の夏の最大のストレスはこれかもしれない。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2019/08/12 11:30
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