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よしのの話。

ひと月ぶりの美容院

私はオシャレじゃないし、どこをどうしたらどうなるのか、とんと疎いので、いつもオマカセだ。

テルテルボーズのようなケープをかけながら、それでもいちおう

今日はどのように?

聞いてくれる美容師さんの気配りに

伸びた分だけ切って 前と同じ感じに…

はかばかしい返事もできないまま、毎回、1か月前と同じ、無難なボブヘア(→ながのの話。)が出来上がる。

ところが今日は少し違った。

雰囲気変えてみましょうか 秋だから

提案されたのだ。

スカーフも巻くでしょ?秋だから

着るものの首周りにボリュームが出るから、頭は軽くしたほうがいい、というのである。

なるほどと思ったし、秋だから、という理由もステキで、言われるままお願いした。

出来上がった髪型は、いつもより短めで、なんだかピンと来ない。似合わない気もするが、きっと見慣れないからだろう。

新しいスタイルに、ウキウキと帰りかけた私に

キムラヨシノみたいでしょ?

ニッコリ投げかけられた、言わずもがなのヒトコト。

きむらよしの

たしかに、彼女に似合いそうな髪型だ。鏡の中の違和感は、そこだったのだ。

あんな美人の髪型を、私ごときが…。

とたんに猛烈に恥ずかしくなり、自動ドアの開くのを待ちかねて、外へ飛び出した。

短くなった襟足に、風が冷たい。

秋だから。



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もろもろ | コメント(14) | トラックバック(0) | 2019/10/21 11:30

きょくちょう話。

ムスコはテレビを持たない。

ムスメも家を出たあと、テレビは買っていないので、たまに

今日のおげんさん録画してください

などと依頼が来るが、ムスコからはそれも無い。

テレビを見るのはうちに帰った時、それも点いているのに目をやるだけで、積極的にチャンネルを回すということもない。

母親の私がテレビっ子なのに、なんだか不思議だ。

そんなムスコから、LINEが入った。

局長降板だって!!!!!

5つのビックリマークが動揺を示す。

局長、といえば、関西ではあの探偵局の局長に決まっている。予告で

今夜重大発表!

とあったのは知っていたが、どうせまた特番の告知だろう、と思っていた。金曜はくたびれていて、番組も見ずに寝てしまったのだ。

テレビが無いムスコは、ネットニュースで知ったらしい。

えー、知らなかった!

返信すると、即座に

ショックだ…

答えが返ってきた。

ムスコがそんなに熱心にあの番組を見ていた記憶が無いので、ちょっと意外である。

昔から番組を見ていた私にとって、局長といえば初代・カミオカ局長だ。関西人でも芸人でもない2代目局長には、心理的に距離があった。

しかし、あらためて調べてみると、ニシダ局長の在任期間は、初代を大きく上回り、なんと19年になるというではないか。

20代のムスコにとって、局長=ニシダ局長なのである。

長く続く番組には、たくさんの人が色々な思いを持ち、感じ方は必ずしも同じではない。

久々にテレビ見て 局長がおらんと寂しいなあ…

そう言うムスコにも、私にはわからない思いが、きっとあるのだろう。

探偵!ナイトスクープは金曜日午後11時17分から放送。

たんていないとすくーぷ
(このころは土曜日の11時半にやっていた)


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てれびじょん | コメント(10) | トラックバック(0) | 2019/10/20 11:30

ふたりの話。

回転寿司のことを考えた(→どこなの話。)せいか、食べたくなった。

1人暮らしのいいことは、気ままに食事ができることだ。

平日の夕方早い、ヘンな時間。食堂街の回転寿司は、ガラガラに空いている。

いや、ガラガラどころではない。見渡すフロアに客は私1人であった。

あまつさえ店員もいない

席につくにもためらわれて、立ったままキョロキョロしていたら、やがてカウンターの中、のれんの奥から、白衣の小柄な姿が現れた。

…いらっしゃいませ~ お待たせしてスミマセン…

慌てた様子のオーダー係は、若い女の子だった。

職人さんも、客がないので奥で休憩しているのだろう、悪いことをした。

ごめんなさいね ヘンな時間に… 大丈夫?

一応確認すると、かわいく笑って

もちろん どうぞお好きな席に!

選び放題の席を、手のひらで示してくれる。

人の来ない時間だからか、お寿司のお皿は回っていない。

握りますから お好みおっしゃってください~

そう言うのは、職人さん…ではなく、オーダー係だと思っていた女の子ではないか。

もしかして… 今ひとり?

そうなんです~

とりあえず3皿ばかり注文したが、手持無沙汰でつい、彼女の手元を見てしまう。

思いのほか手際よく、注文のお寿司が出来上がり

お待たせしました~

かわいい女の子が作ってくれたお寿司。おままごとで遊んでいるようで、楽しい気分だ。

オバサンはこういう時、つい若い人に話しかけてしまう。

ひとりぼっちで こういうの、よくあるの?

あんまり…たま~にですけど…

心細くない?ヘンな人が来たり…

そう言う私もまあまあヘンな客だが

いえいえ~

ニコニコと感じがいい。

夜の準備作業を始めた彼女を邪魔しないように、おとなしくお寿司を食べて、そろそろ帰ろうか、と思いはじめたころ、他の店員が出勤してきた。

ぽつぽつと、客も入りだす。

ふたりぼっちの時間は終わったらしい。

お皿を数えに来た、男の店員の肩越しに、小さく手を振ったら、彼女はぺこり、と頭を下げた。

かいてんずし



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ごきんじょ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/10/19 11:30

どこなの話。

…これは何でも どデカ過ぎ!

男性のダミ声に目をやれば、画面でお寿司がバウンドしている。

お寿司というのはこんなに乱暴に叩きつけても大丈夫なものなのだ、と知る、回転寿司チェーンのCMである。

どでかねたまつり

よく見るCMだから、画面を見なくてもあの店と分かるが、唯一分からないのは

どこなんだ スシロー!

回転寿司はロードサイドに建っていることが多いから、クルマに乗る方にはおなじみなのだろう。

しかし私はクルマに乗らない。ふだん行くのは、徒歩と公共交通機関で行ける店だけ。

たまにバスツアーなどに参加して

ああっ!あんなところに!

車窓に見つけても、むろん途中下車はできない。

どんなにどでかいネタが、どれほど景気よくバウンドしても、いかんともしがたいのである。

タメイキをついていたら、同じ男のダミ声が、別なことを言いだした。

…カキ、ウニ、イクラ 頂上決戦!

みっつのぼなーら

魚卵好きの私の目に、山盛りのウニやイクラが飛び込んでくるが、心で叫ぶしかない。

だからどこなんだ ジョリーパスタ!



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てれびじょん | コメント(8) | トラックバック(0) | 2019/10/18 11:30

いててて話。

手足が冷えるこの季節、フトンの中で脚がつる。

若い時には無かったことだから、加齢のせいと思っていたが、記事を振り返れば、4年前から同じことをブツクサ言っている。(→ こむらの話。

イテテテとなった時、以前はエアーサロンパスをかけていたが、模様替えで薬箱が遠くなった。

冷え込む秋冬、痛い脚で取りに行くのはつらいし、なにより見た目に穏やかでない。

寝乱れ髪のオバサンが、痛みにうめきながら、ネマキのまま薄暗い廊下を這って行く。

さながらホラー映画のワンシーンである。

そこで、ストレッチでの解消法を思い出した。

ふくらはぎがつった時は、つま先をつかんで手前に引き、足首を伸ばす。要は筋肉の収縮なので、ゆっくり伸ばしてやればいいのだ。

ところがある朝、脚の痛みを感じて身体を起こしたところ

…い…イテテテ…

あらたに痛みが走った。さっきまで痛かった脚ではなく、なんと脇腹である。

つま先をつかむために前屈して手を伸ばしたら、今度は脇腹がつったのだ。

脇腹がつった時は、どこをつかめばいいのか。

うめきつつ記憶をたどっても、知らないものは思い出せなかった。

みかえりこぶら
(振り返るコブラ…意外にお気に入りの画像)



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もろもろ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2019/10/17 11:30

もぞもぞ話。

目が覚めたらまず、フトンの中でモゾモゾ手足を動かす。

手首足首を回したり、ヒザを抱えて腰を伸ばしたり、ひとしきりやってから起きるのである。

50歳を過ぎて、なんとなくついた習慣だ。

若い時は、時計のアラームでギリギリに目覚め、ガバリと勢いよくフトンを跳ね除けていた。

今、あの調子で飛び起きたら、こわばった関節のどこがギックリくるか分からない。

いわば暖機運転なのである。

モゴモゴ動くフトンから、大マジメなオバサンの顔だけが出ている光景は、さぞかし不気味だろうが、万やむを得ない。

今朝もいつもの調子でモゾモゾしていたら

ウッ!イテテ…

足がつった。

朝夕めっきり冷えるようになったし、バスツアーで歩いたので、疲れていたのかもしれない。

それにしても、安全に起きんがための暖機運転で足がつったのでは、何のためのモゾモゾか分からないではないか。

モゾモゾに続くイテテテの問題を、いかように解決すべきか、長い冬を前に考え中である。

りかちゃんのおふとんせっと



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2019/10/16 11:30

ゆーみん話。

自分でも、いつどこで応募したのかわからないが、バス旅行が当たった。

好むと好まざるにかかわらず、お土産屋さんに送り込まれてしまうこの手のツアー。

いつもなら、いくらタダでも行かないけど、行先のなかに、いつか行ってみたいと思っていた場所があったので、参加してみることにした。

早朝に駅前に集合して、乗り込んだバスは、見事にオバアサンだらけである。

太ったの、痩せたの、ニコニコしてるの、お金のありそうなの、シワシワなの、年齢不詳なの…。

ひとくちにオバアサンといっても、よくぞこれだけバリエーションがあるものだ。

やがて朝からの小雨も止んで、陽が差してくる。

バスが走り出すと、オバアサンはみんな、やおらモグモグと口を動かし始める。アラレのニオイがほのかに漂う、和やかな車内の雰囲気。

そんな中、私は急に不安になってきた。

ガスの火、消しただろうか。

今朝は普段とダンドリが違った。

少し寝坊して、朝食をとらず、慌てて飛び出してきたのだ。沸かしたお湯を使うヒマがなかったせいで、はっきりした記憶がない。

なんとか思い出そうと、カチカチとガスをつける仕草をやってみる。通路のむこうのオバアサンが、不審げな視線を送ってきた。

こういう時、1人暮らしは困るのだ。

管理人に様子を見てきてもらおうかと思ったが、いけ好かないオッサンなので気が進まない。

とりあえず自分ちの電話に電話する。

…タダイマ ルスニシテオリマス ゴヨウケンノ…

留守電が応答したところをみると、どうやらまだ電話機は燃えてないようだ。

モゾモゾとおシリが落ち着かない。

そんな気持ちも知らず、バスは渋滞にかかることもなく、スコスコと高速に入った。

どんどんお家が遠くなる。

♪ ふーあーんーなーきもーちをのこしたままー
♪ まーちーはーでぃーんどーん とおざかあってゆーく~わー


気づけばガラスにおでこをくっつけて、小さく歌ってしまっていた。

通路のむこうのオバアサンがまた、ジッとこっちを見ている。

どうやら私は、要注意人物認定、らしい。


(「ルージュの伝言」 荒井由実)



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ごきんじょ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2019/10/15 11:30

うんどう話。

日曜の早朝、女性の金切り声で目が覚めた。

早く!サッサとして!

尋常じゃない声色に飛び起きて外を見ると、叱咤激励されているのは、クーラーボックスを提げたご主人である。前のめりで小走りの奥様の後を、寝ぼけ眼でノタノタ追いかけていく。

ああ、運動会の場所取りか~。

うんどうかい

うちも子どもが小学生の間は、なんとか重いおしりを上げていたのだが、中学の運動会は平日開催でもあり、見に行くこともなくなった。

高校の体育祭に至っては、いつやってるのかも知らない。

こんなに冷淡なのは、家族みんな運動ができないからである。

私もイモートも、それなりに背丈もあり、ふだんはテキパキふるまっているので、そう劣っているとは見えないのだが、なにしろ運動能力がない。

走れば不気味なほど遅いし、ボールを投げるとみんなの半分のところにポテッと落ちる。

スタミナも皆無で、何をしても15分でバテる。

そんな私の子どもたちがスポーティーな人間になるわけもない。

唯一の得意は水泳だが、運動会でプール競技はないのである。

親として晴れがましい思いをしたのは、ムスコが放送係でマイク前に座ったこと、ムスメが紅組代表で優勝旗を受け取ったことくらいだ。

イモートのところも似たり寄ったりで、姪っ子は学校の体育でも四苦八苦しているらしい。

おじーちゃんが亡くなる前、毎日話し相手をしに行っていた。

年寄りの気持ちを明るくする話題と言えばであり、自然うちの子たちや姪っ子の話になる。

姪っ子の運動会の練習のことなど、面白おかしく話していたら、おじーちゃんはぽつんと

うちには、足の速いやつは生まれないからな…

そういえば、若い時野球をやっていたこの人も、走るのが嫌だからピッチャーだった、という人である。

それにしても、いまわの際にこんな予言めいたことを言い残さないでほしかった。

未来永劫、金輪際、我が家の家系には運動会のスターは生まれないのかもしれない。

今日は体育の日。



本日早朝より他出のため、2014年9月28日の記事を再掲いたします。



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ごかぞく | コメント(8) | トラックバック(0) | 2019/10/14 11:30

ロンパリ本。

その本を見つけたのは13歳の時。

新刊書なんてほとんど買えない、立ち読み専門の中学生が、ふと手にとって夢中になり、なけなしの1300円を投じたのは「倫敦巴里」という、奇妙な本だった。

ろんどんぱり

戯作贋作と銘打った、不思議な文章と絵のかずかず。

川端康成の「雪国」を、他の作家が書いたらどうなるか。ハリウッドの映画監督が、イソップの「うさぎとかめ」を映画にしたら。

有名漫画家の作風をすっかり真似て、ほんとうに本人が描いたとしか思えないマンガ。

こんなことをする大人がいるんだ、と思うと、薄暗い将来がパッと楽しくなる気がした。

大事に持ち帰り茶の間で眺めていると、表紙に目を留めた父が

なんだ ロンパリって… ふざけた本だな…

何のことか分からず、聞き返すと、ちょっとイヤそうな顔で

片目はロンドン、片目はパリを見てる、 ということだ…

と、教えてくれた。つまりは斜視のことなのだ。

ご本人にとっては心ない差別語だが、無駄にスケールが大きくて、印象的な表現である。

誰かに叱られそうな、そういう言葉を書名に選ぶことも、著者の考え方を示している気がした。

和田誠、デザイナー、イラストレーター。

晩年の仕事であるブックデザインや、週刊誌の表紙イラストは好きではないが、この本は確かに私の一部を作ってくれた。

1977年初版は絶版であるが、未収録作を加えた「もう一度 倫敦巴里」が、2017年に発刊されている。



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ブックガイド | コメント(10) | トラックバック(0) | 2019/10/13 11:30

ほんまか話。

いいトシをして相当極端にテレビを見る。

そのくせ、いや、だからこそ、テレビに流れる情報はあんまり信用しない。

むろん否定できない映像もあるが、ホンマかと思うことも多い。

いちばん信用しにくいのは

今ってみんなこうですよ~!大変ですよ~!

という皆やってますよ情報である。

たとえばコレ↓

うりきれしなうす

台風19号に備える買い物客が殺到して、スーパーの棚がガラガラ、というニュース。

世の中毎日買い物する人ばかりではない。

そこそこの買い置きがある家、防災用品の備蓄を心がけている人だって多いはずだ。

私も震災以来、ずっと水は買ってあるし、生協は1週間分、まとめて来る。

さあ台風だ、と慌ててスーパーに駆けていくなんて、典型的な行動をとる人が、ホントにそんなにいっぱいいるんだろうか。

スーパーにだって在庫はあるだろう。一時的に無くなっても、次を並べるまでの、しばらくの間のことじゃないのか。

空っぽの棚が画面に映っても、私は半信半疑だ。

♪ぺぽん♪

LINEの着信音が鳴って、スマホを見たら

パンも缶詰も売り切れ!レジは大混雑!

行列が進まないのでメッセージしてきたらしい、わがイモート。

おやおや、「そんな人」1人発見、である。



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てれびじょん | コメント(16) | トラックバック(0) | 2019/10/12 11:30
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