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ぺーぱー話。

どういう理屈か分からないが、ウィルスの影響でトイレットペーパーが無くなる、というデマが飛んでいる。

慌てた人が買いだめに走り、お店によっては品薄になっているらしい。

先日の、SNS情報の件(→ろーばの話。)を思い出し、おばーちゃんが心配になった。1人暮らしの老母のこと、大した買い置きもあるまい。

紙を買いに駆け出して、転んだりしたら大変だ。

…あモシモシ…おかーさん?

ハイハイ 何?

聞いてる?トイレットペーパーの話…

あー、誰かなんかそんなこと言ってたネ

買いに行かないでよ お店だって混んでんだから

ダイジョブダイジョブ!

足りないなら 3パックあるから 届けるから

私は買い置きはしないが、トイレットペーパーだけは、神戸の震災以来、買っておく習慣がある。

ハハハ… ウチなんかもっとあるよ!

へ?

3パックなんてアンタ… 少ない少ない!

ええーっ?!

ニホンジンはね 何かあると紙を買いだめするって 分かってるし

…はー…

アタシなんか 過去の経験があるからね!

さすが、オイルショック世代の主婦は違う。

おいるしょっく

それにしても、あの、モノであふれた実家のどこに、トイレットペーパーの備蓄場所があるのか。

少なくとも私は、そんな大量の紙を見たことがない。

もしかしたらあの家に、未知の魔窟があるのかと思うと、うっすら寒気がした。



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ごかぞく | コメント(12) | トラックバック(0) | 2020/02/29 11:30

たんこぶ話。

かかりつけ医に行ってみたら、ガラガラだった(→かんげい話。)ことから

そうだ、今なら…

ふと思い立った。

20近い診療科を標榜する、地元の総合病院。いつも混雑で何時間も待たされるが、今なら空いているのではないか。

じつは少し前から気がかりなことがある私。

何をか隠さん、いいトシをして、頭にタンコブをこしらえたのである。

なぜそうなったかは聞かないでいただきたい。

漫画みたいなタンコブ、髪の中なのがまだしも救いだが、かれこれ2週間になるのに、いっこうに引っ込まない。

おそるおそる触ってみると、あいかわらずポコンと出っ張っている。

痛みはもう無いが、タンコブってこんなに長いこと治らないものだったろうか。場所が場所だけに、不安になる。

寝返りを打つにも気になって、ずっと寝不足だし

もしやこれは はみ出たノーミソでは…

余計な想像をすると、胸がドキドキして血圧も上がり、仕事に差し支える。

思い切って病院の門をくぐれば、あんのじょう、自動ドアが開いた瞬間から、空いている。

受付から診察まで、記録的なスピードでクリア。

脳外科の先生も心なしかのんびりと

どうしましたぁ?

あの…じつはその…タンコブが…

は?

タンコブがちっとも治らないもんで…

後ろ頭を見せれば、どれどれと髪をかき分けて、ライトで照らしている様子。

大丈夫大丈夫 いつぶつけたって?

えと2週間くらい…

じゃあこんなもんだよ 知らないうちに治る

ホントに?てっきりノーミソがはみ出したかと 心配で…

傍に控えし看護師さんと声を合せ、ハハハと笑われたのは恥ずかしかったが、ホッとした。

会計もすごい速さで済んで、外に出れば街の景色も、なんだか明るく見える。

初診料プラス380円は、安心料としても安い、と思う。

たんこぶ
(こんなにできたらアラアラどころの騒ぎではない)



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ごきんじょ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2020/02/28 11:30

ろーばの話。

趣味や仕事関係で、オバサンやオバアサンばかりのLINEグループがいくつかある。

70代80代でスマホを使いこなしているのは、エラいと思う。

考えても見よ、このかたがたのご幼少のみぎり、黒電話さえ当たり前には無かったのである。

多少の不慣れはやむを得ない。

さて昨日のこと。あるグループで、特に名を秘すAさん(75)から、長文のメッセージが入った。

グループの会合がウィルス対策で中止になったので、ヒマなのだろう。

情報がありましたのでシェアします

で始まり、

拡散してください!

で終わる、コピペらしい文面だ。

文体からして不自然で怪しいニオイがする。

誤解を招くので転記しないが、内容も胡散臭い。

お湯やトウガラシでウィルスが防げるなら、のべつ魔法瓶のお茶を飲んでる国や、真っ赤な漬物を食べる国で、大流行するのはおかしいだろう。

むろん拡散などしないが、他の人も見ている中

ガセネタですよ

指摘するのもお気の毒なので、既読スルーした。

それから数時間経って

♪ぺぽん♪

別のグループの、特に名を秘すBさん(72)から

情報がありました…

拡散してください!


同じ文面なので既読スルーした、その数分後

♪ぺぽん♪

大切な情報が…

また違うグループの、特に名を秘すCさん(79)だ。

BさんもCさんも、出歩けないので、ヒマでスマホをいじっているのだろうか。

あーあ、みんなイイ人なんだけどねエ…

親切心、いや老婆心ってか。タメイキをついて画面を閉じようとしたとき

♪ぺぽん♪

Aさんのメッセージだ。

デマ情報と娘に叱られました。すみません。

ペコペコ平謝りのスタンプが続いて来た。

Aさんのお嬢さん、ということは、40代くらいかな。こっぴどく叱られちゃったかな。

続いて同様のお詫びが、Bさんからも届く。

いま、Cさんのお詫びメッセージがいつ来るか、待っているところである。

ろーまのきゅうじつ
(今日は「ローバの休日」をお届けしました)



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ごきんじょ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2020/02/27 11:30

2.26本。

2月26日といえば、2.26事件

学生時代から歴史はサッパリなので、うっかりしたことを書くとボロが出る。

さてどうしようかな、と思っていたら、2.26事件を知らなかった浪人生が主人公の、この本を思い出した。

がもうていじけん
(「蒲生邸事件」宮部みゆき著 文春文庫他)

主人公は、受験を目前に控えていながら、歴史の知識がほとんどない、たよりない若者である。

自らの無知をてんとして恥じず、人の好意をちゃっかり当てにする彼に対して、大人の読者は感情移入しにくいだろう。

つづめて言えば

まったく、イマドキの若いヤツは…

としか言いようのない主人公なのだ。

むろん小説の常として、彼も経験を通じて成長するが、そもそもこの著者には、少年が活躍する作品が多い。

それも登場の瞬間から大人びて冷静で、自分の弱さも世の不条理も、きちんと理解したデキスギ君ばかりなのである。

のび太的な主人公はむしろ少数派だ。

この小説の主人公、孝史のダメダメさも、あくまで平成生まれのイマドキ具合の表現であり、ファンタジーの味付けなのだろう。

大人から軽視される少年少女が、知恵と機転で事態を見事にひっくり返していく爽快さ。

小さきもの、弱きものに注ぐ優しい視線は、豊かなストーリー造形と併せてこの著者の魅力であるが、それにしても理想化し過ぎではないか。

少年なんて、バカで衝動的で、一寸先も想像できない生きものである。

そう思うのは私が、子供の現実を目の当たりに育ててきた、母親であるからかもしれない。

平成と昭和を描いた作品も発表から25年、時代は令和である。



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ブックガイド | コメント(8) | トラックバック(0) | 2020/02/26 11:30

かんげい話。

看護師さんとぐうぜん会った(→どなたか話。)ので、かかりつけのヒカワ医院に行く。

具合が悪いわけではなく、持病のクスリをいただきに行くのだ。空いていそうな時間を選んで出かけても、いつもかなり混んでいる。

先月分が無くなるまでにはまだ間があるが

今、空いてますよ

看護師のナガシマさんが言うので、行く気になったのである。

医院の前に立ち、自動ドアが開いた時、

シマッタ、間違えた!

いつもならいっぱいの待合室に、誰もいない。

一歩下がってドアが閉まるのを待ち、ガラスに貼られた診療時間を見直す。

いいんのじどうどあ

おっかしいなあ…やってる時間だけど…

首をひねりつつ靴を脱ぎ、ムダに照明が明るい待合室に入ると、無人に見えた受付から、ピョコンと受付嬢が顔を出し

えっと…休診では…

…ないですね!

みなまで言わせず、保険証と診察券を受け取る。

待ち時間はゼロ。

診察室に入ると、先生は椅子から立ち上がり

おお久しぶり!元気だった?

友だちが来たみたいな歓迎っぷりである。

いや先生、月に1回来てますから むしろ今回、ちょっと早めですから

よっぽどヒマで、寂しかったのだろうか。

先生の後ろでは、看護師のナガシマさんがニッコニッコしている。

診療費はマケてくれてるかしらと思ったが、明細の金額はいつも通りだった。



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ごきんじょ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2020/02/25 11:30

どなたか話。

3連休のショッピングモール。

いつもより空いている気がするのは、やはり例のウイルスのせいだろうか。

おかげでスイスイ買い物が済み、帰路につこうと早足になりかけたところで

あのう…

遠慮がちに名を呼ばれ、つんのめりそうになる。

振り向くと、30代くらいの小柄な女性が

お買い物ですか?

はにかんだ表情の、すごい美人だ。でも…

誰?

あいまいに会釈する私の、戸惑いが伝わったのだろう。彼女は破顔一笑、

フフフ…そうですよね ほらコレ…

いきなり両手で、鼻と口を隠して見せた。

マスクやメガネを取るならともかく、なぜ隠す…

あ、なーんだ!ナガシマさん!

かかりつけの医院で、手のかかる私に優しくしてくれる(→たんとう話。)看護師さん。

長いお付き合いだが、会う時はいつもマスクなので、鼻から下を見るのは初めてだ。

美人すぎてわかんなかったよ~、と言ったら、ナガシマさんはクスクス笑いながら

またいらしてくださいね 今、空いてますよ

ペコンとお辞儀をして、エスカレーターで上階に上がっていった。

ますく
(「何やつじゃ、名を名乗れ!」)



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ごきんじょ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2020/02/24 11:30

しかえし話。

ムスコが帰ってきた(→ かえった話。)と記事に書いて1週間。

以来いっこうに登場しないのは、家にいやしないからである。

荷物を置いたと思ったら、地元のツレに会いに出かけて、朝帰り。

スマホをいじっていると思ったら、宿がとれたらしく、フラリと1泊旅行。

まったくケッコウなご身分である。

昨日もナニヤラ言い残して出かけたきり、遅くまで帰ってこなかった。

若いヤツにとって、実家なんて足場にすぎないと分かっていても、いつもの生活ペースが乱れるのはありがたくない。

それにくわえて、ムスコが何にもしない。

1人の時は料理なり洗濯なり、やっているはずだが、うちにいる間は完全にオンブにダッコなのだ。

夜中に飲んだらしいマグカップを見つけ、ゲンナリしていると、のっそり起きてきた息子に

…洗濯まだ?靴下もう無えわ…

慌てて洗濯機を動かしながら、ハッと我に返り、チクショー自分でやれ、と思ったのもつかの間

パンにする?玉子食べる?

顔を見ればつい聞いてしまって、後悔する。

ご不浄に入れば、心なしか紙の減りが早く、忌々しい気持ちでホルダーから芯を外したところで

なんでアタシばっかり

不公平の念に打たれ、次をセットする手を止めた。

何もしないんだから、紙ぐらいセットしやがれ

しかし、残念ながらムスコは男であり、小用では紙を使わない。

紙がなくて困るのは、私が先なのだ。

ささやかな仕返しは、あえなく失敗に終わった。

まいどありがとうございます
(アリガトウゴザイマスの文字がムカつく)



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ごかぞく | コメント(10) | トラックバック(0) | 2020/02/23 11:30

にゃおんの話。

海外で借りた家は、家具付き物件だった。

家主が彼女の家に引っ越すので、要らない家を家財ごとまるまる貸すことにしたのだ。

ソファやテーブル、洗濯機に掃除機、カップやお皿、フォークにナイフ…。

呆れたことに、までついている。

家主のデイヴは

彼女がネコがキライなので隣にあげたんだ

と言うが、猫のほうでは、自分があげられたとはサラサラ思っていない。

裏庭に続く勝手口を開けると、当然のようにそこにいて、キッチンに入ってくる。

日本ではあまり見ない、中途半端な長毛種の黒猫を、マンガに出てくる猫にちなみ、ニャオンと命名した。

最初こそ戸惑ったものの、ニャオンはいたって気さくで手間のかからない猫だった。

しばらく様子見した後、食事と寝床はもらわれた隣家で、日中は見慣れない日本人がいる元の家のキッチンで過ごす、と決めたらしい。

毎朝、勝手口を開けると、足元をニャオンがすり抜けてくる。

不思議なことにキッチンから先には入ってこず、床のマットの上で身づくろいをすると、だらんと伸びて寝てしまう。

小さいムスメがさわったりなでたりしても、嫌がるでもなく、されるがままになっていた。

外に出たくなると、ドアの足元で、ニャーンとひと声だけ鳴く。

こちらが気づかないでいると、しばらく我慢してもう1度、ニャーンとだけ鳴く。

ドアを開けてやると、裏庭を散策する。園芸音痴の私が荒れ放題にしている庭について、ニャオンは批判的な意見を持っているようだった。

見回りが終わったら、離れた陽だまりにきちんと座り、私のしていることをじいっと見る。

ニャオンのお気に入りは、張り渡されたロープに干した洗濯物で、風にはたはたと揺れるシャツやタオルを、いつまでもいつまでも眺めていた。

今でも晴れた日に洗濯物を干していると、ニャオンが足元にいた日々を思い出す。

猫を飼いたいな、と思うのはそういう時である。

今日2月22日は、猫の日

にゃおん
(本家・ニャオンは「動物のお医者さん」佐々木倫子)



本日他出のため、2017年3月28日の記事に加筆掲載いたします。



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むかしむかし | コメント(10) | トラックバック(0) | 2020/02/22 11:30

とうしつ話。

買い物ギライの私にとって、生協のカタログは、世の新製品を知る唯一の窓である。

知ったからといって注文するわけではない。

目新しい商品は、つくづくと写真を眺め、

へえ~ 今はこんなもんがあるの~

独り言を言ってオシマイ。注文するのは玉子だの牛乳だの、毎週ほとんど同じである。

ウインドウショッピングのようなものだ。

それが今週は違った。

とうしつおふのぱん

どうです、目新しいでしょう。

時代は糖質オフですよ。

いまさら糖質制限して痩せようとも思わないが、健康は気になるオトシゴロ。

パンくらいなら、と買ってみたのだ。

さっそくバリバリと袋を開け、食べてみた。シットリ、フワフワしていて、わるくない。

健康をうたった商品は、味気ないものばかりと思っていたけど

おいしいなー…ハッ!

いつもパンに塗る、チョコレートスプレッド。

ぬてら

何の気なしにつけたけれど、ビンの裏を見たら

栄養成分表示1食(15g)当り81kcal 炭水化物9.1g

パンを替える前に、やることがありそうである。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2020/02/21 11:30

いなずま話。

いずものいなずま

2月11日、将棋の里見香奈女流名人がタイトル防衛し、女流歴代最多の11連覇を達成した。

とはいえ、私は将棋には興味がない。

もっと言えば、ルールすらアヤフヤである。(→ しょうぎ話。

女流名人についての私の唯一の知識は、彼女が

出雲のイナズマ

と呼ばれているということである。

出雲の、は出身地を示し、イナズマはその棋風に由来するものであろう。なにしろ将棋のルールが分からないので、推測の域を出ない。

まあ由来はどうあれ

出雲のイナズマ

すごくカッコいいじゃないか。

うらやましい。

私は元来、人をうらやんだりしない人間である。

人生も後半に入り、自分が何者でもない、ありふれた人間であることにも慣れた。

若い野心や、ふわふわした夢もとうに諦めた。

しかし、思えば今日まで、名前や名前をもじったあだ名以外で、呼ばれたことがあるだろうか。

やっぱり、うらやましい。

今、若くないということ、それはつまり、この先

出雲のイナズマ

と呼ばれることはない、ということなのである。

そして、若くないということ、それは、誰かを胸が痛むほどにうらやんでも、ほろにがく微笑んでいられる、ということでもあるのだ。



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てれびじょん | コメント(10) | トラックバック(0) | 2020/02/20 11:30
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