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ヨシタケ本。

朝のテレビのゲストは人気の絵本作家

歯科の待合室にも備えてあるくらい、有名な人だが、司会のタレントは知らなかったようだ。

知ってても、知らないテイで質問したほうが、うまくいくのかもしれない。

世俗的な人が、浮世離れしたアーティストの珍しい発想を拝聴する、という、おなじみのトーンで番組は進む。

わりに本を読むほうなので、話題になった絵本も知っているが、好きなのはこの人が「絵本作家」になってしまう前の、スケッチ集のほうである。

しかもふたがない
(「しかもフタが無い」ヨシタケシンスケ著 PARCO出版)

簡潔で、でもとても絵が上手いと分かるちっちゃなイラストの横に、コメントが添えてある。

絵はかわいいけど子供向けじゃないので、キビシいことやツラいこと、地味にエロいことなんかも描いてあって、共感できるのだ。

時々手に取って眺めると、今も励まされる。

売れた人を、売れる前から知っている、と吹聴するのは、自慢げでいやらしい。

売れた人の、売れる前の仕事が好きだ、なんていうのは、もっといやらしい。

わかっちゃいるんだけど、気づけば「絵本作家」になってしまう、なんて表現をしている。

文章を書いていて凹むのは、こういう時である。



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ブックガイド | コメント(8) | トラックバック(0) | 2020/07/31 11:30

とろうの話。

扇風機が4台ある、と以前お伝えしたが、厳密にはもう1台、回っているヤツがいる。

くりっぷしきせんぷうき

クリップタイプの小型の扇風機で、換気扇の無い部屋の、湿気が気になるときに使う。

朝から雨でジメジメするので、点けておこう。

今日は久しぶりに終日在宅。出向かねばならない仕事が終わったので、ウロウロせずに済む。

また、とうぶん自粛生活だと思うと、楽しい気分でスイッチを…

…ん?えらく汚れてんな…

他の4台は、夏の終わりに掃除して仕舞うが、考えてみればコイツは年がら年中出ずっぱり。

あらためて見ると、学生街の中華料理屋の換気扇なみに、ホコリだらけである。

時間もあることだし、このさいスッキリ掃除しようと決めた。

まず網を外して…と、とれない!

押せば外れるらしい爪があるが、元がきゃしゃな安物なので、ムリにこじ開けると折れそうだ。

鳥籠のような網が、ホコリだらけの羽根を守っているのが、なんとも忌々しい。

ここで止せばよかったのだが、

おのれこのホコリ、とらずにおくものか!

意地になる性格にくわえて、妙にヒマがあるのもよくなかった。

ワリバシやら綿棒やら、思いつく限りの道具を使い、羽根のホコリと戦うこと、数時間

「キタナイ」から、どうにか「ウスヨゴレタ」くらいになった扇風機を前に、ハッと我に返る。

02年製の表示、つまり18年モノである。

そりゃ汚れるだろうし、ボロくもなるだろう。

家電量販店のサイトで検索したところ、2千円で新品を発見し、さらにへこんでいる。



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もろもろ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2020/07/30 11:30

においの話。

少し蒸すので、雨の吹き込む心配のない窓を、細く開けて寝た。

明け方に、厨房にいる夢を見て、ふと目覚める。中華鍋を振っていたかのように、右手をグッと握っていた。

ヘンな夢だったな

窓の外、夏の朝は白み始めている。夢が続いている気がしてならないのは、なぜだろう。

とろとろと、再び眠りに戻ろうと、伸びをして深呼吸すれば、開けた窓から流れ込む、朝の空気…じゃない!

鼻を衝いたのは、濃厚なニンニクのニオイ

時刻は5時である。

なぜ今?なぜにニンニク?

中華料理屋の夢も、おそらくはこのニオイに触発されたものだろう。

しだいに濃くなるニオイのなかでは、おちおち寝てもいられない。仕方なく起き上がり、ふだんは起床と同時に開け放つ窓を、ピシャリと閉めた。

モノを食べてはならない夜中に、食欲をそそる映像を流すことを、飯テロ(メシテロ)などというが、こういうのは何ていうんだろう。

カラアゲ、ヤキソバ、しょうが焼き…朝食としてはしつこすぎるものばかり、食べたい気がするが、グッと抑えた。

こどくのぐるめしーずん8
(深夜の飯テロ番組の筆頭「孤独のグルメ」)



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ごきんじょ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2020/07/29 11:30

ぎんざん話。

4連休は、ブログのお出かけ記事を読み、旅情を味わった。

ドルチェ♪さんの東北紀行(→ドルチェ♪日記 Go To 東北① 『月山から銀山温泉の夜』)だ。

おお…ここは…山形…

四国をはじめ、未踏の地がたくさんあるが、ここもまた未知の県である。

修学旅行の長野県が、私の日本最北端なのだ。

自粛期間が過ぎてもどこにも行かないのに、平気でいられるのも、日々こうした記事を拝見できるおかげかもしれない。

ニッコウキスゲの群生や、風情ある旅館街。行ってみたいなあと思いつつ、きっと行かないままになる、そんな風景を見ながら

…んんん?

なぜだろう。この場所に見覚えがある。

山形県にはぜったい、行ったことがないはず。

銀山温泉という名前も、初耳である。

しかし、写真の中の歴史ある旅館の構え、橋のたもとのハイカラな街燈のフォルムを、私はたしかに知っているのだ。

デジャヴなどという、夢のようなものではない。

線画でくっきり描かれたような、この記憶は何だろう。

1日考えたが、とんと見当がつかない。布団に入っても、銀山温泉のことで頭はいっぱいだ。

…まるで絵のような…描かれた…はっ!

暗い中、ガバリと飛び起き、スマホの画面を開ける。

ぎんざんおんせん

これか!

カエルが旅する「旅かえる」

ちっちゃなカエルからの旅の便りもまた、インドアな私の世界を広げてくれる。



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2020/07/28 11:30

はなした話。

4連休だGO TOだといったって、仕事は暦どおりではない。

雨靴を履いて、社員の半分が在宅勤務になった事務所を訪問した。

半分は出勤のはずなのに、それ以上にガランとして、静かに思える。窓を開け放し、冷房も控えめだが、人間が少ないと涼しいものだ。

雨も降るし、用件を済ませて、サッサと帰ろう。

ところが、担当の女性が、妙にグズグズ、引き留める風情だ。あげく口ごもりがちに

お休み中 どうなさってました?

などと聞いて来たので、ビックリした。

私と同年輩の、この人に応対してもらうようになって、もう何年だろう。公私を区別するタイプらしく、仕事以外の話はしたことがなかった。

声には出さねど、驚きが伝わったのだろうか。

スミマセン…なんか、久しぶりに人と話したから…

恥ずかしそうに言うのがかわいくて、思わずフフフと笑って

私もですよ 1人暮らしなもんで

あら?そうなんですか?

向こうが言わないから、私も自分のことは、ほとんど話さなかったのだ。

それからしばらく、自粛期間中の生活のことなどおしゃべり。

年頃も同じ、1人暮らしで、おうちにいるのが好きらしい彼女とは、話が合った。

もしかしたら、新しいお友だちができたかもしれない。どこにも行かなくても、良い連休になった。

そとはあめ



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ごきんじょ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2020/07/27 11:30

いちいち話。

例によって点けっぱなしのテレビで、何かドラマが始まった。登場人物がセーターやコートを着ているから、冬に放映した再放送らしい。

怪我で不自由している大叔父の、身の回りの世話をするために、東京からやってきた若い女。

勝手の分からない京都で、あちこちお使いに出されながら、次第になじんでいく。

何といって事件も起こらない淡々とした画面。

老舗の鰻に、レトロな洋食に、「おいしい!」と喜ぶ娘に、大叔父は

当たり前のこと いちいち言わんでよろし

いたってクールである。

帰る日の朝、火鉢で焼きたてのお餅を手渡され

あっつー

思わずこぼすと、大叔父の口癖に

当たり前のことを…

自分も声を合せた。

こんなほほえましい場面に、温かいご飯にコツンと小石を噛みあてたように、蘇る思い出。

別れた亭主が、当たり前のことをいちいち言う男だった。

夏はワイシャツの胸をばたばたさせながら

アーツアツアツ…

騒がしく帰ってくるし、冬は冬で、朝、玄関を

うー…さむっ!

一声無しには出かけられない。

私はおしゃべりだが、言っても仕方のないことは言わずにおこう、という抑制は効くほうである。

暑いのも、寒いのも、誰だって分かるんだから、わざわざ言われたくない。不愉快なことを言う、と、いつもイライラした。

まさに性格の不一致というやつだが、私も若かったし、共感する力が無かった。

当たり前のこと いちいち言わんでよろし

もしあの時、サラッと言えたなら、違う行先があったのだろうか。

まあ、無いだろうな。

曲がり角が違うだけで、着く場所は同じ。そういうものである。

ちょこっときょうとにすんでみた
(→年末スペシャルドラマ「ちょこっと京都に住んでみた」



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てれびじょん | コメント(6) | トラックバック(0) | 2020/07/26 11:30

やっぱり話。

プラスチック板で折れた指を固定して、2週間。整形外科に、経過観察にうかがう。

この先生、親切だし、待たせないし、なかなかの名医だと思うのだが、ちょっと引っかかる。

折れてますね、ポッキリ!

おっしゃる口調が、面白がってるように聞こえた(→ぽっきり話。)のだ。

問診の時も、レントゲンを見ながらの説明の時も、終始笑いをこらえている風に見える。

柴犬似の顔立ちにも関係はあるかもしれない。

しばいぬまるのわんにゃしんぎょう

しかし、数回の通院で、さすがに疑念が兆した。

たまたま待合室に現れて、他の患者さんに対応なさっている様子を見れば、丁寧ではあるものの、べつだん面白そうではない。

なぜ、私と相対する場合だけ、いつも含み笑いなのだろうか。

もしや、と思い、尋ねてみた。

あの…もしかしてがうかがってませんか?

ア、やっぱり?名前が同じだし、声も似てるし、そうじゃないかなーと思ってた!

私の姓はちょっと珍しくて、親族以外、同じ名前の人には会ったことがない。

実家からは、市内とはいえ電車の距離なので、まさかとは思ったが、ここもまた母のナワバリだったらしい。

娘というだけで面白がられる、ということは

おかーさん、ここでもなんかやらかしてるね?



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ごかぞく | コメント(12) | トラックバック(0) | 2020/07/25 11:30

べろべろ話。

スポーツ全般が苦手な子供から、インドア派の大人に育った。スキーはせず、山にも登らず、車の運転もしない。

自慢じゃないが骨が折れるような行動の一切を避けてきたといえる。

50代にして初の骨折(→ぽっきり話。)、整形外科の受診も初めてで、知らないことばかりだ。

とりあえず 固定せんといかんね…

告げられてまず思ったのは

ぎぷす

…う、ギプス…

重たい白い塊に包まれた足が頭に浮かび、これはエライことになったぞ、と緊張していると、先生が取り出したのは、石膏でも包帯でもなかった。

1枚の、ペラペラの、プラスチックのシート。

おーい お湯…

声をかけると、看護師さんが電気ポットを持って現れた。

テキトーにチョキチョキ切ったシートに、ポットのお湯をかけると、カップ麺を作るような気軽な空気が流れ、診察室の緊張感はゼロに。

熱に弱い材質らしいシートは、縁からちゅるちゅる変形したと思うと、見る間にトコロテンのようにべろべろになる。

ホイ、足出して…

べろべろをすくうように持ち上げ、折れた指と、隣の指を、ひとまとめに巻き付けると

中指が添え木になるから…

先生が説明しているうちに、シートは早くも冷えて固まりだし、指に添った固定具になった。

2週間後にまたね

送り出されながら、痛いのも忘れてつい、あー、面白かった、と思う。

たまには骨も折ってみるものだ。

べろべろの材質は何だろう。何かに使えそうだけど、どこで売ってるかな。



記事は少し前のことであり、現在は普通に歩いておりますので、なにとぞご休心くださいませ。



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ごきんじょ | コメント(13) | トラックバック(0) | 2020/07/24 11:30

むしとり話。

処方箋の薬を取りに行っていないことに気づき、慌てて薬局へ。

うっかりそのまま連休に入ったら、お薬を切らすところだった。

4連休だのGO TOだの、どこにも行かない人間にとってはただの迷惑である。

いつもの調剤薬局は、自動ドアを切り、窓を開け放っている。病気の人が来るところだから、医院と同じく気を使うだろう。

入口で手指を消毒して、ビニールで囲った窓口に処方箋を出す。

待合室にはテレビがあるので、お手洗の扉を凝視する(→しきりの話。)こともない。

ボンヤリ画面を眺めていたら、目の前を黒いものが横切った。

ハエ…いや、ハチだ!

外に出ようと明るいほうに向かうものの、開いた窓に気づかず、上の嵌め殺しのガラスに、何度もテンテンぶつかっている。

そこじゃない、もうちょっと下だよ!

強く念じても、悲しいかな、ハチには通じない。ハチの行方にやきもきしていたら

…さーん!

窓口で私の名が呼ばれた。

えーっと いつものお薬 1カ月分ですね…

説明を受け、お薬を受け取ったあと

あの…

ハイ~?

何か不具合でも、と、やや緊張した面持ちの薬剤師さんに

あの… ハチ入ってきてます あそこ…

余計なお世話と思いつつ伝えた。ご老人の患者もいるだろう。万一にも刺されたら、大変だ。

あー、ハイハイ…

途端に表情を緩めたと思うと、カウンターの後ろでしゃがみ込んだ。

立ち上がった彼女の手には、なんと虫取り網

さいきん開けっ放しですからね 入るんですよね…

スパッとひと振りするや、ハチは網におさまった。

薬袋をカバンに収め、外に出ると、薬剤師さんは網を裏返しに振っているところだった。

礼を言ってバス通りに向かう私の背中を、お大事に~、の元気な声が追ってくる。

見上げれば雲が流れている。雨に、なりそうだ。

むしとりあみ
(竿が伸縮するのはいいなあ。欲しくなった)



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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2020/07/23 11:30

きのこの話。

折れたのは左足の薬指(→ぽっきり話。)と知って、意外だった。

タンスを蹴飛ばして小指がイテテ…はよくあるし、私の足でいちばん背が高いのは、中指だ。

そのいずれでもなく、間に挟まれた薬指が、どういう加減で折れたのか、よくわからない。

もっと意外だったのは、全身に及ぼす影響の大きさである。

そもそも今まで、足の薬指について、考えたことがあっただろうか。

わが50年以上の生涯で、足の薬指に意識が及んだ時間をすべて合計しても、5分も無いであろうことは容易に想像できる。

足の薬指なんて、あってもなくてもいいようなものだった。

そんな地味で存在感の無い指1本で、こんなにも不自由を強いられるとは。

とにかく歩けない。

1歩踏み出す分には痛まない。ところが、2歩目が出ない。

問題は後ろに残った足。足指の関節を曲げることができないと、重心を前に移せないのである。

人はふだん、歩き方など考えずに歩いているが、身体を進めるのは前に出した足ではなく、後ろで地面を蹴っている足だということが分かった。

しかたなく、ペンギンのようにパタパタ歩く。

左足を曲げずに、置くように前に出すため、身体は大きく右に傾いた。

私の歩く姿は、おそらくヒザか、股関節か、もっと大きな部位が痛い人に見えただろう。

まさか、きのこの山ほどのちっちゃい指が折れただけとは、誰にも分からなかったと思う。

慣れない不自然な歩き方で、歯を食いしばり、肩に力が入り、腰が緊張する。

1日を終えて家に着くと、やっと帰りついた安堵と全身のコリで、しばらく動けなかった。

重量比にすれば1万分の1にも満たないきのこの山が、全身に及ぼした悪影響は、およそ計り知れない。

軽視していた薬指の、思わぬ意趣返しに遭って、文字通り足元をすくわれた気がする。

きのこのやま



記事は少し前のことであり、現在は普通に歩いておりますので、なにとぞご休心くださいませ。



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もろもろ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2020/07/22 11:30
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