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ちずちず話。

ふだん食べるものは生協の宅配で、足りなくなると買物に出る。

ひさびさのスーパーは、見慣れないものばかり。定番商品も、しばらくの間に包装が変わったり、マイナーチェンジしていたりする。

思わずキョロキョロして、もしも万引きGメンがいたら、挙動不審で目をつけられそうだ。

とはいえ、保守的な私は新製品に手を出さない。おなじみのアレと、アレと、アレを買った。

うちに帰ったら、さーて、オヤツだ。お茶でも入れて、買ってきたアレを食べるかな。

いつものアレとはコレである。

おなじみのあれ
(ヤマザキ 北海道チーズ蒸しケーキ)

夏場は冷凍して食べたりもするが、今日は涼しいからそのまま、熱いお茶でいただこう。

封を切り、お皿にのせて、テーブルにつく。

あれ?なんか違う?

おなじみのあれじゃないじゃん!

地図が!地図が違う!

そういえば、カゴに入れる時、ちょっと違和感があったのだ。

慌ててお勝手に戻り、剥いた包装を調べた。

おなじみのあれ?
(フランソア 九州産クリームチーズ蒸しケーキ)

こうして並べてみると包装も、タテヨコの比率も違うが、いつものパン売場で、いつもの焼き色、いつもの地図模様を見た時は、

あ、いつものアレだ

信じて疑うこともしなかった。

それにしても、北海道が九州に化けるとは。

思ったよりかなり南下したが、九州の味も北海道に劣らず、けっこうでした。



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2020/09/20 11:30

はらはら話。

秋は抜け毛の季節。

掃除機のゴミ受けの中に、ギョッとするほど大量の髪を見て、ついわれとわが頭に手をやる。

ホントにこれ 全部アタシの?

留守中に何者かが忍び込み、家じゅうで頭髪をかきむしって去ったとしか思えない。

夏の間は、ここまでではなかった。

暑さのあまり、ぼーっと生えていた毛髪どもが、秋風の涼しさに接して

はっ!そろそろ抜けなければ!

一斉に気づいて抜けはじめたのだろうか。

生来の剛毛多毛がさいわいして、今のところ目に見えて減少はないが、これも老化の一環かと思うと、気分が沈んでならない。

ため息をつきつつ、ゴミ受けの中身をゴミ箱に捨てたら、中にキラリと光るもの。

よくよく目を凝らせば、白髪が混じっている。

このトシで白髪の1本や2本、いまさら凹んだりはしないが、抜け毛が白髪なのを見て、自分でも驚くほどガックリきた。

生えているのを見つけたのとは、違うガックリだ。

白髪が生えてから、力尽きて抜けるまで、頭上で相当の日数を過ごしていたことを、思い知らされたせいだろうか。

落とした肩を秋風が撫でて、ああ、またしても、はらはらと。

にゅーもなふたり
(でもやっぱりこんな髪型はイヤだ)



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もろもろ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2020/09/19 11:30

~んちゅの話。

新型ウィルスの影響で、今どうなっているかは知らないが、うちの子の通った中学の修学旅行先は沖縄だった。

ムスメか、ムスコか忘れたが、こんなお土産も。

うみんちゅてぃーしゃつ

海人Tシャツ。 

何気なく入力して「うみんちゅ」で変換できることに驚く。

沖縄方言と言っていいのか、琉球語と呼ぶのが適切か、寡聞にして存じ上げないけれど、もしかしたらその中でいちばん有名な言葉かもしれない。

「~んちゅ」の部分が、「~の人」を意味することは容易に想像できる。

地域の掲示板に以前貼られていたポスターの

庭球人あつまれ! 

「庭球人」の下に、わざわざてにんちゅとルビがふられていた。

テニスの人なら「てにすんちゅ」じゃないのか?

スポーツではやきゅんちゅも見たことがあるし、母が庭に人工芝を貼ろうかしら、と言い出した時は、しばんちゅという業者を検討した。

いずれもべつだん沖縄色のない、フツーの草野球サークルであり、人工芝業者であった。

念のため申し添えるが、わが家の所在地は、近畿の海なし県である。

どうやら「~んちゅ」には、縁もゆかりもない者が、つい使いたくなる魅力が潜んでいるようだ。

今日は、しまくとぅばの日 。

沖縄県の言葉「しまくとぅば(島言葉)」を奨励する日である。



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2020/09/18 11:30

ふさふさ話。

年中テレビっ子の私だが、暑い間はあまり見なくなる。テレビは熱源となるからだ。

ここ半月ほど涼しくなって、またぞろ点けっぱなしに逆戻りした。

久々に見ても、番組はちっとも変わり映えしないが、CMは見慣れないのが増えている。

はじめて見る気がする、育毛剤のCM。

おなじみの悩みに、未知の成分で科学の香りをふりかけ、巧みにアピールする。

CMも、商品のパッケージなども、この手の商品にありがちな、アヤシゲな感じを極力排したもので、ある程度売れるだろう、という気はする。

チラリと映ったマークがどうも気になるが、CMではよく見えなかったので、検索してみた。

にゅーもなふたり

目立つほうれい線が、人生の年輪を感じさせる、中高年カップル。

圧倒的な毛量が、商品の訴求ポイントを的確に表している、と言えなくもない。

しかし、この髪型はいかがなものか。特に

にゅーもなふたり 2

男性のほう!



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てれびじょん | コメント(8) | トラックバック(0) | 2020/09/17 11:30

いっしゅの話。


へやっ!

うるとらまん

地球の平和を守るため、ウルトラマンが出動していった。

久しぶりのことだ。

隣の棟にお住いの、ウルトラマン氏のクシャミは、夏の風物詩であった。(→うるとら話。

ところが今年は、朝の爽快な

へやっ!

が、いっこうに聞こえてこない。

声質から、中高年男性と思われるウルトラマン氏。

お引越しなら仕方がないけれど、ご病気などよからぬ理由で、クシャミもままならないのでは、と想像すると、居ても立っても居られない。

確かめようにも、お顔もお名前も存じ上げない、クシャミだけの関係である。

夏じゅう気をもんでいたので、今朝になって

へやっ!

懐かしいクシャミを耳にして、喜びもひとしおだ。

とりわけ暑さ厳しかったこの夏、窓を閉め、夜通し冷房をつけていたのかもしれない。

このところ、朝夕が涼しいので、窓を開けてのクシャミが復活したのだろう。

秋きぬと 目にはさやかに 見えねども デカいクシャミに おどろかれぬる

一首詠んで、窓辺を離れた。



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ごきんじょ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2020/09/16 11:30

ねがてぃぶ話。

陽気でお気楽に見えるらしいが、元来ネガティブで、万事に悲観的な人間である。

物事がうまく運んでいる時も、頭のどこかでいつも、次に起こりうる失敗を考えている。

そんなネガティブ思考は、人格上、克服すべき欠点ととらえられることが多いが、決して悪いことではない。

夜道を無防備に、能天気に歩く人よりは、つねに周囲に気を配り、曲者の存在を想定する者のほうが、はるかに生存確率が高いはずだ。

そんな私が、夏じゅう考えていたのは、アイスバーの袋を逆に開けるのではないか、という心配である。

暑い外から帰って、とにもかくにもシャワー。そのあと買い置きのアイスを食べる。

さらさらと、流れるような日々のルーティンだ。

冷凍庫に手を突っ込んで、アイスを1つとりだし、一瞥もせずに、気づけば袋を開けて、アイスの棒を握っている。

とくに意識しなくても、毎回、ちゃんと棒のほうを開けているのが、ちょっと不思議だ。

しかしこれ、もし棒じゃない側を開けて、アイスの本体をグッと握ってしまったら、さぞかし慌てることだろう。

手は汚れるし、驚いてカーペットの上にでも落とせば、大変なことになる。

おいしいアイスをなめながら、いつもそんなことを考えているのはいかがなものか、とは思うが、悲しいかな性分は変えられない。

逆を開けちゃうかも…なんて思いもせずにいるよりは、万万が一のときに、反射的に体が動くのではないか。

せめてもの、ささやかな希望である。

アイスが楽しみだった季節も、もうすぐ終わる。

がりがりくんちょこみんと
(「ぼくたちは氷の上だから安心だね」)



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2020/09/15 11:30

ねばねば話。

オクラ、長芋、ツルムラサキ、夏野菜には粘るものが多いが、よく食べるのはモロヘイヤだ。

もろへいや

つぶしたニンニクをオリーブオイルで炒め、コンソメを注いだところに、刻んだモロヘイヤを入れると、とろとろ不思議なスープになる。

一緒に鶏ひき肉を炒めて加えるのもいい。

冷たくしても美味しいので、重宝でよく作る。

薄いバラのような葉っぱが数枚付いた小枝が、袋詰めで売られているが、茎から葉をむしり取る、その作業がちょっと面倒。

ボウルの水に浸けたモロヘイヤをむしりながら、ふと、なんでこんなことしてんだろ、と思った。

10年ほど前、モロヘイヤという野菜に、あまりなじみのなかった頃。

旅先の道の駅で、農家の奥さんから勧められ、初めて買った。

奥さんは、簡単な料理法を教えてくれたあと、ああそうそう、と思い出したように

葉っぱだけ食べてね~ 茎は毒があるから~

おつりと一緒に重要な情報を渡してよこした。

ひねくれているようで素直な私は、以来マジメに茎から葉をむしって、食べてきたのである。

しかし、考えてみると、つながった葉と茎の、茎にだけ毒がある、なんてことがあるだろうか。

それに、むしり取る茎は、毎回けっこうな量になるのだ。

いったん疑問を持つや否や、がぜん持ち前のモッタイナイ精神が発動した。

葉だけのまな板に、茎を加えてトントコ刻み、スープに加えて、あとはいつも通り。

できたスープは美味しくて、食べた私もピンピンしている。

それにしても

茎は毒があるから~

あの豆知識は、いったい何だったんだろう?

もしかして、冗談?



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もろもろ | コメント(20) | トラックバック(0) | 2020/09/14 11:30

ぶわぶわ話。

今日はマンションの設備の修繕。

こういうご時世で、よその人が家に入ることに緊張感がある。手指の消毒液や、使い捨てスリッパなど準備して待つ。

♪ぴんぽーん♪

ほぼ定刻に呼び鈴が鳴って、ハーイと玄関を開けると

ドーン!

マンガだったら効果音が入りそうな、大きな人影がそこにあった。

オハヨウゴザイマス~

意外に甲高い声の大男の後ろには、これもマンガの腰巾着キャラクター的な、もうひとり。

2人組の作業らしい。

さっそく軍手をはめ、道具を取り出したのは、小柄な腰巾着のほうだった。

見るともなく見ていても、大男は、なにやらクリップボードに留めた書類を眺めるだけ。作業を進める腰巾着を、手伝うけしきも無い。

こいつ何しに来たんだろうと不審に思っていると

…ブーン…

唸るような異音が聞こえた。

工具の音にしては小さいし、それらしき装置もない。

邪魔にならぬ程度に作業現場に近づいてみた。

…ブーーーーーーーン

アレ?

なぜか、ただ立っているだけの大男に近づくと、音が大きくなる。

注意してよく見ると、大男の作業着の腰のあたり、丸いものが見えた。

くうちょうふく

換気ファンのついた、空調服とかいうやつだ。

服に空気が入ってぶわぶわ膨れて、なるほどこんなものを着れば、大きくも見えるはずである。

初めて目にする空調服を、興味深く観察しているうちに、腰巾着の作業はつつがなく終わった。

確認のハンコかサインお願いしま~す

さっき眺めていたクリップボードを差し出す。大男の、仕事らしい仕事はこれっきりだった。

2人組は、仕事量の差を気にする様子もなく帰っていったが、ハンコをもらうだけの仕事に、なぜ空調服が必要なのか、分からないままである。



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ごきんじょ | コメント(14) | トラックバック(0) | 2020/09/13 11:30

よろよろ話。

大工仕事が好きだから、というわけでもないが、建築にも興味がある。

できあがった建物そのものより、計画段階のデザインプランとか、建築模型なんかに惹かれる。

中でも好きなのは手描きスケッチだ。

建築家が、既存の建物をスケッチしたり、イメージを伝えるために描いて見せる、フリーハンドのイラストレーション。

空間感覚のある人の描くものは、風が抜けていくのが見えて、気持ちがいい。

とくにカッコいいのは、である。

シロートなら定規を使いそうな直線を、あえてフリーハンドで描く、ヨロヨロ具合がカッコいい。

けんちくでっさん1

添え物として描かれた周囲の植栽の、無造作なモジャモジャなども、オシャレだなあと思う。

けんちくでっさん2

真似してみても、元来マジメで几帳面なうえ、ミョーに器用なため、直線というとつい、まっすぐの線を引いてしまう。

かといって、意識してヨロヨロ描こうとすると、わざとらしくてカッコ悪いのだ。

あの線は、たぶん永遠に、私の憧れである。

ぶるーのたうとのせんしんてい
(ブルーノ タウトのスケッチなんかもう大好き)



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もろもろ | コメント(14) | トラックバック(0) | 2020/09/12 11:30

なぞなぞ話。

母は歌うお母さんだったので、娘の私は、年相応より古い歌を、習い覚えて育った。

日本語の歌ならまだいいのだが、大昔、ラジオから流れた曲を、耳で覚えたらしき外国語の歌は、まるでだった。

… ♪ けいせら~せら~ われ~ば~いるび~ いるび~ ♪ …

のちにヒチコック映画を観て、ドリス デイの「Que sera, sera」と知った(→ せらせら話。)が、そんなのは例外だ。

むしろ、謎に包まれたままの歌のほうが多い。

ホウキを持った母が、廊下で左右にステップを踏みながら、よく歌っていた

… ♪ イスタンブー コンスタンチノープー イスタンブー コンスタンチノープー ♪…

この歌は、中学校の地理でトルコの首都を習ったとき、なるほどと思ったものだ。

トルコといえば

… ♪ ウースクダーラー ギーダーリーケン アウダラビリヤンムー ♪…

この歌を歌う母は、流し目の思わせぶりな表情を作り、手を不思議な具合にくねらせていた。

意味は分からないながら、何かエキゾチックなものを感じ取ったのを覚えている。

ちなみに続きは

… ♪ カーティビーミン セトリシウーズー エテーギーカームー ♪ …

というのだが、意味不明なことに変わりはない。

三つ子の魂百までなどと言うが、子供の記憶力はまことに恐ろしいものである。

おまけに今、こんなふうに昔の記憶をたどっていたら、

… ♪ クアンドセ キェーロメ チャチャチャ トーボケターバリ ナーバイラー ♪ …

さらに正体不明の歌が、陽気なラテンのリズムとともに浮かんできて、困っている。

うすくだら



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むかしむかし | コメント(18) | トラックバック(0) | 2020/09/11 11:30
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