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めっきの話。

つい先日まで、閑古鳥が鳴いていた映画館。

今は長々と行列ができるほどの賑わいであるらしい。人気のアニメが公開されたのだ。

混雑がキライなうえ、流行りものに理由なく反感を持つ私は、まったく観る気はないが、この作品にはもう1つ、大きな問題がある。

文法に則ってない、ということである。

中学校の漢文の授業を思い出していただきたい。

我学漢文と書いて、ワレ漢文ヲ学ブ

動詞「学ぶ」に対して、目的語である「漢文」は後に置かれるのが、漢文の語法だ。

熟語もまた例外ではない。

「書を読む」は読書、「球を投げる」は投球、「食を絶つ」は絶食。

どの語もちゃんと「動詞→目的語」の順になっている。

翻って例のマンガであるが、主人公が鬼と戦い、滅ぼそうとする内容らしい。

だとすると、「鬼滅」はおかしいだろう。

菌を殺すのは「滅菌」。私心を捨て去り公に尽くすのは「滅私奉公」。

「鬼ヲ滅ボス」なら「滅鬼」が正しい。

まあ、訂正されたところで、どっちみち観に行かないだろう、とは思う。

なにしろ「メッキの刃」は弱そうだ。

ごーるどらいたん
(超合金 黄金戦士ゴールドライタン)



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もろもろ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2020/10/21 11:30

いっせい話。

長い夢を見るのは疲れているしるし。

朝の空気は冷たくって、出たくない布団の中で、さっきまでの夢を思いだしている。

私は、潜水艦のような、廃墟のような、窓のない空間で迷っていた。

梯子段が交錯し、用途の分からない機械がそこかしこに置かれた、殺風景な場所だ。

やみくもに歩き回っても出口は分からず、途方に暮れていたらタカハシイッセイが現れた。

ニコニコ笑って、道案内を請け合うイッセイ。

夢の自分は、ふだんの自分ではない。心の皮膚の1枚下に、現実の自分がいて

そいつを信用しちゃダメだ!

全力で叫んでいる。

今でこそ主役級の人気俳優だが、ドラマの再放送を好んで見る私にとっては、世を拗ねて鬱屈した若者や、シリアルキラーを演じた印象が強い。

見た目通りの好青年ではなく、狂気を秘めているように思える。

ダメよ!きっと何かウラが…殺される!

心で叫んでも、夢の自分は思うようにならない。唯々諾々と、イッセイのあとをついて行ってしまった。

示された階段を降りると、開けた空間があって、タカアンドトシのタカ(この人は好き)がレトルトカレーの箱を並べて立てている。

ドミノを作っているようだ。

ふと足がよろけて、カレーの箱を蹴飛ばし、バタバタ…とドミノが始まってしまう。

シマッタ!

タカが、破裂寸前の風船のような顔をして、怒りだしたので、慌てて逃げるうちに、イッセイともはぐれてしまったところで、目が覚めた。

イッセイが正体をあらわす前に、早めにはぐれて、よかった。

ホッとして起床し、コーヒーを淹れてテレビを点けたら、画面いっぱいに

たかはしいっせい

ぎゃっ!



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てれびじょん | コメント(6) | トラックバック(0) | 2020/10/20 11:30

もりこむ話。

いつもお邪魔するフジカ様のブログで、旦那様のお土産を拝見した。(→「どこのお土産?」

ほおばまきみそやきさばずし

その名も朴葉巻き味噌焼鯖寿司

焼鯖寿司といえば福井の名産だけど、これは岐阜のお土産だそうだ。

飛騨高山の郷土料理、朴葉味噌と、福井の焼鯖寿司の華麗なコラボレーション。

さらに製造は愛知、サバはノルウェー産。

写真を見る限りとても美味しそうだし、開発意欲は買うが、盛り込み過ぎじゃなかろうか。

美味しいイメージが渋滞している。

朴葉味噌なら朴葉味噌、焼鯖寿司なら焼鯖寿司。単品のほうがずっと力強く、食欲をそそる。

そういえば最近、同じようなものを見た。

生協のカタログをパラパラ繰ると

たん熊監修彩り秋野菜十種の京風炊き込みご飯

これとか…

トアロードデリカテッセンイベリコ豚チーズハンバーグカレー

これもイメージが大渋滞して、もう呪文である。

やはり商品名が長いほど、値段も上がるようだ。

ビンボーな私は、モヤシやチクワなど3文字を中心に注文して、カタログを閉じた。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2020/10/19 11:30

がらけー話。

先日、特に名を秘す(別に怪しくないけど)会合にて。

次の日程が ちょっと先になるわね~

どうします?今決めちゃいます?

うーん… 私、まだ予定がわからないわ 来月になってからにしない?

そうだLINEグループ作っておこうよ 打合せに便利よ

あ、まだ作ってなかったでしたっけ?

皆がばらばらとスマホを出す中

私 スマホじゃない ガラケー

プッとふくれて不満そうな人がいたので

あ、いいですよ メールで転送しますから

なだめる私が半笑いなのには、理由がある。

メンバーの入れ替わりもある中で、古参のこの人は、私が携帯を持たないと知ると

こういう人が1人いると 皆が困るのよね!

かつて言い放った人なのだ。

あれから10年。

携帯を持たなかった私もついにスマホを持ったが、彼女はガラケーにこだわりがあるらしい。

こういう人が1人いると 皆が困るのよね!

私はこんなことは言わないけど、言われたことはけっして忘れないのである。

がらけー



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ごきんじょ | コメント(20) | トラックバック(0) | 2020/10/18 11:30

50えん話。

時代はキャッシュレス。なんとかペイだ、かんとかポイントだと喧しいが、私には無縁の話だ。

428円でーす

レジ前で小銭入れを覗いたら、500円玉があって、100円玉が無い、とする。

500円玉で払うだけでは、いかにも能がない。できれば528円出し、おつり100円をゲットしたい、とまず考えるわけである。

しかし、細かい8円はなかなか揃わない。

次善の策として、533円を出して105円を受け取る、という案が浮かぶ。

しかし、30円もない場合、どうすべきか。

503円出して75円もらうのはヘンかな でも、1円玉が5枚も溜まるのはイヤだし…

こんなことを一瞬のうちに考えるのだから、なかなかの脳トレだ。

さらに事態を複雑にするのが50円玉貯金である。

日ごろここで大口を叩いてはいるが、実は小心者で堅実派の私は、チマチマ小銭貯金をしている。(→そしなの話。

100円玉より出現頻度が低く、500円玉より影響の小さい50円玉を、見つけるたびにケースに入れるのだが、これがなかなか貯まらない。

そのため、おつりで50円玉をもらいたいという気持ちが働き、レジ前で考えることが、さらに難しくなるのである。

たしかにちょっと、ややこしい。でも、同じややこしいなら、出所のわからないポイントをもらうより、私はこっちのほうがいい。

今日10月17日は貯蓄の日

ぴぎーばんく



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もろもろ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2020/10/17 11:30

かーでの話。

朝夕寒い。なんぼグウタラの私でも、いいかげん衣更えをせねばならぬ。

週末から雨という予報を聞いて、ようよう重い腰を上げた。

いったん始めれば、たいした作業ではない。

衣装ケースの冬物を出したら、抽斗をぶちまけ、夏物をたたみ直して空いたケースに入れてから、こんどは抽斗のほうに冬物を収めてオシマイだ。

春先の自粛期間中、衣更えを兼ねて冬物をだいぶ処分したので、抽斗に余裕がある。

セーターをたたみながら

あ、ついにカーディガンが無くなった

気がついた。

このトシになってやっと分かったが、私はカーディガンがキライである。

たぶん、羽織るという着かたがキライなのだ。

セーターやトレーナーなど、キッチリかぶって、飛んでも跳ねても剥がれない、常に体に従って、状態が変わらない服が望ましい。

カーディガンのように、動きに応じて身体から離れ、ヘロヘロされては落ち着かないし、羽織ると前に垂れ下がる、身頃の下端がとにかくイヤだ。

そのことに気づかず、季節によっては必要だろうと、何枚か持っていた。

着ない服を1枚2枚と処分するうちに、その全部が無くなったのである。

まさか、カーディガンなんて定番の衣類に好き嫌いがあるなんて、思いもよらなかった。

自分の心でも、よく見ないと分からない。

知らない自分は、きっとまだあるんだろう。

これからの人生で、ひとつひとつ見つけていこう。スッキリした抽斗を閉めながら、そんなことを思った。

かーでぃがん
(こういう薄手でデロンとしたのが特に苦手)



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2020/10/16 11:30

あみあみ話。

秋晴れの朝。爽やかな気分で窓辺に寄れば

うっ!

レースのカーテンに映る、不吉な五角形の影は、カメムシだ。

私の愛する美しい秋は、この虫の季節でもある。

その時でんばあ、少しも慌てず。

どこをとっても好感の持てない虫であるが、唯一の美点は動きが鈍いことである。

玄関の物入れから、取り出したる捕虫網をふるい、サッサと捕獲した。

うちの子供は虫がキライで、この網は自分で買った。何の気なしに備えたが、じつに役に立つ。

家に侵入する虫のうち、害虫とためらわず呼べるものは、意外に少ない。

カメムシにしたって、外にさえいてくれれば利害関係は発生しないのだから、平和裡にお引き取りいただけるなら、それに越したことはない。

殺虫剤で人は死なないが、むやみに撒かないほうがいいのは確かだ。

一家に一本、捕虫網!

郊外に新居を構える新婚家庭に、捕虫網を贈り物とするなど、いいアイデアに思えるが、いかがだろうか。

ほちゅうもう
(今後はプレゼントにふさわしい高級化が望まれる)



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もろもろ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2020/10/15 11:30

なくなる話。

GOTOナントカがまた始まったけれど、とくに予定はない。

経済を回せ、というが、そういうのは平素、経済の恩恵を受けている方々にお願いしたい。

小銭貯金が頼りのビンボー人は、身体が資本なのである。

外食は作るのが面倒、というのが唯一の動機で、美味しいものが食べたいわけではないから、作るヒマと余裕さえあればべつだん困らない。

美食趣味が無いのは、つくづくありがたい。

居酒屋がはじめた弁当を買うくらいで、おなじみだったお店とも、ずいぶんご無沙汰だ。

昨日は久しぶりの道を通ったら、なんだか景色が違っていた。

時々行く回転寿司のお店が、無い

ああ、撤退しちゃったんだなあ。チェーン店はやっぱり、見切りが早い。

子供がうちにいたころは、家族でよく来た。

思い出すのは、父が亡くなる前、病院に詰めきりだった時。食事の支度もできなくて、沈んだ気分を励ますように、次々とお皿を取った。

その後も、ムスコの期末試験が終わった、ムスメが久しぶりに帰った、などと、折々に来ていた。

LINEを見たら、先月

当店は今月末をもって13年の歴史を閉じることとなりました。
数ある飲食店の中、当店をご愛顧くださり、ありがとうございました。
最後まで感謝を込めて営業いたしますので、よろしくお願いいたします。


店からのメッセージが入っていた。どうせクーポンだと、見なかったのだ。

これを見て通い詰めたところで、閉店の決定は覆らなかっただろう、とは思う。

たいしたことない店の、たいしたことない寿司。

でも、いや、だからこそ、無くなるのは、地味にキツい。

かいてんずし



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ごきんじょ | コメント(14) | トラックバック(0) | 2020/10/14 11:30

まずいれ話。

チューブを振ったら、遠くに飛ばしてしまったことは、昨日お話した。(→ちゅーぶの話。

貧乏性に加え、向上心と改善の意欲にも恵まれた私は、これはいかん、と思ったわけである。

まずは現状の観察だ。

半透明のチューブの内側をうかがい見るに、たっぷり1回分の量がへばりついている。

これを、遠心力を使わずに出す方法は無いものか。

切り開けばカンタンだが、なんとなく違う気がして、却下した。

キャップの側から卓上に落としてみたり、トントンとたたいてみたり、竹串を突っ込んでみたり、さまざまに工夫したが、はかばかしくない。

ちょっと休憩しようと、インスタントコーヒーにお湯を注いでいたら

…溶かす…ハッ💡!

ヒラメキが訪れた。

そもそもワサビは何に使うのか。ワサビ醤油である。

ワサビが出てこないなら、醤油が迎えに行けばいい。ワサビのチューブで少量の醤油を吸い込み、キャップをしてパチャパチャと振った。

キャップを外せば、あらあら、スルスルと、醤油に溶けたワサビが出てくるではないか。

出そう出そうとするから、出ない。まず入れればいいのだ。

この、まず入れ後出し法は、他のチューブにも使える。

マヨネーズやドレッシングは、酢やレモン汁を。

豆板醤や「つけてみそかけてみそ」ならば、酒か醤油を。

水ではなく、調理でともに加える液体を入れるのが、薄まらないで使えるコツである。

ビンボーじゃない貧乏性は、ケチの誹りを免れないが、ビンボー人の貧乏性は美徳なので、堂々と披露したいと思う。

つけてみそかけてみそ
(名古屋在住以来手放せない「つけてみそ」)



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2020/10/13 11:30

ちゅーぶの話。

静かな住宅街の道路。天気はよし、気分良く歩いていたら、足元に緑色の棒が落ちている。

私はいいトシをして、落ちているものを見過ごせない困った性癖の持ち主(→おちてる話。)だ。

さいわい周囲に人けは無し、さっそく近寄って、正体を確かめる。

ちゅーぶわさび

それはワサビのチューブであった。新品ではなく、5分の1ほど残った中身が見えている。

なぜこんなものが、単独で路上に落ちているのだろう。

ひとつ思い当たるのは、今日この辺りはゴミの収集日で、ゴミ袋からこぼれた可能性はある。

しかし、中身が残っており、チューブの上部に示された賞味期限にもまだ間がある。袋に穴が開いたとすれば、これだけ落ちるのも不自然だ。

ゴミ説を否定するには、実は理由がある。

何年か前の、ちょうど季節は今ごろ。シーズン初のおでんを煮た日のこと。

カラシの中身を絞出し口に集めようと、チューブのしっぽを持ってピンピンと振ったところ、指が緩んで、遠心力で飛んだのだ。

それはそれは大変な勢いで、かつ驚くほど遠くまで飛んだことを覚えている。

このワサビもきっと、どこかに飛ばした人がいる。

この近所に、窓際でチューブを振っていたら、いきなり消失して、どこだどこだと探し回っているおうちがあるに違いない。

想像したら楽しくなって、2、3歩スキップした。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2020/10/12 11:30
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