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あみどの話。

(本日少々バッチいお話ですので注意してお読みください。)

窓を開け放して過ごすことが増えたので、網戸のホコリが気になる。

あみどわいぱー

網戸ワイパーなんてのが百円均一にあるのだから、まったく便利な時代だ。

シートをセットして拭きながら、ラクになったなあ、と思う。

前に住んでいたマンションにも、もちろん網戸はあった。拭くと真っ黒で、ウンザリした。

交通量の多い道路に面したそのマンションは、ベランダがひどく汚れた。

物干し竿も、洗濯の度に拭かないと、せっかくの洗濯物が汚れるほど黒くなる。あれは、自動車の排気からの煤煙ではなかったか。

そんなものだ、と思って暮らしていた、そこでの生活を切り上げ、小学生の子供たちを連れて今の家に越してきたのが、かれこれ15年前。

新しい環境にも慣れてきたころ、ムスコが鼻の穴に指を突っ込んでいるのを発見し

コラ!

せっかく怖い顔をしたのに、ムスコときたら

わー、見て!

出した指を見せようとするではないか。

ヤだよ!なに、いったい!

見て!ハナクソが白い!

手を洗ってきなさい、と叱りながらも、なるほどなあと感心した。

以前はきっと、薄黒い色だったのだろう。

そういえば物干し竿も網戸も、前ほど汚れない。

ここは空気がきれいなのだ。

夜空の星や風の香りではなく、ムスコのハナクソで気づかされたのがクヤシイ、母であった。



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むかしむかし | コメント(4) | トラックバック(0) | 2021/05/31 11:30

てあらう話。

欧米のジャーナリストの、新型ウィルスに関するレポートを読んだ。

感染拡大から今日まで、さまざまに揺れ動く心情を描いたものだが、

やっぱりマスクすればよかった

というのが、おおざっぱな結論になっている。

マスクに対する欧米人の抵抗感は、われわれが想像する以上に強いらしい。

マスクをかけようとの働きかけに、彼らはまず、その効果を疑問視することから始めた。

つぎに厳密に科学的な根拠を求め、最後には根源的な自由の束縛として、反感をむきだしにするに至る。

マスクの代わりに、彼らが熱中したのが手洗いだったという。

洗って洗って洗ったけれど、そんなことよりさっさとマスクすればよかった、とレポートは言う。

1日に10回も、手がカサカサになるほど洗っても…

このくだりで、おや?と思った。

こういう書き方をするときは、極端に多い回数を挙げて、強調するものだ。

1日10回って そんなに多くないんじゃ…

もし私がこの趣旨で文章を書くとすれば、

1日に100回も1000回も、手の皮がすりむけるほど…

などとすることだろう。

社会派のジャーナリストの文章と、大げさに言いがちな関西のオバハンのそれを比べるのは間違いかもしれない。

しかし、手洗い10回は、フツーの範囲じゃないだろうか。

ごはんの前に、ご不浄の後に、帰宅した時に。

新型ウィルス蔓延の以前から、べつだん潔癖症でもない私でも、日に10回くらいは洗っていた。

しかし、少なくともこの筆者は、1日に10回は異常に多いと感じるわけだ。

じゃあ 新型ウィルスが無いときは…?

ヒジョーに失礼な想像が浮かんだが、多くは語らずに置こう。


(このCMによると日本人の平均は1日7回だそうです)



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もろもろ | コメント(16) | トラックバック(0) | 2021/05/30 11:30

ゆたかの話。

仕事の書類について、問合せの電話をかけた。

親切な担当者で、わかりやすく説明してくれたので、最後にお名前を確認する。

オザキと申します オザキ ユタカ(仮名)です

どうもありがとう、と切ったあとは、彼のことをすっかり忘れて、数日。

問合せの件で、今度はメールが来た。

発信元がy.ozaki@dokosoko…だから、こないだの担当者からの確認だろう。

お世話になっております…

フムフム…ええーっ!!

声を上げたのは、文面を見たせいではない。

…株式会社ドコソコの 小先 由孝(仮名)でございます。

いや、漢字それ~?!

むろん、勘違いしたこちらが悪いのである。

オザキ(仮名)もユタカ(仮名)も、よくあるお名前なので、漢字を勝手に当てはめていた。

姓名のどちらか一方ならともかく、どっちもひとひねりあるのは珍しいんじゃないか。

きっとずっと、間違われ続きなんだろうなあ…

私自身、ちょっと珍しい名前なのでよくわかる。

たびたび訂正するんだろうなあ…

オザキさん(仮名)の訂正人生に、かってに共感してしまった。

おざきゆたかさん
(文中のオザキさんは仮名であり、実際の名前とは異なります)



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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2021/05/29 11:30

おわりの話。

銀行引落の日なのに、残高が足りてないのに気がついて、あわてて駅前に出る。

おりよく朝からの雨も上がって、自転車に飛び乗った。

なんとか間に合わせ、ついでにチョコチョコ買物など済ませ、やれやれと帰途に就く。

駅から家まで坂を越えるが、新車はパワーもバッチリで、上り坂もラクラクである。

上り切ったら、あとは下りるだけ。

スピードが出過ぎないよう、ブレーキをかけながら下っていく。

向かい風が強いので一時停止して、帽子が視界をふさがぬよう、つばを折り返してかぶり直した。

濡れたマンホールの上は、タイヤが横滑りしたことがあるから、用心深く迂回する。

坂の中途には、道に面して門扉を設けたおうちが数軒。住人が急に出てくるかもしれない。

怖がりなので、そういうことは絶えず考える。

家に着いて、ホッと一息つきながら、思った。

けっこう危ないよな あの道…

減速、帽子、マンホール、門を開けて出てくる人。ひとつでも誤ったら、転倒したり、人にケガをさせたり、怖いことになる。

今は自然にできている、もろもろの判断が

いつまでできるかな…

そんなことも考えた。

前の自転車には、12年近く乗った。

もし次に12年乗ったら、私は70歳だ。

12年後の私がどんな風か、見当もつかないけれど、12年前の私と今を比べて、できないこと、つらくなることが増えるのは分かる。

自転車は これで最後にしよう

ふと、まったく平静に、そう決意した。

なんだかんだ言って、私は毎日幸せだし、まだまだ長く生きていたい。そのために避けられる危険は避けよう。

寂しさは無く、不思議に前向きな気持だ。

青嵐号が、最後の自転車。

そう決めたら、あらためてまた、大切に乗りたいと思う。

じぇいくのじてんしゃ 



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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2021/05/28 11:30

きういの話。

職場の休憩時間。

予約が大変、と同僚のサカイさんがこぼすから、てっきりワクチンと思ったら

違うわよ~ キウイ、キウイよ~

笑って言われて、混乱した。

ぬいぐるみのキウイ、知らない?

あたしゃ、果物のキウイと、夜行性のキウイしか知りませんよ。

いやその果物のほうなんだけどさ…

よくよく聞けば、この↓CMのキャラクター。



このヌイグルミマスコットを付録につけた雑誌が、予約で完売するほど人気だというのだ。

ほらコレ… 

スマホで雑誌の発売予告を見せられても

ぜすぷりきういのぬいぐるみ

とくに騒ぐほどのものとも思えない。

しかも、彼女自身じゃなく、高校生のお嬢さんが欲しがっているのらしい。

今のお母さんは大変だなあ。

私はこんな風に、子供の欲しい物を一緒になって探してやったり、したことがない。

私の母も、そうだった。

可愛いマスコットが欲しいと思ったら、ゴソゴソ布を探して、自分で縫って作った。

最初はヘタクソで、目も当てられない出来栄えだったが、だんだん上手くなり、今でもぬいぐるみやフェルトマスコットは大の得意である。

へえ~1580円、と相槌を打ちつつ

こんなもの 作りゃいいのに 300円でできるのに

思っていたことはナイショである。



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ごきんじょ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2021/05/27 11:30

しきさい話。

雨も上がり、風が気持ちいい朝だ。

そうだ、今日はあのシャツを着て行こう。

ライラックみたいながお気に入りの、半袖のシャツ。また、これを着る季節になった。

ウキウキと身につけ、カバンと自転車のカギを手に、玄関を…

あー!ダメだ!自転車

自転車自体は、別にダメではない。

なにしろ新調したばかりのピッカピカである。

新しい愛機青嵐号。(→せいらん話。)その名の由来は、きれいなミントブルーの車体だ。

そこに紫のシャツでまたがれば…うーん、ビミョーである。

先週、サクランボみたいな真紅のTシャツを着た時も、ちょっとなあ、とは思ったのだ。

ハデ好きの私の服装には原色が多い。

赤や紫にとどまらず、黄色、オレンジ、キミドリなんかも着る。

それらを身につけ、鮮やかなブルーの青嵐号に乗る姿は、われながら、けっこうな見ものである。

思えば、先代の白鹿号の白い車体は、大正解であったのだ。

衝動買いの思わぬ代償に、戸惑う50代の春。

しきそうかん
(学生時代の美術の教科書などを思い出す)



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2021/05/26 11:30

でるまで話。

入浴剤が、ようやく無くなった。

使っていたのはコレ↓。

ばすろまんぷれみあむ1

売場に数ある商品から、選んだのは安売りだったからだ。

同じメーカーの入浴剤もある中で、このパッケージの商品だけが、ワゴンに出ていた。

しかしやはり、安いには理由がある。使い始めてすぐ、それを思い知ることとなった。

温まるのである。

つまりこれは、冬場の商品なのだ。

これからシーズンオフになる在庫を、投げ売りしたものらしい。

浸かっている間は、まだいい。香りは好きだし、トウガラシ色が暑苦しいのは目をつぶろう。

問題は上がってからである。

サッパリ湯上りをタオルで拭いたあと、しばらくして汗がドッと出る。せっかく洗った身体が汗になるのが、ケチの私にはもったいない。

かといって使わないこともできないのが、ケチの悲しさ。浸かっちゃ汗かき、汗かきゃ浸かって、やっと無くなったのだ。

空のパッケージをしばし眺め、苦闘の歴史(大げさ)を振り返る。

そういえば香りが続くとあるけど そっちはたいしたことなかったなあ

漢方薬みたいに癖のある香りで、フローラル系が好きじゃない私には、わりに好みだった。

…お風呂を出るまで ってあるのに…

ばすろまんぷれみあむ2

出るまで? 出た後も、じゃなく?

日本メーカーの製品表示は、じつに良心的だ、と感心しながら、空き箱をゴミ箱に捨てた。



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2021/05/25 11:30

まるっと話。

なんによらず流行りものがキライで、言葉もまた例外ではない。

がっつりだのほっこりだのは、けっして使わないと心に決めている。

むろんそんなの、ゴマメの歯ぎしりだ。

キライな言葉もどんどん使われ、誤用はフツーになり、やがては辞書に載るのである。

そこをとやかく言うつもりはないから、キライだと言うくらいはご勘弁願いたい。

近ごろすっかり市民権を得たやに思われるのが、まるっとである。

まるっとホンモノ!

お店のデジタル、まるっと!


キャッチフレーズにも堂々と登場するのみならず

まるっと!ドコソコ

などと、公共放送を含むテレビ番組のタイトルに、数々採用されているらしい。

新語も、今までにない新しい概念を提示するならば、しょうがない。

すべて、とか、まるごと、とか、既にある表現で十分言えるところを、いつの間にか置き換える、こういう流行り方がいちばんイヤだ。

思うにマルという語感の平和さ、かわいらしさが曲者である。

万人受けしそうだと、ついコピーに、タイトルに、使ってしまうのであろう。

丸顔でニコニコして、害も無さそうだと油断していたら、いつの間にか家に上がり込まれていた、という感じだ。

そのうち、勝手にお茶の間の卓上の缶を開けて、お煎餅を食べだすかもしれない。

そんなこと 私は許さんからな!

いきばってみたところで、どうしようもないのであった。

まるっとおみとおしだ
(言って許せるのは山田奈緒子だけだと思う)



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てれびじょん | コメント(12) | トラックバック(0) | 2021/05/24 11:30

ぎゃんぶる話。

モタモタしているうちに衣更えが遅くなった。

1人分の冬物を洗って仕舞い、夏物を出す。たったそれだけのことなのに、めんどくさい。

抽斗から、のろくさセーターを出し、しげしげ眺める。

去年買って、わりによく着た服だが

これって洗える?

素材を見れば、洗える材質である。

しかしタグにはクリーニングのマーク。そこで迷うことなく

ヨシ洗おう!

服屋の洗濯表示なんて、いちいち信じていたら、いくらお金があっても足りない。

横着者の洗濯は、洗濯機任せである。

どんなものでも、エイと洗濯機に放り込めば、数十分後にきれいになって出てくる、というのが、信仰に近い信条なのだ。

むろん失敗もあるが、精神の健康のため、忘れることにしている。

これは…洗えるかな?

次は、冬じゅうソファの足元に敷いていたラグ。こういうものはお洋服と違い、洗濯表示が無い。

…うーん…イチかバチか洗っちまえ!

渦をなす水にラグを投げ込む解放感

洗濯のサッパリとは、また別の爽快さである。

小心者で賭け事が苦手、宝くじさえ買わない。

そんな私のなけなしのギャンブル精神は、なんと洗濯機で消費されるのであった。

ぶりきのせんたくき



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2021/05/23 11:30

つばめの話。

巣作りのツバメが、晴天の軒先で騒いでいる。

完成間近な巣の口にとまって中を検分し、ぢいぢいと注文をつけているのは雌鳥だろうか。

その周りを、まるでご機嫌を取るように右往左往するのが、雄かもしれない。

ツバメの思い出は懐かしい。

あれは社会科見学の帰りだったろうか。3年生の私たちは、学校への道を歩いていた。

曇りだした空を気にした引率の先生が、少し急ぐように促した。

小さな町の商店街の道幅いっぱい、機織りの杼のようにせわしなく、ツバメが行き交う。巣作りも終わり、盛んに餌を集める時期だったのだろう。

ヒザのあたりを低くかすめていった1羽を指して、先生がおっしゃった。

ツバメがこんなふうに低く飛ぶとね お天気が悪くなるというよ

黄色い帽子の一同がポカーンとしていると、先生は続けて

雨が近づいて空気が湿ると 虫は羽が重くて高く飛べないんですね

カンのいい数人がうなずく。

ツバメは虫を捕るでしょう だから…

なるほど!と、こんどは私にもわかった。

ツバメは餌を探す。虫は湿気で、地面近く飛ぶ。だからそれを追うツバメも低く飛ぶ。

そこに、原因から結果に続く、とても美しい考えの道筋があった。

雲間からさす陽が、すっと一筋光る道に見えるような、そんな気持ちだった。

あの一事を教わっただけで、小学校に6年通った値打ちはあった。

ツバメの巣がある家に住む人は、皆いい人に見える。今年ももうすぐ、夏がやってくる。

つばめさん



本日早朝より他出のため、昨日の記事にちなみ、2017年5月12日の記事を再掲載します。



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むかしむかし | コメント(6) | トラックバック(0) | 2021/05/22 11:30
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