もずくの話。
残り物でお昼を済ませようと、冷蔵庫を開ける。
ビンボくさくラップをかけたお皿や小鉢を出していたら、モズク酢が残っているのに気付いた。

そうそう、これも片付けなきゃ。
ヨーグルトみたいな個食パックのモズク酢は、大好きというわけじゃないけど、わりによく買う。
お肉や揚げ物ばかりのメニューになったら、健康に気をつけてますという言い訳に登場するので、お昼に食べるのははじめてかもしれない。
温め直したおかずをテーブルに並べ、モズク酢のフタをはがそうとしたとき
ん?
底に何かくっついている気がして、なんの気なしにカップを傾け…
だあ!
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
傾けたカップから開いた袖口に、冷たいモズク酢がドドドと流れ込んだのである。
形容しがたい気色悪さに震えていると
♪ぴんぽ~ん♪
折も折、朝から待っていた宅配便がやってきたので、仕方なく、袖口を押さえて玄関に出た。
こちらにハンコお願いしまーす
宅配業者のお兄さんは、そこはかとなく漂う酢のニオイに、鼻をひこつかせた気がしたが、まさかこのオバサンの袖口に、モズク酢が入っているとは思うまい。
部屋に戻って腕を拭きながら、考えた。
まったく、世界は予期せぬ出来事に満ちている。

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ビンボくさくラップをかけたお皿や小鉢を出していたら、モズク酢が残っているのに気付いた。

そうそう、これも片付けなきゃ。
ヨーグルトみたいな個食パックのモズク酢は、大好きというわけじゃないけど、わりによく買う。
お肉や揚げ物ばかりのメニューになったら、健康に気をつけてますという言い訳に登場するので、お昼に食べるのははじめてかもしれない。
温め直したおかずをテーブルに並べ、モズク酢のフタをはがそうとしたとき
ん?
底に何かくっついている気がして、なんの気なしにカップを傾け…
だあ!
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
傾けたカップから開いた袖口に、冷たいモズク酢がドドドと流れ込んだのである。
形容しがたい気色悪さに震えていると
♪ぴんぽ~ん♪
折も折、朝から待っていた宅配便がやってきたので、仕方なく、袖口を押さえて玄関に出た。
こちらにハンコお願いしまーす
宅配業者のお兄さんは、そこはかとなく漂う酢のニオイに、鼻をひこつかせた気がしたが、まさかこのオバサンの袖口に、モズク酢が入っているとは思うまい。
部屋に戻って腕を拭きながら、考えた。
まったく、世界は予期せぬ出来事に満ちている。

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にくしょく話。
夕方のニュース番組で、万博公園の太陽の塔が映った。
長いこと みんぱくも行かないなア…
昨今は悪評さくさくの民泊にお株を奪われてしまったが、私にとってミンパクといえばこちら。

(→国立民族学博物館)
国立民族学博物館、略称みんぱく。
世界中の民族学資料を集め、研究を行うと同時に広く展観に供する施設である。
順路はオセアニアを出発して東回りに世界を一周し、最後に日本にたどり着く。衣食住の生活用品を中心とした展示を見れば、文化の違い、多様性がよくわかって、とても興味深いのだ。
資料映像を自由に見られるビデオテークのコーナーも楽しくて、大阪在住のころは、ひとりでフラッと見に行ったりしたものだ。
どーれーを見ーよーうーかーなー…
その日も私は、画面の前で
「ペルシャ絨毯のできるまで」「砂漠の民のくらし」「シチリアのマグロ漁」か…
魅力的なタイトルに迷った挙句、選んだのは、「ドイツのソーセージ作り」。
昔も今も、ビールとソーセージは、私のこよなく愛するところである。
やがてタイトルに続いて、民族衣装に着飾った人にあふれる広場が映る。
どうやらお祭りらしいとワクワクしていると、石畳の広場の真ん中に、後脚で吊るされた、巨大な動物がいきなり大写しになった。
2メートルはあるとおぼしき、ブタである。
詳細は避けるが、ソーセージ作りの工程はブタを捌くところから始まっていたのだ。
テレビならぼかしやモザイクが入るところだが、なにしろ学術的な資料映像だから、容赦がない。
なかなかにスプラッターな映像が続く中、なによりビックリしたのは、その作業を、妖精みたいな女の子が、終始よだれの垂れそうな顔で見守っていたことである。
マグロの解体ショーと何が違うと言われるとうまく言えないけれど、肉食文化ってスゲエ、と思った。
今日はいい肉の日。

(こんな顔で豚肉を待つ)

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長いこと みんぱくも行かないなア…
昨今は悪評さくさくの民泊にお株を奪われてしまったが、私にとってミンパクといえばこちら。

(→国立民族学博物館)
国立民族学博物館、略称みんぱく。
世界中の民族学資料を集め、研究を行うと同時に広く展観に供する施設である。
順路はオセアニアを出発して東回りに世界を一周し、最後に日本にたどり着く。衣食住の生活用品を中心とした展示を見れば、文化の違い、多様性がよくわかって、とても興味深いのだ。
資料映像を自由に見られるビデオテークのコーナーも楽しくて、大阪在住のころは、ひとりでフラッと見に行ったりしたものだ。
どーれーを見ーよーうーかーなー…
その日も私は、画面の前で
「ペルシャ絨毯のできるまで」「砂漠の民のくらし」「シチリアのマグロ漁」か…
魅力的なタイトルに迷った挙句、選んだのは、「ドイツのソーセージ作り」。
昔も今も、ビールとソーセージは、私のこよなく愛するところである。
やがてタイトルに続いて、民族衣装に着飾った人にあふれる広場が映る。
どうやらお祭りらしいとワクワクしていると、石畳の広場の真ん中に、後脚で吊るされた、巨大な動物がいきなり大写しになった。
2メートルはあるとおぼしき、ブタである。
詳細は避けるが、ソーセージ作りの工程はブタを捌くところから始まっていたのだ。
テレビならぼかしやモザイクが入るところだが、なにしろ学術的な資料映像だから、容赦がない。
なかなかにスプラッターな映像が続く中、なによりビックリしたのは、その作業を、妖精みたいな女の子が、終始よだれの垂れそうな顔で見守っていたことである。
マグロの解体ショーと何が違うと言われるとうまく言えないけれど、肉食文化ってスゲエ、と思った。
今日はいい肉の日。

(こんな顔で豚肉を待つ)

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でんこう話。
お出かけの行先は、百貨店の英国フェア。

毎年のこの催事を、おばーちゃんは楽しみにしていた。(→ふぇあの話。)
しかし、新型ウィルスの騒動で、百貨店巡りはお預け、今日はじつに2年ぶりだ。
いつもなら、買う気満々の老母を、マアマアとなだめる係を任じる私だが、今年は出発の時点から違った。
行こうかな… やっぱりやめとこうかな…
長い自粛生活。根っからデパート好き、買物好きの母が、こうも消極的になってしまうと、それはそれで寂しいし、心細い。
ここらでガス抜きしておかないことには、と考え、尻込みするおばーちゃんを、行こうよ、大丈夫だよと励まして出かけてきたのである。
駅を降りれば、ここ1か月で見た以上の人数が、せわしく往来する街並。
目当ての百貨店は、クリスマスの飾りつけにきらめき、夢見心地でエレベーターに乗込めば、扉の向こうは、記憶に違わぬ賑わいを見せていた。
…わー…
スゴイね…
母と2人、小さくたじろいで、やっと広い会場に踏み出す。
別世界みたいな喧騒に、しばらくはモジモジしていたものの、やがて水を得た魚のように、あちらの店、こちらのブースと、見て回り始めた。
おばーちゃんの目が、光り出すのが分かる。
私が人ごみについボンヤリして、アンティーク食器など眺めているうちに
見て見てこれ カワイイでしょ!
電光石火、お花のブローチなど買っていた、母である。

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毎年のこの催事を、おばーちゃんは楽しみにしていた。(→ふぇあの話。)
しかし、新型ウィルスの騒動で、百貨店巡りはお預け、今日はじつに2年ぶりだ。
いつもなら、買う気満々の老母を、マアマアとなだめる係を任じる私だが、今年は出発の時点から違った。
行こうかな… やっぱりやめとこうかな…
長い自粛生活。根っからデパート好き、買物好きの母が、こうも消極的になってしまうと、それはそれで寂しいし、心細い。
ここらでガス抜きしておかないことには、と考え、尻込みするおばーちゃんを、行こうよ、大丈夫だよと励まして出かけてきたのである。
駅を降りれば、ここ1か月で見た以上の人数が、せわしく往来する街並。
目当ての百貨店は、クリスマスの飾りつけにきらめき、夢見心地でエレベーターに乗込めば、扉の向こうは、記憶に違わぬ賑わいを見せていた。
…わー…
スゴイね…
母と2人、小さくたじろいで、やっと広い会場に踏み出す。
別世界みたいな喧騒に、しばらくはモジモジしていたものの、やがて水を得た魚のように、あちらの店、こちらのブースと、見て回り始めた。
おばーちゃんの目が、光り出すのが分かる。
私が人ごみについボンヤリして、アンティーク食器など眺めているうちに
見て見てこれ カワイイでしょ!
電光石火、お花のブローチなど買っていた、母である。

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こうてい話。
今日はおばーちゃんと電車でお出かけ。
混雑するターミナル駅の乗換を避け、少し遠回りだが、始発から乗れる路線を選んだ。
平日のお昼どき、中途半端な時間のせいか、車内はよく空いていて、ひとまずホッとする。
天気はよし、車窓ののどかな農村風景に、おばーちゃんはウキウキだ。
久しぶりね~ 病院じゃないお出かけなんて…
ホントだね~
のんびりとアイヅチを打ちながら、景色を眺めていると
アッあれ! あの花、何かしら?
指さす方を見れば、農家らしい大きなおうちの垣越しに、華やかな紫のかたまり。
あんなに背の高い…きれいねエ

感に堪えぬ様子の母に
ああ、あれ…たしか皇帝ダリアとかっていう…
何気なく教えた。
へえ~と感心するかと思いきや、おばーちゃんはカッと目を見開き
なんで?なんで知ってんの!?
やけに詰問調である。
なんでって…うちの近所にもあって…誰かに聞いたのかな?
答えても、ちっとも納得してない表情で
アンタがお花のことなんか…
ブツブツ言っている。
どうやら、ベランダ園芸すら放棄した園芸音痴の娘が、自分の知らない花の名前を知っていたのが、気に食わないらしい。
教えてあげてムッとされるなんて、損した気分だが、まあいい。
怒る元気がある方が、アタシは嬉しいよ。
おばーちゃんはまだブツブツ言っているが、電車はスコスコと走り、やがて終点に着いた。

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混雑するターミナル駅の乗換を避け、少し遠回りだが、始発から乗れる路線を選んだ。
平日のお昼どき、中途半端な時間のせいか、車内はよく空いていて、ひとまずホッとする。
天気はよし、車窓ののどかな農村風景に、おばーちゃんはウキウキだ。
久しぶりね~ 病院じゃないお出かけなんて…
ホントだね~
のんびりとアイヅチを打ちながら、景色を眺めていると
アッあれ! あの花、何かしら?
指さす方を見れば、農家らしい大きなおうちの垣越しに、華やかな紫のかたまり。
あんなに背の高い…きれいねエ

感に堪えぬ様子の母に
ああ、あれ…たしか皇帝ダリアとかっていう…
何気なく教えた。
へえ~と感心するかと思いきや、おばーちゃんはカッと目を見開き
なんで?なんで知ってんの!?
やけに詰問調である。
なんでって…うちの近所にもあって…誰かに聞いたのかな?
答えても、ちっとも納得してない表情で
アンタがお花のことなんか…
ブツブツ言っている。
どうやら、ベランダ園芸すら放棄した園芸音痴の娘が、自分の知らない花の名前を知っていたのが、気に食わないらしい。
教えてあげてムッとされるなんて、損した気分だが、まあいい。
怒る元気がある方が、アタシは嬉しいよ。
おばーちゃんはまだブツブツ言っているが、電車はスコスコと走り、やがて終点に着いた。

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そうとう話。
カタログや通販の記事を書いたせいか、パソコンにネット通販の広告が出るようになった。
洋服や小物の、かわいい広告なので、まあいっかと放置している。

今朝出たのは、なにやら可愛げなマスコット人形だが、どうもヘンな感じだ。

円内に、ブタの横顔が見えないだろうか。上気した頬の表現が、ちょうどブタの鼻である。
こいつ、顔2つあるよね?

効果線を加えれば、もはや右顧左眄する白ブタにしか見えない。

(「双頭のパンダ」と命名)
子供の通学路にあった、横断歩道の表示など思い出し(→へんてこ話。)、ちょっと懐かしい気持になった。

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洋服や小物の、かわいい広告なので、まあいっかと放置している。

今朝出たのは、なにやら可愛げなマスコット人形だが、どうもヘンな感じだ。

円内に、ブタの横顔が見えないだろうか。上気した頬の表現が、ちょうどブタの鼻である。
こいつ、顔2つあるよね?

効果線を加えれば、もはや右顧左眄する白ブタにしか見えない。

(「双頭のパンダ」と命名)
子供の通学路にあった、横断歩道の表示など思い出し(→へんてこ話。)、ちょっと懐かしい気持になった。

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じゃーじゃー話。
出先でふと、自然の呼び声を感じ、お手洗に向かう。
時間の余裕はありそうだが、早めの対処にこしたことはない。なにしろ、本来の用件の前に、せねばならぬことがたくさんあるのだ。
もともと除菌だの消毒だのには、無頓着な私。
しかし、新型ウィルスの感染が拡大するにつれて、そうも言っておられなくなった。
個室に入ったら、ドアを閉める前に紙をちぎり、備付の便座除菌クリーナーをプッシュ。その紙でロックをつかみ、閉めながら周囲を拭く。
続いて荷物掛けのフックを拭いてバッグをかけ、便座も拭いて、ヤレヤレやっと腰を掛けられる。
ギリギリに駆け込んでいては、とてもこれだけの工程はこなせないのである。
今となっては、そこまでしなくていい気もするが、いったん身についた習慣はとれにくい。
ともかく一連の作業を終え、ホッと腰を下ろした私の目に、ハリガミが飛び込んでくる。

衛生への配慮が行き届いた施設らしい。
マジメな私は、もちろんハリガミの指示に従うべく、毅然として立ち上がったが
…ジャー…
ああーっ!
フタを閉める間もあらばこそ、センサーが働き、水は流れてしまった。
その後も時々このハリガミを見るが、私がトロいのか、センサーが早いのか、どうしても流れる前にフタを閉められない。
自動洗浄には連戦連敗である。
この状況、ハリガミの掲示者はわかっているのだろうか。

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時間の余裕はありそうだが、早めの対処にこしたことはない。なにしろ、本来の用件の前に、せねばならぬことがたくさんあるのだ。
もともと除菌だの消毒だのには、無頓着な私。
しかし、新型ウィルスの感染が拡大するにつれて、そうも言っておられなくなった。
個室に入ったら、ドアを閉める前に紙をちぎり、備付の便座除菌クリーナーをプッシュ。その紙でロックをつかみ、閉めながら周囲を拭く。
続いて荷物掛けのフックを拭いてバッグをかけ、便座も拭いて、ヤレヤレやっと腰を掛けられる。
ギリギリに駆け込んでいては、とてもこれだけの工程はこなせないのである。
今となっては、そこまでしなくていい気もするが、いったん身についた習慣はとれにくい。
ともかく一連の作業を終え、ホッと腰を下ろした私の目に、ハリガミが飛び込んでくる。

衛生への配慮が行き届いた施設らしい。
マジメな私は、もちろんハリガミの指示に従うべく、毅然として立ち上がったが
…ジャー…
ああーっ!
フタを閉める間もあらばこそ、センサーが働き、水は流れてしまった。
その後も時々このハリガミを見るが、私がトロいのか、センサーが早いのか、どうしても流れる前にフタを閉められない。
自動洗浄には連戦連敗である。
この状況、ハリガミの掲示者はわかっているのだろうか。

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ていれの話。
今朝のテレビの特集はハンドクリーム。
顔面はほったらかしの私だが、手のお手入れはマジメにやっている。
水仕事のあとのハンドクリームは欠かさないし、寒い日には爪に血色が戻るまでマッサージ。
おかげで手荒れはしないし、トシのわりには手はきれいではないかと思う。

(画像はイメージです)
しかし、20年ばかり前はそうではなかった。
転勤族の夫を持ち、仕方なく主婦になって、子供の世話と家事に明け暮れていたころ。
高校時代の友人が、集まろうよと声をかけてくれた。
親しかった数人が顔を合わせた中に、ヌマタ君もいた。頭髪はいささか減少したものの、お人よしのロバさんみたいな笑顔が懐かしい。
どうしてる?こうしてた。近況を交換するうち、ふとグラスを傾ける手に視線を感じたら
昔はきれいな手、してたのになァ…
目元を赤くしたヌマタ君が、ぽつりと言った。
アラそう、まあ家事に追われてるからね~、くらいに、その場は軽く返したが、帰り道、ひとりになってから、モーレツに腹が立ってきた。
17、8の若い時と比べたら、そりゃ当然だろ!
そういう自分だって ハ〇のくせに!
自分でも驚くほど激しい、胸の底が焼けるような怒りがこみあげると同時に、あらためて手を見て焦燥に駆られた。
翌日、朝食の食器を洗った後に、いつ買ったのかも忘れたハンドクリームを、丁寧に塗った。
それ以来ずっと、私の手はきれいである。
ヌマタ君とは、あれきり会わない。

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顔面はほったらかしの私だが、手のお手入れはマジメにやっている。
水仕事のあとのハンドクリームは欠かさないし、寒い日には爪に血色が戻るまでマッサージ。
おかげで手荒れはしないし、トシのわりには手はきれいではないかと思う。

(画像はイメージです)
しかし、20年ばかり前はそうではなかった。
転勤族の夫を持ち、仕方なく主婦になって、子供の世話と家事に明け暮れていたころ。
高校時代の友人が、集まろうよと声をかけてくれた。
親しかった数人が顔を合わせた中に、ヌマタ君もいた。頭髪はいささか減少したものの、お人よしのロバさんみたいな笑顔が懐かしい。
どうしてる?こうしてた。近況を交換するうち、ふとグラスを傾ける手に視線を感じたら
昔はきれいな手、してたのになァ…
目元を赤くしたヌマタ君が、ぽつりと言った。
アラそう、まあ家事に追われてるからね~、くらいに、その場は軽く返したが、帰り道、ひとりになってから、モーレツに腹が立ってきた。
17、8の若い時と比べたら、そりゃ当然だろ!
そういう自分だって ハ〇のくせに!
自分でも驚くほど激しい、胸の底が焼けるような怒りがこみあげると同時に、あらためて手を見て焦燥に駆られた。
翌日、朝食の食器を洗った後に、いつ買ったのかも忘れたハンドクリームを、丁寧に塗った。
それ以来ずっと、私の手はきれいである。
ヌマタ君とは、あれきり会わない。

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かのじょの話。
カタログショッピングの洋服に、高いだダサいだとケチをつけてみた(→かたろぐ話。)が、自分だってたいした買物してるわけではない。
今日は生協のお買得を、ネットで見ている。

お、暖かそうだし、安いな。

おお、これは裏地がフワフワなのか。
いちいち同じ人が3人出てくるのは、サイズ違いの商品だからだ。
スクロールすれば、お買得商品は続く。

おっ、色違いか。

黒もあるのね。
いちいち上着もポーズも変えて、ご苦労様だなと思いつつ、さらに見ていく。

…M …L …LL

…M …L …LL

…M …L …LL
ちっちゃい彼女が3人ずついるのがおかしくて、プププと含み笑いをしつつ眺めていたら

立ちっぱなしで疲れたのか、彼女もついに座ってしまった。

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今日は生協のお買得を、ネットで見ている。

お、暖かそうだし、安いな。

おお、これは裏地がフワフワなのか。
いちいち同じ人が3人出てくるのは、サイズ違いの商品だからだ。
スクロールすれば、お買得商品は続く。

おっ、色違いか。

黒もあるのね。
いちいち上着もポーズも変えて、ご苦労様だなと思いつつ、さらに見ていく。

…M …L …LL

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ちっちゃい彼女が3人ずついるのがおかしくて、プププと含み笑いをしつつ眺めていたら

立ちっぱなしで疲れたのか、彼女もついに座ってしまった。

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かたろぐ話。
郵便受に、見慣れない冊子が入っていた。差出人は、利用しているクレジットカードの会社。
宛名を確認して封を切ると

上質なスタイルを提案する
プレミアムカタログ
通販のカタログらしい。
パラパラとめくってみて、すぐに気づいたのが
高っけえ!
ジャケット13万、ワンピース8万、ハーフコート6万。
ウエストゴムのストレッチのズボンが3万。ポリエステルのパーカが2万。しまむらやユニクロではアリエナイ値段が並んでいる。
そして
ダッセえ!
とにかくあらゆるものが装飾でキラキラだ。
ジャケットには金のブレードのトリミング、コートにはお皿ほどのでかいボタン。セーターというセーターはすべて編込みとラメで飾られている。
無地禁止のお達しが回っているみたいだ。
なるほど、こういうので揃えると、例のおばあさんファッションになるんだ、と納得しつつ、ふと考えた。
カード会社からのダイレクトメールはときどき来るが、このカタログは今まで見たことがない。
通し番号から見て、昨日今日の創刊ではなさそうだ。ということは
年齢?アタシが対象年齢になったってこと?
同じカード会員でも、こんなカタログ、20代や30代に送っても無駄だろう。
なんだかガックリくるなあ。
もはやあきらめて、私もここから買物すべきなのだろうか、と再度パラパラめくってみたが
フラワー刺繍ウール混ラメニットアンサンブル 税込64,900円
ダッセえ、そんで高っけえ!

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宛名を確認して封を切ると

上質なスタイルを提案する
プレミアムカタログ
通販のカタログらしい。
パラパラとめくってみて、すぐに気づいたのが
高っけえ!
ジャケット13万、ワンピース8万、ハーフコート6万。
ウエストゴムのストレッチのズボンが3万。ポリエステルのパーカが2万。しまむらやユニクロではアリエナイ値段が並んでいる。
そして
ダッセえ!
とにかくあらゆるものが装飾でキラキラだ。
ジャケットには金のブレードのトリミング、コートにはお皿ほどのでかいボタン。セーターというセーターはすべて編込みとラメで飾られている。
無地禁止のお達しが回っているみたいだ。
なるほど、こういうので揃えると、例のおばあさんファッションになるんだ、と納得しつつ、ふと考えた。
カード会社からのダイレクトメールはときどき来るが、このカタログは今まで見たことがない。
通し番号から見て、昨日今日の創刊ではなさそうだ。ということは
年齢?アタシが対象年齢になったってこと?
同じカード会員でも、こんなカタログ、20代や30代に送っても無駄だろう。
なんだかガックリくるなあ。
もはやあきらめて、私もここから買物すべきなのだろうか、と再度パラパラめくってみたが
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がんがん話。
日曜の朝遅く起きて、テレビを点けたら、誰かが露天風呂に入り、名物料理を食べていた。
いっときに比べて旅行番組が増えた気がするのは、新型ウィルスの感染状況が、すこし落ち着いてきたせいだろう。
テレビで見栄えがするのは、やはりホテルよりも和風旅館である。

お湯から上がったら、浴衣がけでビールの杯を傾けながら、仲居さんが運ぶご馳走を待つ。
窓辺の籐椅子に火照った身体を休めれば、目には紅葉、聞こえるは谷川のせせらぎ。
これこそ旅情というものだ。
しかし、私はながらく、旅館を避けていた。
旅館も初日はいいのである。
温泉にゆっくり浸かり、お料理をいただき、パリパリするシーツをかけた、ふわふわすぎるフトンで眠るまでは。
翌朝、炊きたてのご飯に焼き魚、味付海苔の朝ごはんを前に、雲行きが怪しくなってくる。
…うー… アタマ痛い…
そう、頭痛がするのだ。
朝食会場ではこめかみを押さえる程度でも、だんだんひどくなり、ガンガンする頭を抱えてフトンに逆戻りすることになる。
せっかくの旅行が、後半は台無しだ。
この頭痛、不思議なことに、ホテルだと起こらない。
枕やベッドの問題なのか?理由は不明ながら、私はこの症状を旅館痛と名付け、観光旅行でも、なるたけホテルに泊まるようにしてきた。
ところがある時、どうしてもホテルが見つからず、純和風の旅館に泊まることになった。
あー またアタマ痛くなるのか…
頭痛薬を携え、向かった朝食。
ところが、あにはからんや、いっこうに頭痛は起こらないではないか。
ひとつ思い当たったことに、この宿の朝食会場、めずらしくドリンクバーがあった。
そう、コーヒーが飲めたのだ。
コーヒーが飲めないのが、旅館痛の原因だった。
以来、和風旅館に泊まるときは、バッグに缶コーヒーを1本しのばせるのが、私の習慣である。
おかーさん カフェイン中毒じゃないの
ムスメには言われる。

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いっときに比べて旅行番組が増えた気がするのは、新型ウィルスの感染状況が、すこし落ち着いてきたせいだろう。
テレビで見栄えがするのは、やはりホテルよりも和風旅館である。

お湯から上がったら、浴衣がけでビールの杯を傾けながら、仲居さんが運ぶご馳走を待つ。
窓辺の籐椅子に火照った身体を休めれば、目には紅葉、聞こえるは谷川のせせらぎ。
これこそ旅情というものだ。
しかし、私はながらく、旅館を避けていた。
旅館も初日はいいのである。
温泉にゆっくり浸かり、お料理をいただき、パリパリするシーツをかけた、ふわふわすぎるフトンで眠るまでは。
翌朝、炊きたてのご飯に焼き魚、味付海苔の朝ごはんを前に、雲行きが怪しくなってくる。
…うー… アタマ痛い…
そう、頭痛がするのだ。
朝食会場ではこめかみを押さえる程度でも、だんだんひどくなり、ガンガンする頭を抱えてフトンに逆戻りすることになる。
せっかくの旅行が、後半は台無しだ。
この頭痛、不思議なことに、ホテルだと起こらない。
枕やベッドの問題なのか?理由は不明ながら、私はこの症状を旅館痛と名付け、観光旅行でも、なるたけホテルに泊まるようにしてきた。
ところがある時、どうしてもホテルが見つからず、純和風の旅館に泊まることになった。
あー またアタマ痛くなるのか…
頭痛薬を携え、向かった朝食。
ところが、あにはからんや、いっこうに頭痛は起こらないではないか。
ひとつ思い当たったことに、この宿の朝食会場、めずらしくドリンクバーがあった。
そう、コーヒーが飲めたのだ。
コーヒーが飲めないのが、旅館痛の原因だった。
以来、和風旅館に泊まるときは、バッグに缶コーヒーを1本しのばせるのが、私の習慣である。
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